( ^ω^)は街で狩りをするようです
- 1 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:09:49.39 ID:TJ5LPjV20
-
________ 「う〜〜トイレトイレ」
\ /川‖‖| ‖| / 今トイレを求めて全力疾走している僕は
\ / ボストンのブーン系収録スタジオに通うごく一般的な男の子
│个 个 ヘ | 強いて違うところをあげるとすれば
│┌− )/ 主役に興味があるってとこかナー
ヽヽ 丿// 名前は道下ガイル
┼┬┼
/┴┴┴┴┴ ̄\
| │ ┤ \
| │ │\ \
| │ │ \ \
| │ /│ │ │
| │ / │ │ │
┌─ヽ 」 │ │
│ ├┴┴┴┴┤ 田田
│ │ ‖ ヽ / │
├-┤ / / LllLノ
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:10:14.72 ID:hcUbuLey0
- しええん
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:10:40.73 ID:HOecQ+muO
- ktkr
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:10:43.52 ID:TJ5LPjV20
- ;ヾ、,.、,、.、rツ ッッシ、:':' r':' _,、-'゙_, や 公 帰 そ
,、,、,ミッン、,._ _,、-'゙_,、-'゙. っ 園. り ん
、ィッ ,:、 ゙''ゞ=ミ、~.: _,、-'゙_,、-'゙ __, て の 道 な
}; ヾ ゙' {!li;:,. _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,::|_| 来 ト に わ
ゞァ''゙ぐ _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,、-''" .|_ た イ あ け
,ヘ:'_,、-'゙_,、-'゙..::「┴_,エ ┴ ''"_|_| の. レ る で
└i'゙-ニ,ニエ,.:|ニ「 _エ ┴ ''"_|_ だ に
|エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ __.|_|_
|エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ 「fj.||__|__| _|
|エ | ニエ, |[8] _エ ┴ └‐_|_|__l__,|⊥ |__
|エ | ニエ, |二 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
|エ | ニエ, |┴ _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__|
|エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
|エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__
-,-=''┷━━|┬ニエ ┬-- .|__|__| _|_|_
''ーニ_''ー::、_ ゙┷ 工_二'‐-、,_|_|__l__,|⊥ |__
二二二`''ーニ`_''ー-、_¨''━、L|__|__| _|_|_
二二二二二二二`''ーニ_''ー 、_ |⊥ |__
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:10:54.77 ID:TAtEJmguO
- きっかり明後日だな
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:11:12.69 ID:ozJ6/MTiO
- 夕方だったり深夜だったり時間マチマチだな、街狩りだけに
支援
- 7 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:11:33.37 ID:TJ5LPjV20
- ___ _ 座 ベ ふ
_,,.、、、、、.,,_ \ll || l|i l|li/ っ ン と
/.:::::::::::::::::::..`ヽ、 `l 'i 'i'`ln:} て チ 見
/ .:::::::::::::::::::::::::::::::. '、 l ゙ァ 人{ い に る
| :::::::::::::::::::::::::::::::::,ヘ{ツ `コfェエlユュ た 一 と
| ::::::::::::::::::::::::,ィゥ ノ j /;.;.ヽ ヽ, 人
|::::::::::::::::::::::( |.! ;{ l;.;.;.;.;.| i'、 の
.|::::::::::::::::::rリ`l,〉 j}゙ '!;.;.;.;.;| !;'!_ 若
}:::::::::::::::ノ゙ l / '!;.;.;.;.| 「 ||| い
,xァ''ー'゙'` '、 / ノ;.;.;.;..j |,,||| 男
/ ー`¨`''''ー-- 、」゙'′_ ..,;:';;'. ;:;:;:;.. /;.;.;.;/ __三」 ||| が
''^ーァ 、_____  ̄ / __/;.;.;/lニl-'┴┴厂
`>'、, '''"´ ̄ ̄_二ヽ、 ,';';'; / >'′ | | l`'Y'))i
/ / ヽ `ー' :;:;: ,|-' 'ー'ニノノ,.,:,:,:
,' , / ゙、""''''''-= :,,_ /| l: : :"''|'′,.,.,.,.
l / __ ! / :| l: : : :.|
l, l く,_ 、 | /_:::| l: : : :|
''''ー--_ 、、,,,_リ `ヽ、ヽ, ,!
道下ガイル「――――――ウホッ!いい男・・・!
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:11:40.79 ID:649QRdKgO
- え?まじ?
- 9 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:12:13.96 ID:TJ5LPjV20
- そう思ってると
突然その男は僕の見ている目の前で
ツナギのホックを
はずしはじめたのだ・・・!
, '´  ̄ ̄ ` 、
i r-ー-┬-‐、i
ジジ――| |,,_ _,{|――……
N| "゚'` {"゚`lリ
ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、
〃 i, ,. -‐
r' ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈 /
! :l ,リ|} |. } / .や
. {. | ′ | } l
レ-、{∠ニ'==ァ 、==ニゞ< | ら
!∩|.}. '"旬゙` ./''旬 ` f^| |
l(( ゙′` ̄'" f::` ̄ |l.| | な
. ヽ.ヽ {:. lリ |
. }.iーi ^ r' ,' ノ い
!| ヽ. ー===- / ⌒ヽ
. /} \ ー‐ ,イ l か
__/ ‖ . ヽ、_!__/:::|\ ヽ
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:12:44.55 ID:bHFzJGRWO
- 来たと思ったらいきなり吹いたwwwwwしねwwwwwwwwww
- 11 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:13:08.91 ID:TJ5LPjV20
- _,,._,,,_,, ,_.._..,,,_ 、 , ._.,,__,.,_
`! i' , ,i",r' ",-'"=ミ
! ! l! i! !_ i_/_<'"``
! ヽ ! l! i! !_ i_/_<'"
-‐7" ヾー---┐|_./
 ̄ ./゙ニ,ニF、'' l _ヽ
:: ,.,. |ヽ 」9L.` K }.|
l' """ l ) / ( ^ω^)は街で狩りをするようです 第21話 投下します
h、,.ヘ. レ'/ まとめはこちら 内藤エスカルゴさん
レ′ http://www.geocities.jp/local_boon/
r.二二.) /
≡≡ ,イ
. / !
\ / ├、
::::::` ̄´ / !ハ.
ガイル「とりあえず貰った台本どおりに動いてみたけど」
ガイル「何だこれは」
( ^ω^)「ガイル系ksms小説、タイトルは“そにっくテクニック”」
ガイル「ふざけんな。そんな物ここで撮るんじゃねえ」
阿部「まぁいいじゃないか。力を抜けよ」
ガイル「何だおま……う、うわあああああああ!! だ、誰か! 誰か助けッ――」
- 12 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:14:23.55 ID:TJ5LPjV20
- 登場人物一覧
――― チーム・ディレイク ―――
( ^ω^)B00N-D1:通称ブーン。本名ホライゾン・ナイトウ。年齢20歳。戦闘員。
セカンドに対する強い免疫を持つサイボーグ「システム・ディレイク」。
セカンド化したアニーを殺害しようとしたが、偶然的にシーケルトを
殺してしまった。その結果、怒りと絶望に狂った「セカンド・ギコ」を生み出してしまう。
人間の心を持つギコを殺す事を最後まで躊躇したまま、スネークのバイクでボストンを脱出した。
ξ゚听)ξツン・ディレイク:年齢19歳。チームリーダー。
ブーンを強化人間に改造した弱冠19歳の天才科学少女。
過去セカンドに襲われ両腕を失い、義手を着用。貧乳。嫌煙家。
父親サイボーグ技術の権威であるフィレンクト・ディレイクを父に持つ。
チーム・アルドリッチにボストン救助作戦の協力を得る。
('A`)ドクオ・アーランドソン:年齢21歳。武器開発担当。
豊富なアイディアで強力な武器や乗り物を開発し、ブーンの戦闘をサポートする。
ツンをからかうお調子者の変態。空気を読まない。
ショボン、阿部と共に、「クー・ルーレイロ」なる人物とクローンシステムの真相を暴こうと企む。
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:14:56.83 ID:88eNvsnZO
- 好物です
支援
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:15:55.06 ID:bHFzJGRWO
- そにっくテクニックwwwww
- 15 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:16:11.54 ID:TJ5LPjV20
- ――― ボストンの人々 ―――
( ><)ビロード・ハリス:9歳。
アニー達と地下研究区域で生活してきた孤児。
過去、セカンド蠢くボストンにて、スネークによって助けられる。
ブーンとは異なる強力な免疫細胞を持っており、ウィルス感染予防などに役立たれている。
ブーンと共に、ボストンを脱出した。
ソリッド・スネーク:本名デイビッド。年齢不明。通称スネーク、オッサン。
ソリッド・スネークとは、アメリカが他国への抑止力として作り出した核兵器である。
体内に埋め込まれた核爆弾を起爆させ、ギコと共に世を去った。
トレードマークであるバンダナと共に、自分の意思をブーンに託した。
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:16:37.02 ID:Kiqa42Cm0
- 釣りと思ったじゃねえかwww
支援
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:17:35.63 ID:cQmS2H+MO
- 支援するよ
- 18 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:17:59.44 ID:TJ5LPjV20
- 第21話「インタールード ―迷える者達―」
闇夜に浮かぶ三日月。
遥か彼方宇宙から届く微かな光だけが、街を照らす頃。
ブーンとビロードを乗せたバトルスーツは、ようやくニューヨークに到着した。
帰路を走っている間、武骨なバトルスーツが発する騒音を聞きつけたセカンド達が、
手も届きもしないというのに空を行く機械を追っていた。
そのまま『セントラル』まで尾行される心配があったが、それは杞憂に終わった。
セカンドとはいえど――勿論、種類にもよるが――バトルスーツの飛行速度には敵わなかったらしい。
ガイル「管制塔応答せよ。こちらチーム・アルドリッチ所属ガイルだ。
急いで入れてくれ。ケガ人がいる」
『アッパーウェスト96番ストリートのハッチをオープンした。我が家におかえり!』
ガイル「確認した。ただいま『セントラル』!」
マンハッタンは『セントラルパーク』を中心に、
「アッパーウェスト」と「アッパーイースト」の2つの通りに大きく区分されている。
バトルスーツは『セントラル』の深い森の上を横切り、指定されたストリートの上空へ。
『セントラル』は「アッパーイースト」を出口、「アッパーウェスト」を入り口に改造しているのだ。
ストリートの随所に設けられているハッチは、バトルスーツ等の戦闘兵器のドッグへ直結している他、
万が一『セントラル』市内にセカンドが発生した場合などを考慮し、市民の緊急退路をも担っている。
もっとも、『セントラル』を出たところで、そこから逃げる先はまだ用意されていないのだが。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:18:46.50 ID:bHFzJGRWO
- 支援だぜ!
- 20 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:19:09.16 ID:TJ5LPjV20
- 現在のマンハッタン島は、数年前と比べてかなり穏やかだ。
B00N-D1やバトルスーツ隊を始めとする戦闘員による「掃討」のおかげで、
腹を空かせたセカンドの泣き声一つとて聞こえない静けさを保っている。
しかしながらニューヨークは広大な大都市である。
何処かの廃墟で、セカンドが雨風を凌いでいるかもしれない。
現に、クイーンズ区において多くのセカンドが発見された他、
ニューヨーク市内にて醜き“Gネズミ”がつい先日に発見されたのだ。
ガイル「セカンドの反応は依然無し……よし、降りるぞ」
近辺の州にて多くのセカンドが存在している報告も、多々ある。
近日ではB00N-D1の調査により、ワシントン方面でのセカンド発見が報告されている。
故に、ニューヨークがいくら穏やかだといえど、『セントラル』に帰還する際は、油断は禁物。
我等が秘密の隠れ家を“奴等”に悟られる事だけは、あってはならないのだ。
バトルスーツが、開いたハッチの中へ降りてゆく。
開かれたハッチの先は、トンネルのような構造を持つ“シャフト”が続いていた。
(*><)「す、凄いんです!!」
バトルスーツのライトが照らした、シャフトの機械的な構築美に、ビロードは感嘆の声を漏らした。
斜め下方向――セントラルパークの中心に向って続くシャフトを、バトルスーツはゆっくり降りてゆく。
ガイル「ハハッ、この先はもっと凄いぞ。
いよいよ俺達の秘密基地、『セントラル』が見えてくる」
(*><)「秘密基地……ですか!」
ガイル「ああ。そろそろだ……見えるぞ!」
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:20:49.97 ID:uJPCL0T+0
- 支援
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:21:08.66 ID:nOabUYAVO
- 明日仕事だけど支援
- 23 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:22:18.97 ID:TJ5LPjV20
-
(*><)「わあっ……!」
まっ平らな銀色の壁が途切れ、シャフトがガラス張りの姿に変わると同時、広大な景色が現れた。
ガラス越しに見えるのは、『セントラル』第3階層の研究区画。
薄暗い中に聳える高層の建造物の群、その間を巡る空中道路。
道路にはアクセサーと呼ばれる乗り物が、赤と黄の光を放ちながら走っている。
いつしかビロードも見た事がある、街の“夜景”そのものだ。
ガイル「どうだい? シャフトから見下ろす街並みは良いだろう?
あの真ん中のエレベータからじゃ、全体像は見れないんだ。
そうそう、今は天井や外壁の照明を落としてるけど、昼間になりゃ明るくなるんだぜ」
ガイル「っと……ブーン、大丈夫か?」
帰路に着いてからずっと沈黙し続けているブーンに、ガイルが声を掛けた。
我が家に帰ってきたというのに声一つ無いブーンが、心配だった。
( ω゚)「……」
ブーンは何も返さず、じっと街を見下ろしている。
そんなブーンの様子に、ガイルは怪訝な顔を浮かべた。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:24:30.65 ID:GpL8WebBP
- しえん
- 25 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:24:37.66 ID:TJ5LPjV20
-
( ω゚)(帰りたくないお……皆に会いたくないお……)
ラボに帰れば、頭の中を、メモリを見られてしまう。
シーケルトを殺した鮮明な記録を、ツンやドクオに見られてしまう。
ギコを、スネークを死なせてしまった経緯……その全てを見られてしまう。
――嫌だ、修理を受けたくない。
あんな記録を見られれば、以前のようにドクオ達と笑いながら馬鹿をする事も、きっと出来なくなる。
もしかすると、汚い物でも見るような目を向けられるかもしれない。
コクピット内に電子音が嘶く。
ガイルが手元のコンソールをタッチして応答すると、
メインモニターの左右を挟むサブモニターにツン達の顔が映し出された。
ξ;゚听)ξ『ブーン……アンタが圏内に入ってから
状況は確認してるけど、実際に見ると酷いわね……』
从;゚∀从『ブーン、大丈夫かぁー!? そこのちっこいのも無事か!?』
(; ω゚)(ツン、ドクオ……ハインさんとジョルジュ隊長も……)
モニター越しに、彼等がブーンを見ている。
ブーンは顔を隠したい気持ちに駆られるが、しかし両手を失っている事に気づく。
慌てて項垂れ、前髪を顎まで垂らして隠した。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:26:38.34 ID:bHFzJGRWO
- ビロードがかわええ
支援
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:26:56.72 ID:uJPCL0T+0
- 支援
- 28 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:27:04.01 ID:TJ5LPjV20
-
(;'A`)『ようブーン。まさか、ここまでボロボロになって帰ってくるなんてなぁ……。
ガイルさん、今何番のシャフト通ってるんだ?』
ガイル「4番だ。ウチの格納庫は4番だからな」
ξ;゚听)ξ『分かった! すぐに行くわ!』
プツン、とモニターが切り替わる。
シャフト近くに建っているビルの壁面を撫でるように映しているようだ。
ドッグを有する第3階層に近づいている、という事だ。
( ω゚)「…………」
頼む、ガイルさん。操縦桿を上げてくれ。
格納庫に行きたくない。ツンやドクオに会いたくない。
だが、「ツン達に会いたくない、操縦桿を上げろ」なんて言えるはずもない。
そんなブーンの想いなど知る由も無く、ガイルは機体を降下させていった。
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:28:44.78 ID:Kiqa42Cm0
- 支援支援
- 30 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:29:32.49 ID:TJ5LPjV20
-
(;><)「うー……肩が痛み始めて来たんです……」
ビロードが右肩に手を当てて蹲る。
鎮痛剤が切れ始め、鈍化していた激痛がぶり返してきたようだ。
( ω゚)(……腕があったとしても、操縦桿を奪うなんてできないお)
痛みに震えるビロードを見て、ブーンはそう思った。
腕さえあればバトルスーツを奪おうと考えた自分に、酷い嫌悪感を感じて。
・
・
・
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:31:36.26 ID:bHFzJGRWO
- ブーンがなんか怖いぜ……しえん
- 32 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:31:48.54 ID:TJ5LPjV20
- ※
長いシャフトを下り、バトルスーツは第3階層に位置する4番ドッグに辿り着く。
グリーンライトを振って回す作業員の指示に従い、
バトルスーツは停止中の運搬コンベアに慎重に着地した。
すると天井が開き、そこから2本のアームが伸びてバトルスーツの両肩を掴んで固定した。
コンベアの両壁面からも同様のアームが伸び、両足首を掴んで固定する。
ゴウンと重い響きを伴って、運搬コンベアが回転を始めた。
後は自動的に、然るべき場所――格納庫に送られる仕組みになっている。
他のラボや議会が所有する乗り物の類も、大体はこのようにして収容されるのだ。
そうしてドッグを抜け、4番格納庫へ到達すると同時にコンベアのアームが解除された。
ガイルはゆっくりとレバーを操作してバトルスーツをコンベアから降ろし、
広々とした格納庫を悠々と歩行し、チーム・アルドリッチのスペースへ向う。
格納庫の3階通路に、慌しく走るツン達の姿が見えている。
全員が白い防護服を着ている――ジョルジュの拘束衣“IRON MAIDEN”の黒色は無い。
ハインリッヒが先頭を行き、ガイル機の格納位置を目指しているようだ。
(; ω゚)(皆……)
モニターに拡大表示されたツン達を見て、
ブーンはますます後ろめたい気持ちが増長されるのを感じた。
いつもなら帰ってきた時に感じる安堵も、今は微かにも沸いてこない。
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:31:48.88 ID:TkXr9ZLQO
- 寝るけど支援
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:33:10.96 ID:YvMquOHp0
- うほっ
支援
- 35 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:33:57.91 ID:TJ5LPjV20
- 「空き」だらけのチーム・アルドリッチの格納スペース。
今現在所有しているのは、ガイル機を含めて2機だけである。
バトルスーツは「03」と番号を書かれた場所の前まで歩くと、最後は後ろ歩きでそこに収まった。
それに一歩遅れ、バトルスーツの胸部と同じ高さにある通路に、ツン達が到着する。
医療機器を備えた担架を2台、牽いている。
ガイル「お待たせした。着いたぜ」
メインモニターとサブモニターがブラックアウトする。
それと同時に、光を放っていた機器がその明かりを落とし、コクピットが暗転。
直後、メインモニターとサブモニターが3方に開き、外が現れた。
コクピットの前には通路と、通路の先にエレベータがある。
エレベータの扉が開き、中からツン達が出てきた。
ツンとドクオ、ハインリッヒ、それからチーム・ディレイクのスタッフが数名だ。
ガイル「歩けるか? ブーン」
( ω゚)「……はい……」
ガイル「ビロード、緊張しなくていいんだ。皆、俺達の仲間だ」
(;><)「は、はいなんです」
チーム・アルドリッチのスタッフが、コクピットに「渡り」を着けた。
「渡り」は空港で見られたような階段に少し似ている。
ガイルとビロードが先にコクピットから出、「渡り」を歩いて通路に降りた。
- 36 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:36:00.43 ID:TJ5LPjV20
-
ξ゚听)ξ「君がビロード君ね? もう大丈夫よ、安心して」
担架を弄りながら、ツンが言った。
ビロードはガイルの影に隠れて、初見のツン達を窺っている。
('A`)「よーいしょっと!」
(;><)「わわわわっ!」
忍び寄っていたドクオが、ビロードの足を持ち上げて抱きかかえ、担架に乗せた。
担架に備え付けられている幾つかあるボタンの一つを押すと、
ビロードの足元から半透明のカバーが現れ、彼を密閉した。
衣服に付着したウィルスを懸念した処置である。
(;><)「何ですか、これ? 貴方は誰ですか?」
('A`)「俺はブーンの仲間の頼れるお兄さん、ドックンだ。よろしくな。
このカバーはな、身体に付いてるかもしれないウィルスをバラ撒かないようにしてるんだ。
鬱陶しいと思うけど我慢してくれ。すぐにカバーは取るからよ」
ドクオがカバーを軽く小突いて言った。
ξ゚听)ξ「じゃあ、彼を先にラボに連れて行って。
全身を洗浄した後、すぐに傷の手当てを」
数名のスタッフが頷いて了解の意を示し、すぐに行動に移る。
ビロードを乗せた担架は、チーム・ディレイクのスタッフに運ばれていった。
キャタピラのような担架の足回りが階段の段差に食い込み、昇ってゆく。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:36:34.55 ID:bHFzJGRWO
- しえん
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:38:09.74 ID:cQmS2H+MO
- 支援
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:38:43.33 ID:Kiqa42Cm0
- 支援
- 40 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:39:03.51 ID:TJ5LPjV20
-
从 ゚∀从「ブーンが出て来ねーぞ?」
ビロードの担架を見送った後、ハインリッヒがふと呟いた。
その場にいる者の視線が一斉にコクピットへ注がれる。
暫く無言で彼の登場を待ってみたが、一向に降りてくる気配が無い。
痺れを切らしたツンが、「渡り」を歩いていった。
コクピットの入り口に手を掛け、照明が落とされた暗い空間に声を投げる。
ξ゚听)ξ「歩けないなら手を貸すわよ?」
暗いコクピットの中に、ブーンが蹲っているシルエットがあった。
髪が顔に垂れて、完全に表情を隠しているようである。
( ω )「…………」
ξ゚听)ξ「どうしたのよ?」
ツンが疑問系で呼びかけるが、ブーンはツンを見ようとしなかった。
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:41:11.27 ID:YvMquOHp0
- しえn
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:41:19.48 ID:uJPCL0T+0
- (=゚ω゚)ノ
- 43 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:42:03.99 ID:TJ5LPjV20
-
ξ;゚听)ξ「か、顔を上げなさいよ。それともまさか、全然動けないの?」
心配になったツンがコクピット内に足を入れた。
カツン、という踵の音が空間に響き、
(; ω )「うう!」
まるで返事とは言えない、怯えのような小さな唸りと、体を引き摺る音がツンに返された。
黒いシルエットは両足を強く床に押し付け、逃げるように後ずさる。
しかし、逃げる事は叶わず、コクピットの固い壁に背を着いた音だけが虚しく響いた。
(; ω )「はぁ、はぁ、はぁ」
逃げ場を失ったブーンは、ひたすらに荒い息を上げ続ける。
明らかな彼の異常に、ツンは怪訝と不安が混ざり合ったような感覚を覚えた。
ツンの顔には、ますます濃さを増した疑問が刻まれている。
(; ω )『……放っておいてくれお』
ツンの携帯端末からブーンの声が発せられた。
「ハァ?」と、疑問が再び返される。
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:43:48.62 ID:GpL8WebBP
- 支援
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:44:01.14 ID:Kiqa42Cm0
- エスカルゴ作品大好きだ支援
- 46 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:44:39.11 ID:TJ5LPjV20
-
(; ω )『頼むお……修理を受けたくないんだお。
修理を受ければツンやドクオは記録を見るお。それが嫌なんだお』
荒い息遣いはそのままに、ブーンは無声通信で続ける。
ξ;゚听)ξ「記録? ボストンで一体何があったの?」
(; ω )『知れば君達はきっと僕を軽蔑するお。
だから何も言わないし、修理を受けるつもりはないお』
ξ゚听)ξ「…………」
ツンは、眉間の辺りに指をあてて押し黙った。
重たい沈黙が2人の間を埋めた。
しばらくして、外から「何やってんだ? 大丈夫かブーン?」というドクオの声が
聞こえたのを切欠に、ツンが切り出す。
ξ゚听)ξ「……修理を受けなさい。このままじゃアンタ、死ぬわよ?
それほど深刻なダメージを負っているの分かってるでしょ?」
(; ω゚)『嫌だお。修理は受けないお。
調査記録は君が確認したのちに、議会に提出する義務があるお。
強制的に僕が録画した記録をそのまま見るんだお?』
間髪入れずに返答。
携帯端末のスピーカーから自分の声が流れている間、
ブーンは背もたれを使って立ち上がる。
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:44:43.58 ID:YvMquOHp0
- しえん
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:45:39.18 ID:bHFzJGRWO
- 最近エスカルゴ投下多くて嬉しい
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:46:26.96 ID:M3B8NoOBO
- 僕は死にま支援
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:46:57.23 ID:uZP40S2qO
-
- 51 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:47:28.68 ID:TJ5LPjV20
-
(; ω゚)『義務の厳守を怠れば、僕らは“外出”を始めとする権利を剥奪されるお」
ξ゚听)ξ「その通りね」
刺々しい声で、ツンが相槌を打った。
(; ω゚)『ツンが生きる理由は、フィレンクトさんとデレさんの敵討ちだお。
その為には僕が、ラボが、色んな権利が必要だお』
ξ#゚听)ξ「アンタがシステム・ディレイク化したのも、アタシと同じ理由じゃなくて?」
携帯端末から鳴る返答は無い。
代わりに、ブーンの口から言葉に詰まる唸りが小さく出ていた。
(; ω゚)「……僕、は……」
ビロードや皆を守りたいという気持ちは変わらない。
だが、修理を受ければ自分は人殺しだという事がツン達に知られるのだ。
ブーンは、彼女達と過ごしてきた『セントラル』での日々を、失いたくないのだ。
(; ω゚)『そこをどけお!』
しかし、自分の口から「僕は人殺しです」と言えるはずもなく。
もはや逃げ場も無ければ言い逃れも叶わぬブーンは、強行手段に出る。
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:47:33.73 ID:LVChzqLZO
- 支援する
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:48:00.34 ID:Kiqa42Cm0
- >>49
脳内再生されるからやめろww
支援
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:49:15.05 ID:uJPCL0T+0
- 支援
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:49:39.36 ID:bHFzJGRWO
- しえん
- 56 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:50:39.90 ID:TJ5LPjV20
-
ξ#゚听)ξ「嫌よ。っていうかアンタねえ、
その身体で無茶しようってんなら止めておきなさい」
ツンは屈せず、コクピット出入り口から退こうとしなかった。
元々釣り上がっているキツネ目が、怒りで更に鋭くなっている。
常日頃から温和とは程遠いツンであるが、今は間違いなく「怒っている」と分かる。
ツンの圧迫的な視線に耐え切れず、ブーンは床を蹴り、飛び出した。
体当たりでもするのだろうかとツンは身構えるが、
ブーンはバランスを崩してツンの足元に倒れこんでしまう。
ξ゚听)ξ「ほら、言わんこっちゃない」
ツンは、痛々しく呻いているブーンを見下ろして、冷たくそう言った。
ブーンは両足を上手く使って仰向けになり、
(; ω゚)『た、頼むおツン! 記録を絶対に見るなお!
見たら絶対に許さないお!! 他の誰かにも見せるなお!!』
残っている目をツンの冷たい目を合わせ、そう乞った。
しかし、ツンは沈黙する。
ブーンの残っている目をじっと見つめ、考えているようだ。
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:51:07.13 ID:YvMquOHp0
- しえんぬ
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:51:53.60 ID:Kiqa42Cm0
- 支援
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:52:07.18 ID:bHFzJGRWO
- ツンこわいお支援
- 60 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:53:27.72 ID:TJ5LPjV20
-
ξ゚听)ξ「断るわ」
冷たくそう言い放つツン。
ブーンはギリリと歯を摩り合わせて苛立った。
どうして僕の頼みを聞こうとしないのだ、ツン。
(; ω゚)『友人として君に頼んでいるんだお!
お願いだお、ツン。記録を見れば、きっと僕達は以前のような関係を失ってしまうお』
そう、これは『セントラル』の一ラボに属する一戦闘員として頼んでいるのではない。
十数年を共に過ごして来た幼馴染、理解ある友人として頼んでいるのだ。
議会への義務が何だというのだ! 無二の友人である僕を第一に尊重すべきだろう!?
ξ )ξ「……ふざけないで! アンタとアタシは誓ったじゃないの……!
何が何でも、“奴等”を殺すんだって!」
(; ω゚)「ツ……ン……?」
ξ゚听)ξ「……義務なんて本当はどうでもいいの。見られたくないなら、見なくてもいい。
ただね、アタシは何があってもアンタの事を信じている。
だから安心して修理を受けなさい……いいわね?」
(; ω゚)『何を――』
ツンは、身動きの取れないブーンの頭に目掛けて、文字通り鉄拳を振り下ろした。
拳が脳天に直撃すると、ブーンは糸を切られた人形のように、完全に静まった。
ツンの拳は、ブーンのシステムを強制終了させる機構を備えているのだ。
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:54:29.69 ID:LVChzqLZO
- なんつー拳だ
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:54:33.68 ID:X+JXSrdf0
- エロゲしてる時の記憶を見られるみたいな感じか
- 63 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:57:37.51 ID:TJ5LPjV20
-
ξ゚听)ξ「誰か! ちょっと上がって来て!
手を貸して頂戴! 重くて一人じゃ運べないわ!」
ツンはコクピットから顔だけ現し、通路にいるドクオ達を呼びかけた。
('A`)「了解。っつか、何してたんだよ?」
ξ゚听)ξ「駄々こねてたのよ、修理受けたくないって」
(;'A`)「はぁ? どうして?」从;゚∀从
ドクオと、ドクオの後ろに続くハインリッヒが素っ頓狂な声を同時に出した。
修理を受けたくない理由なんてあるのかと、通常考えられない。
ましてや今回は未曾有の故障と重傷である。ブーンの発言はあまりにも不可解なのである。
ξ゚听)ξ「さあ……ブーンの記録を見れば分かるかもね……。
それより、今は修理と手術を急ぎましょう。
危険な状態なのに駄々こねるもんだから、強制終了させちゃったわ」
('A`)「相変わらず良く効く麻酔だなぁ」
ブーンは目と口を開けているが、微動だにする気配が無い。
寝ているというよりは停止しているブーンを見て、ドクオはそう呟いた。
('A`)(どんなセカンドにも負けないブーンも、ツンには敵わないか)
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:57:47.95 ID:Kiqa42Cm0
- しえしえ
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:57:55.26 ID:LVChzqLZO
- オナニーの記憶的なものか
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:58:29.58 ID:YvMquOHp0
- イイヨイイヨー
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:58:30.20 ID:To9jEjlnO
- おかえり、我が家へってマトリックスかなんかで同じような場面あったようななかったような
というのを思い出した
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:58:36.12 ID:hdYcgzrKO
- 強制終了の機構って比喩じゃなくなのか
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 00:59:06.51 ID:bHFzJGRWO
- 支援
記憶見られるとかやだな
- 70 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 00:59:07.28 ID:TJ5LPjV20
- ※
チーム・ディレイクのラボラトリーに戻り、早速ツン達は修理の準備を始めた。
準備といっても、常備している装置や器具の電源を入れたり、少し移動させるだけであるが。
ξ゚听)ξ「ビロード君……だっけ。彼の様子はどう?」
タッチパネルを弄りながら、ツンは近くにいたスタッフに尋ねた。
声を掛けられた女性スタッフは、ビロードに付き添っていた者の一人である。
「あまり適切な応急処置を受けておらず、傷口付近の多くの細胞が死滅していました。
ここでも治療は可能ですが、ブーンの大掛かりな修理と手術を考え、
ビロード君は病院の方へ搬送させました」
ξ゚听)ξ「そう、分かった。助かるわ」
ξ゚听)ξ「さて、ドクオ」
ツンは、ブーンの手術台近くのパネルを叩きながら、声を掛けた。
「ほい来た」と、ドクオは修理の準備を進めつつ返す。
ξ゚听)ξ「ボストンでの戦闘記録をモニターに出して」
準備を進めているドクオの手が、一瞬止まる。
- 71 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:00:36.09 ID:TJ5LPjV20
-
('A`)「……本当にいいのか? 見られたくない、って言ってたんだろ?」
ブーンの後頭部に入出力端子を差し込みつつも、ドクオはツンに確認した。
ツンは眉間に中指をあてる。ツンが思考する際の癖だ。
ξ゚听)ξ「アタシも見るのが何だか怖いわ。
記録を見られたくないだなんて、初めてだもの」
('A`)「あー……排泄や自慰行為を見ちゃってるのは俺だけだしなぁ。
すると、やっぱり調査や戦闘の記録に何かある、って訳か」
調査記録を閲覧する際、まずドクオが内容を確認しているのだ。
これは、女性スタッフに対する配慮なのである。
記録をただ流してしまえば、ブーンにとって見られたくない映像が山ほど映るからだ。
('A`)「確か、ボストンでの生き残りは5人だったか?」
アニー、シーケルト、ビロード、スネーク、ギコ、とドクオは指を折って数えた。
( ゚∀゚)「セカンドであるオットー・サスガを含めれば6人だ」
从 ゚∀从「ジョルジュ……」
ツン達3人とは少し距離を置いた所に、ジョルジュはいた。
拘束衣IRON MAIDENのフェイスカバー越しに見える表情は芳しい。
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:01:59.52 ID:bHFzJGRWO
- 支援
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:02:06.36 ID:LVChzqLZO
- 記憶だだもれか
- 74 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:02:42.02 ID:TJ5LPjV20
-
( ゚∀゚)「別に同じ感染者として特別な感情がある訳じゃないさ。
ただ、オットー・サスガが原因じゃないのか、と考えただけだ」
ジョルジュの推論に、3人は溜息を吐いた。
納得できる推論であるからだ。
ξ゚听)ξ「オットー・サスガ……ブーンのレポートにあった感染者ね。
そしてビロード君以外は『セントラル』に来れず、
当のブーンは瀕死の重傷、か……」
ガイル「……俺が到着した時には街から放射能が検知されたんだ。
核と思わしき爆発も確認した。
ブーンとビロードはBLACK DOGじゃないバイクに乗っていたし……」
ガイルが、恐る恐る発言した。
(;'A`)「核だって!? 何でそんなもんがボストンにあんだよ!?」
ガイル「知るかよ! でも、確かにありゃ核だった!
目を疑ったぜ……あんなもん、夢でも見たくねえのに……」
場が、凍りつくように沈黙した。
頑なに記録を閲覧すると言っていたツンですら、今では躊躇する事を覚え始めている。
一体、ボストンで何があったのだろうか?
とにかく凄まじい記録であるのは間違いないと、その場の全員の脳裏に予感が植えられた。
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:04:44.03 ID:M3B8NoOBO
- 支援
- 76 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:05:19.63 ID:TJ5LPjV20
-
从;゚∀从「……なぁ、見るのか?」
全員の心情を代弁するかのような、ハインリッヒの一言。
だいぶ間を置いてから、ドクオが返した。
(;'A`)「……見るさ。セカンドとの戦いを見て、アップグレードの余地を発見する。
それが俺達スタッフの仕事でもある」
ξ゚听)ξ「セカンドの特性をより詳しく学ぶのも目的よ。
何か新たな発見があるかもしれない。『セントラル』の保安に繋がるわ」
ガイル「核に学ぶもクソもあるか! あんなもんは存在しちゃいけねえんだ!」
( ゚∀゚)「ガイル、今は核爆弾の事は置いておこうぜ」
ジョルジュが、ガイルの喚きを遮った。
ガイルは小さく「すまない」と呟き、押し黙った。
( ゚∀゚)「セカンドの特性なんかも二の次だ。
今、一番悩んでるのはB00N-D1だろう?
そんなアイツの力になってやるのが、お前らの一番の仕事じゃねえのか?」
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:06:53.02 ID:GpL8WebBP
- し
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:07:13.79 ID:YvMquOHp0
- え
- 79 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:07:28.05 ID:TJ5LPjV20
-
从 ゚∀从「その通りだな」
ポツリと、ハインリッヒが声を漏らす。
チーム・ディレイクの面々も、同意を示す溜息を各々吐いた。
その中に一つ衝撃音。ドクオが壁に拳を叩き付けたのだ。
( A )「あぁ、クソ! よりによって最大のライバルに助言されちまったぜ。
俺はアイツの一番の友人のつもりだったのによ……クソッタレ……」
ξ;゚听)ξ「ドクオ……アンタそれ、本気で言ってたら最低よ?」
冷ややかな視線を注いでツンは言った。
スタッフとして友人として、当然するべき事を気づかされるなんて有り得ないと、ツンは思ったのだ。
(;'A`)「う、うう嘘に決まってんだろ!? 疑ってんじゃねーよ! まな板巻きグソ!
どっかのピザの方がまだ揉める胸があるわ!」
慌ててドクオは取り繕う。
ξ゚听)ξ「本気か冗談かなんてどうでもいいわよ。
気づければそれでいいわ。それよりアンタ、今の失言で給料10%カットね」
ドクオは、ブーンに教えてもらった日本の礼法“土下座”を決め込む。
額を床に擦りつけ、泣き叫んで謝った。
これで給料が30%カットされる事になるから、ドクオは必死なのだ。
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:09:08.85 ID:bHFzJGRWO
- ジョルジュ変わったな
- 81 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:09:15.24 ID:TJ5LPjV20
-
ξ゚ー゚)ξ「……ねえ、ジョルジュさん。
貴方、何だかんだブーンの事を考えてくれてるわよね。
アタシ知ってますよー? この前もブーンが旅立つ時に――」
(#゚∀゚)「早く再生しろ抉れ」
ジョルジュが大声を出して、ツンの言葉を掻き消した。
从 ゚∀从「えwwwwぐwwwwwれwwwwwwwwwwww」
ジョルジュの暴言が、ハインリッヒの笑いを誘ったようだ。
少し久しいハインリッヒの高笑いが、ラボに響いた。
ξ#゚听)ξ「え、抉れですって!? これでも80あるのに! Bカップあるもん!!」
('A`)+「正確には79センチだ……俺の目は誤魔化せないぜ、ツンちゃん」
ξ#゚听)ξ「ドックン、給料戻したくないみたいね?」
(;A;)「DOGEZA! 何度だってDOGEZAするよ! だから許して!」
ガイル「早く再生しろ!」(゚∀゚#)
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:10:39.77 ID:ozJ6/MTiO
- 抉れw支援
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:11:02.49 ID:bHFzJGRWO
- ドクオwwwww
- 84 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:11:52.68 ID:TJ5LPjV20
- ※
一枚のガラスを除き、純白の壁が四方を囲む部屋にて。
中心にある手術台にブーンは横たわっており、その周りを機器が埋めていた。
一同は、ブーンとはガラスで隔たれた部屋で作業している。
【 「このやろっ! 喰らえお――ッ!」 】
ガラスの一部に投影されたモニターに、鮮明な映像と音声が再生されている。
記録の再生は、暗い倉庫にてスネークと思われるサイボーグと共に戦う場面から流し始めた。
この戦闘記録はレポートされていない、初見の物だ。
('A`)「このムカデ、凄い体を持ってるな……最近の大型セカンドは手強いなオイ。
年月が経過すれば成長する、って事だもんなぁ」
パネルを叩いてドクオが、言った。
「成長するのはアタシ達人間もだけどね」と言い足したのは、ツン。
从 ゚∀从「バトルスーツでも手強そうな相手だな……」
ツンやドクオの後ろで傍観しているハインリッヒ。
彼女もまた、ドクオのように有効な攻撃手段を思考していた。
――実弾は恐らく効果が薄い。ではレーザー兵器なら?
この倉庫のような場所におけるバトルスーツの移動性能はどうだろう?
と、多面的にあらゆる可能性を検証している。
- 85 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:14:01.94 ID:TJ5LPjV20
-
ξ゚听)ξ「ここは飛ばしましょうよ」
从 ゚∀从「へ? どうして?」
ξ゚听)ξ「アタシも戦闘記録は見たいけど……、
それよりもボストンの人達がどうなったのか気になるの。
こんなムカデに今のブーンがフルボッコにされてるはず無いもん」
('A`)「まぁ、そりゃ当然だな……じゃあここを飛ばして……とっ」
ドクオがコンソールをポンと叩き、映像を切り替えた。
【 (,,゚Д゚)「駆除は成功したのか?」 】
ξ゚听)ξ「ギコ・アモット……System-Hollowを搭載したサイボーグね。
サイボーグ化に携った技師はアニーとシーケルトという生物工学専攻の学生。
そして彼等は、お父さんのSystem-Hollow開発に関わった、か」
ξ゚听)ξ「何だか、運命めいたものを感じる出会いだわ」
ツンが機器を操作してながら、呟いた。
クレーンが、輪切りにしたブーンの頭蓋を持ち上げている。
頭蓋は、清潔な透明の容器の中に慎重に入れられた。
切開されたブーンの頭部は、薄い機械とカバーで覆われた脳が露になった。
脳らしい形を保ってはいるが、どうやら半分以上が機械に変えられているようだ。
初めてブーンの体内を見るハインリッヒは、身震いを禁じえなかった。
- 86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:14:35.33 ID:bHFzJGRWO
- 今回は記録を追う感じか
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:16:56.34 ID:LVChzqLZO
- 支援
- 88 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:17:18.70 ID:TJ5LPjV20
-
ガイル「フィレンクト氏は、何の為にSystem-Hollowを?」
ハインリッヒの横で記録を見ているガイルが、ツンに説明を求めた。
ガイルの隣に立つジョルジュも、耳を傾けてツンの言葉を待つ。
ξ゚听)ξ「さあ……アタシも初めて知ったサイバーウェアなんですよ。
お父さんが残した資料の中にも無かったし」
ξ゚听)ξ「ただ、お父さんは軍事向けに研究開発していた技師なので。
お父さんが開発した商品や理論はバカ売れしてたみたいだし、
System-Hollowも軍事向けのサイバーウェアだって事は間違い無いでしょうね」
('A`)「ブレイン・マシン・インターフェースの実現が目標だったのか……?
結局のところ軍事利用には至らなかったと、ブーンは聞いたみたいだな」
ドクオが――正確には電動メスが――腹部のプレートを開き終える。
汗ばんだ額を白衣の袖で拭って一息吐く。
ξ゚听)ξ「作らされるだけ作ったけど利用には至らず……
っていう事は割りとあったみたいよ。
これとは別件だけど、お父さんが嘆いてたの覚えてる」
ツンは、手元にある一枚のモニターに「カメラの映像」を開いた。
ブーンの体内を撮影するカメラの映像である。
ξ゚听)ξ「思ったより、ダメージは深刻ね……。
いつだったかクローンで内臓のストックを用意したのは、正解だったわね」
ブーンの身体には数の少ない有機的な臓物や肉壁を眺め、ツンは低く呟いた。
- 89 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:19:01.39 ID:TJ5LPjV20
-
【 「……ギコさんがSystem-Hollowで自立性を失っていたとしたら」 】
【 スネーク「さぞ使い勝手の良い駒だろう。そうだとしたら、もはや信用もクソも無いな。
機械の如く、指示の通りに動いてくれる人間の方が信用できるのかもしれないが」 】
('A`)「なんか、雲行きが怪しくなってきたな」
ξ゚听)ξ「スネークって人が言うように、System-Hollowには欠陥がありそうね。
もしくは、人間の感情を超強力に支配できるようなサイバーウェアなのかも」
( ゚∀゚)「なあ、ツン博士」
それまで黙っていたジョルジュが、突然口を割った。
ジョルジュは間を空けた後、続けた。
( ゚∀゚)「アンタは、System-Hollowを再現できるか?」
从 ゚∀从(ジョルジュ……?)
聞いていない訳ではないが、ツンは黙々と作業を続ける。
ツンには、ジョルジュの質問の意図は分かっている。
ウィルスに支配されるのをSystem-Hollowで防ごう、という考えなのだろう。
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:21:53.88 ID:bHFzJGRWO
- 支援
- 91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:22:05.50 ID:Kiqa42Cm0
- 支援
- 92 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:24:19.58 ID:TJ5LPjV20
-
しばらくしてから、ツンは口を開き、
ξ゚听)ξ「セカンドに対してSystem-Hollowの適切なプログラムを組むのは、
彼等ボストンの研究員によって困難であると判明されてるわ。
……やってみる価値はあるけど、可能性は低いでしょうね」
重々しい声で、はっきりとそう告げた。
( ゚∀゚)「……そうか」
ジョルジュは、どことなく弱弱しい声で返した。
そんなジョルジュを、ハインリッヒは横目で心配そうに窺っている。
从 ゚∀从(何考えてんだよジョルジュ……。
セカンドになった後の事を考えてるのか……?)
从 ∀从(もしそうだったら……らしくねーよ、勘弁してくれよ、ジョルジュ)
【 (*;ー;)「あ、あはははっ!ビロードったら!」 】
('A`)「ふ、ふひっ! この人可愛いのうたまらんのう! 久々のヒットやで!!」
ワイの左ストレートは世界獲れるでえ! ξ´゚听)三○)A`)久々にきたああああああああ!!
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:26:31.12 ID:LVChzqLZO
- ドクオwww
- 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:26:58.81 ID:uJPCL0T+0
- 支援
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:27:24.99 ID:bHFzJGRWO
- 久々にきたwwwwww
- 96 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:27:39.68 ID:TJ5LPjV20
-
【( ´_ゝ`)「――しかし、5年にも渡る研究と実験は、一向に成果が出ない。
最初の1年は、全員がマスクと防護スーツを常時着用して生活していた事もあった― 】
(#)A`)「いほいほかこう、か(いよいよ佳境、か)」
ポツリと、モニターに向けて声を漏らす。
ツンとドクオは、決してモニターだけに目を取られないようにと、手先を何度も見直している。
【 「アニー、僕は何人もセカンドを殺してきた……セカンド化した人間を!」
「妹の見ている中、その妹の兄を殺した事もあるお。
だけどその妹は言ったお……兄を天国に送ってくれと!」 】
从 ゚∀从(ミルナ兄さん……あれで、良かったんだよな……?)
【 「天国に送るなんて都合の良い理由、言い訳かもしれないお。
でも、セカンド化した人間を元の姿に戻す事なんて、無理なんだお。
「とある感染者は言ってたお……自分は必ずセカンド化する、
そしてセカンド化したら……殺してくれと!」
「殆どゼロの可能性を追うより、アンタはもう幸せに生きるべきだお。
もう“治療方法の研究”なんて、諦めるべきなんだお」 】
( ゚∀゚)「ふん……」
ξ゚听)ξ(アタシとハインは、治療法の発見を諦めてないけどね)
- 97 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:29:19.12 ID:TJ5LPjV20
-
【 (; _ゝ )「……クッ……」 】
【 スネーク「お前とギコが俺達に隠し事をしているのは、分かってる!
何を企んでいる、アニー!」 】
【 「……治療方法を研究してなかったって、どういう事だお!」 】
【 (;゚ー゚)「……ブーン、何言ってるの?」 】
【スネーク「オットーをどうするつもりだったんだ、アニー! 答えろ!」 】
('A`)「追い詰められたな。ざまぁないぜ!」
ガイル「しかし、さすが伝説の傭兵と言うべきか……素晴らしい洞察力だ。
ウィルス騒動を生き残ったのも頷ける」
('A`)「あれ、知ってるの?」
( ゚∀゚)「知ってるも何も、軍の間じゃ有名な男でな。
世界中を走り回ったニュークリアクラッシャー、ソリッド・スネーク。
世界に残った核兵器の半分をコイツがぶっ壊した、なんて言われてんだぜ?」
('A`)「名前は知らなかったけど、へえ、この人が……」
- 98 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:30:35.93 ID:TJ5LPjV20
-
【( _ゝ )「……ああ、ブーンの言う通りだ。
治療方法なんて研究していなかった」 】
ガイル「にしてもまぁ……なんか凄い事になってきたな……」
【( _ゝ )「ああ。ビロードの血液から精製した抗体と、System-Hollowを併用し、
ウィルス感染者の感情をコントロール……あるいは、
自我を保つ事が可能か、俺は研究した。しかし、それも治療が目的ではない」
( _ゝ )「更に外部操作……ブレイン・マシン・インターフェースの理論を用い、
外部から感染者をコントロールする実験も試みたのだ――」 】
( _ゝ )「――俺はセカンドウィルスをコントロールしたいんだ!
そして俺は生物として次のステップ、次元に到達してみたい!」 】
(;'A`)「……外道め。こんな事の為に弟を利用しやがって!」
【( ω )「ごめんお……オットーさん……」
【 ( <_ )「いいのか、ブーン、“しぃさん”……それは、アニーだが】
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:32:17.64 ID:CxzCoqQO0
- 支援
- 100 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:32:49.20 ID:TJ5LPjV20
-
ξ゚听)ξ ('A`)「「え?」」从 ゚∀从 ガイル
モニターを見る全員が、己の耳を疑った。
何を言っているんだ?と気を取られていると、銃声と共に鮮血が広がり、
【 「ああああああああああああああああああああああ!!!」 】
スピーカーからは、喉がちぎれるような絶叫が音割れして出音され、
シーケルトの首から噴出する夥しい血液が、
モニターに映る薄暗い室内を紅色に染め替えようとしていた。
――何の前触れもなく、そして一瞬の間に起こった出来事である。
(; A )「……そんな……」
ξ; )ξ「なんてこと……」
从; ∀从「……」
ガイル「……なんてこった……」
( ゚∀゚)「……」
全員が声を噤む。
ブーンが記録を見られたくない理由は、こういう事だったのか。
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:33:03.47 ID:bHFzJGRWO
- 問題のシーンだな
- 102 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:34:30.50 ID:TJ5LPjV20
- ブーンは今の今まで、街行く化物をあくまで「人」ではなく「セカンド」と認識し、殺していた。
しかし、ボストンでブーンが奪った命は紛れも無い人のもの。
彼女の頭を命と共に世から消し去ったのは、他でもないブーンだ。
ξ; )ξ「そう、いう……事だったのね……ナイトウ」
「人殺し」――ブーンは、そう思われたくなかった。
この記録を見れば、以前のように素直に笑い合える事は無くなるだろうと、
ブーンは心のどこかで確信していたのだった。
( ;゚∀゚)「……こ、コイツ、セカンドを喰ってやがる!」
不意に響いたジョルジュの驚嘆が、みなの思考を遮った。
ξ;゚听)ξ「え!?」
モニターに映し出されているのは、ギコがアニーを喰らう様だ。
ブレードでアニーの頭を胴体から分離させ、首から吹き出る血の雨を体中に浴び、
口を大きく開けて喉奥に流し込む。
アニーの右腕を斬り、熟れた赤い果実のようにじゅくじゅくとした傷口にしゃぶりつき、
筋肉繊維をブチブチと引き千切りながら肉を喰らっている。
やがてギコはアニーの頭部を掲げ、滴る血を腹に溜めんとした。
- 103 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:36:23.62 ID:TJ5LPjV20
-
(;゚A゚)「うお……うっ!」
血、血、血。
血生臭さがモニター越しにまで漂いそうだ。
何よりも、人が人らしきものを喰らう猟奇的な光景。
それにドクオは耐え切れず、口を覆って近くのトラッシュボックスに駆け寄った。
ブーンは、ギコが変異をしている様を呆然と眺めているようである。
無理も無いと、モニターから目を離しているドクオ以外が同情せざるを得なかった。
【 (//‰゚)《殺してやる。シーケルトの命を奪ったように、貴様を。
殺す、殺してやる……貴様を殺し、貴様の大切な人間も殺してやる》 】
【 「どうして……言葉を…………?」 】
【 スネーク「何故、感情がある!?」 】
从;゚∀从「なっ――!?」
ξ;゚听)ξ「な、何で話せてるの!? 感情を持っているのも窺えるわ!」
モニター内のブーンとスネークと共に、ツン達が驚く。
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:37:51.28 ID:YYaDhguGO
- アニーカワイソス
支援
- 105 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:38:30.16 ID:TJ5LPjV20
-
しかしハインリッヒが衝撃に思考を奪われたのは、束の間。
从;゚∀从(兄さんが喋っていたのに、何か関係があるのか!?)
実兄ミルナ・アルドリッチと共通している事に気づいたのだ。
ハインリッヒは、固唾を呑んでモニターを見つめる。
( ;゚∀゚)(理性がある……俺の身体にも何か関係が……?)
彼女の隣でモニターを眺めるジョルジュも、逸る気持ちを抑える事に必死だった。
ギコ・アモットの身体に起こった未知の変異。
その真相は、この記録で語られるのだろうか?
ξ;゚听)ξ(どういう事よ……感染者は理性なんか保てていられないはず。
ジョルジュさんのように抗体を打たない限り……。
あ、ビロード君の抗体を打ってるんだっけ? でも変異が……)
ξ; )ξ(……何がどうなってるのか、全然分からない……)
全員は、無言で記録に注視する。
ブーンの修理を行うスタッフ、ツンまでもがその手を止めている。
- 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:39:18.13 ID:bHFzJGRWO
- 人食グロいいい支援
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:39:44.58 ID:CxzCoqQO0
- 支援
- 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:42:48.15 ID:bHFzJGRWO
- し
- 109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:43:45.07 ID:GpL8WebBP
- え
- 110 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:43:58.19 ID:TJ5LPjV20
-
【 (//‰゚) 《しかし何故、自我があるのか……恐らくであるが、
俺が自らウィルスを取り込んだ事にある》 】
【 (//‰゚) 《俺は、力が欲しいと願った。何者にも負けない力が欲しいと。
アニーを喰いながら俺は描いた。何者にも負けない体のイメージを》 】
【 (゚<_゚ )「そ、そんな簡単な事で良かったのか!
自ら力を望めば、セカンドウィルスは人間に力を与えてくれたのか!!
フハ、ハハハ! 素晴らしいぞギコ!
お前は人類を――いや、セカンドをも超越したんだ!」
【 (゚<_゚ )「生物は更にステップアップした! 更なる進化を可能にしたのだ!」
そうだ、名付ける必要がある……名……新しい名を!
セカンドではなく新しい呼称を考えなくては! ギコ、お前は――」 】
( ;゚∀゚)「は、はははははははは!!」
ξ;゚听)ξ「ジョルジュさん?」
( ; ∀ )「ククク……なんだこりゃ?
ウィルスをコントロールしてるって言えるか、これ?
くだらねえ……俺の治療にゃ何も関係ねーな! クソ!」
ジョルジュは、部屋を飛び出して行った。
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:45:15.21 ID:ozJ6/MTiO
- 支援
- 112 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:45:33.94 ID:TJ5LPjV20
-
从;゚∀从「じょ、ジョルジュ……」
手術室を出た先の通路から足が鳴らすスタッカートが聞こえてくる為、
恐らくラボの外に向ったと一同は予想する。
ハインリッヒは後を追おうとしなかった。記録が、どうしても気になるのだ。
ミルナ・アルドリッチが「あの姿」になった理由が分かるかもしれない。
そう思うと、モニターから目を離したくは無かったのだ。
从;゚∀从「が、ガイル! ジョルジュ頼んだ!!」
ガイル「え、あ、ああ! ま、待てよ隊長――ッ!!」
(;'A`)「なぁツン。何なんだよ、これ」
トラッシュボックスから頭を出し、モニターを眺めること数秒。
皆とは遅れて事態を飲み込んだドクオが、ツンに答えを聞いた。
ξ; )ξ「アタシに聞かないでよ!」
――5年間で構築した常識が、時間にして数分で崩されてしまったような。
自分の全てを否定されるような。
そんな絶望的な気分に、ツンは全身をわなわなと震わせた。
- 113 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:48:19.53 ID:TJ5LPjV20
- ※
从 ゚∀从「……ジョルジュは?」
ガイル「部屋だ。閉じ篭って開けようとしない……」
从 ゚∀从「そう、か……心配だ……。
IRON MAIDENには十分な抗体が入ってるけどさ……」
ガイル「しゅ、修理の方は終わったのかい?」
重苦しい空気に耐え切れず、ガイルが話題を切り替える。
ジョルジュ絡みの事は、セカンドウィルスと切っても離れない話題だからだ。
“あの新たな特性”は今議論すべきではない。
('A`)「……酷いもんですよ。
かなりのパーツがおじゃんになってるし、臓器までグチャグチャ。
神経系統もズッタズタだ」
ξ゚听)ξ「殆どのパーツを交換しなきゃならないわ。
一応、生きるのに最低限の処置は済ませたけど。生命維持装置も動いてるし」
从 ゚∀从「ツン」
ξ゚听)ξ「何……?」
- 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:50:45.63 ID:88eNvsnZO
- ん?
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:51:23.05 ID:bHFzJGRWO
- 支援
- 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:53:25.64 ID:GpL8WebBP
- 支援
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:55:42.76 ID:bHFzJGRWO
- 支援
- 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:57:01.84 ID:ozJ6/MTiO
- さるったかニャ?
- 119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:58:13.34 ID:CxzCoqQO0
- 支援
- 120 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 01:58:47.54 ID:TJ5LPjV20
-
从 ゚∀从「ブーンが目覚めるのは、いつだ?」
ガラス越しのブーンを一瞥した後、ハインリッヒが聞いた。
('A`)「早くて3日後、ってとこか?」
質問される以前に、その計算を終えていたドクオが代弁した。
正しく言えば、ブーンを目覚めさせるのは3日後。
その時には新しい腕や臓器、神経が繋がれているだろう。
ξ゚听)ξ「そんなところね。でも、何で……?」
从 ゚∀从「ちょっと、アイツと話したい事があってな……」
ハインリッヒは一間挟んで、続けた。
从 ゚∀从「……セカンド化したら終わり。
だから天国に送ると言って、アイツは兄さんを殺したんだ。
なのに何故、ギコを殺す事をああまで躊躇ったんだ?」
从 ゚∀从「決して勝てない相手じゃなかったはずだ。殺すチャンスも山ほどあった。
なのに何故? ブーンのせいで、一人が犠牲にもなった」
ツンとドクオが押し黙る。
どこかバツの悪そうな顔を浮かべて。
- 121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 01:59:56.72 ID:GpL8WebBP
- 支援!
- 122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:00:48.35 ID:CxzCoqQO0
- 支援
- 123 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:01:05.79 ID:TJ5LPjV20
-
从#゚∀从「……胸糞わりーんだよ!!
理性や記憶が無ければ、人間じゃねーのか!
クイーンズで見たアタシの兄さんは……人間じゃねーっていうのかよ!!」
ガイル「は、博士、落ち着け……」
ξ;゚听)ξ「は、ハイン……」('A`;)
从 ゚∀从「……そりゃ、兄さんは誰がどう見ても化物だった。
でも、アタシの実の兄なのは間違い無いんだ。まだ、割り切れなくってな……」
从 ゚∀从「一度アイツと話したい。
アタシ達はこれからどうやって感染者と戦っていくべきなのか、確認したいんだ。
アタシだって、『セントラル』を守る科学者なんだ……!」
从 ゚∀从「……迷ってなんか、いられねーよ!
ブーンだって、お前らだってそうだ!」
- 124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:01:18.33 ID:RtxfqBKlO
- 支援支援
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:02:48.50 ID:GpL8WebBP
- し☆えん
- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:03:13.80 ID:CxzCoqQO0
- 支援
- 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:04:23.32 ID:bHFzJGRWO
- 支援!
- 128 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:05:02.48 ID:TJ5LPjV20
-
ξ゚听)ξ「……そうね」
('A`)「どうやって感染者と戦うか……そうだな……」
ガイル「俺達が戦ってる相手の中には、
誰かの家族や友人だっているんだもんな……」
各々、静かにそう呟いていった。
从 ゚∀从「そうだ。だけど奴等の仲間になるつもりなんか、毛頭ねえ。
そうならないようにする為にも、何の為に戦うのか、アタシ達は確認する必要があるんだ。
話は全部、そっからだ!」
( ω゚)
从 ゚∀从「そうじゃないか? ブーン」
ハインリッヒはブーンの顔を見て言葉を投げる。
从 ゚∀从「その身体になったのも、復讐だけが目的じゃないはずだろ?
お前が死んでたら悲しんだ奴が沢山いるんだぞ、バカヤロウ。
特にツンちゃんとかねー?」
最後は悪戯っぽく、彼女は言った。
ξ;///)ξ「え、な、いい、いきなり訳わかんない事言わないでよ!」
- 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:06:03.66 ID:CxzCoqQO0
- 支援
- 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:06:32.49 ID:GpL8WebBP
- デレた
- 131 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:07:00.81 ID:TJ5LPjV20
- ※
居住区間第4階層に根を下ろす巨大なタワー群の一つ。
千もの部屋を抱えるタワーの、最上階に位置する一室。
住むには多額のセントラを必要とするこの部屋の主は、ジョルジュである。
明かりという明かりを一切落とした暗闇の中、
彼を包むIRON MAIDENはその闇に紛れて、じっと佇んでいた。
明かりを灯す必要が無いのだ。
何故ならば、ジョルジュは夜目である。
生まれつきでもなく、陸軍時代に訓練して得たスキルなどでもなく、
それはセカンドウィルスを得て手に入れた、特殊な目だ。
正しくは、手に入れたのではなく、自然とそのように変化してしまったのだ。
それに、変わってしまったのは目だけではない。
( ゚∀゚)「少し考えてみれば、俺は……」
骨格の変化、ニコチンを欲さない等、身体に変化が出ているという事は。
つまりは、ウィルスによって変異したセカンドだ。
同種であるギコ・アモットに治療法――ウィルスを消し去るような――を求めるのは、
おかしな話だったのかもしれない。
- 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:07:41.03 ID:bHFzJGRWO
- デレたwww
- 133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:07:49.56 ID:zITdECUY0
- 支援
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:09:51.80 ID:U/8ItvJZO
- 寝るとこだった
支援
- 135 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:10:26.06 ID:TJ5LPjV20
-
( ゚∀゚)(今、俺に感情や理性があるのは……)
――ギコの推測が正しければ、ブーンの抗体は、あくまで変異を未然に防いでいるだけあり、
今こうして物事を考えるような理性や感情があるのは、抗体とは別の原因があるのだろう。
それは即ち、ギコの言う「意思」……俺が人間でありたいと強く願う気持ちだ。
あの時……クイーンズの臭いゴミ箱の中で「人間でいたい」と祈り続けたから。
俺はギコと同じような存在になっているのかもしれない。
しかしながら、何の確証も無い。あくまで推測だ。
それに、ギコとは差異がある。
自らウィルスを取り込んだか、そうでないか。
そして身体に流れている抗体の種類……俺はブーンの、奴はビロードの。
- 136 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:12:18.76 ID:TJ5LPjV20
- ビロード・ハリスの抗体は、セカンド化の予防に役立たれているだけ。
それは、何かしらの形でウィルスに触れているであろう、
ソリッド・スネークを見れば、予想できる。
彼は正常だった。
故に、ビロードの抗体を打つ事で予防効果を得られると言えるだろう。
だが、ギコ・アモットは抗体の効果を越える程、
ウィルスを取り込み続け、そして変異を引き起こした……これも、推測に過ぎないが。
奴の言う変化自在の変異、理性の保持は、ビロードの免疫とはやはり関係性が無いはず。
そう断言できる根拠となっているのは、アニーだ。
5年という月日の中、オットーがビロードの免疫を用い、アニーの変異を停止させていたのは本当だろう。
従って、抗体としての効果はブーンと差ほど変わらないと言える。
( ゚∀゚)(このまま俺の身体からウィルスが消えないのなら……)
いずれ化物になるのを、ただこうして待つだけというのか?
- 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:12:47.93 ID:bHFzJGRWO
- 支援
- 138 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:14:42.68 ID:TJ5LPjV20
- それでも、まだ望みは潰えた訳ではない。
ギコ・アモットの推測が正しいのであれば、理性と感情、記憶を留めて置く事は出来るかもしれない。
しかし、そうしたところで姿は化物……『セントラル』に居てはならない。
( ゚∀゚)「街……か?」
『セントラル』ではない、どこかの街。
ニューヨークでも何処でもいい、セカンドのいない穏やかな街でひっそりと……。
( ゚∀゚)(待て待て。俺は何を考えてるんだ……セカンドとして生きるってのか?
セカンドになった時は死のうと、決めたじゃねえか)
――しかし、理性があるのなら……
ピピピピピ……突然アラームが鳴り響き、ジョルジュの身体を強張らせた。
音源は、IRON MAIDENの右腕部に搭載されたポッドからである。
( ゚∀゚)「……チッ……もうお薬の時間か、よッ――!」
「ああがあああああ! グ、ウあ、うああああああああああ!!」
・
・
・
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:16:20.69 ID:CxzCoqQO0
- 支援
- 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:16:21.66 ID:bHFzJGRWO
- ジョルジュ……まさかお前支援
- 141 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:17:45.73 ID:TJ5LPjV20
-
( ; ∀ )「あ、ぐ……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
時間にして十秒と少しのこと。
しかし、ジョルジュには永遠にも感じられる、途方も無い感覚を覚えていた。
( ;゚∀゚)(……クソッタレ。どんどん投与間隔が短くなって――)
( ; ∀ )「おあ゙っ!」
激痛と共に腹が縮小し、熱い物が込み上げた。
かと思えば、口の中に鉄の味が広がっていて、フェイスカバーは赤黒く染まっている。
吐血は、今日まで一度も無かった。
( ゚∀゚)「……人でいられるのも、そう長くはないって事なのか」
刻々と、身体から時間が失われてゆくのを、ジョルジュは日に日に感じていた。
こうして抗体で人の姿を保てられるのも、限界が近い。
近いうち、抗体を流す事を止めなければ――死ぬ。
- 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:19:45.87 ID:CxzCoqQO0
- 支援
- 143 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:19:58.77 ID:TJ5LPjV20
-
( ゚∀゚)(……もし、もしもだ)
――セカンド化しても尚、理性が残っているのなら、
その時は選択しなければならない。
死ぬか、セカンドの姿で生きるか。
一つに二つ、選択をしなければならない。
それよりも前に、抗体による治療を止める決断を要するが。
再びアラームが響き、ジョルジュの思考を裂いた。
先ほどとは音色が違うこのアラームは、携帯端末の着信音だ。
( ゚∀゚)「あ?」
携帯端末に届いたのは、待ち侘びていた議会からのメールである。
ジョルジュはすぐにモニターにタッチし、メールを開いた。
- 144 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:21:30.87 ID:TJ5LPjV20
-
( ゚∀゚)(居住を許可する……か……)
以前、議会に申請した「ジョルジュのセントラル居住許可願い」の返答である。
ツン・ディレイクの管理の下、徹底した変異未然の治療を行う事と、
一週に3度行う身体検査の結果を送る事が、居住の条件であるとされた。
( ゚∀゚)「人がブルーになってる時に、こんなもん送りやがって。
喜んでいいのかどうか分からねえな……」
悪態を呟き、ジョルジュは壁に掛けた一枚の写真に目をやった。
( ゚∀゚)('ー`*川
若き日のジョルジュと、その隣で笑顔を振り撒く美しい女性。
ジョルジュの妻で、名をペニサスという。
彼女を見つめるジョルジュの瞳は、やわらかな丸みを帯びている。
( ゚∀゚)「なぁ、ペニー。俺がセカンドになったら、どうすればいいと思う?
もし理性が残っていたら、生きていたいと少し考えちまってるみたいだ。
中途半端に希望持たされて、少し悩んじまってるよ……」
- 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:22:15.03 ID:bHFzJGRWO
- いきろ
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:23:24.67 ID:RtxfqBKlO
- 支援
- 147 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:26:25.36 ID:TJ5LPjV20
- ※
巨大地下都市、『セントラル』の何処か――。
数多の培養管が立ち並び、配管が縦横に張り巡らされた、
研究室を思わせる広々とした空間。
その壁に設置された巨大なモニターを前に、白髪の男がただ一人。
他に誰もいない静寂した部屋の中、先ほど送り届けられた「レポート」を閲覧していた。
「ふはははははは!! まさかボストンで、このような事が起こったとは!
セカンドの強靭な身体を持ちつつも、理性を保てているとは……!
クイーンズのクォッチとは違う……ああ! まさにギコ! 君のような存在を私は待ち侘びていた!」
「B00N-D1、君がボストンで見た事は、人類を大きく躍進させる重要な研究資料となったよ!
フフフ……笑いが止まらない……まさかセカンドウィルスがこのような作用を齎すとは!」
「強い意思を持ち、自らウィルスを取り込んだ、か……。
なるほど、確かに誰もやろうとしないな……フフフ」
「検証しなくてはな……我が夢の達成の為に。
私にとって根拠の無い推論ほど嫌いな物は無い。
この甘美な好奇心に身を委ねている間が何よりも好きなだけなんだがな……フフフ」
- 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:26:37.20 ID:GpL8WebBP
- 支援
- 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:28:03.66 ID:bHFzJGRWO
- 支援
- 150 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:28:29.20 ID:TJ5LPjV20
-
「ビロード・ハリスの細胞も入手しておくか……。
B00N-D1とは異質の細胞の持ち主……中々興味深い」
白髪の男はタッチパネルを高速で叩き、
モニターの一部に開かれたウィンドウに、無限を思わせる数列と文字を並べ、
「オットー君といったか……それにフィレンクト・ディレイクよ。
君達も描いたブレイン・マシン・インターフェースは」
「私の手によって完成しているぞ……フフフ」
エンターキーを押した。
第21話「インタールード ―迷える者達―」終
- 151 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:29:30.11 ID:TJ5LPjV20
- おまけ
________
\ /川‖‖| ‖| /
\ /
│个 个 ヘ |
│┌− )/ アアッー! アアッー!!
ヽヽ 丿// す、すごい! もっと突いて下さい!!
, '´  ̄ ̄ ` 、
i r-ー-┬-‐、i
| |,,_ _,{|
N| "゚'` {"゚`lリ かわいい髪形して凄いんだな。
ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、
(;^ω^)「ちょっと待つお! ガイル、お前に何があったんだお!?」
________
\ /川‖‖| ‖| /
\ /
│个 个 ヘ | うるさいなあブーン!
│┌− )/ 今いいところなんだから邪魔しないでよ!!
ヽヽ 丿//
(;^ω^)「これはひどい」
- 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:30:21.74 ID:cQmS2H+MO
- 支援
ダメだ眠い終わりだ
- 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:31:34.40 ID:bHFzJGRWO
- 乙!ジョルジュがどうなるのか気になるよ
続きが楽しみだ
- 154 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:31:51.80 ID:TJ5LPjV20
- ________
\ /川‖‖| ‖| /
\ /
│个 个 ヘ | ・・・あ、ああああっ!!
│┌− )/ そ、そんな!! お、お尻の中にオシッk
ヽヽ 丿//
/⌒ヽ ブブブブブブブ ーン
= ⌒ (;^ω^) ミ =
≡ ,-ー'⌒ヽr^`≡≡(ニニニニ(@ = .∧/
≡ ( ⌒ー´`ーっ]_,,,l_(_mn、__(ニニ(ニO ≫
≡ `ー'ニ二`ー' |ii l|_|ノ¨`ー' = = = =W\
≡≡≡ ヽ 、  ̄ i ===
≡≡ `)゙;:;;;;;;''l ==
ノ、ヾ),-ー、ヽ
/ ,、イ`ヽ ノ
γ' ノ | ノ
| l´ ゙、 ,. イ
ガイル&阿部さん「ぎゃああああああああああああああああああああああああ!!!」
(;^ω^)「これ以上やらせるのは危なかったお。殺害せざるを得なかったお」
- 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:37:23.91 ID:T7Kjs8AXO
- シエシ
- 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:39:57.12 ID:bHFzJGRWO
- 猿か?
- 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:42:43.62 ID:hXxlfi/Y0
- し
- 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:45:48.50 ID:RtxfqBKlO
- このおまけはwww
- 159 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:54:38.03 ID:TJ5LPjV20
- , '´  ̄ ̄ ` 、
i r-ー-┬-‐、i ムクリ
| |,,_ _,{|
N| "゚'` {"゚`lリ 残念だがその程度じゃくたばらないぜ。
ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、
(;^ω^)「ば、馬鹿な! 確かに急所を撃ったはずだお!!」
- 160 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 02:56:36.02 ID:TJ5LPjV20
- ________
\ /川‖‖| ‖| /
\ /
│个 个 ヘ | 阿部さんと僕の愛の力を見くびらないでよね!
│┌− )/ ああっ!もっと突いて下さい! 僕、またソニック打っちゃいそう・・・!
ヽヽ 丿//
, '´  ̄ ̄ ` 、
i r-ー-┬-‐、i
| |,,_ _,{|
N| "゚'` {"゚`lリ おいおい、これで3回目だってのに、絶倫なんだな。
ト.i ,__''_ ! 物凄くサマーソルトしてるぜ・・・。
/i/ l\ ー .イ|、
(;^ω^)「誰か助けて!!」
ほんの軽い気持ちでガイル系ksms小説を撮影したブーン。
しかし、あろう事か、ボストンのブーン系収録スタジオはそのままハッテン場になってしまった・・・!
ノンケは間違いなく逃げ出す阿鼻叫喚の地獄絵図・・・誰か止められるのか!?
〜続〜
- 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 02:57:36.99 ID:GpL8WebBP
- 乙でした!
- 162 名前: ◆jVEgVW6U6s :2009/05/07(木) 03:00:48.50 ID:TJ5LPjV20
- 深夜に投下するもんじゃないですね……。
遅くまでお付き合いしてくださいまして、ありがとうございました!
>>67
まさにそれです。
>>68
比喩はドクオの「良く効く麻酔だなぁ」ですね。
実際に強制終了させる機構があります。
それではまた次回!
- 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 03:09:37.48 ID:X7U3eRDBO
- おお来てたのか
よむほ
- 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 03:27:48.21 ID:X7U3eRDBO
- 乙
- 165 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 04:47:52.90 ID:phMMaHKHO
- 読むほっほ
- 166 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 05:02:49.85 ID:phMMaHKHO
- 乙
- 167 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 06:50:32.75 ID:iISLi0FE0
- ほ
- 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 07:35:06.52 ID:7EeXuxj+0
- 乙
- 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 08:54:51.76 ID:M3B8NoOBO
- 乙言うの遅すぎのやつワロタw
- 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:20:10.18 ID:WDG7ZzJGO
- よむほ
- 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/07(木) 12:45:14.19 ID:ozJ6/MTiO
- 乙