マリオカートのキャラが( ^ω^)のようです
- 1 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 15:31:22.02 ID:ljEbP3WJ0
- スレ落ちた\(^o^)/
前回までの話は避難所で読めますです。
- 2 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 15:31:41.54 ID:ljEbP3WJ0
-
50ccランク・第5コース
コース名・ワリオスタジアム
コース難易度・☆☆☆
出場者一覧
・( ^ω^) 内藤ホライゾン
スピード・☆☆
テクニック・☆
アイテム運・☆☆☆
・(・∀・) またんき
スピード・☆☆☆
テクニック・☆☆
アイテム運・☆
・<丶`∀´> ニダー
スピード・☆
テクニック・☆☆☆
アイテム運・☆☆☆
・从 ゚∀从 ハインリッヒ高岡
スピード・☆☆☆
テクニック・☆☆☆
アイテム運・☆☆
- 3 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 15:32:10.36 ID:W4STWLUKO
- ブーーーーーン
- 4 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:32:44.90 ID:ljEbP3WJ0
- (・ω・) ッパ
スピード・☆☆
テクニック・☆☆
アイテム運・☆☆☆
(*’ω’*) ちんぽっぽ
スピード・☆
テクニック・☆☆☆☆
アイテム運・☆
- 5 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:33:39.58 ID:ljEbP3WJ0
- ( ´ω`)「ドクオ……もう……駄目だぽ」
第4コースでの敗北。それは、内藤が総合優勝する可能性が完全に閉ざされたことを意味していた。
もう、いかに頑張ってもハインリッヒに追いつくことは出来ない。
('A`)「……内藤」
かけてやる言葉もない。ここまで頑張ってきた結果がこれでは……。
ドクオは横目でハインリッヒを見た。その表情からは余裕が感ぜられる。
(#'A`)「………」
何とかしてアイツをぎゃふんと言わせてやれないだろうか。
しかしハインリッヒの1位が決まっている以上、どうすることもできない。
とりあえずここは内藤に元気を出してもらうことが先決だ。
ドクオは適当に思いついた台詞を内藤に投げかけた。
('A`)「いいか、内藤。確かにここで幾ら頑張っても勝つことは出来ない」
続ける。
('A`)「でもな、もしそれで諦めればお前はただの負け犬だ。それでもいいのか?」
( ´ω`)「――!」
('A`)「なりたくないなら諦めず、戦い抜け。そして最後を笑顔で締めくくれ。……よく言うだろ?」
最後に笑ったものが、真の勝者だ。って。
( ^ω^)「………」
(;'A`)「(やばい、流石に臭かったかな今の台詞は……)」
内心焦るドクオ。正直に言えば今のは確かに臭かった。
- 6 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:34:00.55 ID:ljEbP3WJ0
- でも、
その言葉で内藤は少しづつ気力を取り戻しつつあった。
何としても自分に元気を出してもらいたい。彼の気持ちは痛いほどよくわかった。
ならば自分はそれにどう答えればいい?
答えは簡単、このコースで1位を取る。そして、悔いを残さず笑顔で終ることだ。
厳しいということはわかっている。でも、奇跡が起きるかもしれない。否、起こしてみせる。
( ^ω^)「……ドクオ」
('A`)「あ?」
しばし黙っていた内藤。
カートのほうへと歩きながら、顔だけドクオのほうに向けてこう言った。
( ^ω^)「見ててくれお。僕が起こす奇跡を」
50ccランク、第5コース。
どう足掻いても勝てない、最後のレースが始まった。
- 7 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:34:41.81 ID:ljEbP3WJ0
- ジュゲムの信号が青に変わる。
刹那、一斉に飛び出す選手達。
ハインリッヒも、優勝が確定しているとはいえ手を抜いてはいない。
ここワリオスタジアムは凹凸が激しく、更にカーブも多いという非常に厄介なコースだ。
だが裏を返せば、障害となるものはそれしかないとも言える。
ここで有利になるのはスピードなどではない。いかにしてカートを自在に操るか――そのテクニックが問われるのだ。
(*’ω’*)「ぽっぽっぽ!」
というわけでちんぽっぽにとっては非常に走りやすいコースと言えた。
持ち前のドライビングテクニックでいとも簡単にコースを走破していく。
( ;^ω^)「何だおここは……。テラメンドクサス」
一方の内藤にとっては厄介なコースだ。
今までのレースで腕は上がったとはいえ、ちんぽっぽのようにスムーズにはいかない。
最初のアイテムボックスを通過。中身はバナナ。
カーブをしながら1個づつコース上に置いていく。
<;丶`∀´>「ニダーッ!」
引っかかったのはまたあいつだ。
いや、別に作者がニダーが嫌いとかそういうわけではないよ? マジで。
轟、と音がして内藤の真横を甲羅が通り過ぎる。しかも3連弾だ。
次々と壁に当たり跳ね返り、即席のトラップを作り上げた。
( ;^ω^)「ちょwwwコワスwww」
ヒヤッとした風を受けながらその地獄を進んでいく。
背後からはハインリッヒ、ちんぽっぽ、またんきやッパが追いかけてくる。
いや、だからニダーを抜かしてるのは偶然だって。
- 8 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 15:35:00.32 ID:fG3dc/QkO
- \(^o^)/
スピード☆☆☆☆☆☆☆
テクニック☆☆☆☆☆
アイテム運☆☆☆☆☆
生存率−
- 9 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 15:35:18.69 ID:ljEbP3WJ0
- 暫く走り、コースにも慣れてくる。
この辺りからビリ集団とトップ集団の差がつき始めていた。
从 ゚∀从「しつこいな、テメェも」
いつの間にか、ハインリッヒが横に並んでいる。
暢気なものだ。レース中に話しかけてくるとは。
从 ゚∀从「何故そこまで足掻く? 大人しく負けを認めて帰ればいいのによ」
負け? 何を言う。自分はまだ負けてはいない。
確かにレースの負けは決定した。それは認める。だが最後に笑うものこそ、真の勝者だ。
つまりは、
( ^ω^)「ハインリッヒ、君は最後に笑うことは出来ないお。最後に笑うのは――」
刹那、速度を上げる。それに伴いハインリッヒのカートも上げてくる。
( ^ω^)「この僕だお!」
从 ゚∀从「笑わせるな!」
お互いのカートが接触、というよりは激突する。
その度に火花が散り、金属が擦れる音がした。
凄まじい戦い。最早、他の者が入り込む余地はなくなっていた。
ちんぽっぽですら2人には近づこうとしない。
(*’ω’*)「……ま、前回活躍したからいいぽっぽ」
(・ω・)「こっちは殆ど活躍してないッパ(´・ω・`)ショボーン」
後続車両に乗る面々は、それぞれの想いを胸にその戦いを見守っていた。
- 10 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:36:02.70 ID:ljEbP3WJ0
- ( ゜ω゜)「うぉぉぉぉぉぉあぁぁぁ!」
从 ゚∀从「あぁぁぁぁぁぁあああっ!」
お互いの絶叫が交差する。
内藤は緑甲羅をハインリッヒ目掛け投げつけた。
かなりの至近距離。だが、それをハインリッヒはいとも簡単に避ける。
从 ゚∀从「甘いんだよ!」
キノコだ。ハインリッヒのカートのスピードがぐんぐん上がっていく。
内藤との差が広がる。が、このまま行かせるわけにはいかない。
更なる加速。再び横に一列に並ぶ2台のカート。
ハインリッヒは焦った。何故だ? 何故こいつはここまでやる?
大方賞金目当てでこのレースに参加したのだろう。
ならばそれが手に入らなくなった以上、足掻く意味など無い筈。
わからない。こいつはどこまでもわからない。
从; ゚∀从「っ!」
得体の知れない恐怖がハインリッヒを襲う。
从; ゚∀从「いい加減――諦めろ!」
それでも内藤は、引かない。
- 11 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:36:26.82 ID:ljEbP3WJ0
- ふと、内藤が顔を上げた。いつの間にか広く真直ぐな道に入っていた。
どうやら坂らしい。徐々に急になる。
( ^ω^)「一気に越すお!」
速度を限界まで上げる。だがハインリッヒも同じように上げてきた。
そしてお互いを睨み合いながら、坂の頂上へと――
刹那、妙な浮遊感が内藤を襲った。
気になって下を見る。そして肝を潰した。
なぜなら真下に丁度、ッパやニダー達が走っていたのだから!
( ;゜ω゜)「こ、これは――!」
これは、坂じゃない。ジャンプ台だ。
道を全て使った、とてつもなく巨大な。
数秒後、激しい衝撃が伝わってきた。どうやら着地したらしい。
本人は気づいていなかったが、ジャンプしてから着地するまでの数秒間、内藤の気が少しだけジャンプ台のほうに移っていた。
ハインリッヒがその隙を突いて、一気に抜かしてくる。
まずい、やられた。
内藤は焦り、追いつこうと懸命になった。
だがその時、真上から襲いくる小さな物体が視界に入る。
- 12 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:37:16.30 ID:ljEbP3WJ0
- ――ボム兵!
慌ててハンドルを切り爆風をかわす。
しかしその余分な動きと爆風によって引き起こされた砂埃で、ハインリッヒとの差は狭まるどころか広がった。
糞、このまま終らせるか。
連続した急カーブを潜り抜け、やっと見えてきたアーチを目指す。
途中、アイテムボックスを取った。中身は赤甲羅。よし。
間髪入れず放つ。爆音を響かせて紅き弾丸はハインリッヒを捕らえた。
差を一気に縮める。並んだ、そして抜かした。
最後のカーブに入る。ハインリッヒのほうが若干内側。その分時間を短縮し、内藤と再度並ぶ。
そして体当たりをかます。どけ、1位はアタイのものだ、と。
そうはいかないお、絶対に負けないお! 内藤はそう言いたそうな顔で同じように体当たりをしてきた。
そして、2人同時にアーチをくぐる。
2周目だ。
何とかしてそろそろ差を引き離したい。その想いは両者とも一緒だった。
アイテムボックスを通過。数秒後、2人が同時に緑甲羅を撃った。
それは壁にぶつかり、跳ね返る。そして両者を襲った。――避ける。
数十秒経つと、徐々にハインリッヒのほうが上に出てきていた。
カーブに続くカーブ。それを全て内側で曲がっている彼女の方が、若干とはいえ時間を短縮しているのだ。
まずい。少しの差といえど塵も積もれば山となる。放っておくのは危険だ。
何とかして縮めないと――。
- 13 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:37:42.34 ID:ljEbP3WJ0
- と、そう内藤が思った刹那、急にハインリッヒが速度を緩め始めた。
( ^ω^)「?」
何をする気だ? わからない。でもまぁ、いいだろう。
この隙に抜かしてやる。
内藤は少しだけ不安になりつつも、ハインリッヒを抜かした。
――刹那、内藤はハインリッヒの顔を見た。
从 ∀从
不気味な笑顔。何だ? 何を考えているんだ?
ふと、耳を澄ます。何か音がしている。そしてそれは段々と近づいてくる――。
ま さ か
- 14 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:38:13.30 ID:ljEbP3WJ0
- 内藤が危機を感じ後ろを振り向いた、そのときには全てが手遅れになっていた。
迫り来る、凶悪な影。
それはハインリッヒを抜かし1位になった内藤を、容赦なく貫き吹き飛ばした。
( ゜ω゜)「がっ――!」
やられた。ハインリッヒはトゲゾーが来ることを感じ取っていたのだ。
だから内藤を抜かし、1位をわざと譲った。自分を守るために。
――ヒャーッハッハッハ!
ハインリッヒの高笑いが、コースを駆け巡った。
景色が目まぐるしく回転する。あぁ、前にもこんなことがあったっけ。
次いで来る、耐え難い衝撃。
馬鹿な奴だ。
ハインリッヒは心の中で内藤を嘲った。
幾ら自分に屈辱や恐怖を与えた存在とはいえ所詮は素人。
この、幼くしてレーサーとの道を決定付けられた自分に敵うはずがない。
内藤のカートが地面に激突する。
あばよ、素人レーサー。お前との戦いは中々楽しめた。
だがこれで、終わりだ――。
- 15 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:38:57.12 ID:ljEbP3WJ0
- ( ω)「おぉぉぉぉぉぉぉっ!」
从; ゚∀从「!」
内藤が絶叫する。何だ、コイツまだ諦めない気か!
後ろを見る。既に内藤は走り出していた。
落ち着け、大丈夫だ。この差、そう簡単に埋められるものではない。
自分はいつもどおりの走りをして、いつもどおり勝てばいいだけだ。何を恐れている。
しかし、そうはいかなかった。
何だ、あの速度は? 限界速度を超えている?
馬鹿な、有り得ない。有り得るわけがない!
从; ゚∀从「――!」
はっと、ハインリッヒは思い出す。
そうだ、自分もしてたではないか。前回のコースで、あの限界速度突破を。
あの時も自分は叫んでいた。負けるわけにはいかない。絶対に負けない。そんな想いをこめた叫びだった。
まさか、あいつも?
同じなのか。自分と全く同じ事をしたというだけなのか。
――面白い。
そこまでして足掻く気というのなら、受けて立とう。
そして徹底的に叩き潰す! 最早、二度と立てないまでに!
从 ∀从「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
絶叫。
来い、内藤ホライゾン。決着をつけよう。
そしてわからせてやる。
この世にはいかに足掻いても超えることのできない、絶対的な差というものがあるということを!
- 16 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:39:33.67 ID:ljEbP3WJ0
- 超がつくほどの凸凹道、そして巨大ジャンプ台。
それらをこしてアーチをくぐる。3週目だ。
トゲゾーによってつけられた差は既に埋まっている。
息を呑むような、接戦。
赤甲羅が唸り、緑甲羅がそれを相殺する。
ボム兵を飛ばしそれを避け、お返しとばかりにキノコダッシュでの体当たり。
お互い一歩も譲らない。譲るわけにはいかない。
( ゜ω゜)「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
从 ゚∀从「あぁぁぁぁぁぁぁっ!」
再度、絶叫の交差。
何度かカーブを越し、アイテムボックスを発見、取る。
内藤に赤甲羅が来た。よし、これで一気に勝負を――
だが、無理だった。
赤甲羅を放とうと上げた手には、赤甲羅はなかったのだから。
( ;゜ω゜)「!?」
わけがわからない。どうしたんだ、どこにいったんだ!?
- 17 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:40:17.47 ID:ljEbP3WJ0
- 从 ∀从「知りたいか?」
馬鹿な。
後ろに、ハインリッヒがいた。
どういうことだ? ハインリッヒが動いたことなど、全くわからなかった。
更に驚くべきことには、その手に赤甲羅が握られていること。
一体、どういう――
後頭部を凄まじい衝撃が襲う。
あぁ、またくらってしまった。
内藤は、もう何度目だろうか、とにかく宙を舞っていた。
ごめんだお、ドクオ。
もう、僕は勝てないお。
内藤は、心の中で共に詫びた。
- 18 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:40:54.81 ID:ljEbP3WJ0
- 「――だ」
? と、その心の声に誰かが答える。
誰だ、ドクオ――?
「――犬だ」
犬だと、自分は犬じゃない。
あれ? 待てよ、そういえばドクオが“犬”のつく言葉をさっきも言ってたような――
('A`)「それで諦めれば、お前はただの負け犬だ」
( ゜ω゜)「!」
- 19 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:41:43.95 ID:ljEbP3WJ0
- ハインリッヒはこみ上げる笑いを抑えるのに苦労していた。
あいつ、今頃悔しくて泣いてるだろうな。
いかに諦めが悪いあいつとはいえ、流石にもう駄目なんだということがわかっただろう。
アタイに勝つことなんて、不可能なんだから。
「――ぉ」
誰だ。何か変な声が聞こえた。
まぁ多分観客だろう。アタイの活躍に歓声を送ってるに違いない。
「――ぉぉ」
? あれ、何か違うぞ。
この声、どこかで聞いたような気がする。それもついさっき。
え、まさか、そんな。
そんなわけがないよな。そうだよ。絶対に、そんなこと――
( ゜ω゜)「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
从; ゚∀从「馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
何なんだよアイツ、有り得ない。絶対に有り得ない。
どこからそんな闘志が湧いて出てくるんだ。いい加減諦めろよ!
ハインリッヒの恐怖は最高潮にまで高まっていた。
内藤の不屈の闘志。それはまるで撃っても撃っても迫ってくるゾンビのよう。
怖い、アイツが怖い。怖い怖い怖い怖い怖い。
- 20 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:42:43.28 ID:ljEbP3WJ0
- 从 ∀从「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
再度絶叫する。
ここまで来たんだ、絶対に負けない。
このアタイが、ハインリッヒ高岡が、負けるわけなどない。
ましてやこんな、死に損ないのゾンビ野郎に!
ハインリッヒはいよいよ、巨大ジャンプ台にさしかかろうとしていた。
内藤は最後の勝負に出ていた。
自分でもなんでこんなに諦めず、戦い抜けるのかわからない。
ただ、頭の奥にはドクオのあの言葉があった。
――それで諦めれば、お前はただの負け犬だ。
負け犬なんかにはなりたくない。絶対に嫌だ!
ジャンプ台の直前に来る。そこでアイテムボックスを拾った。中身は?
- 21 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:43:21.32 ID:ljEbP3WJ0
- ( ゜ω゜)「サン……ダー、かお」
まさかこんな所でこんなアイテムに出くわすとは。何という幸運。
すぐにでも使うか。そうだ、悠長に構えてなど入られない。
内藤は、ためらうことなくその雷をかざした。
刹那、視界が真っ白になり、轟音が轟いた。
ハインリッヒは焦る。これは、サンダーか?
丁度そのころ彼女はジャンプしようとしていた。だが直前にてみるみる速度が下がっていく。
やばい、やばいやばいやばい。
やめろ、止まってくれ。このままジャンプしたら、絶対に――!
ハインリッヒの心の叫びも空しく、本来の半分にも満たない速度で彼女は空中に飛び出していた。
速度の足りないジャンプなどまるで意味がない。向こう側の道に届かず、自然の法則にしたがって落下していく。
やられた。
从 ∀从「内藤ぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ゆる……さない。
ハインリッヒの叫びは、観客の大歓声によって悲しく掻き消されていった。
- 22 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:43:56.62 ID:ljEbP3WJ0
- (ジ○○)「ゴォォォル! 内藤選手、最後の最後に1位を取りました! しかも、ライバルハインリッヒ選手を最下位に転落させて!」
内藤のサンダーによってジャンプに失敗、落下したハインリッヒは最下位に転落。
必死の追い上げも順位を上げることは叶わずそのままレースは終了を告げた。
一方の内藤は当然ぶっちぎりの1位。
まさに、圧倒的な勝利と言えた。
('∀`)「おっしゃあぁぁぁぁぁぁ! よくやったぜ内藤ぉぉぉぉぉ!」
( ;゜ω゜)「ちょwwwドクオwww死ぬからやめてくれおwwww」
奇跡の逆転激に超興奮状態のドクオは、内藤の首を掴んでゆっさゆっさと揺さぶっていた。
勿論総合的な勝負には負けたが、最後の最後に最高の形で勝てた。それでいいじゃないか。
しかし、疑問が1つだけあった。
('A`)「そういや、何であんなに頑張れたんだ?」
( ^ω^)「お? どういうことだお?」
('A`)「いやさ、あんなにトゲゾーやら赤甲羅やらくらって、俺なら諦めてるぜ」
そういえば、何でだろう。
やはりあのドクオの言葉だろうか。そうだ、そうに違いない。
( ^ω^)「ドクオのおかげだお」
('A`)「え?」
怪訝そうな表情のドクオに、指を立てて内藤は言った。
( ^ω^)「負け犬には、なりたくなかったんだお」
(*'A`)「っ! こいつめっ!」
和気藹々と勝利を喜ぶ2人。そんな彼等に、近づく者がいた。
- 23 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:44:47.03 ID:ljEbP3WJ0
- 从 ∀从「………」
ハインリッヒだ。その肩は、細かく震えている。
( ;^ω^)「……お」
(;'A`)「な、何だよテメェ」
――……さない。
('A`)「あ?」
从#゚д从「許さんっ!」
(;'A`);^ω^)「ハヒィッ!」
これまでにないほどハインリッヒは怒り狂っていた。
当然だ。今まで1位、もしくは2位を取っていた自分が、最下位などあってはいいはずがない。
从#゚д从「内藤……貴様だけは、貴様だけはこの私が倒す! いつか必ずっ!」
完璧に口調が変わっている。
内藤やドクオは言い返すことも出来ず、その剣幕に震え上がっていた。
ハインリッヒは暫くその様子を睨みつけていたが、やがて覚えていろ、とだけ言い残し去っていった。
- 24 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:45:26.23 ID:ljEbP3WJ0
- そして迎えた、表彰式。
巨大な城で行われたそれは、豪華という言葉を具現化したような感じだった。
得体の知れない魚から吐き出されたのは、3つの輝くトロフィー。
そのうち内藤は銀色のものをもらうこととなった。すなわち、2位。
( ^ω^)「2位とったどー!」
内藤は心の底から叫んだ。
1位は取れなかったが、それでいい。
最後に笑ったものこそ、真の勝者なのだから。
- 25 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 15:46:40.05 ID:ljEbP3WJ0
-
「……いやまったく、恐ろしい奴がいるものだな、兄者」
「うむ。まったくもって恐ろしい。……ハァハァ」
「あ、兄者? まさかそっちの道へ……」
「うむ? いや、ただあの1位の子が萌えてな。ハァハァ」
「………兄者、母者の下へ引っ張り出してやろうか?」
「いや、や、それは困る。うむ、確かに中々やるな、あの小僧」
「確か……内藤ホライゾンといったか。あの不屈の闘志、侮れないな」
「だが俺達の敵ではない。そう思わんか? 弟者」
「そうだな。兄者のアシストがあれば俺等は天下無敵だからな」
「弟者……」
「兄者……」
( ´_ゝ`) (´<_` )「流石だよな俺等」
- 26 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:49:17.17 ID:ljEbP3WJ0
-
50ccランク・第5コース結果
1位・内藤ホライゾン 10ポイント
2位・ハインリッヒ高岡 7ポイント
3位・ちんぽっぽ 4ポイント
4位・ニダー 1ポイント
5位・ッパ 0ポイント
6位・またんき 0ポイント
総合順位
優勝・ハインリッヒ高岡 41ポイント
準優勝・内藤ホライゾン 32ポイント
3位・ちんぽっぽ 25ポイント
4位・ニダー 9ポイント
5位・またんき 2ポイント
6位・ッパ 1ポイント
- 27 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 15:50:08.73 ID:ozDUeVA40
- 避難所に投下したのか
スレ立ったら聞こうと思ってたんだけどまとめていいですか?
- 28 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:52:37.56 ID:ljEbP3WJ0
- クリオティヒクス
これはもう駄目かもわからんね。
- 29 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:54:07.63 ID:ljEbP3WJ0
- >>27
できたらお願いします。
- 30 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 15:56:37.36 ID:tkK+biKGO
- >>22で最下位に転落して順位が上がらなかった高岡が>>26のポイントで2位になってるんだが
- 31 名前:作者 :2007/01/27(土) 15:59:56.31 ID:ljEbP3WJ0
- >>30
あ、ほんとだorz
俺バカス
50ccランク・第5コース結果
1位・内藤ホライゾン 10ポイント
2位・ちんぽっぽ 7ポイント
3位・ニダー 4ポイント
4位・ッパ 1ポイント
5位・またんき 0ポイント
6位・ハインリッヒ高岡 0ポイント
- 32 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 16:00:18.58 ID:ozDUeVA40
- ttp://www.geocities.jp/local_boon/hoge/boon_Marica/top.html
今から今回の分まとめますね
- 33 名前:作者 :2007/01/27(土) 16:00:38.61 ID:ljEbP3WJ0
- 総合順位
優勝・ハインリッヒ高岡 34ポイント
準優勝・内藤ホライゾン 32ポイント
3位・ちんぽっぽ 28ポイント
4位・ニダー 12ポイント
6位・またんき 2ポイント
6位・ッパ 2ポイント
- 34 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 16:07:09.49 ID:XKnNkO0uO
- はー面白かった長時間楽しめたぜ
確かに文章は結構つっこみどころあったけどな
でもどんどん上達してくんだろうなーこういう人は
当たり前だけどすげー好きで書いてるってのがなんかこう来てるんよね
- 35 名前:作者 :2007/01/27(土) 16:09:05.00 ID:ljEbP3WJ0
- >>32
ありがとうございます。
お忙しいところ申し訳御座いませんがお願いします。
- 36 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 16:31:10.73 ID:jBifapcIO
- ほ
- 37 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 17:03:09.61 ID:jBifapcIO
- ほ
- 38 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 17:39:21.38 ID:jBifapcIO
- し
- 39 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 18:10:35.74 ID:SX6zcZXnO
- つまんね
- 40 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 18:57:19.60 ID:nFdVI3U/0
- ちょっ!!これイイ!!!(携帯可)
http://up.spawn.jp/file/up68660.htm
- 41 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 19:43:46.41 ID:6rEX9AAX0
- 中々面白かった。次はもっと内藤に奇想天外な動きをして欲しい。
もちろんゲームでも出来る範囲の。
ま、絶叫して加速したのはミニターボを使用したから
って事でw
- 42 名前:作者 :2007/01/27(土) 19:50:10.01 ID:ljEbP3WJ0
- 感想ありがとう御座います。
現在閑話を執筆中です。その後100ccがスタートする予定。
というわけでage
- 43 名前:作者 :2007/01/27(土) 20:03:57.27 ID:ljEbP3WJ0
- 閑話1
昼だというのに薄暗く、それでいて青白い光に包まれた一室。
(´・ω・`)「………」
奥のカウンターで20代後半から30代くらいの男がせわしなくグラスを洗っている。
慣れた手つき。ここの主人だろうか。
やがて、扉が開かれ今日最初の客が入ってきた。
从 ゚∀从「……」
主人は表情一つ変えずそれを迎える。
(´・ω・`)「やぁ、ようこそバーボンハウスへ。このテキーラはサービスだからまず飲んで落ち着いてほしい」
从 ゚∀从「……たまには変わったこと言えないのか。まぁいい」
入ってきた客――ハインリッヒは、挨拶もそこそこにカウンター席へ腰掛ける。
差し出されたテキーラを受け取り、一口でぐいっと飲み干す。
その間主人は何も言わず、またグラスを洗う作業に戻っていた。
- 44 名前:作者 :2007/01/27(土) 20:04:14.78 ID:ljEbP3WJ0
- 从 ゚∀从「なぁ」
客が声をかける。
(´・ω・`)「なんだい」
客との会話だというのに随分と親しげな口調だ。
それもそのはず。2人は古くからの知り合いなのだから。
从 ゚∀从「以前のレース、話は聞いてるのか」
そこで主人の表情が少しだけ変わる。穏やかな笑みだ。
(´・ω・`)「うん。最後のコースでは最下位だってね。君らしくもない」
その言葉に感情はこもっていない。まるで台詞の棒読みだ。
しかしハインリッヒは特に気にする素振りも見せない。
(´・ω・`)「話はそれだけかい?」
いや、ハインリッヒは応える。
从 ゚∀从「ちょっとムカツク奴がいて、ね」
(´・ω・`)「へぇ……」
少しだけ、主人は興味をそそられた様子を見せた。
グラスを洗う手を止め、ハインリッヒの話に耳を傾ける。
(´・ω・`)「それで、そのムカツク奴って?」
彼女は暫くの間答えなかった。
だが暫くして、主人に1枚の写真を差し出す。
从 ゚∀从「……こいつだ」
- 45 名前:作者 :2007/01/27(土) 20:04:48.10 ID:ljEbP3WJ0
- 目を細めてその写真をしばし眺める主人。
暫くして意外そうな表情で顔を上げた。
(´・ω・`)「あまりパッとしない男だね。こんなのが君を?」
从 ゚∀从「パッとしないって……お前が言うか。……まぁ、そうだ」
ふーん、と主人は写真をハインリッヒに返した。
(´・ω・`)「で? まだ言いたいことがあるんだろう?」
全てを見透かしたような口調だった。
ハインリッヒはフッ、と笑みをこぼす。
从 ゚∀从「あぁ、そいつを、150ccランクに出場できるよう手配してほしい」
(´・ω・`)「……でも、彼はまだ50ccを1回経験しただけだよ? それなのにいきなり150ccだなんて……」
从 ゚∀从「嘘をつけ。アタイがこう頼むことを知ってたんだろう?」
そうでなきゃ、とハインリッヒは続ける。
从 ゚∀从「あんな変な2人組を表彰式に送り込んでくる筈がない」
しばしの沈黙。やがて、店主はハハハ、と軽く笑った。
(´・ω・`)「全てお見通しというわけか。……うん、いいよ。やってみる」
从 ゚∀从「感謝するよ」
感謝の意を示すハインリッヒ。
だが主人はあ、だけどねと付け足しをした。
(´・ω・`)「暫く時間をもらうよ。まずは100ccをクリアさせなきゃいけないし」
続ける。
(´・ω・`)「それに、君だって150ccには出場したことがないんだろう?」
- 46 名前:作者 :2007/01/27(土) 20:05:20.23 ID:ljEbP3WJ0
- 立ちかけていた席を、その言葉を聞いてまた座りなおすハインリッヒ。
流石だな、と主人に言った。
从 ゚∀从「だからアイツが来るまでには出場できるようにしておくさ」
(´・ω・`)「まぁ、君なら容易いだろうね」
話は終わりだ。
ハインリッヒはそう言って、席を立った。
そのまま出口へと向かう。
(´・ω・`)「あ、御代……」
从 ゚∀从「サービスなんじゃなかったのか?」
黙り込む主人。
その間にハインリッヒは外に出て行ってしまった。
(´・ω・`)「やれやれ、またやられた」
頭を掻きながら主人は去っていく彼女を見つめていた。
やがて店を見渡しながら、
(´・ω・`)「さて、仕事に取り掛かるか」
独り言を呟いて、カウンターの奥へと消えていった。
- 47 名前:作者 :2007/01/27(土) 20:06:46.50 ID:ljEbP3WJ0
- ( ;^ω^)「仕事テラメンドクサス」
夕刻。
すっかり疲れきった顔をして帰ってきた内藤は、自分が住んでいるアパートの一室を目指して階段を登っていく。
そして部屋の前までたどり着くと、ドアの郵便受けに新聞と、何か手紙のような物が入っていることに気がついた。
( ^ω^)「?」
ドクオからだろうか。もしくは以前の活躍を聞いたツンからか?
そんな期待に胸を膨らましながら部屋に入り、あて先を見る。だが内藤宅の住所以外何も書かれていなかった。
仕方なく封を破る。中に入っていた手紙には、極短い文で要件とどこかの住所のようなものが書かれてあった。
“レースはまだ、終っていない”
( ;^ω^)「な、何なんだお?」
そして目を下の住所に移す。知らない場所だ。
( ^ω^)「………」
普段の内藤ならすぐに破り捨て、特に気にしないで済ませるだろう。
だが今回はそうはしなかった。何かが彼の動きを止めたのだ。
( ^ω^)「レースはまだ……終ってない、かお」
- 48 名前:作者 :2007/01/27(土) 20:07:10.66 ID:ljEbP3WJ0
- (´・ω・`)「……来たね」
遠くから向かってくる、1台のタクシー。
それは彼、バーの主人の前で止まり、そのドアを開けた。
出てきたのはハインリッヒが見せた写真の男。
彼は金を支払ってお礼を述べた後、主人の方を向いた。
( ^ω^)「あなたですかお? 僕を呼んだのは」
(´・ω・`)「うん、急用なんだ、すまない。仏の顔もって言うしね。誤って許してもらうとは思わない」
( ;^ω^)「………」
何か話しにくい人だ。内藤はそう思った。
主人は早く事を済ませよう、と言って内藤を奥の建物へと招く。
- 49 名前:作者 :2007/01/27(土) 20:09:02.27 ID:ljEbP3WJ0
- >>48
誤って〜→謝って
( ^ω^)「うはwwwテラスゴスwww」
内藤は思わず感嘆の声を上げた。
建物の中、そこはとても広い、レース場だ。
(´・ω・`)「こっちだよ」
主人の方へと歩み寄る。
そこには1台のカートが置いてあった。
( ^ω^)「カート?」
(´・ω・`)「そうだよ」
何故、こんなところにカートが。
主人はそんな内藤の疑問を知ってか知らずか、1人で喋り始めた。
(´・ω・`)「君は知ってるかい?」
( ^ω^)「? 何が、ですかお?」
やっぱ知らないか、と男は言う。
(´・ω・`)「君の出場したあのレースはね。ほんの、お遊びなんだよ」
- 50 名前:作者 :2007/01/27(土) 20:09:29.04 ID:ljEbP3WJ0
- ( ;^ω^)「……は?」
何を言い出すのだ、この男。
あの激闘がお遊びだと? そんなことがあるわけが
(´・ω・`)「あるわけがない、と思ってるだろうね。でも、本当なんだ」
内藤は黙る。こいつ、只者じゃない。そんな予感がしたからだ。
男は気にせず続ける。
(´・ω・`)「レースには3つのランクがある。50cc、100cc、そして150cc。君の出場したのはその内の最低ランクである50ccなんだ」
そう言うことか。
そう言えばジュゲムも50ccランクとか言ってたっけ。
(´・ω・`)「元は50ccなんて存在しなかったんだけどね。ほら、今回から一般人の参加も可能になっただろう? だから急遽新設されたんだ」
( ^ω^)「どうしてですかお?」
どうして? 男は呆れた様子で答えた。
(´・ω・`)「そりゃだって君、プロのレーサーと一般人が戦って勝てると思ってるのかい?」
( ;^ω^)「あ……」
そうか、そうだったのか。
だからあのランクではレーサーらしき人物がいなかったのか。
- 51 名前:作者 :2007/01/27(土) 20:09:47.57 ID:ljEbP3WJ0
- ( ^ω^)「で、でもハインリッヒは強かったお。一般人とは思えなかったお」
(´・ω・`)「彼女は特別さ」
……特別? 一体、何が。
この男、ハインリッヒを知ってるのか。
(´・ω・`)「まぁそんなことはどうでもいいんだ。僕の聞きたいことはただ1つ」
少しの間を空けて、男は少し強めの口調で言った。
(´・ω・`)「君は、またレースをする気があるかい?」
( ^ω^)「――!」
それはつまり、100ccもしくは150ccに出場しろ、と言うことか。
内藤は悩む。
あの50ccとは比べ物にならないほどの戦い。
自分に、それが制覇できるのか?
……いや、制覇できるできないの問題ではない。
やるかやらないか。今聞かれてるのはそれだけだ。
( ^ω^)「………」
内藤に、あのレース中の感情が蘇ってくる。
喜びや怒り、悔しさや優越感、そして今までに味わったことのない、興奮。
あれを再び感じたい。そんな想いが渦巻いていた。
- 52 名前:作者 :2007/01/27(土) 20:10:06.97 ID:ljEbP3WJ0
- ( ^ω^)「……るお」
(´・ω・`)「? 聞こえないよ」
間が空く。すっと息を吸い込み、よく聞こえるように、言った。
( ^ω^)「やるお!」
男はにやり、と笑った。つられて内藤も笑い返す。
(´・ω・`)「そう言うと思ってたよ。――さぁ、まずは50ccと上位ランクの違いについて説明しておこうか」
それから暫く話が続いた。
産業説明ばかりに頼っていた内藤にとって、それは実に覚えにくかった。
だが何とか飲み込み、確認する。
( ^ω^)「つまり、産業でまとめるとこういうことかお?
・50cc、100cc、150ccでは数字が上がるにつれてカートの基本性能が上がる。
・しかしその一方で操作することが難しくなる。
・勿論コースや選手の強さなどは段違いに高くなる。
(´・ω・`)「うん、そんなところだね」
そこで男は手を叩き、後ろのカートを指差した。
(´・ω・`)「さぁ、説明し終わった所で実際に100ccカートを操ってみようか」
( ;^ω^)「え!? いきなりですかお!」
(´・ω・`)「当然だよ。さっ、早く」
( ;^ω^)「え、でも」
内藤がためらっていると、男の声が急に凄みのある声に変わった。
(´・ω・`)「早くしろ、ぶち殺すぞ」
( ;^ω^)「ハヒィッ!」
内藤は慌ててカートに乗り込んだ。
(´・ω・`)「(やれやれ……手数のかかることだね)」
男は内藤に聞こえないように、独り言を呟いた。
- 53 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 20:11:11.44 ID:aEtFJiHTO
- wktk
- 54 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 20:12:34.97 ID:ljEbP3WJ0
- >>52
・勿論コースや選手の強さなどは段違いに高くなる。
↓
・勿論コースの難易度や選手の強さなどは段違いに高くなる。
これからはもう少し慎重に投下しますorz
閑話はあと1話で終わらせます。更新は明日……の予定。
- 55 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 20:40:32.28 ID:mbS6lCaVO
- 保守
- 56 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 21:05:14.74 ID:/dqPjqTFO
- 乙
- 57 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 22:05:59.90 ID:ozDUeVA40
- ほ
- 58 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 22:25:47.55 ID:6sneomyvO
- ほ
- 59 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 23:19:43.65 ID:6sneomyvO
- ほ
- 60 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/27(土) 23:58:18.56 ID:X8ihRMCNO
- ホシュ
- 61 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 00:59:36.87 ID:Jit2LmP1O
- ( ^ω^)ほしゅんお
- 62 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 01:31:50.11 ID:2jBz2pYC0
- ほす
- 63 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 02:12:19.91 ID:utm2bkbXO
- ほ
- 64 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 03:01:57.35 ID:utm2bkbXO
- し
- 65 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 04:06:50.41 ID:utm2bkbXO
- ほ
- 66 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 05:15:53.49 ID:0x8AFbEKO
- へ
- 67 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 05:49:59.85 ID:Jit2LmP1O
- 保護
- 68 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 08:23:11.72 ID:QGbutKARO
- ほしゅ
- 69 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:28:32.43 ID:4kZj/Pv50
- 閑話2
低く、そして長くエンジンの音が響いている。
それはまるで猛獣の唸り声のようにも聞こえた。
(´・ω・`)「準備は出来たかい?」
マイク越しに男の声がする。
( ^ω^)b「おk」
指を立てて準備完了の旨を伝えた。
男はふぅ、と一息つき、手を上げる。
(´・ω・`)「じゃあ始めようか。まずはコースを1周してみようか」
男が腕を振り下ろすまでの数秒間、静寂が支配する。
内心内藤は心配していた。自分に、操れるのかと。
大丈夫だ。いくら100ccといえど比べ物にならないほど難しいというわけでもあるまい。
そう自分に言い聞かせる。いつもどおりの楽観的思考で。
やがて、男の手が動く。
それは真直ぐ、下に振り下ろされた。
(´・ω・`)「スタート!」
- 70 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:29:34.70 ID:4kZj/Pv50
- アクセルを踏む。刹那、エンジン音が一気に高まり、タイヤが高速回転を始めた。
体は重力によって椅子に押し付けられ、顔はこれでもかというくらいに風が当たる。
そして少し落ち着いたころにはスタート地点は遥か後方となっていた。
これが、100ccカート。
甘く見すぎていたかもしれない。想像以上に速かった。
だけど、扱いきれないレベルではない。
( ^ω^)「――っ!」
まずは最初のカーブ。ハンドルを切る。
黒板を引っ掻いた音を何倍にもしたような甲高い音が響いた。
その様子を見ていた男は一言、
(´・ω・`)「遅いね」
( ;^ω^)「!?」
何だ、これは。
内藤は焦った。確かに“いつもどおり”ハンドルを切ったのに、カーブを曲がりきれず壁に接触してしまった。
決して急なカーブではない。ルイージサーキット並の、緩やかなカーブだ。
なのに、何故。
(´・ω・`)「君、まだ50ccの癖が抜け切ってないようだね」
轟音の最中男の声がする。
50ccの癖? 一体、何のことだ。
(´・ω・`)「100ccはね、とても速いんだよ。 カーブだって早めに始めなければ曲がりきれないのは当然だろう?」
そうか、成程な。
つまりは“いつもどおり”では駄目なんだ。
今までよりもっと早く、そして綺麗に曲がらないと。
厄介だ。とてつもなく。
( ^ω^)「だけど……これでコツは掴んだお!」
内藤はすぐさま、次なるカーブ目掛けて走り出した。
- 71 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:30:22.61 ID:4kZj/Pv50
- (´・ω・`)「ふぅん。飲み込みはいいみたいだね」
開始から1分。まだぎこちなさが残るとはいえ、内藤はよく100ccのカートを操っていた。
流石はハインリッヒを苦戦させた奴ということか。
(´・ω・`)「……さて、もういいかな」
男は懐から携帯電話を取り出し、何処かへと電話をかけた。
4回ほど呼び出し音が鳴っただろうか。やがて誰かがそれに出る。
(´・ω・`)「もしもし。……うん、うん、そう。頼むよ」
男は電話を切る。そして再び、走り続けている内藤を見た。
(´・ω・`)「さて、君の腕前、もっとよく見せてもらおうか」
- 72 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 09:30:54.31 ID:Nq6wtnq80
- キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!
- 73 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:32:26.90 ID:4kZj/Pv50
-
( ^ω^)「うはwwwか・い・か・んwwww」
最早、100ccのカートに恐怖は感じなかった。
むしろこの風、この重力圧、とても心地いい。
と同時に、自分はこんなにもレースの才能があったのかと驚きも覚えていた。
もうすぐ1週だ。
( ^ω^)「これで晴れて100ccに出れるんだお!」
そして満面の笑みを浮かべ、ゴールへと――
「そうはいかない」
( ;^ω^)「!?」
刹那、レース場の外壁を飛び越して、1台のカートが乱入してきた。
一体誰だ。
そんな内藤の疑問に答えるかのように、あの男が言った。
(´・ω・`)「まずは1周おめでとう。さぁ、次は本格的なレースをしてみようか」
- 74 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:34:03.54 ID:4kZj/Pv50
-
乱入してきた車、それに乗っているのは若い男だった。
内藤と同い年、または少し上か。黒の中にアクセントとして、赤の模様が施されたレーサー服に身を包み、こちらを見ている。
(´<_` )「あんたが内藤ホライゾンか」
外見に似合った済んだ声だ。
( ;^ω^)「そ、そうだお」
ちょっとだけ劣等感に襲われた内藤だが、すぐにそれを振り払う。
若い男は自らを弟者、と名乗った。
(´<_` )「早速出すまないが、俺とレースをしてもらおうか」
本当に早速だ。
何故レースなどしなくてはならないのか。
疑問に思うが、その答えはすぐにわかった。1つしかないではないか。
( ^ω^)「腕試し……ですかお」
(´<_` )「そうだ。なぁに、3周もする必要はない。1周でいいぞ」
やっぱり。
コースを1周したくらいで出場できるなど流石に甘すぎたか。
それにしても対戦相手まで出してくるとは、本格的なことだ。
これでアイテムボックスまで出たとしたらもう本番と変わりないだろう。
勿論内藤はその挑戦を、快く承った。
( ^ω^)「受けて立つお!」
(´<_` )「そうこなくてはな」
- 75 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:34:30.62 ID:4kZj/Pv50
-
その様子を見ていたバーの男。そんな彼に別の人物が近寄ってきた。
(´・ω・`)「生憎だけど、今日は得意技は無しだよ」
そちらを見もせずに、唐突に男が言う。釘を刺しているような言い方だ。
( ´_ゝ`)「わかっとる。むしろラッキーだ」
(´・ω・`)「? 何故だい」
(*´_ゝ`)「誰にも邪魔されずソニンタソの画像収集が出来るからな」
近寄ってきたのは弟者に瓜二つの男。
だがその正確は大分違うようだ。
男は暫く黙っていたが、やがて口を開く。
(´・ω・`)「やらないか?」
( ´_ゝ`)「だが断る」
そして、レースは始まった。
- 76 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:35:15.37 ID:4kZj/Pv50
- 練習コース
コース名:くそみそサーキット
コース難易度:☆
出場者一覧
・( ^ω^) 内藤ホライゾン
スピード・☆☆☆
テクニック・☆☆
アイテム運・☆☆☆
・(´<_` ) 弟者
スピード・☆☆☆☆
テクニック・☆☆☆☆
アイテム運・☆☆
- 77 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:37:10.44 ID:4kZj/Pv50
- ( `ω´)「一気にいくお!」
数秒もたたずに加速する。慣れてみれば感心するほどの、素晴らしい加速性能だ。
弟者との差をつけ、そのままゴールする気で走る。
コースの形状は長細い円状、ただそれだけ。
構造ならルイージサーキットよりも単純である。
さて、弟者のほうではあるが、差をつけられたというのに特に追う素振りも見せなかった。
( ;^ω^)「え」
(´<_` )「ハンデだよハンデ」
(#^ω^)「ビキビキ」
随分となめられたものだ。
こうなれば意地でも本気を出させてやる。内藤は決意した。
(#^ω^)「これでどうだお!」
コースの橋から端までを蛇行運転で走行し始める内藤。
挑発のつもりか。
しかし弟者は全く怒る様子も見せない。
(#^ω^)「どうしたお? 抜かせないのかおー」
調子に乗った内藤はピョンピョンとカートを跳ねさせ始めた。
何というか、とても子供じみた挑発だ。
(´<_` )「………」
それを冷たい目で見つめる弟者。
ここまで挑発に乗ってくれないと、している方が逆に参ってしまう。
( ;^ω^)「ちょww少しは反応汁wwww」
2度目のカーブ。このままでいいのだろうか。
もう4分の1ほど終ってしまっているというのに。
- 78 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:38:28.43 ID:4kZj/Pv50
- と、そこで弟者がついに動いた。
(´<_` )「……もう飽きたな」
( ^ω^)「え?」
刹那、弟者のカートが加速し始める。
何というスピードだ。信じられない。
弟者はそのまま蛇行運転で道を塞ごうとしている内藤に目もくれず、壁を蔦って走行、抜かした。
その間僅か2、3秒。んな馬鹿な。
( ;^ω^)「ちょwwww壁を蔦って走行とか反則wwwww」
自分のした一連の行動は何だったのか。まるで意味を成していないではないか。
このままでは駄目だ。そう思った内藤は全速力で弟者を追い越そうとする。
が、追いつけない。
途中自分も弟者のやったように壁の上を走行しようとしたが見事に失敗、こけた。
おかげで更に差が広がってしまう。
3度目のカーブ。ここで何とかして弟者よりも内側に入り、抜かさないと。
だがそれも無理だった。
弟者はまだカーブが始まっていないような段階でハンドルを切り始める。
同時に甲高い音が響き、タイヤとコースの隙間から火花が散った。
- 79 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:39:28.59 ID:4kZj/Pv50
- ――ドリフトカーブ!
かつてちんぽっぽもやったカーブ方法。
カートを横滑りさせることで、どんな急なカーブでも速度を落とさずに曲がりきれるという上級テクニック。
だが、弟者のそれはちんぽっぽのそれよりも遥かに上手く、美しい。
しかも弟者の走っているのはカーブの内側ギリギリのところだ。これ以上内側には入れない。
それ以前に内藤はドリフトすらできないのだ。勝てるわけがない。
その後も弟者との距離はどんどん広がって行き、最早取り返しのつかないところまで来てしまった。
(´<_` )「……この程度か」
落胆の色を隠しきれない弟者。
もう少し楽しめると思っていたが、無理な注文だったようだ。
ならばこのまま、一気に勝負をつけることにしよう。
- 80 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 09:40:14.79 ID:bHc0yobsO
- 支援
- 81 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:40:15.99 ID:4kZj/Pv50
- ( ω)「………お」
? 何だ、何か言っている。
まぁいい。大方悔しくて泣いてるんだろう。
安心しろ。これ以上悔しい思いなどしなくて済むよう、圧倒的な差で勝利してやる。
( ゜ω゜)「おぉぉぉぉぉぉおおおお!」
(´<_`; )「!?」
な、何だ? あいつ、いきなり叫びやがった。
泣いてるのではない。これは――闘志?
馬鹿な。ここまで差が開いてるというのに、まだやる気を持てるのか。
刹那。内藤のカートが加速する。
信じられない。何だあのスピードは。限界速度を超えている。
まさか――!
- 82 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:40:40.85 ID:4kZj/Pv50
- (´<_`; )「ミニ……ターボか!?」
弟者は驚愕した。
自分でもよくやり方のわからない、未知なるテクニック。
それを、自分よりも圧倒的に経験不足の内藤が、やったというのか?
そんな、そんなはずはない。
(´<_`; )「くそっ!」
一気に縮まった差を再び取り返すべく、弟者は更にスピードを上げようとした。
だが無理だった。もう既に最高速度に達している。
ゴールは目の前、だが内藤もすぐ後ろ。
糞、負けるわけにはいかない。こんな、こんな素人に!
そして、2つの影がアーチを潜り抜けた――。
- 83 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:41:25.89 ID:4kZj/Pv50
-
(´・ω・`)「……凄いね」
男がポツリ、と呟いた。
( ;´_ゝ`)「う、うむ……。弟者をあそこまで追い詰めるとはな……」
勝負の結果は、弟者の勝ちだった。
だがそれは圧倒的な差でのものではなく、僅差での勝利。
正直、2人はその結果を素直には信じられなかった。
(´・ω・`)「……流石、彼女をムカつかせた奴だけのことはあるよ」
男は、目下で落胆のあまりしょぼくれている内藤に目を向けた。
暫く黙って見ていたが、やがて振り返り、呟く。
(´・ω・`)「合格だ。……君の更なる力は、本番で見せてもらうことにするよ」
そして、男は去った。
- 84 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:42:25.33 ID:4kZj/Pv50
- 閑話終了です。
次回より100ccランク編スタートです。
それまでにもう少し書き方勉強してきますね(´・ω・`)
- 85 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:45:32.76 ID:4kZj/Pv50
- すいません、誤字発見です。
>>74
(´<_` )「早速出すまないが〜
↓
(´<_` )「早速ですまないが〜
でお願いします。
- 86 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:51:05.91 ID:4kZj/Pv50
- また発見。俺オワタ\(^o^)/
>>75
だがその正確は〜
↓
だがその性格は〜
お手数おかけして申し訳ないですorz
- 87 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 09:52:15.95 ID:7bhvde+LO
- >>74
×外見に似合った済んだ声
○外見に似合った澄んだ声
だとおも。違ったらゴメソ
遅れたけど乙
- 88 名前:作者 :2007/01/28(日) 09:54:26.57 ID:4kZj/Pv50
- >>87
\(^o^)/
素で気づかなかった俺ナサケナス(・ω・`)
- 89 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 09:57:03.09 ID:awabEztrO
- ここまで読んだ
熱い展開で面白い
- 90 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 09:58:45.49 ID:MXl6mMH60
- マジつまんねーな・・・
- 91 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 10:00:32.28 ID:UPp7VG+/O
- なんか第2章!みたいでいいな
こういうの好きだぜ
- 92 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 10:01:34.09 ID:hvt9cHFhO
- ( ^ω^)ホシュおっおっ
- 93 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 10:43:56.97 ID:Nq6wtnq80
- >>90
そう言う意味のないこと止めようぜ?
- 94 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 11:08:54.87 ID:oNzYjvLn0
- 作者乙です。
ちょっと気になったんだが、内藤は少しキレただけで真の力を発揮出来るのか?
真の力は最後まで隠しておく方が個人的に好き
>調子に乗った内藤はピョンピョンとカートを跳ねさせ始めた。
ワロタwこれ良くやるww
- 95 名前:作者 :2007/01/28(日) 11:26:09.23 ID:4kZj/Pv50
- >>94
キレただけでと言うか、キレたときに偶然、無意識のうちに出していたというだけです。
10回キレて10回発動する、というわけではありません。
……というのは建前で、
本当のところはこちらの都合で発動させます。
午後には100cc1話、更新できる予定。
- 96 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 11:32:55.77 ID:UPp7VG+/O
- 覚醒型はかっこいいよな
- 97 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 11:50:01.96 ID:Nq6wtnq80
- >>96
でも乱用しすぎるのもなw
- 98 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 12:07:05.10 ID:UPp7VG+/O
- >>97
ギャップが大事だからな
- 99 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:07:31.88 ID:4kZj/Pv50
- 100cc第1コース、半分ほど投下します。
……ピーチキャッスルの長さは異常orz
- 100 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:07:50.34 ID:4kZj/Pv50
- ( ;^ω^)「………」
内藤は緊張していた。
今まで経験したことのない、威圧感のせいで。
( ;^ω^)「……レベルが……違いすぎるお」
目前に広がる、別世界。
歓声と怒号が飛び交い、紙吹雪が舞って花火が上がる。
100ccカップ。
それは、レースという名の祭典。そして、祭典という名のレース。
マリオカートのキャラが( ^ω^)のようです
――100cc編・開幕――
- 101 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:08:17.51 ID:4kZj/Pv50
- (ジ○○)「さぁ今年もやってまいりました、100ccランク。その栄光を掴むのは果たして誰か!」
飛来したジュゲムが実況を始めている。
50ccではかなりの存在感があった彼も、この会場ではあまり目立たない。
(ジ○○)「まずは選手紹介といきましょう!」
続ける。
(ジ○○)「栄冠をかけて勝負するのは、先だって行われた50ccランクからの挑戦者1名を加えたこの6名です!」
- 102 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:08:49.10 ID:4kZj/Pv50
- 100ccランク・第1コース
コース名・ピーチキャッスル
コース難易度・☆☆☆
出場者一覧
・( ^ω^) 内藤ホライゾン
スピード・☆☆☆
テクニック・☆☆
アイテム運・☆☆☆
・(´<_` ) 弟者
スピード・☆☆☆☆
テクニック・☆☆☆☆
アイテム運・☆☆
・(=゚ω゚)ノ ぃょぅ
スピード・☆☆☆☆☆
テクニック・☆☆
アイテム運・☆☆☆
・( ゚д゚ ) コッチ・ミルナ
スピード・☆☆
テクニック・☆☆☆☆
アイテム運・☆☆☆
- 103 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:09:12.96 ID:4kZj/Pv50
- ・/ ,' 3 荒巻スカルチノフ
スピード・☆☆☆
テクニック・☆☆☆
アイテム運・☆☆☆☆
・(*゚∀゚) つー
スピード・☆☆☆☆☆
テクニック・☆☆☆
アイテム運・☆☆☆
- 104 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:09:32.84 ID:4kZj/Pv50
- (ジ○○)「うぅむ、やはり内藤選手、50ccランクからの初参戦であるだけに若干厳しそうです!」
(;'A`)「厳しいってレベルじゃねーぞ……」
観客席から内藤の様子を見守るドクオは、思わず呟いた。
昨日内藤から連絡があり、100ccに出られるようになったと聞いたから急いで駆けつけたのだ。
だがこの差では……正直言って無謀とも感じてしまう。
ξ;゚听)ξ「ちょっと、大丈夫なの?」
ドクオの横にいるのは、この白熱したレース場にはあまり相応しくないきしゃな体をした少女。
内藤がかつて告白した相手、ツンだった。
彼女はドクオに内藤がプロのレーサーと戦りあうと聞いて、半信半疑ながら来たのだった。
(;'A`)「やべぇな。……まぁ、内藤もわかった上で参加してるだろうから……きっと何か策があるに違いないぜ。多分」
ξ;゚听)ξ「………」
- 105 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:09:52.47 ID:4kZj/Pv50
- ( ^ω^)「………」
そんなドクオ達の心配も知らず、内藤は比較的落ち着いていた。
もし自分がこの100ccに太刀打ちできない程度の腕しかないとすれば、あの男が自分を100ccに出場させるわけがない。
そう考えていたからだ。
それに、ドクオだって以前言っていた。
――それで諦めたら、お前はただの負け犬だ。
だから、諦めるわけにはいかない。たとえどんなことがあっても。
- 106 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 13:10:13.50 ID:4kZj/Pv50
- と、内藤が心でそう誓っているとき、弟者はそんな彼の方を見ていた。
(´<_` )「……油断はしないほうがいいな」
昨日の勝負では勝ちこそしたものの、僅差だった。
恐らくアイツには自分でもまだ気がついていない、凄まじい潜在能力が眠っているのだろう。
あの突然のミニターボがそれを物語っている。
ならば、それが引き出される前に勝負をつける。
そのためには油断せず、全力でかからなければならない。
弟者は自分を“アシスト”してくれる人物がいるであろう観客席を見て、そう決意した。
が、その“アシスト”するべき当本人はというと……。
- 107 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:10:45.61 ID:4kZj/Pv50
- (*´_ゝ`)「ソニンタソハァハァ」
ハァハァしていた。
ひたすらとキーボードを打ち鳴らしレスをし、あちら系の画像があると思われるリンクをクリックしている。
その動作を何度か続けていたその男――兄者は、ふいにその動きを止めた。
( ´_ゝ`)「OK。ブラクラゲット」
( ´_ゝ`)「………」
しかしその独り言に答えてくれる人間は今ここにはいない。
( ´_ゝ`)「やはり、弟者がいないと調子が狂うな」
兄者は選手群の中から弟者を探す。
そして見つけると、そちらに向かって手を振った。
( ´_ゝ`)ノシ
(´<_` )「………」
激しく不安だ。弟者は思った。
でもまぁ、今までもそれで上手くやってきた。きっと、今回も。
- 108 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:11:16.80 ID:4kZj/Pv50
- (ジ○○)「さぁ、まもなく第1レースを開始致します。選手の皆様方はカートに――」
( ^ω^)「おっおっお」
選手が一斉にカートに乗り込む。
そして暫くした後、それに命が吹き込まれてゆっくりと息をしだす。
その一方で乗り手たちは思い思いの方法で精神を落ちつかせた。
まもなく始まる戦いに備えて。
カートがスタートラインに並ぶ。
それを見届けたジュゲムは、おなじみの釣竿を垂らした。
信号が、黄色に変わり、更に青に変わる。
いよいよスタートか。一気に緊張が高まる。
いくら楽観的とはいえ、緊張するときは緊張するのだ。
――落ち着け、落ち着くんだ内藤ホライゾン。
内藤は必死に自分を落ち着かせ、開始に備えた。
そして、スタートの合図が発せられた。
- 109 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:12:07.03 ID:4kZj/Pv50
- スタート早々、最初の驚きが内藤を襲った。
弟者、そしてコッチ・ミルナのカートが、スタートと同時に火を噴いたのだ。
まるでキノコを使ったときのように。
(ジ○○)「おーっと、弟者選手にミルナ選手。いきなりロケットスタートで他と差をつけたぞ!」
興奮したジュゲムが早口で伝えている。
ロケットスタート? 聞いたことないぞ、そんなこと。
だが何時までも驚いているわけにはいかない。
再び気合を引き締めて、内藤はレースに臨んだ。
轟、と音を立て風が内藤の顔に吹きかかる。
そして先程まで遠くにあった景色が一気に目の前にまで近づいてくる。
昨日のことを思い出せ。50ccのことは忘れろ。
迫り来るライバル達をかわしつつ、内藤はそんなことを考えていた。
- 110 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 13:12:24.25 ID:4kZj/Pv50
- すぐに最初のアイテムボックスが来た。
中身は、キノコだ。すぐに使うか? いや、もう少し待とう。
そこから少し走ると、隣に広がる湖へと突き出たカーブが見えてきた。
少しだけ回り道となる。普通ならば。
だがそのカーブ内にあるのは盛り上がった芝生だけ。壁はない。
ここでキノコを使うことにしよう。
只でさえ速かったスピードが、更に上がる。
勢いよく芝生に突っ込んだ内藤、そのまま速度を落とすことなく芝生を越えた。
少しの間だけ跳躍する。下には、道。
そして着地。すぐさまハンドルを右に切る。
何とか、上手く行ったようだ。
- 111 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:13:06.42 ID:4kZj/Pv50
- (;'A`)「す、すげぇ内藤、アイテムの使いどころまでちゃんと弁えてやがる!」
ξ;゚听)ξ「………」
思わず声を上げるドクオ。大して驚きで言葉も出ないツン。
あれが、今走っているあの男が、ついこの間までパッとしなかったあの内藤なのか。
ツンには、それが信じられなかった。
( ;^ω^)「上手く行ったお! 正直ガクブルもんだったお!」
あのままもしカーブが遅れていれば、間違いなく湖に突っ込んでいただろう。
内藤のテクニックは昨日よりも格段に上がっていた。
- 112 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:13:34.02 ID:4kZj/Pv50
- 恐るべき成長速度。それには後方のレーサー達も目を見張った。
(*゚∀゚)「あはは、やるじゃん、アイツ」
可愛らしく、それでいてどこか不気味な笑みを浮かべているのはつー、という名の女性レーサー。
想像を絶するスピードでこの100ccを渡り歩いてきた猛者だ。
(=゚ω゚)ノ「凄ぃょぅ。でも負けなぃょぅ」
ぃょぅ、というこのレーサーは、名前どおり語尾に“ぃょぅ”、ないし“ょぅ”をつけて話す、一風変わった男だ。
だがその実力は本物。――まぁ、本物以外の人間がここにいるわけはないのだが。
そして別の意味で一番凄いのが、もう1人のレーサー、荒巻スカルチノフ。
/ ,' 3 「………」
何と、寝ながら運転している。しかもハンドルを掴んでいるのは足だ。
やる気があるのか無いのかわからない、謎に包まれた男だった。
- 113 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:14:01.25 ID:4kZj/Pv50
-
暫く走ること十数秒、徐々に道のりが険しくなってきた。
カートで走っているとよくわからないのだが、実はこのコース、前半は坂になっているのだ。
その上カーブがかなり多い。ドリフトを扱えない内藤にとっては辛かった。
再度アイテムボックスを通過する。中身は赤甲羅。だがまだミルナも弟者も見えていない以上、迂闊に使うのは無駄というもの。
というわけで後方にぶら下げておくことにする。
が、刹那、鈍い音がして赤甲羅が消えた。
( ;^ω^)「お!?」
(*゚∀゚)「あはははは! おっしーい」
つーだ。カートの周りには……2つの紅い甲羅が!
まずい。
(*゚∀゚)「でももう終りだよっ!」
轟、再度赤甲羅が向かってくる。
当然避けられるはずがない。激突し、クラッシュする。
(*゚∀゚)「じゃあねー」
(=゚ω゚)ノ「ついでに抜かさせてもらうょぅ」
どさくさに紛れてぃょぅまでもが内藤を抜かしていく。
糞、やられた。起き上がってすぐに追う。
だがその時、背後に変な気配を感じた。
- 114 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:14:42.57 ID:4kZj/Pv50
- / ,' 3 「………」
来た。
( ^ω^)「ちょwwwwテラスゴスwwwww」
その奇妙な姿勢に思わず感嘆する。
が、したところで相手は容赦してくれない。
さっ、と掲げてきたのは、スター。
( ^ω^)「……げ」
――轟音。
(メメ´ω`)「………」
悲しいかな、ビリになってしまった。
取り返せないほどの距離ではないが相手が相手だけにキツイ。
途中で取った連続で使えるキノコ――パワフルキノコの力で、何とか追い上げていく。
- 115 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:15:16.79 ID:4kZj/Pv50
-
やがて、真直ぐな道に入った。
遠くの方に何か妙な物体が見える。
( ^ω^)「?」
凝視する。
見たところ、加速装置のような物だということがわかった。
でも何故あんなにでかいのが?
と、ここで先に荒巻がその加速装置に乗った、とほぼ同時に加速。
そして数秒後には天高く舞い上がっていた。
( ;゜ω゜)「ぶぉぉぉぉ!」
どうやら加速装置付きのジャンプ台だったらしい。
ということは、相当長い距離をジャンプすることになる。
正直言って、腰が引けた。
- 116 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:15:47.81 ID:4kZj/Pv50
- ( ゜ω゜)「おぉぉぉぉぉぉ!」
しかし戻るわけにもいかないので、ヤケクソになって特攻する。
加速装置に触れた。一気に体にかかる重力が高まり、苦しいまでにシートに押し付けられる。
そして続いて襲う浮遊感。何度味わっても慣れそうもない。
更にその後すぐに、落下感までもが内藤を襲った。
下を見ないようにしながら、着地するのを待つ。
やがて物凄い衝撃と共にカートが2、3度跳ねた。どうやら成功したようだ。
( ´ω`)「し、死ぬかと思ったお……」
だがあとこれを2回やらなければならない。そう考えると目眩がした。
( ´ω`)「100ccは厳しいお……お?」
- 117 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:16:34.47 ID:4kZj/Pv50
- ( ゜ω゜)「おぉぉぉぉぉぉぉおおっ!」
内藤は三度叫んだ。
何故ならば、彼の目の前に、巨大な城が建っていたのだから。
どこかで見たことのある城だ。一体何処でだろう?
あぁ、そうだ。思い出した。
50ccランクの表彰式の時だ。あの時、ここの城を使った。
暫くの間、思い出にひた……
( ゜ω゜)「ってなんかいられないお!」
すぐに今やってることを思い出し、荒巻を追い始めた。
絶対この城も罠だ。内藤は確信する。
- 118 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:16:58.93 ID:4kZj/Pv50
- そして誘惑の城を越すこと暫く、蛇のようなカーブを曲がった先。
ようやくアーチが見えてきた。
……と同時に、荒巻も発見。
蛇カーブの所で入手した3連赤甲羅を放つ時が来たようだ。
間髪いれず、放った。
クラッシュする荒巻。その間も決して縦にはならず、寝たままだった。
本当に別の意味で最強な奴である。
――抜かす。アーチはすぐ目の前だ。
しかしつーやぃょぅの姿は見えない。よほど先へ行ってしまったようだ。
( `ω´)「(この周で……抜かすお!)」
心にそう誓う。特につーにはさっきのお返しをしなくてはならないから。
大歓声が支配する中、内藤は100ccランク、初めてのアーチをくぐった。
- 119 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:17:30.92 ID:4kZj/Pv50
- 一方、こちらは弟者。
(´<_` )「むぅ……中々に、手強い」
今彼の順位は2位。そして1位は目の前にいる。
( ゚д゚ )
(´<_` )「しつこいようだがこっちみんな」
コッチ・ミルナ。
いつも誰かを見つめている、荒巻と並んで別の意味で怖いレーサー。
勿論腕前も確かで、実際100ccランクの中ではトップクラスの弟者とも互角に渡り合っている。
- 120 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:18:02.58 ID:4kZj/Pv50
- 響き渡る甲高い音。
ミルナ今日何度目かの、ドリフトカーブだ。
弟者もそれに続く。
抜かしたり抜かされたり、先程から一進一退の攻防を繰り広げていた。
アイテムボックスを見つける。
ミルナ、そして弟者がそれを取る。弟者が取ったのは――緑甲羅。
残念ながら曲がりくねっている上、周りが湖で壁がないこのコースでそれを当てるのは厳しい。
普通ならジャンプ台辺りの真直ぐになった場所で使うものだ。
しかし弟者はそれを見るやいなや、会心の笑みを浮かべた。
- 121 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:18:29.50 ID:4kZj/Pv50
- (´<_` )「よし。……兄者、いるか」
( ´_ゝ`)「む、何だ弟者」
弟者が握っているのは通信機。そしてその奥からする声は紛れもなく兄者。
(´<_` )「例の奴を頼む」
( ´_ゝ`)「うむ、任せておけ」
と、返事をした兄者はすぐさま手元のノートPCのキーボードを打ち始めた。
暫くその作業が続き、やがて兄者は答える。
( ´_ゝ`)「今から5秒後、右48度の位置に向かって撃て」
(´<_` )「把握した」
通信機を切る。
そして弟者はブツブツと時間を数え始めた。
(´<_` )「1……2……3……」
- 122 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:18:57.61 ID:4kZj/Pv50
- 4、5。
丁度5秒経った。
その刹那、弟者は右48度の位置へ的確に緑甲羅を放つ。
( ゚д゚ )「!」
ミルナ丁度カーブしかかっていたところだった。
その時弟者は死角となり見えない位置にいる。よって彼が何をしてもわからない状況。
そんな最中突然、目の前に緑甲羅が現れたのだ。
あるいは50ccカートなら甲羅が過ぎ去るのが先だったかもしれない。
が、この100ccではカートが甲羅の射線上に入るほうが先だった。
弟者の行いを見れなかったミルナには避ける暇もなく、クラッシュしてしまった。
(´<_` )「成功したぞ、兄者」
( ´_ゝ`)「うむ、それはよかった」
無線で再度、兄者に連絡を入れる弟者。作戦成功の報を入れているらしい。
お互いの顔は見えないものの、2人はまるで見えてるかのようにぴったりのタイミングで、全く同じことを言った。
( ´_ゝ`)(´<_` )「流石だよな、俺等」
- 123 名前:作者 :2007/01/28(日) 13:29:56.98 ID:4kZj/Pv50
- 飯食ってました。
一応半分投下終了です。
残り半分は夜になると思います。多分。
- 124 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 14:12:27.81 ID:utm2bkbXO
- ほ
- 125 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 14:42:33.56 ID:Jit2LmP1O
- ほ
- 126 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 15:13:55.79 ID:QGbutKARO
- ほし
- 127 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 15:46:14.52 ID:dU8yKA6Q0
- 保守
- 128 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 16:29:12.56 ID:Jit2LmP1O
- ほし
- 129 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 16:54:51.64 ID:7QhzSts50
- 保
- 130 名前:作者 :2007/01/28(日) 17:00:04.77 ID:4kZj/Pv50
- ( ´ω`)「う……しんどいお……」
2周目を半分ほど終えたところ――丁度もう少しでジャンプ台に入るという場所で、今日初めての弱音を内藤が吐いた。
順位は先程と変わってはいない。が、このコースのあまりの長さに体が参ってしまっていた。
( ´ω`)「このままじゃやっていけなお……お?」
視界の端に何かを捕らえたような気がして凝視する。
見間違いではなく、確かに何かがいる。
もう少し近づいてみる。
カートだ。乗っているのは――
( ^ω^)「ぃょぅだお!」
やっと4位を見つけられて元気をより戻す内藤。
だが相手はあと数メートルも走れば加速装置に乗るという状況だ。
速いところ足止めをしておかないと。
- 131 名前:作者 :2007/01/28(日) 17:01:37.14 ID:4kZj/Pv50
-
ふと、アイテムボックスがあることに気づいた。何とか赤甲羅でも出ないものか。
結果はトリプルキノコ。足止めは出来ないが、まぁいいだろう。
ぐん、と加速する。加速装置までに少しでも距離を縮めておかないと。
効果が切れた所で更にもう1回。ぃょぅは加速装置に入り、そしてジャンプし始めた。
そして最後の1回。最高速度のままカートは加速装置に入り、速度を落とさずジャンプした。
少し下のほうに、ぃょぅが見える。
( `ω´)「ぅぉぉぉぉぉおおおお!」
叫ぶ。
この行動に特に意味は無い。ただ、自分に気合を入れるためだけのものだ。
着地。カートが大きく跳ねる。
あの誘惑の城を前にコースは緩やかなカーブとなっている。
そこを越えればあの蛇カーブ、そしてアーチがあった。
- 132 名前:作者 :2007/01/28(日) 17:02:22.25 ID:4kZj/Pv50
- アイテムボックスを再度取る――パワフルキノコだ。
しめた。これで蛇カーブを作っているあの芝生を突っ切ることが出来る。
すなわちそれは、蛇カーブを無視して進めるということだ。
( `ω´)「おぉぉぉぉぉぉっ!」
再度気合を入れる。そしてパワフルキノコを使い始めた。
凄まじい加速力。そしてそれに伴い増える重力圧。
みるみるうちにぃょぅに近づいていく。そして、並んだ。
(;=゚ω゚)ノ「ちぃ、ショートカットかょぅ!」
追い抜く。と、同時に蛇カーブを抜けた。
湖に突っ込まないよう急いでハンドルを右に切る。――ギリギリだった。
残りのキノコを使ってアーチまでにぃょぅとの差を少しでも広げておく。
ぃょぅも負けじと緑甲羅を放つが、無駄だった。
- 133 名前:作者 :2007/01/28(日) 17:03:14.90 ID:4kZj/Pv50
- そしてアーチをくぐる。残り1周。
( ^ω^)「あとはつー、コッチミルナ、そして弟者……かお」
いずれも強敵揃い。
しかも後ろからはぃょぅと荒巻が追いかけてきている。
上手く切り抜けられるだろうか。
――切り抜けられるかどうか? 否、切り抜けるのだ。何が何でも。
再度アイテムボックスを掴んだが、中身はバナナ。
とりあえずあの湖の方に盛り上がっているカーブ、その途中に置いた。
引っかかってくれるかどうかはわからないが、少しは役に立つだろう。
視界が開ける。
目の前に広がる、芝生。
つーの姿は見えない。一体、どこにいるのか?
とにかく追いかけなければ。もう時間がない。
襲い来る急カーブを越え、芝生に乗り込まないよう注意する。
あと700メートルも走ればジャンプ台だろうか。
しかしなおもつーはどこにも姿を見せない。
一体、どこに――
- 134 名前:作者 :2007/01/28(日) 17:04:11.46 ID:4kZj/Pv50
- (*゚∀゚)「どこにいるの、って思ってるだろうね」
( ;゜ω゜)「!?」
馬鹿な、何故、後ろに?
まだ1回も彼女を抜かしてはいないはず。それが、何故。
(*゚∀゚)「テレサって、知ってる?」
テレサ? 何だろう。どこかで聞いたことのあるような。
(*゚∀゚)「アイテムだよ。アイテム。一定時間姿を消すことが出来るんだ」
( ;゜ω゜)「姿を……消す?」
(*゚∀゚)「そ。これでわかった? 私がアンタの後ろにいるわけが」
そういうことか。
テレサで姿を消しそのうちに後ろへと回った。
そういえば、前にもこんなことがあったような気がする。
あれ? でもその時は、姿を消す以外にもっと厄介な効果があったような……。
(*゚∀゚)「テレサの効果はね、もう1つあるんだよ」
つーはにんまりと笑顔を浮かべる。
とてつもなく不気味な笑顔だ。背筋がぞっとする。
何かを懐から出した。何だ? あれは――
(*゚∀゚)「他人のアイテムを奪う、ってのがね」
刹那、つーの体が虹色に光った。
- 135 名前:作者 :2007/01/28(日) 17:04:55.42 ID:4kZj/Pv50
- 視界が、回転している。
つーの体が光ったと思った瞬間、内藤は空高く吹っ飛ばされていた。
更に落下感が襲ってくる。
糞、やられた。まさか、あんなアイテムがあるとは。
衝撃。
意識が飛びそうになるが、何とか持ちこたえる。
よろめきながらもすぐに走り出す。
まだだ、まだ負けるわけにはいかない。
負け犬になるわけには、いかない!
( `ω´)「ぉぉぉぉおおおおっ!」
叫ぶ。
いつかの時のように、ミニターボが発動することはなかった。
つーがこっちを向く。
何が起きた、とでも思ったのだろう。
後ろからぃょぅも追いかけてくる。
抜かされるわけにはいかない。
- 136 名前:作者 :2007/01/28(日) 17:05:59.97 ID:4kZj/Pv50
- 途中のアイテムボックスから赤甲羅を引っ張り出す。
間髪入れずに撃った。
(;*゚∀゚)「ぐっ!」
激突する刹那、つーは思った。
こいつ、何という運の持ち主なんだ。
このタイミングで上手い具合に赤甲羅を引き当てるなんて。
( `ω´)「うぉぉぉぉぉ!」
迫ってくる。糞、アタシだって、負けないよ!
つーのカートが加速した。
どうやら今まで最高速度を出していなかったらしい。
更にツーのカートから火が吹き出る。
キノコだ。それも3連発の。何時の間に拾ったのか。
途中の芝生を無視して一気に差を広げてきた。
そしてジャンプ台の道に入る。
- 137 名前:作者 :2007/01/28(日) 17:07:10.57 ID:4kZj/Pv50
- 内藤も遅れること数秒、ジャンプ台を正面に捉えた。
もうつーはジャンプしようとしている。
途中、緑の甲羅を入手した。
とりあえず後ろに放つ。
痛ぃょぅ! と誰かが叫んだようだが気にしている暇はない。
そして加速装置に踏み入れた。
最早恐怖を感じなくなった大ジャンプ。
着地後の衝撃に多少クラッ、となるがそれだけだ。
誘惑の城の前を通り過ぎる。
先の周ではパワフルキノコを手に入れたアイテムボックス。
だが残念ながら今回はキノコでも赤甲羅でもなく、ボム兵。
つーに当てようとしてもこの距離では無理な話だ。何とか、もう少し近づけないか。
- 138 名前:作者 :2007/01/28(日) 17:07:42.62 ID:4kZj/Pv50
- 蛇カーブを次々にクリアしていく。
最後のカーブを曲がった。あとはゴール地点までは緩やかなカーブがあるのみ。
未だつーとの距離は変わらない。
やけになって、ボム兵を投げた。当然当たらなかったが。
つーが最後のカーブを曲がりきった。一方内藤は今から曲がり始めるというところ。
最早アイテムボックスも何も無い。完全に、八方塞。
そして最後まで奇跡は起きることなく、つーはゴールした。
- 139 名前:作者 :2007/01/28(日) 17:08:38.92 ID:4kZj/Pv50
-
(´・ω・`)「やぁ」
( ´_ゝ`)「む、来ていたのか」
興奮冷め切らぬ観客席の中、兄者に近づいてきたのはあのバーの男だった。
(´・ω・`)「どうだい? 調子は」
相変わらず感情をこめることなく男は聞く。
その声は周りの歓声に掻き消され、注意して聞かないとよくわからなかった。
( ´_ゝ`)「素晴らしいくらいいいぞ。全く、堂々の1位だ」
男はそれを聞いて首をかしげる。そんな馬鹿な、といった感じだ。
やがてあっ、と手を叩く。
(´・ω・`)「いやさ、僕が聞いてるのは弟者のほうじゃなくて彼、内藤君のほうだよ」
む、そうかと兄者はあまり興味なさそうに呟く。
暫くキーボードをカタカタと打ち鳴らしていたが、やがて教えてくれた。
( ´_ゝ`)「4位だ。まぁ、初出場にしては上出来じゃないのか?」
それに、男が応えることはなかった。
ただ、広大なレース場を見て、1人呟くのみ。
(´・ω・`)「こっちだって店を閉めて来てるんだ。……さっさと、見せてくれないかなぁ。君の力を」
男の言葉は、内藤には勿論届かない。
兄者はしばらくそんな男の様子を見ていたが、やがて小さなため息をつくと画像収集に戻っていった。
- 140 名前:作者 :2007/01/28(日) 17:09:05.62 ID:4kZj/Pv50
- 100ccランク・第1コース結果
1位・弟者 10ポイント
2位・コッチ・ミルナ 7ポイント
3位・つー 4ポイント
4位・内藤ホライゾン 1ポイント
5位・荒巻 0ポイント
6位・ぃょぅ 0ポイント
残り4コース
- 141 名前:作者 :2007/01/28(日) 17:10:04.11 ID:4kZj/Pv50
- 100cc1話、終了です。
2話は明日以降になると思います。
さて、コース何にしよう(・ω・`)
- 142 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 17:27:19.22 ID:utm2bkbXO
- ほ
- 143 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 17:34:56.35 ID:hvt9cHFhO
- もつかれ
- 144 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 18:12:25.27 ID:utm2bkbXO
- ほ
- 145 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 19:06:06.22 ID:utm2bkbXO
- ほ
- 146 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 19:57:59.00 ID:r4IHaZJLO
- ほし
- 147 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 20:20:16.20 ID:Jit2LmP1O
- 俺も含めて携帯多いよな、このスレ
保守
- 148 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 20:57:10.43 ID:jPTqbRBVO
- ほしゅ
- 149 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 21:43:33.52 ID:utm2bkbXO
- ほ
- 150 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 21:51:41.27 ID:7QhzSts50
- ほっ
- 151 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 22:33:13.19 ID:utm2bkbXO
- ちんぽっぽ
- 152 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 23:05:39.53 ID:L90DItZ60
- まんこっこ
- 153 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/28(日) 23:44:47.31 ID:L90DItZ60
- ホ
- 154 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 00:16:54.55 ID:omQC//lqO
- ほ
- 155 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 00:35:56.78 ID:Ler/Zp110
- うほ
- 156 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 01:21:43.65 ID:6MeFVQb4O
- ほしゅ
- 157 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 02:22:14.85 ID:IVfaprPjO
- ほ
- 158 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 03:16:56.20 ID:vxBWjTWuO
- し
- 159 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 03:38:46.93 ID:omQC//lqO
- ほ
- 160 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 03:59:04.59 ID:tUJSkAb4O
- ('A`)は誰とフラグがたつのかね
- 161 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 06:59:30.49 ID:vzUNXfxjO
- ほ
- 162 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 08:34:51.30 ID:gjKChqUiO
- ほ
- 163 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 10:39:16.99 ID:ViBCS8xbO
- し
- 164 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 12:11:55.69 ID:omQC//lqO
- (;'A`)落ちるっての!
- 165 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 13:16:13.49 ID:wmXTKnAV0
- (⊃´ω` )⊃ もろこし?
⊂( ´ω`⊂) もろこし?
- 166 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 14:08:00.39 ID:omQC//lqO
- H
- 167 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 14:51:45.28 ID:ViBCS8xbO
- O
- 168 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 15:18:31.47 ID:ljUaNJrp0
- http://www.nicovideo.jp/watch?v=ut6IgH72NSN3U
- 169 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 16:18:43.51 ID:vxBWjTWuO
- ほしゅ
- 170 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 17:38:41.90 ID:7IKen0aJO
- ほ
- 171 名前:作者 :2007/01/29(月) 18:39:56.91 ID:8+WYwotL0
- 執筆進まNEEEEEE!
今日中に更新できるか微妙ですorz
- 172 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 19:22:57.24 ID:UiH6vPVt0
- カービィの世界にドンキーが迷い込んだようです。
ド「前から何か歩いて来たぞ、触ってみよう」
ド「アッー!」
とゆう保守。
- 173 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 19:58:49.54 ID:vzUNXfxjO
- ほ
- 174 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 20:09:07.96 ID:BMAGjRI70
- マリオの世界にドンキーが迷い込んだようです。
ド「あ、誰かいるぞ、こんにち」
ド「アッー!」
保守「。
- 175 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 20:35:39.19 ID:1LWHmar10
- (*゚∀゚)つーちゃんかわいよつーちゃん(゚∀゚*)
- 176 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 20:38:24.41 ID:omQC//lqO
- HO
- 177 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 21:13:39.32 ID:1LWHmar10
- ほぉぉぁぁぁぁあああああああ
- 178 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 21:21:12.18 ID:vxBWjTWuO
- 保守
- 179 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 21:40:23.47 ID:FWVb09d9O
- ほす
- 180 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 22:06:51.31 ID:GAmP/Ib4O
- ほ
- 181 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 22:08:36.16 ID:nXJerkuN0
- ほっしゅほしゅ
- 182 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 22:11:39.84 ID:1LWHmar10
- ハシシュ
- 183 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:18:24.71 ID:8+WYwotL0
- 100ccランク・第2コース
コース名・ヨッシーバレー
コース難易度・☆☆☆☆
出場者一覧
・( ^ω^) 内藤ホライゾン
スピード・☆☆☆
テクニック・☆☆
アイテム運・☆☆☆
・(´<_` ) 弟者
スピード・☆☆☆☆
テクニック・☆☆☆☆
アイテム運・☆☆
・(=゚ω゚)ノ ぃょぅ
スピード・☆☆☆☆☆
テクニック・☆☆
アイテム運・☆☆☆
・( ゚д゚ ) コッチ・ミルナ
スピード・☆☆
テクニック・☆☆☆☆
アイテム運・☆☆☆
- 184 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:18:36.75 ID:8+WYwotL0
- ・/ ,' 3 荒巻スカルチノフ
スピード・☆☆☆
テクニック・☆☆☆
アイテム運・☆☆☆☆
・(*゚∀゚) つー
スピード・☆☆☆☆☆
テクニック・☆☆☆
アイテム運・☆☆☆
- 185 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:18:49.31 ID:8+WYwotL0
- ( ;゜ω゜)「ぶぉぉぉぉっぉお!?」
また、落ちた。
もう何度目だろうか。何度やっても慣れることはない。
(ジ○○)「気をつけてくださいねー」
あぁ、ジュゲムの存在をここまでありがたいと思ったことは今までにない。
もし彼がいなかったらと思うとゾッとする。
( ´ω`)「すいませんお……」
あぁ、こんなところからは早くおさらばしたい。
全く誰なんだ、こんな、馬鹿みたいに危ない場所をコースに選んだのは……。
- 186 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:19:03.79 ID:8+WYwotL0
- ――10分前
ひやっとした風が、頬をなでる。
冷たすぎもせず、かといって生暖かったりせず、とても心地いい風だった。
しかしその風も、目の前に広がる景色を眺めると突然地獄の底から吹く風へと変わる。
( ;^ω^)「危ないってレベルじゃないお……」
何匹もの蛇が複雑に絡み合っているような細く、入り組んだ道。
その真下に広がる、見る者の足を竦ませるような無明の空間。
転倒防止用の柵はなく、一度誤れば地獄への片道切符を掴まされることとなりそうだ。
――ヨッシーバレー。
スーパードラゴンと言われた奇跡の恐竜の名を冠する谷。
その名に相応しく、全コースを総じてもトップクラスの難易度を誇っている。
ここで1位を取るためには、入り組んだ道を落ちないよう慎重にかつ速く渡らなければならない。
- 187 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:19:20.26 ID:8+WYwotL0
- (´<_` )「逃げるなら今のうちだぞ」
ハッとして内藤は横を見る。弟者だ。
内藤をおちょくりに来たらしかった。
( ;^ω^)「し、心配無用だお。この程度でビビるわけがないお!」
そうは言うが、顔面蒼白な上に体中が震えている。
どう見ても高所恐怖症です。本当に(ry
(´<_` )「後悔するなよ……」
絶対後悔する。口でこそ言わなかったものの彼はそう確信しているに違いない。
( ^ω^)「よぉし、い、いつもどおりの走りをして見返してやるお」
そうは言ってもできるかどうか。
とにかく、逃げることだけは絶対にしたくない。
(ジ○○)「さぁ、準備は整ったでしょうか」
あぁ、いつまでも整わなければいいのに。
内藤は無意識のうちにそう思っていた。
いかんいかん、こんなことでは。そう思い直し、頬を叩いて気合を入れる。
( ^ω^)「さぁ、いつでも準備OKだお!」
(*゚∀゚)「お、やる気満々だねー」
けたけたと笑っているのはつー。
よく周りを見れば、怖がっていそうなのは自分ぐらいだった。
負けていられるか。なお更気合が入る。
そして、ジュゲムが開始の合図を鳴らした。
- 188 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:19:40.29 ID:8+WYwotL0
- ――だが結局、この有様だ。
順位は当然最下位。
迷路みたいな道のおかげで今自分がどの変にいるのかすらわからない。
( ´ω`)「こいつぁ―……やばいお」
思わず盛大なため息をついた。
もう落ちないように慎重に進んでいく。
それでも、もし逆走しているならジュゲムが知らせてくれる筈。
よって一応はアーチに近づいていると考えてよいのだろうか。
そのまま暫く進んだ時だった。
ふと、内藤は遠くに見える妙な物体に気がつく。
何だあれは――卵?
しかしそれにしてはやたらとでかい。
家ぐらいの大きさはありそうだ。
そして、更に驚くことには……
- 189 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:19:51.76 ID:8+WYwotL0
- ( ;^ω^)「……動いてるお」
卵が、勝手に動いている。
何かで動かしているのか、自分で動いているのかは定かではないが。
( ^ω^)「とりあえずあれを目指して行ってみるお!」
どうにかして卵に近づこうとする。
しかし、中々思うようには進まない。
やがてようやく、卵を眼の前にする時が来た。
こう見てみると思った以上にでかかった。下手をすれば潰されかねない。
卵の横をそっと通り抜けるような感じで向こう側へと渡った。
向こう側にあったのは、細く今にも崩れそうな吊橋。
これを渡れと言うのだろうか。
( ^ω^)「今更びびらないお!」
平気な顔をして渡っていく。しかしその表情は引きつっていた。
暫くして渡り終える。細かった道は終わりを告げ、草原が視界いっぱいに広がった。
( ^ω^)「これなら怖くないお!」
道なりに、最高速度で進んでいく。すぐにアーチが見えた。
何としてでもこの遅れを取り戻さなければ。
内藤は、焦る気持ちを抑えつつアーチをくぐった。
- 190 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:20:02.80 ID:8+WYwotL0
- (;'A`)「やっときやがった……おせぇよ」
内藤がアーチをくぐった時、すでに5位のつーが通過したときから30秒ほどが経過していた。
たかが30秒、とも思えるが、1、2秒を争うこのレースで、30秒というのは致命的な遅れと言える。
ξ゚听)ξ「もう、だらしがないわね」
と、ツンは言うものの別段内藤が特別だらしがないとかいうわけではない。
周りが化け物ぞろいなだけなのだ。
('A`)「まぁ最後まで結果はわからねぇ。きっとこっから追い上げる筈さ」
しかし根拠はないが。
ξ゚听)ξ「だといいけど」
正直、あまり期待はしていないツンであった。
- 191 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:20:20.13 ID:8+WYwotL0
- 2周目。
アーチをくぐったらすぐにまたあの細い道へと突入することとなった。
少しは慣れてきたのか落ちることも少なくなっている。
( ;゜ω゜)「ぶぉぉぉぉぉ!」
それでも落ちるが。
しかし今回は卵という目印を探せばいいという事がわかった分、1周目よりはマシな筈。
目印を常に視界におきつつ、先程までの記憶を手繰り寄せて進んでいった。
ふと、内藤が何かを視界に捕らえた。
道の上を蠢く謎の物体。その動きは速い。――まさか?
( ^ω^)「5位めっけだお!」
あれが5位ということはまだ見えないので不明だが、内藤は確信していた。
1周目の最初の方に取って今まで使い道の無かった赤甲羅を撃つ。
それは真直ぐ進んで行き――当たった。大きく飛び上がり、地面に叩きつけられる。
そしてそのまま転がって奈落の底へと落ちていった。
- 192 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:20:40.15 ID:8+WYwotL0
- ( ^ω^)「やったお!」
と、喜んではいられない。すぐに追いかけなくては。
しかし下手にスピードを出すわけにも行かず、中々追いつけない。
暫くするとジュゲムによって引き上げられた影がまた動き始めてしまった。
( ´ω`)「うぅ……失敗だお」
でも、諦めない。諦めたらそれで終わりだ。
それは今までに何度も経験してきている。
慎重に進みつつ、途中のアイテムボックスを取る。
中身は――何とキラー。しめた、これで落ちることを気にせず一気に進める。
当然すぐに使った。もたもたしてたらテレサで取られるかもしれないから。
- 193 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:20:51.04 ID:8+WYwotL0
- 轟。
風を切ってキラーが駆ける。
周りの風景がどんどん後ろへと下がって行き、逆に影は近づいてくる。
――形が見えた。乗っているのは……つー。
異常なまでのスピードを持つ彼女だが、ここではそれが命取りになっているようだ。
その顔は非常に不機嫌そうで、ぶっちゃけあまり近寄りたくは無い。
キラーの効果が切れた。つーは目の前にいる。
(;*゚∀゚)「げ、もう来ちゃったのー!?」
慌てふためくつー。そりゃそうだ。ここで抜かされたら自分はビリになってしまう。
しかしそれは内藤も同じで、ここで抜かさなくては自分はビリだ。
……それに、つーには前回の仮がある。ここでそれを返しておかなければ。
細い道に2台のカートが並ぶ。それだけで道はいっぱいになった。
金属同士が擦れ、嫌な音が鳴り、そして火花が散る。
まさしく接戦という言葉が相応しい。
- 194 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:21:04.57 ID:8+WYwotL0
- (#*゚∀゚)「アンタちょっとどけよ!」
(#^ω^)「レースでどけと言われてどく馬鹿はいないお!」
緩やかながらも連続したカーブを曲がる。
タイヤに削られた地面が砕け、石となって崖下へと転落していく。
そして見えてきたのは、あの巨大卵。
(#*゚∀゚)「ぬぅぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
(#`ω´)「ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
卵エリアに入る。
ここで一端両者は離れ、左右から吊橋へと回り込む。
先に入ったのは――内藤だ!
(;*゚∀゚)「くそっ!」
生憎アイテムを持ち合わせていないつーは、ただ後ろからついていくことしかできない。
歯軋りをして吊橋が終るのを待つ。
やがて終った。開放感溢れる草原に突っ込む。
だがその開放感を味わっている暇は無い。
途中に落ちていたアイテムボックスを広い、すぐに中身を確かめる。
- 195 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:21:21.81 ID:8+WYwotL0
- 内藤は緑甲羅。そしてつーも緑甲羅。
お互い、ほぼ同時に放つ。
それはギリギリのところですれ違い、狙ったとおりに当たった。
両者共々クラッシュする。
(ジ○○)「おーっとつー選手と内藤選手、熾烈なビリ争いを繰り広げております!」
多分、1位争いよりも白熱しているのではないだろうか。
お互い全く譲らず、抜かしたり抜かされたりのいたちごっこを繰り返している。
――そして2周目が終った。残り1周。
(#゜ω゜)「ぶぉぉぉぉぉぉ!」
(#*゚∀゚)「ちょいやぁぁぁぁぁ!」
もう、切り立つ崖への恐怖など消えていた。
お互いに相手のことしか目に入っていないようだ。
しかしそれでいて、スピードを上げすぎたりはせず落下はしない。
どうやら頭の底に叩き込まれているらしい。
このヨッシーバレー、珍しくゴールまでの道のりが何通りもある。
だがこのビリ争いをしている2名は別々の道を行こうとはせず、ぴったりとくっついていた。
決して仲がいいというわけではないが。
と、そこでその争いを目撃して焦っている人物がいた。
- 196 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:21:37.28 ID:8+WYwotL0
- (;=゚ω゚)ノ 「……あの2人、化け物かょぅ」
ぃょぅだ。
つーと同じくスピード命なこの男は、やはりこのテクニック重視のコースは苦手なようだった。
それでも、何とか4位につけていた。しかし嫌な連中がきてしまったみたいだ。
さっさとしないと自分がビリになる。その想いはぃょぅに更なる焦りを植え付け、スピードを上げさせた。
だが、それが命取りになるのがこのヨッシーバレーである。
突如、急激にカートごと、ぃょぅが斜めになる。
同時に激しく体が揺らされた。バランスを崩したらしい。
(;=゚ω゚)ノ 「し、しまったょぅ!」
慌てて元に戻そうとしたが、無駄だった。
1回崩したバランスはどんどん酷くなっていき、やがてぃょぅの体は宙に浮いた。
刹那、落下感が彼を襲う。
(=;ω;)ノ 「やられ役はつらぃょぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ………」
悲しきやられ役の悲鳴が、コース中に響き渡った。
- 197 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:22:00.48 ID:8+WYwotL0
- そんなことに全く無関心なビリ2名。
いつの間にかぃょぅを抜かしてビリから脱出しているのも気づかずただ黙々と走っていた。
途中アイテムボックスを何度か拾った。
が、甲羅や足止め系のアイテムは相殺されたり外れたりし、キノコやスターなどは危険すぎて使えない。
で、こういうときに限って役に立つであろうテレサやキラーは出なかったりする。
そして卵が三度見えてきた。
いよいよクライマックス。お互いに譲らない。
そして卵ゾーンに入り、吊橋へと足を進めた。
今回先に入ったのは――つー!
(*゚∀゚)「あははははは! このまま私が勝たせてもらうよー!」
最早スピードに加減は要らない。
一気に最高速度まで引き上げた。徐々に開いていく差。
( ;`ω´)「くっ!」
まずい、このままでは。
ここで何か、何か手を打たないと!
しかしつーは、そんな内藤を尻目に満面の笑みで吊橋を渡り終え――
- 198 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:22:27.59 ID:8+WYwotL0
- ――突如、スリップした。
その原因は、あのお馴染みの黄色い物体。
(;*゚∀゚)「なっ、バナナァァァァ!? そ、そんな」
( `ω´)「バナナ、とは言わせないお!」
(;*゚∀゚)「ぐがっ!?」
スリップしているつーに、内藤が体当たり。抜かした!
そしてそのままアイテムボックスへと突入。中身は――?
( `ω´)「パワフルキノコっ!」
(;*゚∀゚)「はぁ!?」
ど、どこまで幸運なんだこいつは。
流石アイテム運だけは高いことはある、ということなのか。
(;*゚∀゚)「くそっ!」
ツーのアイテムを取る。中身は、スター!
- 199 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:22:39.38 ID:8+WYwotL0
- しめた、こいつで!
つーの姿が虹色に輝く。対して内藤は連続したキノコの効果の影響でカーとが徐々に紅く染まっていく。
両者とも道を無視して草原を突っ切っていく。
無敵対爆走、互角の争い。
猛烈な勢いでアーチを目指す。
(*゚∀゚)「あぁぁぁぁぁぁっ!」
( `ω´)「うぉぉぉぉぉぉお!」
凄まじい争い。しかしどこか、懐かしい。
内藤はそんな感覚を覚えていた。
――从 ゚∀∀゚)――
つーに、“彼女”の姿が重なる。
――あぁ、そうか。
彼女ともやったっけ、この、最高級の戦いを。
結果的に、彼女には負けた。
だが、この戦いでは負けない!
――僕が、僕がかつんだお!
- 200 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:22:51.09 ID:8+WYwotL0
- / ,' 3 「………」
荒巻は、物足りないなぁと思っていた。
スピードこそあまりない自分、しかしテクニックは一級品。
そんな自分にとって、このコースは人が思うよりもずっと簡単な存在なのだ。
――アーチが見える。
さぁ、もう終わりだ。
1位にこそなれなかったが、まぁ十分だろう。
そして荒巻は、ゴールへと……
- 201 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:23:14.10 ID:8+WYwotL0
- 刹那、視界の端から何かが飛び出る。
それは、自分の前に着地し、アーチの方を向いた。
/ ,' 3 「!?」
馬鹿な。この、ゴール目前にして逆転だと?
そんなことが、そんなことがあってたまるか。
だけど、実際に自分の目の前で今起きた。一体どういう、
駄目だ、頭が混乱して回らない。
糞、爪が甘かったということなのか――!?
そして数秒後、3つの影が、同時にアーチをくぐった。
- 202 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:23:28.77 ID:8+WYwotL0
- 100ccランク・第2コース結果
1位・弟者 10ポイント
2位・コッチ・ミルナ 7ポイント
3位・内藤ホライゾン 4ポイント
4位・つー 1ポイント
5位・荒巻 0ポイント
6位・ぃょぅ 0ポイント
100ccランク・第1コース結果
1位・弟者 20ポイント
2位・コッチ・ミルナ 14ポイント
3位・内藤ホライゾン 5ポイント
3位・つー 5ポイント
4位・荒巻 0ポイント
4位・ぃょぅ 0ポイント
残り3コース
- 203 名前:作者 :2007/01/29(月) 22:23:50.21 ID:8+WYwotL0
- 投下終了です。また明日ノシ
- 204 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 22:24:51.16 ID:nJVgWmHFO
- 支援
- 205 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 22:45:53.82 ID:vzUNXfxjO
- ほ
- 206 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 23:08:59.19 ID:b4tLRlkOO
- ほ
- 207 名前:愛のVIP戦士 :2007/01/29(月) 23:33:39.62 ID:1LWHmar10
- やべえ、つーちゃんかわええ
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