- 183 :作者 :2007/01/29(月) 22:18:24.71 ID:8+WYwotL0
- 100ccランク・第2コース
コース名・ヨッシーバレー
コース難易度・☆☆☆☆
出場者一覧
・( ^ω^) 内藤ホライゾン
スピード・☆☆☆
テクニック・☆☆
アイテム運・☆☆☆
・(´<_` ) 弟者
スピード・☆☆☆☆
テクニック・☆☆☆☆
アイテム運・☆☆
・(=゚ω゚)ノ ぃょぅ
スピード・☆☆☆☆☆
テクニック・☆☆
アイテム運・☆☆☆
・( ゚д゚ ) コッチ・ミルナ
スピード・☆☆
テクニック・☆☆☆☆
アイテム運・☆☆☆
- 184 :作者 :2007/01/29(月) 22:18:36.75 ID:8+WYwotL0
- ・/ ,' 3 荒巻スカルチノフ
スピード・☆☆☆
テクニック・☆☆☆
アイテム運・☆☆☆☆
・(*゚∀゚) つー
スピード・☆☆☆☆☆
テクニック・☆☆☆
アイテム運・☆☆☆
- 185 :作者 :2007/01/29(月) 22:18:49.31 ID:8+WYwotL0
- ( ;゜ω゜)「ぶぉぉぉぉっぉお!?」
また、落ちた。
もう何度目だろうか。何度やっても慣れることはない。
(ジ○○)「気をつけてくださいねー」
あぁ、ジュゲムの存在をここまでありがたいと思ったことは今までにない。
もし彼がいなかったらと思うとゾッとする。
( ´ω`)「すいませんお……」
あぁ、こんなところからは早くおさらばしたい。
全く誰なんだ、こんな、馬鹿みたいに危ない場所をコースに選んだのは……。
- 186 :作者 :2007/01/29(月) 22:19:03.79 ID:8+WYwotL0
- ――10分前
ひやっとした風が、頬をなでる。
冷たすぎもせず、かといって生暖かったりせず、とても心地いい風だった。
しかしその風も、目の前に広がる景色を眺めると突然地獄の底から吹く風へと変わる。
( ;^ω^)「危ないってレベルじゃないお……」
何匹もの蛇が複雑に絡み合っているような細く、入り組んだ道。
その真下に広がる、見る者の足を竦ませるような無明の空間。
転倒防止用の柵はなく、一度誤れば地獄への片道切符を掴まされることとなりそうだ。
――ヨッシーバレー。
スーパードラゴンと言われた奇跡の恐竜の名を冠する谷。
その名に相応しく、全コースを総じてもトップクラスの難易度を誇っている。
ここで1位を取るためには、入り組んだ道を落ちないよう慎重にかつ速く渡らなければならない。
- 187 :作者 :2007/01/29(月) 22:19:20.26 ID:8+WYwotL0
- (´<_` )「逃げるなら今のうちだぞ」
ハッとして内藤は横を見る。弟者だ。
内藤をおちょくりに来たらしかった。
( ;^ω^)「し、心配無用だお。この程度でビビるわけがないお!」
そうは言うが、顔面蒼白な上に体中が震えている。
どう見ても高所恐怖症です。本当に(ry
(´<_` )「後悔するなよ……」
絶対後悔する。口でこそ言わなかったものの彼はそう確信しているに違いない。
( ^ω^)「よぉし、い、いつもどおりの走りをして見返してやるお」
そうは言ってもできるかどうか。
とにかく、逃げることだけは絶対にしたくない。
(ジ○○)「さぁ、準備は整ったでしょうか」
あぁ、いつまでも整わなければいいのに。
内藤は無意識のうちにそう思っていた。
いかんいかん、こんなことでは。そう思い直し、頬を叩いて気合を入れる。
( ^ω^)「さぁ、いつでも準備OKだお!」
(*゚∀゚)「お、やる気満々だねー」
けたけたと笑っているのはつー。
よく周りを見れば、怖がっていそうなのは自分ぐらいだった。
負けていられるか。なお更気合が入る。
そして、ジュゲムが開始の合図を鳴らした。
- 188 :作者 :2007/01/29(月) 22:19:40.29 ID:8+WYwotL0
- ――だが結局、この有様だ。
順位は当然最下位。
迷路みたいな道のおかげで今自分がどの変にいるのかすらわからない。
( ´ω`)「こいつぁ―……やばいお」
思わず盛大なため息をついた。
もう落ちないように慎重に進んでいく。
それでも、もし逆走しているならジュゲムが知らせてくれる筈。
よって一応はアーチに近づいていると考えてよいのだろうか。
そのまま暫く進んだ時だった。
ふと、内藤は遠くに見える妙な物体に気がつく。
何だあれは――卵?
しかしそれにしてはやたらとでかい。
家ぐらいの大きさはありそうだ。
そして、更に驚くことには……
- 189 :作者 :2007/01/29(月) 22:19:51.76 ID:8+WYwotL0
- ( ;^ω^)「……動いてるお」
卵が、勝手に動いている。
何かで動かしているのか、自分で動いているのかは定かではないが。
( ^ω^)「とりあえずあれを目指して行ってみるお!」
どうにかして卵に近づこうとする。
しかし、中々思うようには進まない。
やがてようやく、卵を眼の前にする時が来た。
こう見てみると思った以上にでかかった。下手をすれば潰されかねない。
卵の横をそっと通り抜けるような感じで向こう側へと渡った。
向こう側にあったのは、細く今にも崩れそうな吊橋。
これを渡れと言うのだろうか。
( ^ω^)「今更びびらないお!」
平気な顔をして渡っていく。しかしその表情は引きつっていた。
暫くして渡り終える。細かった道は終わりを告げ、草原が視界いっぱいに広がった。
( ^ω^)「これなら怖くないお!」
道なりに、最高速度で進んでいく。すぐにアーチが見えた。
何としてでもこの遅れを取り戻さなければ。
内藤は、焦る気持ちを抑えつつアーチをくぐった。
- 190 :作者 :2007/01/29(月) 22:20:02.80 ID:8+WYwotL0
- (;'A`)「やっときやがった……おせぇよ」
内藤がアーチをくぐった時、すでに5位のつーが通過したときから30秒ほどが経過していた。
たかが30秒、とも思えるが、1、2秒を争うこのレースで、30秒というのは致命的な遅れと言える。
ξ゚听)ξ「もう、だらしがないわね」
と、ツンは言うものの別段内藤が特別だらしがないとかいうわけではない。
周りが化け物ぞろいなだけなのだ。
('A`)「まぁ最後まで結果はわからねぇ。きっとこっから追い上げる筈さ」
しかし根拠はないが。
ξ゚听)ξ「だといいけど」
正直、あまり期待はしていないツンであった。
- 191 :作者 :2007/01/29(月) 22:20:20.13 ID:8+WYwotL0
- 2周目。
アーチをくぐったらすぐにまたあの細い道へと突入することとなった。
少しは慣れてきたのか落ちることも少なくなっている。
( ;゜ω゜)「ぶぉぉぉぉぉ!」
それでも落ちるが。
しかし今回は卵という目印を探せばいいという事がわかった分、1周目よりはマシな筈。
目印を常に視界におきつつ、先程までの記憶を手繰り寄せて進んでいった。
ふと、内藤が何かを視界に捕らえた。
道の上を蠢く謎の物体。その動きは速い。――まさか?
( ^ω^)「5位めっけだお!」
あれが5位ということはまだ見えないので不明だが、内藤は確信していた。
1周目の最初の方に取って今まで使い道の無かった赤甲羅を撃つ。
それは真直ぐ進んで行き――当たった。大きく飛び上がり、地面に叩きつけられる。
そしてそのまま転がって奈落の底へと落ちていった。
- 192 :作者 :2007/01/29(月) 22:20:40.15 ID:8+WYwotL0
- ( ^ω^)「やったお!」
と、喜んではいられない。すぐに追いかけなくては。
しかし下手にスピードを出すわけにも行かず、中々追いつけない。
暫くするとジュゲムによって引き上げられた影がまた動き始めてしまった。
( ´ω`)「うぅ……失敗だお」
でも、諦めない。諦めたらそれで終わりだ。
それは今までに何度も経験してきている。
慎重に進みつつ、途中のアイテムボックスを取る。
中身は――何とキラー。しめた、これで落ちることを気にせず一気に進める。
当然すぐに使った。もたもたしてたらテレサで取られるかもしれないから。
- 193 :作者 :2007/01/29(月) 22:20:51.04 ID:8+WYwotL0
- 轟。
風を切ってキラーが駆ける。
周りの風景がどんどん後ろへと下がって行き、逆に影は近づいてくる。
――形が見えた。乗っているのは……つー。
異常なまでのスピードを持つ彼女だが、ここではそれが命取りになっているようだ。
その顔は非常に不機嫌そうで、ぶっちゃけあまり近寄りたくは無い。
キラーの効果が切れた。つーは目の前にいる。
(;*゚∀゚)「げ、もう来ちゃったのー!?」
慌てふためくつー。そりゃそうだ。ここで抜かされたら自分はビリになってしまう。
しかしそれは内藤も同じで、ここで抜かさなくては自分はビリだ。
……それに、つーには前回の仮がある。ここでそれを返しておかなければ。
細い道に2台のカートが並ぶ。それだけで道はいっぱいになった。
金属同士が擦れ、嫌な音が鳴り、そして火花が散る。
まさしく接戦という言葉が相応しい。
- 194 :作者 :2007/01/29(月) 22:21:04.57 ID:8+WYwotL0
- (#*゚∀゚)「アンタちょっとどけよ!」
(#^ω^)「レースでどけと言われてどく馬鹿はいないお!」
緩やかながらも連続したカーブを曲がる。
タイヤに削られた地面が砕け、石となって崖下へと転落していく。
そして見えてきたのは、あの巨大卵。
(#*゚∀゚)「ぬぅぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
(#`ω´)「ぶぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
卵エリアに入る。
ここで一端両者は離れ、左右から吊橋へと回り込む。
先に入ったのは――内藤だ!
(;*゚∀゚)「くそっ!」
生憎アイテムを持ち合わせていないつーは、ただ後ろからついていくことしかできない。
歯軋りをして吊橋が終るのを待つ。
やがて終った。開放感溢れる草原に突っ込む。
だがその開放感を味わっている暇は無い。
途中に落ちていたアイテムボックスを広い、すぐに中身を確かめる。
- 195 :作者 :2007/01/29(月) 22:21:21.81 ID:8+WYwotL0
- 内藤は緑甲羅。そしてつーも緑甲羅。
お互い、ほぼ同時に放つ。
それはギリギリのところですれ違い、狙ったとおりに当たった。
両者共々クラッシュする。
(ジ○○)「おーっとつー選手と内藤選手、熾烈なビリ争いを繰り広げております!」
多分、1位争いよりも白熱しているのではないだろうか。
お互い全く譲らず、抜かしたり抜かされたりのいたちごっこを繰り返している。
――そして2周目が終った。残り1周。
(#゜ω゜)「ぶぉぉぉぉぉぉ!」
(#*゚∀゚)「ちょいやぁぁぁぁぁ!」
もう、切り立つ崖への恐怖など消えていた。
お互いに相手のことしか目に入っていないようだ。
しかしそれでいて、スピードを上げすぎたりはせず落下はしない。
どうやら頭の底に叩き込まれているらしい。
このヨッシーバレー、珍しくゴールまでの道のりが何通りもある。
だがこのビリ争いをしている2名は別々の道を行こうとはせず、ぴったりとくっついていた。
決して仲がいいというわけではないが。
と、そこでその争いを目撃して焦っている人物がいた。
- 196 :作者 :2007/01/29(月) 22:21:37.28 ID:8+WYwotL0
- (;=゚ω゚)ノ 「……あの2人、化け物かょぅ」
ぃょぅだ。
つーと同じくスピード命なこの男は、やはりこのテクニック重視のコースは苦手なようだった。
それでも、何とか4位につけていた。しかし嫌な連中がきてしまったみたいだ。
さっさとしないと自分がビリになる。その想いはぃょぅに更なる焦りを植え付け、スピードを上げさせた。
だが、それが命取りになるのがこのヨッシーバレーである。
突如、急激にカートごと、ぃょぅが斜めになる。
同時に激しく体が揺らされた。バランスを崩したらしい。
(;=゚ω゚)ノ 「し、しまったょぅ!」
慌てて元に戻そうとしたが、無駄だった。
1回崩したバランスはどんどん酷くなっていき、やがてぃょぅの体は宙に浮いた。
刹那、落下感が彼を襲う。
(=;ω;)ノ 「やられ役はつらぃょぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ………」
悲しきやられ役の悲鳴が、コース中に響き渡った。
- 197 :作者 :2007/01/29(月) 22:22:00.48 ID:8+WYwotL0
- そんなことに全く無関心なビリ2名。
いつの間にかぃょぅを抜かしてビリから脱出しているのも気づかずただ黙々と走っていた。
途中アイテムボックスを何度か拾った。
が、甲羅や足止め系のアイテムは相殺されたり外れたりし、キノコやスターなどは危険すぎて使えない。
で、こういうときに限って役に立つであろうテレサやキラーは出なかったりする。
そして卵が三度見えてきた。
いよいよクライマックス。お互いに譲らない。
そして卵ゾーンに入り、吊橋へと足を進めた。
今回先に入ったのは――つー!
(*゚∀゚)「あははははは! このまま私が勝たせてもらうよー!」
最早スピードに加減は要らない。
一気に最高速度まで引き上げた。徐々に開いていく差。
( ;`ω´)「くっ!」
まずい、このままでは。
ここで何か、何か手を打たないと!
しかしつーは、そんな内藤を尻目に満面の笑みで吊橋を渡り終え――
- 198 :作者 :2007/01/29(月) 22:22:27.59 ID:8+WYwotL0
- ――突如、スリップした。
その原因は、あのお馴染みの黄色い物体。
(;*゚∀゚)「なっ、バナナァァァァ!? そ、そんな」
( `ω´)「バナナ、とは言わせないお!」
(;*゚∀゚)「ぐがっ!?」
スリップしているつーに、内藤が体当たり。抜かした!
そしてそのままアイテムボックスへと突入。中身は――?
( `ω´)「パワフルキノコっ!」
(;*゚∀゚)「はぁ!?」
ど、どこまで幸運なんだこいつは。
流石アイテム運だけは高いことはある、ということなのか。
(;*゚∀゚)「くそっ!」
ツーのアイテムを取る。中身は、スター!
- 199 :作者 :2007/01/29(月) 22:22:39.38 ID:8+WYwotL0
- しめた、こいつで!
つーの姿が虹色に輝く。対して内藤は連続したキノコの効果の影響でカーとが徐々に紅く染まっていく。
両者とも道を無視して草原を突っ切っていく。
無敵対爆走、互角の争い。
猛烈な勢いでアーチを目指す。
(*゚∀゚)「あぁぁぁぁぁぁっ!」
( `ω´)「うぉぉぉぉぉぉお!」
凄まじい争い。しかしどこか、懐かしい。
内藤はそんな感覚を覚えていた。
――从 ゚∀∀゚)――
つーに、“彼女”の姿が重なる。
――あぁ、そうか。
彼女ともやったっけ、この、最高級の戦いを。
結果的に、彼女には負けた。
だが、この戦いでは負けない!
――僕が、僕がかつんだお!
- 200 :作者 :2007/01/29(月) 22:22:51.09 ID:8+WYwotL0
- / ,' 3 「………」
荒巻は、物足りないなぁと思っていた。
スピードこそあまりない自分、しかしテクニックは一級品。
そんな自分にとって、このコースは人が思うよりもずっと簡単な存在なのだ。
――アーチが見える。
さぁ、もう終わりだ。
1位にこそなれなかったが、まぁ十分だろう。
そして荒巻は、ゴールへと……
- 201 :作者 :2007/01/29(月) 22:23:14.10 ID:8+WYwotL0
- 刹那、視界の端から何かが飛び出る。
それは、自分の前に着地し、アーチの方を向いた。
/ ,' 3 「!?」
馬鹿な。この、ゴール目前にして逆転だと?
そんなことが、そんなことがあってたまるか。
だけど、実際に自分の目の前で今起きた。一体どういう、
駄目だ、頭が混乱して回らない。
糞、爪が甘かったということなのか――!?
そして数秒後、3つの影が、同時にアーチをくぐった。
- 202 :作者 :2007/01/29(月) 22:23:28.77 ID:8+WYwotL0
- 100ccランク・第2コース結果
1位・弟者 10ポイント
2位・コッチ・ミルナ 7ポイント
3位・内藤ホライゾン 4ポイント
4位・つー 1ポイント
5位・荒巻 0ポイント
6位・ぃょぅ 0ポイント
100ccランク・第1コース結果
1位・弟者 20ポイント
2位・コッチ・ミルナ 14ポイント
3位・内藤ホライゾン 5ポイント
3位・つー 5ポイント
4位・荒巻 0ポイント
4位・ぃょぅ 0ポイント
残り3コース
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