- 2 :愛のVIP戦士:2007/01/27(土) 15:31:41.54 ID:ljEbP3WJ0
-
50ccランク・第5コース
コース名・ワリオスタジアム
コース難易度・☆☆☆
出場者一覧
・( ^ω^) 内藤ホライゾン
スピード・☆☆
テクニック・☆
アイテム運・☆☆☆
・(・∀・) またんき
スピード・☆☆☆
テクニック・☆☆
アイテム運・☆
・<丶`∀´> ニダー
スピード・☆
テクニック・☆☆☆
アイテム運・☆☆☆
・从 ゚∀从 ハインリッヒ高岡
スピード・☆☆☆
テクニック・☆☆☆
アイテム運・☆☆
- 4 :作者 :2007/01/27(土) 15:32:44.90 ID:ljEbP3WJ0
- (・ω・) ッパ
スピード・☆☆
テクニック・☆☆
アイテム運・☆☆☆
(*’ω’*) ちんぽっぽ
スピード・☆
テクニック・☆☆☆☆
アイテム運・☆
- 5 :作者 :2007/01/27(土) 15:33:39.58 ID:ljEbP3WJ0
- ( ´ω`)「ドクオ……もう……駄目だぽ」
第4コースでの敗北。それは、内藤が総合優勝する可能性が完全に閉ざされたことを意味していた。
もう、いかに頑張ってもハインリッヒに追いつくことは出来ない。
('A`)「……内藤」
かけてやる言葉もない。ここまで頑張ってきた結果がこれでは……。
ドクオは横目でハインリッヒを見た。その表情からは余裕が感ぜられる。
(#'A`)「………」
何とかしてアイツをぎゃふんと言わせてやれないだろうか。
しかしハインリッヒの1位が決まっている以上、どうすることもできない。
とりあえずここは内藤に元気を出してもらうことが先決だ。
ドクオは適当に思いついた台詞を内藤に投げかけた。
('A`)「いいか、内藤。確かにここで幾ら頑張っても勝つことは出来ない」
続ける。
('A`)「でもな、もしそれで諦めればお前はただの負け犬だ。それでもいいのか?」
( ´ω`)「――!」
('A`)「なりたくないなら諦めず、戦い抜け。そして最後を笑顔で締めくくれ。……よく言うだろ?」
最後に笑ったものが、真の勝者だ。って。
( ^ω^)「………」
(;'A`)「(やばい、流石に臭かったかな今の台詞は……)」
内心焦るドクオ。正直に言えば今のは確かに臭かった。
- 6 :作者 :2007/01/27(土) 15:34:00.55 ID:ljEbP3WJ0
- でも、
その言葉で内藤は少しづつ気力を取り戻しつつあった。
何としても自分に元気を出してもらいたい。彼の気持ちは痛いほどよくわかった。
ならば自分はそれにどう答えればいい?
答えは簡単、このコースで1位を取る。そして、悔いを残さず笑顔で終ることだ。
厳しいということはわかっている。でも、奇跡が起きるかもしれない。否、起こしてみせる。
( ^ω^)「……ドクオ」
('A`)「あ?」
しばし黙っていた内藤。
カートのほうへと歩きながら、顔だけドクオのほうに向けてこう言った。
( ^ω^)「見ててくれお。僕が起こす奇跡を」
50ccランク、第5コース。
どう足掻いても勝てない、最後のレースが始まった。
- 7 :作者 :2007/01/27(土) 15:34:41.81 ID:ljEbP3WJ0
- ジュゲムの信号が青に変わる。
刹那、一斉に飛び出す選手達。
ハインリッヒも、優勝が確定しているとはいえ手を抜いてはいない。
ここワリオスタジアムは凹凸が激しく、更にカーブも多いという非常に厄介なコースだ。
だが裏を返せば、障害となるものはそれしかないとも言える。
ここで有利になるのはスピードなどではない。いかにしてカートを自在に操るか――そのテクニックが問われるのだ。
(*’ω’*)「ぽっぽっぽ!」
というわけでちんぽっぽにとっては非常に走りやすいコースと言えた。
持ち前のドライビングテクニックでいとも簡単にコースを走破していく。
( ;^ω^)「何だおここは……。テラメンドクサス」
一方の内藤にとっては厄介なコースだ。
今までのレースで腕は上がったとはいえ、ちんぽっぽのようにスムーズにはいかない。
最初のアイテムボックスを通過。中身はバナナ。
カーブをしながら1個づつコース上に置いていく。
<;丶`∀´>「ニダーッ!」
引っかかったのはまたあいつだ。
いや、別に作者がニダーが嫌いとかそういうわけではないよ? マジで。
轟、と音がして内藤の真横を甲羅が通り過ぎる。しかも3連弾だ。
次々と壁に当たり跳ね返り、即席のトラップを作り上げた。
( ;^ω^)「ちょwwwコワスwww」
ヒヤッとした風を受けながらその地獄を進んでいく。
背後からはハインリッヒ、ちんぽっぽ、またんきやッパが追いかけてくる。
いや、だからニダーを抜かしてるのは偶然だって。
- 9 :愛のVIP戦士:2007/01/27(土) 15:35:18.69 ID:ljEbP3WJ0
- 暫く走り、コースにも慣れてくる。
この辺りからビリ集団とトップ集団の差がつき始めていた。
从 ゚∀从「しつこいな、テメェも」
いつの間にか、ハインリッヒが横に並んでいる。
暢気なものだ。レース中に話しかけてくるとは。
从 ゚∀从「何故そこまで足掻く? 大人しく負けを認めて帰ればいいのによ」
負け? 何を言う。自分はまだ負けてはいない。
確かにレースの負けは決定した。それは認める。だが最後に笑うものこそ、真の勝者だ。
つまりは、
( ^ω^)「ハインリッヒ、君は最後に笑うことは出来ないお。最後に笑うのは――」
刹那、速度を上げる。それに伴いハインリッヒのカートも上げてくる。
( ^ω^)「この僕だお!」
从 ゚∀从「笑わせるな!」
お互いのカートが接触、というよりは激突する。
その度に火花が散り、金属が擦れる音がした。
凄まじい戦い。最早、他の者が入り込む余地はなくなっていた。
ちんぽっぽですら2人には近づこうとしない。
(*’ω’*)「……ま、前回活躍したからいいぽっぽ」
(・ω・)「こっちは殆ど活躍してないッパ(´・ω・`)ショボーン」
後続車両に乗る面々は、それぞれの想いを胸にその戦いを見守っていた。
- 10 :作者 :2007/01/27(土) 15:36:02.70 ID:ljEbP3WJ0
- ( ゜ω゜)「うぉぉぉぉぉぉあぁぁぁ!」
从 ゚∀从「あぁぁぁぁぁぁあああっ!」
お互いの絶叫が交差する。
内藤は緑甲羅をハインリッヒ目掛け投げつけた。
かなりの至近距離。だが、それをハインリッヒはいとも簡単に避ける。
从 ゚∀从「甘いんだよ!」
キノコだ。ハインリッヒのカートのスピードがぐんぐん上がっていく。
内藤との差が広がる。が、このまま行かせるわけにはいかない。
更なる加速。再び横に一列に並ぶ2台のカート。
ハインリッヒは焦った。何故だ? 何故こいつはここまでやる?
大方賞金目当てでこのレースに参加したのだろう。
ならばそれが手に入らなくなった以上、足掻く意味など無い筈。
わからない。こいつはどこまでもわからない。
从; ゚∀从「っ!」
得体の知れない恐怖がハインリッヒを襲う。
从; ゚∀从「いい加減――諦めろ!」
それでも内藤は、引かない。
- 11 :作者 :2007/01/27(土) 15:36:26.82 ID:ljEbP3WJ0
- ふと、内藤が顔を上げた。いつの間にか広く真直ぐな道に入っていた。
どうやら坂らしい。徐々に急になる。
( ^ω^)「一気に越すお!」
速度を限界まで上げる。だがハインリッヒも同じように上げてきた。
そしてお互いを睨み合いながら、坂の頂上へと――
刹那、妙な浮遊感が内藤を襲った。
気になって下を見る。そして肝を潰した。
なぜなら真下に丁度、ッパやニダー達が走っていたのだから!
( ;゜ω゜)「こ、これは――!」
これは、坂じゃない。ジャンプ台だ。
道を全て使った、とてつもなく巨大な。
数秒後、激しい衝撃が伝わってきた。どうやら着地したらしい。
本人は気づいていなかったが、ジャンプしてから着地するまでの数秒間、内藤の気が少しだけジャンプ台のほうに移っていた。
ハインリッヒがその隙を突いて、一気に抜かしてくる。
まずい、やられた。
内藤は焦り、追いつこうと懸命になった。
だがその時、真上から襲いくる小さな物体が視界に入る。
- 12 :作者 :2007/01/27(土) 15:37:16.30 ID:ljEbP3WJ0
- ――ボム兵!
慌ててハンドルを切り爆風をかわす。
しかしその余分な動きと爆風によって引き起こされた砂埃で、ハインリッヒとの差は狭まるどころか広がった。
糞、このまま終らせるか。
連続した急カーブを潜り抜け、やっと見えてきたアーチを目指す。
途中、アイテムボックスを取った。中身は赤甲羅。よし。
間髪入れず放つ。爆音を響かせて紅き弾丸はハインリッヒを捕らえた。
差を一気に縮める。並んだ、そして抜かした。
最後のカーブに入る。ハインリッヒのほうが若干内側。その分時間を短縮し、内藤と再度並ぶ。
そして体当たりをかます。どけ、1位はアタイのものだ、と。
そうはいかないお、絶対に負けないお! 内藤はそう言いたそうな顔で同じように体当たりをしてきた。
そして、2人同時にアーチをくぐる。
2周目だ。
何とかしてそろそろ差を引き離したい。その想いは両者とも一緒だった。
アイテムボックスを通過。数秒後、2人が同時に緑甲羅を撃った。
それは壁にぶつかり、跳ね返る。そして両者を襲った。――避ける。
数十秒経つと、徐々にハインリッヒのほうが上に出てきていた。
カーブに続くカーブ。それを全て内側で曲がっている彼女の方が、若干とはいえ時間を短縮しているのだ。
まずい。少しの差といえど塵も積もれば山となる。放っておくのは危険だ。
何とかして縮めないと――。
- 13 :作者 :2007/01/27(土) 15:37:42.34 ID:ljEbP3WJ0
- と、そう内藤が思った刹那、急にハインリッヒが速度を緩め始めた。
( ^ω^)「?」
何をする気だ? わからない。でもまぁ、いいだろう。
この隙に抜かしてやる。
内藤は少しだけ不安になりつつも、ハインリッヒを抜かした。
――刹那、内藤はハインリッヒの顔を見た。
从 ∀从
不気味な笑顔。何だ? 何を考えているんだ?
ふと、耳を澄ます。何か音がしている。そしてそれは段々と近づいてくる――。
ま さ か
- 14 :作者 :2007/01/27(土) 15:38:13.30 ID:ljEbP3WJ0
- 内藤が危機を感じ後ろを振り向いた、そのときには全てが手遅れになっていた。
迫り来る、凶悪な影。
それはハインリッヒを抜かし1位になった内藤を、容赦なく貫き吹き飛ばした。
( ゜ω゜)「がっ――!」
やられた。ハインリッヒはトゲゾーが来ることを感じ取っていたのだ。
だから内藤を抜かし、1位をわざと譲った。自分を守るために。
――ヒャーッハッハッハ!
ハインリッヒの高笑いが、コースを駆け巡った。
景色が目まぐるしく回転する。あぁ、前にもこんなことがあったっけ。
次いで来る、耐え難い衝撃。
馬鹿な奴だ。
ハインリッヒは心の中で内藤を嘲った。
幾ら自分に屈辱や恐怖を与えた存在とはいえ所詮は素人。
この、幼くしてレーサーとの道を決定付けられた自分に敵うはずがない。
内藤のカートが地面に激突する。
あばよ、素人レーサー。お前との戦いは中々楽しめた。
だがこれで、終わりだ――。
- 15 :作者 :2007/01/27(土) 15:38:57.12 ID:ljEbP3WJ0
- ( ω)「おぉぉぉぉぉぉぉっ!」
从; ゚∀从「!」
内藤が絶叫する。何だ、コイツまだ諦めない気か!
後ろを見る。既に内藤は走り出していた。
落ち着け、大丈夫だ。この差、そう簡単に埋められるものではない。
自分はいつもどおりの走りをして、いつもどおり勝てばいいだけだ。何を恐れている。
しかし、そうはいかなかった。
何だ、あの速度は? 限界速度を超えている?
馬鹿な、有り得ない。有り得るわけがない!
从; ゚∀从「――!」
はっと、ハインリッヒは思い出す。
そうだ、自分もしてたではないか。前回のコースで、あの限界速度突破を。
あの時も自分は叫んでいた。負けるわけにはいかない。絶対に負けない。そんな想いをこめた叫びだった。
まさか、あいつも?
同じなのか。自分と全く同じ事をしたというだけなのか。
――面白い。
そこまでして足掻く気というのなら、受けて立とう。
そして徹底的に叩き潰す! 最早、二度と立てないまでに!
从 ∀从「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
絶叫。
来い、内藤ホライゾン。決着をつけよう。
そしてわからせてやる。
この世にはいかに足掻いても超えることのできない、絶対的な差というものがあるということを!
- 16 :作者 :2007/01/27(土) 15:39:33.67 ID:ljEbP3WJ0
- 超がつくほどの凸凹道、そして巨大ジャンプ台。
それらをこしてアーチをくぐる。3週目だ。
トゲゾーによってつけられた差は既に埋まっている。
息を呑むような、接戦。
赤甲羅が唸り、緑甲羅がそれを相殺する。
ボム兵を飛ばしそれを避け、お返しとばかりにキノコダッシュでの体当たり。
お互い一歩も譲らない。譲るわけにはいかない。
( ゜ω゜)「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
从 ゚∀从「あぁぁぁぁぁぁぁっ!」
再度、絶叫の交差。
何度かカーブを越し、アイテムボックスを発見、取る。
内藤に赤甲羅が来た。よし、これで一気に勝負を――
だが、無理だった。
赤甲羅を放とうと上げた手には、赤甲羅はなかったのだから。
( ;゜ω゜)「!?」
わけがわからない。どうしたんだ、どこにいったんだ!?
- 17 :作者 :2007/01/27(土) 15:40:17.47 ID:ljEbP3WJ0
- 从 ∀从「知りたいか?」
馬鹿な。
後ろに、ハインリッヒがいた。
どういうことだ? ハインリッヒが動いたことなど、全くわからなかった。
更に驚くべきことには、その手に赤甲羅が握られていること。
一体、どういう――
後頭部を凄まじい衝撃が襲う。
あぁ、またくらってしまった。
内藤は、もう何度目だろうか、とにかく宙を舞っていた。
ごめんだお、ドクオ。
もう、僕は勝てないお。
内藤は、心の中で共に詫びた。
- 18 :作者 :2007/01/27(土) 15:40:54.81 ID:ljEbP3WJ0
- 「――だ」
? と、その心の声に誰かが答える。
誰だ、ドクオ――?
「――犬だ」
犬だと、自分は犬じゃない。
あれ? 待てよ、そういえばドクオが“犬”のつく言葉をさっきも言ってたような――
('A`)「それで諦めれば、お前はただの負け犬だ」
( ゜ω゜)「!」
- 19 :作者 :2007/01/27(土) 15:41:43.95 ID:ljEbP3WJ0
- ハインリッヒはこみ上げる笑いを抑えるのに苦労していた。
あいつ、今頃悔しくて泣いてるだろうな。
いかに諦めが悪いあいつとはいえ、流石にもう駄目なんだということがわかっただろう。
アタイに勝つことなんて、不可能なんだから。
「――ぉ」
誰だ。何か変な声が聞こえた。
まぁ多分観客だろう。アタイの活躍に歓声を送ってるに違いない。
「――ぉぉ」
? あれ、何か違うぞ。
この声、どこかで聞いたような気がする。それもついさっき。
え、まさか、そんな。
そんなわけがないよな。そうだよ。絶対に、そんなこと――
( ゜ω゜)「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
从; ゚∀从「馬鹿なぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
何なんだよアイツ、有り得ない。絶対に有り得ない。
どこからそんな闘志が湧いて出てくるんだ。いい加減諦めろよ!
ハインリッヒの恐怖は最高潮にまで高まっていた。
内藤の不屈の闘志。それはまるで撃っても撃っても迫ってくるゾンビのよう。
怖い、アイツが怖い。怖い怖い怖い怖い怖い。
- 20 :作者 :2007/01/27(土) 15:42:43.28 ID:ljEbP3WJ0
- 从 ∀从「あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
再度絶叫する。
ここまで来たんだ、絶対に負けない。
このアタイが、ハインリッヒ高岡が、負けるわけなどない。
ましてやこんな、死に損ないのゾンビ野郎に!
ハインリッヒはいよいよ、巨大ジャンプ台にさしかかろうとしていた。
内藤は最後の勝負に出ていた。
自分でもなんでこんなに諦めず、戦い抜けるのかわからない。
ただ、頭の奥にはドクオのあの言葉があった。
――それで諦めれば、お前はただの負け犬だ。
負け犬なんかにはなりたくない。絶対に嫌だ!
ジャンプ台の直前に来る。そこでアイテムボックスを拾った。中身は?
- 21 :作者 :2007/01/27(土) 15:43:21.32 ID:ljEbP3WJ0
- ( ゜ω゜)「サン……ダー、かお」
まさかこんな所でこんなアイテムに出くわすとは。何という幸運。
すぐにでも使うか。そうだ、悠長に構えてなど入られない。
内藤は、ためらうことなくその雷をかざした。
刹那、視界が真っ白になり、轟音が轟いた。
ハインリッヒは焦る。これは、サンダーか?
丁度そのころ彼女はジャンプしようとしていた。だが直前にてみるみる速度が下がっていく。
やばい、やばいやばいやばい。
やめろ、止まってくれ。このままジャンプしたら、絶対に――!
ハインリッヒの心の叫びも空しく、本来の半分にも満たない速度で彼女は空中に飛び出していた。
速度の足りないジャンプなどまるで意味がない。向こう側の道に届かず、自然の法則にしたがって落下していく。
やられた。
从 ∀从「内藤ぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ゆる……さない。
ハインリッヒの叫びは、観客の大歓声によって悲しく掻き消されていった。
- 22 :作者 :2007/01/27(土) 15:43:56.62 ID:ljEbP3WJ0
- (ジ○○)「ゴォォォル! 内藤選手、最後の最後に1位を取りました! しかも、ライバルハインリッヒ選手を最下位に転落させて!」
内藤のサンダーによってジャンプに失敗、落下したハインリッヒは最下位に転落。
必死の追い上げも順位を上げることは叶わずそのままレースは終了を告げた。
一方の内藤は当然ぶっちぎりの1位。
まさに、圧倒的な勝利と言えた。
('∀`)「おっしゃあぁぁぁぁぁぁ! よくやったぜ内藤ぉぉぉぉぉ!」
( ;゜ω゜)「ちょwwwドクオwww死ぬからやめてくれおwwww」
奇跡の逆転激に超興奮状態のドクオは、内藤の首を掴んでゆっさゆっさと揺さぶっていた。
勿論総合的な勝負には負けたが、最後の最後に最高の形で勝てた。それでいいじゃないか。
しかし、疑問が1つだけあった。
('A`)「そういや、何であんなに頑張れたんだ?」
( ^ω^)「お? どういうことだお?」
('A`)「いやさ、あんなにトゲゾーやら赤甲羅やらくらって、俺なら諦めてるぜ」
そういえば、何でだろう。
やはりあのドクオの言葉だろうか。そうだ、そうに違いない。
( ^ω^)「ドクオのおかげだお」
('A`)「え?」
怪訝そうな表情のドクオに、指を立てて内藤は言った。
( ^ω^)「負け犬には、なりたくなかったんだお」
(*'A`)「っ! こいつめっ!」
和気藹々と勝利を喜ぶ2人。そんな彼等に、近づく者がいた。
- 23 :作者 :2007/01/27(土) 15:44:47.03 ID:ljEbP3WJ0
- 从 ∀从「………」
ハインリッヒだ。その肩は、細かく震えている。
( ;^ω^)「……お」
(;'A`)「な、何だよテメェ」
――……さない。
('A`)「あ?」
从#゚д从「許さんっ!」
(;'A`);^ω^)「ハヒィッ!」
これまでにないほどハインリッヒは怒り狂っていた。
当然だ。今まで1位、もしくは2位を取っていた自分が、最下位などあってはいいはずがない。
从#゚д从「内藤……貴様だけは、貴様だけはこの私が倒す! いつか必ずっ!」
完璧に口調が変わっている。
内藤やドクオは言い返すことも出来ず、その剣幕に震え上がっていた。
ハインリッヒは暫くその様子を睨みつけていたが、やがて覚えていろ、とだけ言い残し去っていった。
- 24 :作者 :2007/01/27(土) 15:45:26.23 ID:ljEbP3WJ0
- そして迎えた、表彰式。
巨大な城で行われたそれは、豪華という言葉を具現化したような感じだった。
得体の知れない魚から吐き出されたのは、3つの輝くトロフィー。
そのうち内藤は銀色のものをもらうこととなった。すなわち、2位。
( ^ω^)「2位とったどー!」
内藤は心の底から叫んだ。
1位は取れなかったが、それでいい。
最後に笑ったものこそ、真の勝者なのだから。
- 25 :愛のVIP戦士:2007/01/27(土) 15:46:40.05 ID:ljEbP3WJ0
-
「……いやまったく、恐ろしい奴がいるものだな、兄者」
「うむ。まったくもって恐ろしい。……ハァハァ」
「あ、兄者? まさかそっちの道へ……」
「うむ? いや、ただあの1位の子が萌えてな。ハァハァ」
「………兄者、母者の下へ引っ張り出してやろうか?」
「いや、や、それは困る。うむ、確かに中々やるな、あの小僧」
「確か……内藤ホライゾンといったか。あの不屈の闘志、侮れないな」
「だが俺達の敵ではない。そう思わんか? 弟者」
「そうだな。兄者のアシストがあれば俺等は天下無敵だからな」
「弟者……」
「兄者……」
( ´_ゝ`) (´<_` )「流石だよな俺等」
- 26 :作者 :2007/01/27(土) 15:49:17.17 ID:ljEbP3WJ0
-
50ccランク・第5コース結果
1位・内藤ホライゾン 10ポイント
2位・ちんぽっぽ 7ポイント
3位・ニダー 4ポイント
4位・ッパ 1ポイント
5位・またんき 0ポイント
6位・ハインリッヒ高岡 0ポイント
総合順位
優勝・ハインリッヒ高岡 34ポイント
準優勝・内藤ホライゾン 32ポイント
3位・ちんぽっぽ 28ポイント
4位・ニダー 12ポイント
6位・またんき 2ポイント
6位・ッパ 2ポイント
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