100 :作者 :2007/01/26(金) 18:50:26.66 ID:O+76AGYo0
50ccランク・第4コース

コース名・マリオサーキット
コース難易度・☆☆☆

出場者一覧

・( ^ω^) 内藤ホライゾン
スピード・☆☆
テクニック・☆
アイテム運・☆☆☆

・(・∀・) またんき
スピード・☆☆☆
テクニック・☆☆
アイテム運・☆

・<丶`∀´> ニダー
スピード・☆
テクニック・☆☆☆
アイテム運・☆☆☆

・从 ゚∀从 ハインリッヒ高岡
スピード・☆☆☆
テクニック・☆☆☆
アイテム運・☆☆

101 :作者 :2007/01/26(金) 18:50:49.43 ID:O+76AGYo0
(・ω・) ッパ
スピード・☆☆
テクニック・☆☆
アイテム運・☆☆☆

(*’ω’*) ちんぽっぽ
スピード・☆
テクニック・☆☆☆☆
アイテム運・☆

102 :作者 :2007/01/26(金) 18:51:12.72 ID:O+76AGYo0
第3レースを行ったチョコレートマウンテンから車で1時間ほど移動した先、そこに第4レースの会場はあった。
一見すれば短めのコース。しかしそこには、数々の罠が待ち構えているという……。

(´・ω( ゜ω゜)「ぶぉぉぉぉぉぉぉ!」
そしてここにまた、犠牲者が1人……。


( ^ω^)「と、いうお話だったんだお」
('A`)「……誰に言ってるんだよ」

鋭い日差しがコースを刺している。
この大会、コースによって気候の変化が激しく、すでにそのせいで倒れてしまった観客も何人かいた。
しかし選手達は特にどうってことはなさそうだ。賞金の力は偉大である。
( ^ω^)「じゃ、そろそろ行くお」
('A`)「あぁ。これで1位とんないと後がないぜ」
( ;^ω^)「わ、わかってるお」

ドクオの言うとおりだった。

現時点でトップはハインリッヒの27ポイント。
内藤は一応2位につけてはいるものの、ポイントは18。
その差9ポイント。並大抵のことでは追い越せない。

改めて気合を入れなおす。
この試合、絶対に負けるわけには行かない。

103 :作者 :2007/01/26(金) 18:51:50.28 ID:O+76AGYo0
(ジ○○)「さぁさぁ、皆さん準備はよろしいですか? このグランプリもいよいよ終盤に近づいてまいりました」
ジュゲムがやはりどこからともなく現れて、興奮気味の口調でアナウンスをしている。
(ジ○○)「果たして栄光は誰の手に? 選手達の準備が終り次第スタートすることに致しましょう!」
と言っても殆どの者は準備を終えている。
いつでもスタートできる状況だ。
ジュゲムもそれを感じ取ったのだろう。あまり待たずに釣竿を垂らした。

(ジ○○)「では参ります! 3……2……」
1。その後すぐに、信号は青に変わる。
(ジ○○)「スタート!」

105 :作者 :2007/01/26(金) 18:53:05.56 ID:O+76AGYo0
気合十分の内藤が一気に前へと飛び出す。
その後を追うようにして、ハインリッヒが、ちんぽっぽが、その他の選手達が続く。
このマリオサーキットで厄介なのは、多めのカーブとコースの周りに広がる芝生地帯。
カーブを曲がりきれずに芝生に乗り上げてしまうと、それだけで大きなタイムロスとなる。
だがすでに3コースを走ってきた内藤はそんなことで躓いたりはしない。
若干ぎこちなさが残るものの、比較的スムーズにカーブをクリアしていく。

そして最初のアイテムボックスが見えた。これも真っ先に取っていく内藤。
中身は――緑の甲羅。まぁバナナよりはましか?
( ^ω^)「ぶら下げておくお」
こうしておけば万が一赤の甲羅なんかが飛んできたときにも対処できる。トゲゾーではどうしようもないが。
と、予想通り早速赤の甲羅が飛んできた。ハインリッヒか?

<丶`∀´>「アイゴーッ!」
違った。
ハインリッヒはニダーの後ろにいた。
どうやら様子を窺っているらしく、口元に若干の笑みが浮かんでいる。

と、そこで内藤は前を向いたので気づかなかったが、この最初のアイテムボックス付近で、不可解な行動をする選手がいた。


106 :作者 :2007/01/26(金) 18:53:48.79 ID:O+76AGYo0
(*’ω’*)

その選手の名はちんぽっぽ。カートを自在に操るテクニシャンだ。
彼はアイテムボックス付近に近づくやいなや、ブレーキを踏んでカートの動きを止めたのだ。
(ジ○○)「? ちんぽっぽ選手、どうしたのでしょうか。カートの故障か?」
そうではないようだ。
現にカーとはゆっくりながらも動いている。そしてちんぽっぽにも焦った様子は見えない。

アイテムボックスを通過。中身は――トリプル赤甲羅。
しかしちんぽっぽはそれを見るやいなや、瞬時に撃ちまくって使い切ってしまった。
そしてまたアイテムを取る。
(;ジ○○)「な、何をしたいのでしょうちんぽっぽ選手、ひたすらアイテムを取っています!」
ちんぽっぽの不可解な行動は、しばらく続いていた……。


107 :作者 :2007/01/26(金) 18:54:31.39 ID:O+76AGYo0
( `ω´)「ぶぉぉぉ!」
そんなことを知る由もない内藤は、コースを半周ほど既に周りハインリッヒと熾烈な1位争いを続けていた。
ニダーはというと、ハインリッヒのきっついボム兵の一撃で今や遥か後方にいる。最初のコースでは2位だったのだが……。
从; ゚∀从「しつけぇんだよ、テメェは!」
内藤のカートに何度も何度も、体当たりをくらわすハインリッヒ。
しかし効果はいまひとつで、内藤はぴったり横についてきている。

そしてまたもやアイテムボックスが。
これでいいアイテムを出した方が一気に有利になるだろう。
そしてこの勝負を制したのは――

从 ゚∀从 「ヒャヒャヒャ! くらいな!」
ハインリッヒだった。手にしているのは赤甲羅。
( ;`ω´)「ぐっ!」
一方の内藤はボム兵だ。威力では上だが、この至近距離。下手に使えば自分まで爆風に巻き込まれる。
ハインリッヒは少しだけブレーキを踏み、内藤を前に出す。
と同時に赤甲羅を放った。

盛大にクラッシュする内藤。
ハインリッヒは高笑いをしながらその場を通り過ぎていった。
( ;`ω´)「ま、まだまだだお!」
諦めるわけにはいかない。諦めたら、それで終わりなのだから。


109 :作者 :2007/01/26(金) 18:55:07.42 ID:O+76AGYo0
と、時間を遡ること数十秒。
最初のアイテムボックス付近ではちんぽっぽがまだ謎の行動を繰り返していた。
(#’ω’*)
心なしかちんぽっぽもイライラしている様子。いつまで続ける気だろうか。

だがやがて、
(*゜ω゜*)「!」
目の色が変わった。その手に握られているのは――トリプルキノコ。
これで、何をする気なのか。
トリプルキノコを取ったちんぽっぽはすぐさま走り出した。
カーブを何度か越え、やがて左手に坂、そして右手には壁が立ち塞がっている道に出る。
するとちんぽっぽはいきなり左手の坂に登り始めた。当然、スピードは落ちる。
(;'A`)「な、何をする気だあの野郎……」
その奇怪な行動に、何故か不安を隠しきれないドクオ。
こいつ、何かとんでもないことを考えている。

やがて坂の途中でユーターン。ちんぽっぽの目の前には道路と、そしてその奥に壁があった。
ほんの少しだけ間を空けて、ちんぽっぽが走り出す。
(;'A`)「――まさか……!」
ドクオの脳裏に嫌な予感が過ぎる。
まさか、まさかあいつは――!


110 :作者 :2007/01/26(金) 18:56:02.40 ID:O+76AGYo0
(*’ω’*)「ぽっぽぽっぽ!」
擬音で表すならばドン、ゴッといった感じの音と共にちんぽっぽは加速する。
どうやらキノコを使ったらしい。
そしてちんぽっぽは最高速度のまま、コースを越え芝生に出ようとする。
1秒もかからず、コースと芝生の合間に到達し――

跳躍。
最高速度で突っ込んだカートは、芝生とコースの合間、丁度緩やかな下り坂になっている部分で跳ねたのだ。
しかもそれは、有り得ないほど高い。壁を、越している。
(;'A`)「壁を越す気か!?」
正気の沙汰とは思えない。だがしかし、そんなドクオを嘲笑うかのようにちんぽっぽのカートは美しく、そして力強く壁を越えた。
壁の向こう側には勿論、コースがある。それもあと少し走ればアーチをくぐれるという部分だ。
つまりちんぽっぽは、コースの半分以上をパスしたことになる。
彼は上手い具合に着地し、そしてすぐアーチの方へと向かって行った。


111 :作者 :2007/01/26(金) 18:56:52.13 ID:O+76AGYo0
とんでもないことをしやがった。
ドクオはすぐにジュゲムに言う。
(;'A`)「お、おい! あれアリかよ!?」
ジュゲムのほうも戸惑っているようだ。あんなことをして、反則にならないか?
しかしジュゲムの答えは、否。
(;ジ○○)「一応、あれも……ショートカットの部類にはいるものと思われますので……」
ショートカットだと? ふざけるな。
ドクオも内藤にアドバイスをし、ショートカットをやらせたことがある。そのおかげで内藤はそのコースで3位になれた。
それでも縮まったのは数秒程度である。

しかし、あれはそんなケチなものではない。数十秒、いや下手をすれば数分の時間を短縮しているかもしれない。
次元が、違いすぎた。
(;'A`)「(内藤……! やべぇぞ!)」
ちんぽっぽはあの神技をキノコ1個でやってのけた。だが彼の手元にはあと2個のキノコが残っている。
つまり彼は、このコースを全てあの技で終らせる気なのだ。もしそんなことをされたら、万に一つも内藤はおろかハインリッヒにすら勝機はない。
ドクオは、ただ祈るしかなかった。あの技が失敗するように、と。


112 :作者 :2007/01/26(金) 18:57:13.57 ID:O+76AGYo0
从; ゚∀从「なっ……!」
ハインリッヒは驚愕していた。
余裕で1位を走っていたと思っていた矢先、急に天からカートが降ってきて、自分を抜かしたのだから。
何が起こったのかなどわかるわけがない。とにかく、何としても抜かさなければ。

トンネルに入る。アイテムボックスを取り、中に入っていた緑の甲羅を放った。
甲羅はトンネルの壁に当たり跳ね返り、また別の壁に当たって跳ね返る。だがちんぽっぽに当たることはなかった。
从; ゚∀从「ちぃっ!」
逆に自分に向かってきた甲羅をギリギリで避ける。くそ、追いつけない。
やがてトンネルは終わりを告げ、緩やかなカーブの先にアーチが見えてきた。

そして1周。
ハインリッヒはとにかく、この2周目は前のカートの動向を探ることにした。
一体奴が何をやったのか、“それ”を知りたかった。

だがしかし、“それ”を見たハインリッヒは更なる驚きと、そして絶望に叩きのめされることになる。
信じられない、あんなことが可能なのか?
ちんぽっぽは坂を上り――下り――加速し――跳躍した。
その跳躍は容易く壁を越し、ちんぽっぽは向こう側のコースへと消えていく。
馬鹿な。
从; ゚∀从「くっ………」


113 :作者 :2007/01/26(金) 18:57:31.37 ID:O+76AGYo0
从 ∀从「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
糞が。糞が。糞が糞が糞が糞が。
このアタイが、ハインリッヒ高岡が。あんな奴に……!

後ろから音がする。奴が、来た。
( ;`ω´)「うぉぉぉぉぉぉぉ!」    
从 ∀从「………」
もう、ちんぽっぽに勝つことは不可能だろう。いかに何せさがつきすぎている。
ならばどうするか。今、出来る限りのことをするまでだ。
即ち、2位の位置だけは絶対に死守する!

内藤が甲羅を放ってきた。赤だ。
だが甘い。先程手に入れていたバナナで相殺する。
スピードではほぼ互角。テクニックではこちらの方が上。
クラッシュさえしなければ自分の勝利は揺ぎ無い。

スピードを上げた。同時に内藤も上げてくる。
連続したカーブを曲がり、邪魔な土管に当たらないよう気をつけ、アーチを目指す。
再度アイテムボックス。中身は? ボム兵だ。
後ろに投げる。内藤は避けた。爆風で少しよろめきつつも、諦めず追ってくる。

114 :愛のVIP戦士:2007/01/26(金) 18:58:00.48 ID:O+76AGYo0
内藤は焦っていた。先程ドクオの通信でちんぽっぽの1位がほぼ確定したという報告を受けたのだ。
何故かはわからない。しかしあのテクニシャンのことだ。とんでもないことをやってのけたのだろう。
だが自分だって諦めはしない。1位が無理なら、2位を奪い取る。
( `ω´)「――っ!」
赤甲羅を投げる。だがそれは相殺され、お返しとばかりにボム兵が飛んでくる。
避ける。爆風が頬を撫でるが気にしない。気にすることなできない。
カーブを曲がった。トンネルが見える。
中では緑の甲羅が壁という壁に当たって暴れている。ここを通るのは少し骨が折れそうだ。
ぶつからないように細心の注意を払いながら、かつ速く走りぬける。
少しだけハインリッヒに近づいた。だがそれでも追い抜くことは出来ない。

トンネルを抜ける。アーチ前の緩やかなカーブ。できるだけ内側を通りタイムを短縮した。
そしてアーチを抜ける。――残り1周。
ちらっ、と観客席側を見る。傍らに、ちんぽっぽの姿が。
もう終ったというのか? そんな馬鹿な。自分達は1周遅れだったというのか?

そんなことを考えてたからだろう。内藤に、僅かな隙が生まれた。
そこをハインリッヒは逃さない。
从 ゚∀从 「ボーっとしてんじゃねぇよ、カスが!」
緑甲羅が後方に発射されてきた。まずい、反応が遅れた。すでに甲羅は目の前――


115 :作者 :2007/01/26(金) 18:58:21.98 ID:O+76AGYo0
ガンッ、とかドゴッ、という音が同時にした。気づいたら、自分は空を舞っている。
――しまった。
目まぐるしく回転する景色の中で、去っていくハインリッヒの姿が見えた。
笑っている。今までにないほど笑っている。
また負けるのか、僕は。もう、無理なのか?

( ω)「そんなこと……」
そんなこと。そんなことは、

( ゜ω゜)「最後までわからないお!」

再び走り出した。もうハインリッヒは点になっている。
だが負けない。絶対に、絶対に!
アイテムボックスを取った。中身はキラー。すぐさま使う。
ミサイルと化した内藤が、猛スピードでハインリッヒに迫る。
从; ゚∀从「――!」
気づいたらしい。しかしそこでキラーの効果が消えた。
そんな、あと少しなのに。
しかし運よく再びアイテムボックスを発見した。
虹色に輝く箱から出てきたのは、金色に眩しく輝く、奇跡の星――。


116 :作者 :2007/01/26(金) 18:59:07.63 ID:O+76AGYo0
内藤が一気に加速する。
スターの力を持った内藤は、あらゆる障害を抜けて突き進んだ。
芝生も、土管も、何も怖くはない。
いよいよハインリッヒの顔が見えるまで近づいた。信じられない幸運。内藤は運命の女神に感謝した。

もうすぐだ、もうすぐ追いつく!

数秒後、いつの間にかトンネルを抜け、最後のカーブへと差し掛かっていた。
すでにスターの効果は切れているが、大丈夫。ハインリッヒは真横、いや少しだけ後ろに――


117 :愛のVIP戦士:2007/01/26(金) 18:59:29.93 ID:O+76AGYo0
そう思った、刹那
从 ∀从 「ああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ハインリッヒが意味の無い絶叫。まるで鋭利な針のように、内藤の耳を突き刺す。

ハインリッヒが加速した。
馬鹿な。そんなわけが、そんなわけがない!
だって、自分のカートはこれ以上――!

ハインリッヒが横を通り過ぎる。駄目だ、やめてくれ、このまままではっ!
しかし運命の女神は何時だって気まぐれ。1回協力してくれたところで、次も協力してくれるとは限らない……。


ハインリッヒがアーチを過ぎた。歓声が起こる。
( ω)「お……おーっ……」

終った。――全てが。


118 :愛のVIP戦士:2007/01/26(金) 19:00:02.12 ID:O+76AGYo0

 50ccランク・第4コース結果

1位・ちんぽっぽ 10ポイント

2位・ハインリッヒ高岡 7ポイント

3位・内藤ホライゾン 4ポイント

4位・ニダー 1ポイント

5位・ッパ 0ポイント

6位・またんき 0ポイント


119 :作者 :2007/01/26(金) 19:00:34.22 ID:O+76AGYo0
総合順位

1位・ハインリッヒ高岡 34ポイント

2位・内藤ホライゾン 22ポイント

3位・ちんぽっぽ 21ポイント

4位・ニダー 8ポイント

5位・またんき 2ポイント

6位・ッパ 1ポイント

残り1コース

120 :作者 :2007/01/26(金) 19:00:54.81 ID:O+76AGYo0
(・∀・)「今回僕達の出番が全くない件について」
(・ω・)「知らんがな(´・ω・`)」
 



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