- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:41:21.20 ID:8/GNStZy0
-
( ^ω^)「お、ドクオ。おいすー」
('A`)「よぉ、ブーン」
ブーンとドクオは、いつものように軽い挨拶を交わすと、
二人はそのまま横に並び、いそいそとVIP高校の校門をくぐった。
学校の敷地内には既に大勢の生徒達により賑わっていた。
ブーン達はそんな人の群れを掻き分けながら歩いていく。
('A`)「おいブーン。今年は同じクラスになると思うか?」
( ^ω^)「どうだろうお?」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:03:39.33 ID:8/GNStZy0
-
ブーンは少し考え込んだように、あさっての方向を見たが、
すぐにドクオの方へ向き直り、
( ^ω^)「多分選択科目は同じだし、一緒じゃないかお」
と、あっけからんと言い放った。
その答えを聞いてドクオは、満足そうに答えた。
('A`)「そうか、そいつはよかったぜ。ブーンと離れたら正直洒落になんねぇ」
ドクオが弱気なのはいつものことだ。
ブーンはそんなドクオを励まそうと、明るくドクオを叱咤した。
( ^ω^)「おまwwwwwww友達新しく作れwwwwwwwwwww」
('A`)「そう……だよな……」
(;^ω^)「あ、やば」
- 17 名前:結局21行規制というオチでした。すいません:2008/02/20(水) 21:05:00.56 ID:8/GNStZy0
-
(;'A`)「……そうだよなうん。新しくさ……つくればいいんだよな……」
ブーンは言った後に気がついた。
先程のいじることによって、励ましたつもりの発言が予想以上にドクオの精神的な傷を抉ったことに。
(;'A`)「……」
最初は半笑いのドクオであったが、複雑な表情を浮かべ黙り込んでしまった。
(;^ω^)(うーん。どうしたものかお)
ブーンはブーンなりにドクオの交友関係に心配をしているのだが、
どう頑張ってもドクオはなかなか交友関係が広がらない。
(;^ω^)(ドクオは結構消極的な付き合いをするお……)
(;'A`)「……」
(;^ω^)(付き合い方ってのはもう本人の問題なんだお……)
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:05:50.28 ID:8/GNStZy0
-
そんなことを考えつつ歩いているうちに、ブーンとドクオはクラス割が張り出された掲示板の前までやって来ていた。
そこに書かれたクラス割りを確認すると、ブーンはドクオを元気づけるように言った。
(;^ω^)「おっおっ、やったおドクオ。今年もドクオと同じクラスだお!」
(;'A`)「……」
('∀`)「……おお、やったなブゥ」
(,,゚Д゚)「おっす! ブーン! 俺達同じクラスじゃねーかよ!」
ドクオの言葉を遮るように、突然背後から一人の男子生徒がやってきた。
そして後ろから続々とその仲間達がやってくる。
(*゚ー゚)「あはは、ブーン君! 聞いてよ、あたしとギコ君も同じクラスなんだよ!」
_
( ゚∀゚)「くっそ、朝っぱらからカップルがいちゃつきやがってよ!
っていうかブーン! 俺とも同じクラスだぜ!」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:06:50.88 ID:8/GNStZy0
- _
( ゚∀゚)「ぎゃははははは! ちんぽっぽも同じクラスじゃねーかよ!」
(*゚ー゚)「あはは、そうなんだ。ちんぽっぽちゃん! よろしくね!」
(´<_` )「見ろ、兄者。俺達同じクラスらしいぞ」
( ´_ゝ`)「うむ。本当だな。流石だよな、俺達」
(,,゚Д゚)「よっしゃ! 早いとこ新しい教室行こうぜ!」
(;^ω^)「おっおっ」
突然の大隊の襲来。
ブーンとドクオも属していた、旧一年E組の面子達だ。
ちなみに去年の話しだが、結局ドクオはみんなと上手く溶け込むことが出来なかった。
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:07:58.14 ID:8/GNStZy0
-
新学期こそはドクオにも、仲間達と打ち解けて欲しい。
そんな思いから、ブーンはさりげなくみんなの注意が自分からドクオへ行くよう仕向けた。
あくまでもさりげなく。
そのかいもあってか、どうやらギコはドクオの存在に気がついたらしい。
(,,゚Д゚)「お、ドクオじゃーん! おっす!」
ギコは基本的に誰と対しても同じ調子だ。
もちろんドクオがその例外であるわけではない。
(;'A`)「ぉ……ぉぅ……」
しかしドクオは不慣れな人から、こういうテンションで話しかけられるのが苦手だ。
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:08:54.86 ID:8/GNStZy0
-
そうしてドクオがうまく返答出来ないでいる内に、まだドクオの存在に気がついていないしぃが、
ギコに話しかけてしまった。
ギコが特に格別親しいわけではないドクオと、特に親しく付き合っているしぃ。
どちらとのの会話を優先するかは、火をみるよりも明らかだ。
(*゚ー゚)「ねーえーギコ君。早く教室行こうよー」
(,,゚Д゚)「おう! わるいわるい。しゃー行こうぜ!」
( ^ω^)「おっおっ、先行っててくれお!」
_
( ゚∀゚)「ぎゃははははは! じゃブーン、先行ってるぜ! おい行くぞちんぽっぽ!」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」
_
( ゚∀゚)「ちんぽっぽ、おめぇー”ぽ”以外喋れっつーのwwwwwww」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:10:03.98 ID:8/GNStZy0
-
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」
_
( ゚∀゚)「ぎゃははははは! たいして変わんねーってのwwwwww」
そしてギコ達一団は、そうやって笑いながら昇降口を通り、
校舎の中へと消えていった。
彼等は基本的に良い奴だ。
決して除け者を作ることはせず、クラスの誰もが楽しめるよう日々努力しているといってもいいほうだ。
しかし、いかんせんドクオのコミュニケーションスキルが低すぎた。
うまく話題に入っていくことが出来ない。
そのせいで、ドクオは常に周囲から浮いていた。
残されたブーンとドクオ。
ブーンは出来るだけ優しく、慰めるようにドクオに声をかけた。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:11:14.24 ID:8/GNStZy0
-
(;^ω^)「ドクオ……」
('A`)「……」
ブーンにはドクオの表情が落ち武者のように見えた。
勿論ブーンは別に落ち武者などみたこもないが、
このときのドクオには、そう連想させる雰囲気があった。
(;^ω^)(なんで落ち武者にみえたのだろうかお……)
('A`)「……」
(;^ω^)(きっと新学期早々”負け戦”になったからかお……)
と、そのときだ。
後方から、どたばたと慌しい足音が近づいてきた。
こんなにうるさい音を出しながら走る人物など、ブーンには一人しか考えられなかった。
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:11:49.87 ID:8/GNStZy0
-
(;><)「おはようなんですブーン君!」
( ^ω^)「お、おはーだお。わかんないです!」
やはり思ったとおり、わかんないですだった。
高校生にしては随分と小柄で、しかも童顔なので中学生にしか見えない。
わかんないですは呼吸を整え、クラス割の掲示板を確認する。
( ><)「今年も同じクラスなんです!」
( ^ω^)「おっおっ、やったお。ということは、
わかんないですはまたちんぽっぽと同じクラスじゃないかお」
すると、ちんぽっぽの名前を聞いたわかんないですは、
設定された時間になった目覚まし時計のように、とつぜんと一人で騒ぎ始めた。
(;><)「そうなんです! そうなんです!」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:12:36.25 ID:8/GNStZy0
-
(;^ω^)「な、なにがそうなんだお!?」
(;><)「ちんぽっぽちゃんなんです! 朝の駅ではぐれちゃったんです!」
(;^ω^)「あー今日はいつもより混んでたしねー。
ちんぽっぽならさっきジョルジュと……」
ジョルジュの名を聞いた途端、わかんないですの表情に一瞬にして怒りで満たされた。
(#><)「な、なんですって!!!! あ、あの野郎! またちんぽっぽちゃんにちょっかい出してるに違いないんです!!!」
(;^ω^)「あ、ちょ、ま、待つお!」
ブーンは引きとめようとしたが、
一度こうなってしまったわかんないですが止まるわけも無く、
脱兎の如く駆け出し、あっというまに校舎に消えてしまった。
(;^ω^)(……まったく、新学期早々騒がしくなりそうだお)
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:13:43.11 ID:8/GNStZy0
-
そして後に残されたのは、結局新学期早々これからまた一年も、
去年のような日々を送るのかとうちひしがれているドクオだった。
('A`) ゴーン
(;^ω^)「ドクオ、ドンマイ。これから仲良くなればいいお……」
('A`)「いや……さ、いまさら……無理だろ。うん。常識的にさ」
(;^ω^)「いやいや、ほら、さ。あのドクオの持ちネタを見せるお!
そんなの関係ねぇwwwwwwwってさ! ドクオのあれはキレが違うお!」
('A`)「いや、あれみんなの前でみせるとか……無理だし……もう旬も過ぎてるし……」
(;^ω^)「……」
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:14:47.04 ID:8/GNStZy0
-
(;^ω^)「……」
(;^ω^)(新学期早々ドクオのテンションは最高にロウになってるお……)
('A`) ドゥーン
(;^ω^)(はて、どうやって燃料を入れてやったものか……)
と、新学期早々ブーンは、どうやったらドクオを元気付けられたものかと悩むのであった。
しかしその悩みも一瞬にして吹き飛んだ。
ξ゚听)ξ「……」
一人の女子学生がドクオとブーンの前を通り過ぎていった。
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:16:14.13 ID:8/GNStZy0
-
ふわふわとし、輝くような金色の髪のツインテール。
真っ白で透き通るような肌。
すぅとした鼻立ちや、凛とした眼つき。
体つきも、胸も含めほっそりとした感じもなかなかなポイントだ。
そう、その女子学生はまさしく美少女と評してよかった。
( ^ω^)(うぅーむ。今の子なかなか……すごいお。新入生……かな?)
その美少女は少なくとも一度見たら忘れないほどの雰囲気を持っていた。
同学年。もしくは一つ上ならば、去年の一年のうちに一度は見ているはず。
しかしまったく見覚えがなかったので、ブーンは最初新入生かとも思ったのだ。
ところがその女子学生は、二年生用の昇降口に入り、そのまま校舎へと消えていった。
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:17:30.26 ID:8/GNStZy0
-
一年生用の昇降口には、でかでかと新入生を歓迎する旨の張り紙が貼られているので、
入る昇降口を間違えたとは考えにくい。
そこでブーンは、この間の母親の話を思い出した。
( ^ω^)(そういやなんか転校生が一人来るらしいとか言ってたな……)
( ^ω^)「いやしかし今の子けっこうというか……かなり可愛かったお。
ねードクオ?」
('∀`)
(;^ω^)「!?」
ドクオは、笑っていた。
それはもうひいてしまうくらい。
('∀`)「ブーン……俺……決めたぜ……」
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:18:29.84 ID:8/GNStZy0
-
(;^ω^)「な、なにをだお?」
('∀`)「俺は……俺は……」
深く。
息を吸い込み。そして
('∀`)「あの子とお友達になる!!!!!!」
(;^ω^)「……」
(;^ω^)「……えーと……友達?」
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:19:30.21 ID:8/GNStZy0
-
('∀`)「あーそうだ! 俺はこの新学期で変わる! そしてあの子とお友達になるんだ!!!」
(;^ω^)「……」
(;^ω^)(いや……ここは普通彼女にするとか……でも……)
('∀`)「frend! frend! frend! frend!」
(;^ω^)(まぁこれはこれで良い傾向なような気がするし……)
とりあえずはこんな感じでいいだろうとブーンは思った。
あまり細かいことをいってドクオのやる気を削ぐ真似もしたくはなかったからだ。
だからあえてドクオのスペルミスも気にしないことにした。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:20:12.70 ID:8/GNStZy0
-
あるよく晴れた春空の下。
すべてはこの日始まった。
〜( ^ω^)ブーンは魔法に目覚めたようです〜
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:21:08.52 ID:8/GNStZy0
-
第一話 「波乱の予感の新学期」
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:21:52.75 ID:8/GNStZy0
-
新学期。
それすなわち新しい環境に放り込まれること。
よって必然的に慣れない環境に入ることを意味し、
当然新学期始めの教室が盛り上がることはあまり無い。
(;^ω^)「まぁあくまでそういう傾向にあるだけだしなぁ……」
予想通りというべきか。
ブーン達二年D組は、のっけからハイテンションな空気に覆われていた。
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:23:37.00 ID:8/GNStZy0
-
(,,゚Д゚)「そうそうwwwwwいや嘘じゃねーからwwwwwwマジあいつやべんだってwwwwwwww」
(*゚ー゚)「えーうっそーwwwwwwwありえないしwwww」
(,,゚Д゚)「いぃや! これがマジなんだってwwwwwwマジうけねwwwwwwwwww」
(*゚ー゚)「あっはっはっはっはっは! やだーwwwwwww」
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:24:07.90 ID:8/GNStZy0
-
( ><)「ジョルジュ! またちんぽっぽちゃんを虐めて! 許せないんです! 覚悟するんです!」
_
( ゚∀゚)「いや虐めてねーから! ちょwwwwwwまじ痛ぇーんだってwwwwやめろアホ!
つかさ、なぁちんぽっぽよお。俺、お前のこと虐めたか?」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」
( ><)「ほらみろなんです! ちんぽっぽちゃんもこう言ってるんです!」
_
(;゚∀゚)「いやいやいやいや、こいつ”ちんぽっぽ”としか言ってねーぞ! どうやったらわかるっつーんだよ!
つか痛い痛い痛い痛いぃぃぃぃぃwwwwwwwwwww離せよ馬鹿!まじやめろって!」
( ><)「ジョルジュ! 今日という今日は覚悟するんです!!!!」
_
(;゚∀゚)「ぎゃあああああああああ!!! いや!! これマジ洒落なってねーから!!!! やめろおおおおお!!!!」
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:25:09.84 ID:8/GNStZy0
-
( ´_ゝ`)「ははは、やはり朝から教室のPCを占拠して見るニコ動は面白いな! 弟者よ」
(´<_`;)「なぁ兄者よ。たしかにニコニコは面白い。
俺はニコニコを否定しないしニコ厨という言葉もあまり使いたくはない」
( ´_ゝ`)「急にどうした弟者よ。なにか不満でもあるのか?」
(´<_`;)「いや、なんというか朝っぱらから……というか新学期早々と言ったほうがいいか、
教室のPC占拠してオゥフwwwwオゥフwwwwwと奇声を出して笑うのはどうかと……」
(#´_ゝ`)「弟者よ……つまりは俺に”笑うな”と言うのか?」
(´<_`;)「まぁようはそうなんだが……どうした兄者。そんな恐い顔をして」
(#´_ゝ`)「弟者よ!!!! お前はわかってない!!!!!! なぁんにもわかっちゃいない!!!!!!」
(´<_`;)「な、なにがどうわかっていないというんだ兄者」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:26:26.37 ID:8/GNStZy0
-
(#´_ゝ`)「笑うというのはだな!!!! 霊長類にのみ許された高度な感情表現方法であり、
非常に文明的な行動なのだ!!!!! それを……それをお前は俺にするなとっ! するなと言うのかぁ!!!!」
(´<_`;)「どどど、どうした兄者よ! ときに餅つけ!!! いや普通に落ち着け!!!!」
(#´_ゝ`)「修正してやるっ!!!! お前のその頭を俺が!!
俺がこの手で正しき方向へ修正してやるぞおおっぉxっぉおっぉおお!!!!!!」
(´<_`;)「や、やめろ! やめるんだ兄者ああああぁぁぁああぁあぁ!!!!!!」
(;^ω^)(みんな初っ端からはっちゃけてるなぁ……)
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:27:15.48 ID:8/GNStZy0
-
ブーンはあまりの教室のハイテンションっぷりに、思わず足を踏み入れるのを躊躇っていた。
ブーンでさえ一線を引いてしまうような空気だ。
ドクオはすっかり気後れしてしまっているのでは?
そうブーンは心配になり、後ろに居るドクオの方へ振り返ろうとした。
しかしその前に、クラスのみんなが教室の入り口で立ち尽くすブーンに気づき、
みな足並み揃えてブーンに駆け寄ってきた。
(,,゚Д゚)「おうブーン! 聞いてくれよ! まじうけっからよぉwwwwwwwwww」
(*゚ー゚)「ホントありえないんだよwwwwwwww」
(;^ω^)「おっおっ、そうなのかお」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:28:44.96 ID:8/GNStZy0
- _
(;゚∀゚)「ブゥゥゥゥゥン!!!! 良いところに来た! 助けてくれ!!!!」
( ><)「ブーン君!!! そいつを捕まえてほしいんです!!!!!!」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」
(;^ω^)「おっおっ、後でね……」
(´<_`;)「ブ、ブーン!!!! 兄者を止めてくれぇ!!!!」
(#´_ゝ`)「笑いとは神に許された神聖な行為ぃぃいい!!! それをおまえはあああぁぁあ!!
貴様は何様のつもりだぁ!!! ま、まさか神かっ!! お前は己を神と自称するのか!!!
人の身でありながらなんと傲慢な!!! 俺はおまえを修正する!!!
そして俺は神と自称する貴様を倒し、自らを新世界の神と名乗ろうではないかあああぁぁ!!!」
(;^ω^)「な、なんの話しなのか全然さっぱりわけわからないお!!!!」
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:30:27.06 ID:8/GNStZy0
-
(;^ω^)(というか……ド、ドクオは……)
('∀`) ニヤニヤ
(,,゚Д゚)「おいおいwww聞いてるかブーン!」
(*゚ー゚)「ねぇブーン君!」
(;゚∀゚)「た、助けてくれ!!!!!」
(;^ω^)(頭の中はすっかりあの子のことで一杯という感じかお……まぁこのぶんなら心配無さそうだお……)
( ><)「手伝ってほしいんです!!」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!!」
(´<_` )「ブーン、兄者を! 兄者おぉぉぉ!!」
( ´_ゝ`)「邪魔をするならいくらブーンとて許さんぞぉ!!!」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:31:54.57 ID:8/GNStZy0
- (,,゚Д゚)
(*゚ー゚)
(;゚∀゚)
( ><) 「ブーン!!!!!」
(*‘ω‘ *)
(´<_` )
( ´_ゝ`)
そのとき
あの少女は
突然とやって来た。
ξ゚听)ξ「邪魔よ」
(;^ω^)「え?」
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:32:23.96 ID:8/GNStZy0
-
('∀`)「あ」
(,,゚Д゚)
(*゚ー゚)
(;゚∀゚)
( ><) 「あ」
(*‘ω‘ *)「ぽ」
(´<_` )
( ´_ゝ`)
( ゚ω゚)「あべしっ!!」
ブーンには少女の”邪魔よ”の”じゃ”の声が聞こえた時点で、
尻にものすごい衝撃が走っていた。
ブーンはそのまま床に突っ伏すように倒れた。
そしてそのときに頭をぶつけ、その痛みでようやく自分が蹴り飛ばされたことを理解した。
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:33:41.51 ID:8/GNStZy0
- ξ゚听)ξ「ごめんなさいね。あまりにも邪魔だったもんで」
その少女は床に突っ伏したままのブーンに、そう吐き捨てると、
さっさと教室の中へと歩いていき、自分の席に座ってしまった。
ブーンは倒れたまま、ゆっくりと顔をあげその少女を見据えた。
(;゚ω゚)(……え? ちょ……一体何が……)
(,,゚Д゚)「おい! てめーブーンになにしやがんだよ!!!」
ブーンはその少女に、何するんだよと怒鳴ろうとしたが、
それよりも早く、ギコが威勢よく啖呵を斬った。
しかし少女はまったくそれを意に介した様子も無く、
ξ゚听)ξ「ふんっ……」
と、鼻で笑いそっぽを向いた。
(,,゚Д゚)「て……ってめええぇぇぇぇ!!!! 謝るとかあんじゃねーのかよ!! あ?」
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:34:47.64 ID:8/GNStZy0
-
血の気の多いギコは、すっかり頭に血が昇ってしまったらしく、
今にも容赦なくその少女の顔面に、拳を叩き込もうとしている。
新学期の教室の空気がすっかりと張り詰めた。
そこへ一人、全くその場の空気を読めていない者が闖入してきた。
( ´∀`)「うはwwww今年も俺が担任モナwwwwwwwwみんな早く席つけwwwwwwww」
高校の先生にしては幾分か若く、
歳の割りには幾分がくたびれた感じのスーツ姿。
(;゚ω゚)(あ……今年もモナー先生が担任か……)
モナー先生の登場に、教室の空気がなんとも言いし得難いものとなった。
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:36:05.59 ID:8/GNStZy0
-
( ´∀`)「あれ? どうしたー早く席つくモナー」
(,,゚Д゚)「……」
( ´∀`)「どうしたーギコ。朝からそんな怖い顔してモナ」
(,,゚Д゚)「んでもねぇよ!」
ギコは荒々しく答えるとずかずかと歩き、自分の席へとついた。
その様子をみて、モナー先生は不思議そうにしぃに尋ねる。
( ´∀`)「ありゃ? ギコの奴なんで怒ってるモナー?」
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:36:44.78 ID:8/GNStZy0
-
(;*゚ー゚)「先生、KYですよ」
( ´∀`)「KY? 何モナかそれ? ”今学期もよろしく”かモナ?」
(*´∀`)「いやぁ、よろしくだなんてそんなわざわざ言わなくても……
照れるモナ。みんな見てるモナ。軽く犯罪になっちゃうモナ」
(;*゚ー゚)「先生、なんかものすごく壮絶な勘違いしてませんか?」
( ´∀`)「?」
(;゚ω゚)(駄目だこの先生……はやくなんとかしないと……)
空気の読めない人間は良い空気をぶち壊すため、空気が読めないと言われる。
しかし逆の場合もある。
空気の読めない人間は時として、悪い空気をぶち壊してくれることもある。
今回の場合は、幸いにも後者であったため、
その後のクラスの空気はなんとも和やかなムードとなった。
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:38:01.37 ID:8/GNStZy0
-
( ´∀`)「よぉし、全員着席したモナか。なんか顔見知りの多いクラスモナねぇwwww」
空気嫁なモナー先生のおかげか、
先程の一触即発の空気はどこ吹く風といった様子だ。
( ´∀`)「よぉし、じゃあ”転校生の女の子”もいるみたいだし自己紹介タイム行くモナwww」
(,,゚Д゚) ピク
(;^ω^)(NGワード掠ったお……)
とまぁ、たまに際どい発言もあったものの、
大した問題も無く自己紹介は始まった。
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:39:01.43 ID:8/GNStZy0
-
(,,゚Д゚)「俺はギコ。みんな、よろしく頼むぜゴルァwwwwww」
( ><)「わかんないなんです! みんなよろしくなんです!」
_
( ゚∀゚)「長岡ジョルジュだ。お前らよろしく頼むぜ」
(´<_` )「流石弟者だ。みんなよろしく頼む」
みんなが口々に自己紹介を進めていく。
しかし内容はみんな殆ど同じだ。
名前を言って、そのあとよろしくというだけ。
まさしくテンプレ通りの挨拶。
一番無難かつ妥当な自己紹介だ。
( ^ω^)(ま、自己紹介なんてそんなもんだお。というかそれが一番だお)
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:40:17.76 ID:8/GNStZy0
-
とブーンは、みんなの自己紹介を聞いて、そんなことを考えていたのだが、
そのとき、横の席でなにやらぶつぶつと誰かが呟いている声がしてきた。
ブーンの隣の席。
そこに座るのは
('∀`)「……なんでみんな……同じ……やはりここは……いやしかし……」
(;^ω^)「……」
(;^ω^)「ドクオ」
('∀`)「なんだ? ブーン?」
(;^ω^)「悪いことは言わないお。自己紹介は気合入れない方がいいお……」
('∀`)b「ああ、わかってるぜ」
(;^ω^)(……本当にわかってるのだろうか)
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:41:33.27 ID:8/GNStZy0
-
そうしている間にも、自己紹介はどんどんと進む。
( ´∀`)「よし、じゃあ次は兄者モナ!」
(*´_ゝ`)「はーい!!」
モナー先生に指名され、意気揚々と立ち上がる兄者。
そして元気よく喋り始めた。
( ´_ゝ`)「流石兄者です。そして早速ですが俺は……」
( ´_ゝ`)「ただの人間には興味ありません」
(;゚ω゚)(ま、まさかっ!!!!!!)
この特徴的な文句による切り出し。
間違いない。
ブーンの頬に冷たい汗が一筋、垂れる。
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:42:39.79 ID:8/GNStZy0
-
( ´_ゝ`)「この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら……」
そこで一端切り、そして言い放つ。
( ´_ゝ`)「あたしのところに来なさい!!!!」
教室中に響き渡った兄者の声。
そのあまりの異様な迫力に、誰も反応をすることが出来ない。
いや、反応を”許されていない”。そのような雰囲気を兄者は持っていた。
そして当の兄者は、まったく動じることなく。
最後は静かに締めた。
( ´_ゝ`)「以上」
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:43:52.14 ID:8/GNStZy0
-
兄者はそのまま腰を降ろした。
(;゚ω゚)(……無茶しやがって……)
誰もが思っただろう。
よくわからないが、きっとこの人は”やってしまった”のだと。
ブーンには、教室中がなんとも言えないような空気に包まれているように思えた。
そして弟者にいたっては兄者の愚行に頭を抱えてしまっている。
( <_ )「……あのあほが……」
完全に滑った。
まさしく金メダル級の滑りだった。
がしかし、事態は思わぬ方向へと転んだ。
_
( ゚∀゚)「ぎゃはははははははwwwwwwwwww兄者よぉwwwwwおめぇそれなんの真似だよwwwwwwwwうひゃひゃひゃひゃひゃひゃwwwww」
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:44:59.24 ID:8/GNStZy0
-
突然の大爆笑。
確認せずともわかる。
こんな品の無い笑いをするのはジョルジュだけだ。
周囲の好奇の眼差しもものともせず、ジョルジュは笑い続ける。
そんなジョルジュに、兄者はいたって真面目に返答する。
( ´_ゝ`)「なんだ、ジョルジュ。ハルヒを知らないのか?」
_
( ゚∀゚)「知wwwwwwwwるwwwwwwwwwかwwwwwwwwよwwwwwwwwwwうひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃwwwwwwww」
( ´_ゝ`)「なんだ、常識の無い奴だな。ハルヒは一般教養レベルだぞ?」
_
( ゚∀゚)「だwwwwwwwwまwwwwwwwwwwれwwwwwwwwwwwwオwwwwwwwwwタwwwwwwwwwwwクwwwwwwwwwwwwwwww」
ジョルジュは腹を抱えながらオタクな弟者を貶しまくる。
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:46:27.30 ID:8/GNStZy0
-
その豪快な笑いは、周りの人間のツボを刺激した。
ジョルジュの笑いが周囲へと広がっていったのだ。
沸き立つオタク死ねコール。
ついでに兄者キメェコール。
しかしその言葉に冷ややかな部分はまったく無く、
むしろ応援のような温かさを持っていた。
(,,゚Д゚)「兄者wwwwwwwおまえ新学期からなにかましてんだよゴルァwwwwwwwwwwwwwwww」
(*゚ー゚)「やだぁwwwwwwwwww秋葉系のネタとかまじきもーいwwwwwwwwwwwww」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」
そう。
これは奇跡でもなく、夢でもない紛れも無い事実。
自己紹介でハルヒネタをかますという自殺行為がうけた瞬間なのだ。
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:47:45.26 ID:8/GNStZy0
-
兄者は再び立ち上がった。
そしてその右手には勇気の名の下に掴んだ名声をゆっくりと掴み、高々と掲げ挙げた。
( ´_ゝ`)「おれは……おれは!!!!!やったぞ!!!!!wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
_
( ゚∀゚)「なwwwwwwwwwwwwwwにwwwwwwwwwwwwwwwwをwwwwwwwwwwwwwwwwだwwwwwwwwwwwwwwwwww」
とても自己紹介の最中とは思えないほどに、
教室は大きな笑いに包まれた。
兄者の勇気によって掴み取られた笑いだ。
( ´∀`)「わははははははwwwwwwwwww兄者新学期早々飛ばすなモナwwwwwwさてとwwwwwじゃあ次ドクオwwwwwwww」
モナー先生は笑いをまったく堪えようともしないで、次の生徒。
即ち、ドクオを指名した。
(;゚ω゚)(まずいっ!!! この大爆笑に包まれた空気!!!!
こんな中ドクオが自己紹介をしようなど、その重圧は計り知れないお!!!)
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:48:43.84 ID:8/GNStZy0
-
ブーンは不安げにドクオを見た。
しかし、当のドクオは笑っていた。
その笑いはまさしく、余裕の笑みという奴だった。
('∀`)「ブーン……」
('∀`)「俺も……勇者になってくるぜ……」
(;゚ω゚)(えぇぇえ!!!!)
それはやめておいたほうが。
とブーンが声を掛ける間もなく、ドクオはすくりと立ち上がった。
まだ先程の弟者のとった笑いの余韻も冷めぬ教室に、臆すことなく堂々と立ち上がったのだ。
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:49:50.52 ID:8/GNStZy0
-
そう。
ドクオは判断してしまった。
この教室は例えればエンジンのかけられた車と同じ。
弟者がエンジンをふかした。
ならば……その車を発進させるのは……俺だと!!!!
ドクオはつい先程の兄者を彷彿とさせるような、堂々たる様子で立ち上がった。
その時点でクラスのみんなは、ドクオの様子がいつもと違うことに感づいた。
そしてドクオは口を開いた。
開いてしまった。
それは例えるならば坂道を転げだした玉の如し。
もう止めることなど出来ない。
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:52:06.51 ID:8/GNStZy0
-
('∀`)「俺の名前はドクオです!!!! でも!!!!」
(,,゚Д゚)!?
(*゚ー゚)?
('∀`)「あ、そんなの関係ねぇwwwwwwwwwwでもそんなの関係ねぇwwwwwwwwwwwwwww」
_
(;゚∀゚)??
(*‘ω‘ *)!!!
(;><)!!
\('∀`)「はいっwwwwwwよっろしくー☆wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
(;´_ゝ`)???
(´<_`;)
('∀`)「あれ?」
- 89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:53:36.64 ID:8/GNStZy0
-
重く、全身に纏わりつくような空気の重圧。
鋭く、全身を突き刺しにされてるかのように痛い周りの視線。
当然の結果だ。
弟者の場合は、既に一年生時に構築された”アホでオタクな弟者”というキャラあってのあの結果だったのだ。
一方ドクオといえば、一年生時に構築された周囲のドクオの評価というものは、
所詮”根暗なドクオ”でしかない。
はたして去年まで無口だった者が、突然小島ネタをノリノリでかました場合どうなるか。
('∀`)「……」
- 94 名前:>>93ミスですね。すんません:2008/02/20(水) 21:57:37.23 ID:8/GNStZy0
-
(;,,゚Д゚)
(;*゚ー゚)
_
(;゚∀゚)
(*‘ω‘ *)
(;><)
(;´_ゝ`)
(´<_`;)
そう、それは……畏怖の対象にしかならないのだ。
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:58:52.25 ID:8/GNStZy0
-
そしてドクオは知る。
己の犯した罪の深さに。
('A`)「ナンテコッタイ……」
紡がれたその言葉は、己の浅はかさを恨む後悔の言葉でしかなかった。
(;゚ω゚)(まずいっ!! なにか!! なにかフォローを入れないと!!)
ブーンは急いで周囲を見渡す。
落ち着いて考えれば、このどうしようも無いほどに冷え切った空気を打開する方法があるはずだ。
そう言い聞かせ、必死に考えるが、いい言葉が思いつかない。
- 98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 21:59:32.21 ID:8/GNStZy0
- _
(;゚∀゚)「ぇ……ぇ……ドクオ? あれ?」
(;゚ω゚)(頼みのジョルジュは完全に固まっているし……)
どうしようもないのか。
そうブーンが諦めかけたとき、
この空気の中、勇敢にも口を開く者が現れた。
( ´∀`)「あードクオー」
(;゚ω゚)(モ、モナー先生!!)
- 101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:00:34.84 ID:8/GNStZy0
-
(;´∀`)「お前キャラ変えたんかモナ。おもろーーい」
必死に今の面白かったんだぜ的な口調で、モナー先生は言った。
しかし哀しいかな。本人はそんな感じで言ったのだろうが、完全な棒読みだった。
こんなフォローだったら無いほうがまし。
モナー先生のかけた言葉はフォローでもなんでもなく、ただの失敗者への哀れみの言葉。
その言葉は、失敗者の傷を癒すことなど無く。むしろ逆。
(;゚ω゚)(モナー先生……それはフォローでもなんでもなくて……)
- 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:01:11.14 ID:8/GNStZy0
-
トドメだ
- 104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:01:55.78 ID:8/GNStZy0
-
(;´∀`)「えーさてとー。じゃ次行くかー」
流石にモナー先生も、空気の淀みを察知し、
自己紹介を再開させようと声を出す。
( ´∀`)「じゃぁ次は……じゃじゃーんwwwwww転校生のツンモナwwww」
無理にテンション高めでいっているせいか、余計空気を悪くしていることにまったく気づいていない。
それにしてもこの先生。まったくもって空気嫁である。
そして名前を呼ばれた転校生――あのツインテールの美少女は黙って立ち上がった。
- 106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:03:21.24 ID:8/GNStZy0
-
そのツンというらしい、ツインテールの美少女は、
口を開く前に、軽く周囲を見回す。
(,,゚Д゚)「っ……」
一瞬ギコと目が合ったように見えたが、当の本人はギコの鋭い目線など意も介さない様子だ。
そして一拍置いてから、呟くように。
しかしはっきりとした口調で、
ξ゚听)ξ「ツンよ……以後お見知りおきを」
と、ただ一言だけ言うと、さっさとまた先程と同じように、
仏頂面で席に座ってしまった。
( ´∀`)「あれ? もう終わり? 転校生なんだしもっと話そうモナwwwwwwwwwwww」
- 107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:04:06.50 ID:8/GNStZy0
-
ξ゚听)ξ「……」
(;´∀`)「……なんか妙にみじけぇーモナねぇwwwwwwwwwwww」
ξ゚听)ξ「……」
(;´∀`)「……」
教室の誰もが、直感的に悟っていた。
この転校生は、明らかに自分達とは一線を置いていると。
しかも普通ならば自己紹介の言葉には『よろしく』の一言ぐらい誰でもいれるが、
このツンという少女は、わざと『よろしく』という言葉を避けた。
あえて『以後お見知りおきを』などと、あまり一般的とは言いがたい言葉を使い、あたかも他人行事であるように見せた。
無愛想なうえに、えらく好戦的である。
- 108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:05:09.92 ID:8/GNStZy0
-
(,,゚Д゚)「……」
ξ゚听)ξ「……」
(;´∀`)「……」
(;^ω^)「……」
('A`)「ナンテコッタイ……」
誰もが思った。
今年の新学期。
間違いなく波乱の予感がすると。
- 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:06:57.55 ID:8/GNStZy0
-
そしてその後は何事も無く、新学期初日は過ぎていった。
始業式も何も滞りが生じることも無く終わり、授業もまだ始まらないため、
部活動にいそしむ生徒を除けば、大多数の生徒がいそいそと家路へと着き始めていた。
ブーンとドクオも、そんな生徒達の一人だ。
('A`)「終わりだ……この世の終わりだ……神よ…どうか……どうかわれをお救いたまえ……」
(;^ω^)「ドクオ……自己紹介のことは忘れるといいお……」
('A`)「忘れるだと? 俺は忘れない。この身に刻み込むぞ。昭和五十八年六月の雛見沢の惨劇を……俺は忘れない」
(;^ω^)(まーたよくわかんちんなことを言って……)
今年は昭和五十八年でもないし、雛見沢でもないし、六月ではなくて四月だ。
しかしブーンはそんな無粋な突っ込みは入れない。
- 111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:07:49.69 ID:8/GNStZy0
-
そもそもドクオは理解し難いネタを会話に入れてくるのは日常茶飯事である上に、
だいたいそこを突っ込むと、アニメや漫画等の話で時間が潰れるのでブーンはあえて突っ込まない。
( ^ω^)「まぁ明日から頑張ればいいお。今日は帰るお。それとも帰りにゲーセンでもよるかお?」
('A`)「あぁ……そうだな」
そう言うと、ドクオは机の横に掛けてあったショルダー型の鞄を肩にさげ、すくりと立ち上がった。
そしてブーンも教室から出ようと、数歩分歩いた。
しかしドクオが後ろから着いて来ている気配が無い。
立ち上がっていたというのに、一体どうしたのかと振り向くと、ドクオは足を止め、
視線がある方向で止まっていることに気づいた。
その視線の先には、かの少女。ツンが席に座っていた。
- 114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:08:36.12 ID:8/GNStZy0
-
ツンは携帯を手に持ち、何やらしぱしぱと文字を打ち込んでいた。
きっと歩きながら弄るのもなんなので、座れるうちに打ち込んでおこうという魂胆なのだろう。
( ^ω^)「ドクオ……止めておいたほうがいいお」
(;'A`)「んあ、なんだよ急に」
(;^ω^)「話しかけたところでまともに取り合ってくれる相手じゃないお」
(;'A`)「あぁ……わかってるけどさぁ……でもよぉ……」
('A`)「アドレスくらい聞いておきてぇなぁ……」
( ^ω^)「まぁ無理に止めはしないお。ドクオの好きにするといいお」
(;'A`)「いやしかし……正直キツイ。ブーン、助けてくれ」
(;^ω^)「うぅむ……」
- 115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:09:32.70 ID:8/GNStZy0
- ブーンとしては、あまりあの少女とは関わりたくないというのが本音だ。
しかしドクオがこうも積極的に人と関わろうとする意志を示すのは珍しいことであるし、
それによく考えれば、向こうだって転校初日で緊張しているのだ。
きっと緊張のせいで、うまく自分が出せなかっただけなのかもしれない。
それにクラスメイトとわだかまりのある関係も少々気持ちが悪いというのもある。
( ^ω^)(まぁ向こうももしかしたら、敵意があるわけじゃないのかもしれないお。
考えてみればまだろくに話しもしていないのに、苦手意識を持っちゃいけないお)
(;'A`)「頼む。ブーン」
( ^ω^)「しゃあないお。ちょっと行って来るお」
('A`)「おお! 流石ブーン!」
( ^ω^)「ま、そのかわり今度マックフルーリー奢ってくれお」
('A`)b「マックポークもつけるぜ!」
(;^ω^)(そこであえて百円マックの中からチョイスするところがドクオらしいお……)
- 116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:10:35.79 ID:8/GNStZy0
- ( ^ω^)「まぁいいお! 行ってくるお!」
ブーンはドクオにそう言い残すと、
すたすたとツンの机の前に立った。
その時点で、自分の目の前に誰かが立っていることくらい普通わかりそうなものだが、
当のツンは、まったく目の前の人物に対して注意を払っていないようだ。
というよりも
ξ゚听)ξ「……」
完全に無視していると言ったほうがいいか。
(;^ω^)(大丈夫かな……まぁ用があるのはこっちだし、こちらから話しかけないことには何も始まらないお)
ブーンは気を取り直し、一呼吸おいてからツンに話しかけた。
( ^ω^)「おいすー。さっきはごめんだお」
ξ゚听)ξ「……」
- 117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:11:31.92 ID:8/GNStZy0
-
( ^ω^)「いやぁ、たしかにあれはドアの前で突っ立っていた僕が前面的に悪いお。申し訳ないお」
ξ゚听)ξ「……」
(;^ω^)「あれ? まだ怒ってるかお? あ、もしかしてギコに対してかお?
いやたしかにギコもちょっと大人気なかったけどあいつは結構良い奴なんだお。
僕のために怒ってくれたっつーか。うん。まぁ許してやって欲しいお」
ξ゚听)ξ「……」
(;^ω^)「もしかして緊張してるのかお? いやぁそう硬くならんでもいいお!
クラスのみんな良い奴ばっかりだお! 気軽に話しかけてくれお!」
ξ゚听)ξ「……」
(;^ω^)「さっきから携帯ずっと弄ってるけど、なんか楽しいのかお?」
- 118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:12:20.44 ID:8/GNStZy0
-
ブーンの問い掛けにも、まったく取り合うことなくツンは携帯を弄り続けるので、
携帯がそんなにも面白いのかと、ブーンは純粋に気になり、ディスプレイを覗き込むような仕草をした。
勿論本当に覗く気などさらさらなかったのだが。
ξ゚听)ξ「……ちっ」
(;^ω^)「!?」
舌打ち。
まごうことなき舌打ち。
(;^ω^)(やはりこいつに話しかけるだけ無駄だったかお……)
ξ゚听)ξ「フルーリーにマックポーク」
(;^ω^)「え?」
不意にツンが発した言葉に、ブーンはしばらく頭が追いつかなかった。
- 120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:13:19.29 ID:8/GNStZy0
- ξ゚听)ξ「あたしにわっざわざ話しかけたのも、フルーリーにマックポークが喰いたかっただけだからでしょ?」
(;^ω^)「いや、別にそういうわけじゃ……」
ξ゚听)ξ「まぁそれはそれでいいけど別に……
それよりさぁ! そこの隅で縮こまってるおっぱっぴーさぁ?」
ツンはいきなり、隅の方でこちらの様子を伺っていたドクオに鋭い目線を送った。
きっとおっぱっぴーというのはドクオのことだろう。
(;^ω^)(おっぱっぴーと覚えられてしまったか……ドクオ)
急に声をかけられたドクオは、すっかりうろたえてしまった。
(;'A`)「うぇえ!? え、俺? 俺ですか?」
咄嗟に敬語が出てきてしまうのも、ドクオらしいといえばらしい。
ξ゚听)ξ「あたしに用があるのはこのお調子者じゃなくてあんたでしょ。おっぱっぴー」
(;^ω^)(僕はお調子者かお……)
- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:14:19.56 ID:8/GNStZy0
-
(;'A`)「うえ!? あ、はいです。行きます」
ドクオは何も言い返せず、ただひょこひょこと申し訳なさ気にこちらへ歩み寄ってきた。
ξ゚听)ξ「で、あんた。あたしに何の用?」
(;'A`)「ぃゃ……そのぅ……」
ξ゚听)ξ「何よ。はっきり言いなさいよ。えぇ?」
ツンがずいと身を乗り出す。
そしてツンの顔とドクオの顔は、鼻の頭がぶつかりそうなほどに接近した。
ドクオはそのせいですっかりあがってしまったようだ。
最早言葉にならない言葉しか口から出てこない。
(;'A`)「ぃゃ……ぁぁ……ぅぅくぁwせdrftgyふじこlp;@:「」
- 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:14:57.24 ID:8/GNStZy0
-
しかしドクオがどんなにきょどったところで、ツンは黙ってドクオを貫くように見据えたままだ。
ξ゚听)ξ「……」
そしてドクオはついに意を決し、
(;'A`)「俺と……俺と友達になってくださあああああぁぁぁい!!!」
ξ゚听)ξ「……」
(;^ω^)「……」
暫くの間。
耳に痛いほどの沈黙があたりを覆った。
- 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:49:15.53 ID:8/GNStZy0
-
そしてツンは
ξ゚听)ξ「……友達? あたしと?」
と、まるでヒバゴンでも目撃したかのような眼つきでドクオをまじまじと見た。
(;'A`)「そうでえぅす! 俺とfriendな関係にトゥギャザーしてください!」
(;^ω^)(ドクオ……そのトゥギャザーの使い方は合ってるのかお!?)
ツンは暫くの間、ドクオをまじまじと観察していた。
それはブーンの目には、まるで値踏みでもしているかのように映り、少々不快に思った。
そしてツンは一言だけ。
きっぱりと言い放った。
ξ゚听)ξ「やだ」
(;゚A゚)「ぐぼふぁああああおああぁ!!!」
- 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:50:40.20 ID:8/GNStZy0
- こうかは ばつぐんだ!
ドクオは断末魔の叫びをあげ、床に倒れた。
そのさいに机の角に頭をぶつけたらしく、ネタとかではなく本気でのたうちまわっている。
(;^ω^)「ちょい待つお!」
ξ゚听)ξ「なによ」
(;^ω^)「なんでだお!! 断るにしたってもうちょい言い方ってもんがないかお!」
ブーンはツンに迫るように話した。
しかし当のツンはそんなものどこ吹く風といった様子で、
ξ゚听)ξ「まぁやだったからからやだって言っただけだし」
(;^ω^)「!!! その言い方は無いお!!!」
しかし、そこでブーンの肩をぽんと掴む者がいた。
('A`)「いいんだ。ブーン……」
- 159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:51:32.86 ID:8/GNStZy0
-
ドクオだ。
先程地に伏したはずのドクオが、早くも立ち上がっていた。
(;^ω^)「いや、でも……」
('A`)「俺は頑張った……頑張ったさ、ああ。
だからいいんだもう。やれることはやった。それでもう悔いはないさ……」
ξ゚听)ξ「なんかキモイわね。あんたのその台詞」
(;゚A゚)「……」
( ゚ω゚)「ちょ、おまっ!!!!」
思わず身を乗り出すブーンだったが、ドクオにすぐ引き止められた。
ドクオはただ黙って首を横に振るだけだった。
するとツンは急に思い出したように、
ξ゚听)ξ「そういえばあんた。さっき『なんで断った』みたいなこと聞いてたわよね」
- 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:52:36.29 ID:8/GNStZy0
-
(;^ω^)「ああ、みたいなことじゃなくて、ちゃんと聞いたお。それがどうかしたかお」
ξ゚听)ξ「まぁあえてその、理由ってやつを言うならば……そうねぇ
あのオタク君みたく言えば、『ただの人間には興味はない』ってところかしらね」
明らかに人を小馬鹿にしているかのような口調で言い捨てると、
ツンは携帯をパタンと閉じ、スカートのポケットに突っ込むと、
黙って立ち上がり、教室から出て行こうとした。
- 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:53:36.46 ID:8/GNStZy0
-
そして教室の敷居をまたごうとしたとき、ブーン達の方を振り返り、
ξ゚听)ξ「まぁ……そうね。あんたらが”魔法”でも使えんのなら友達になるかどうか考えるわよ。そいじゃ」
そう言い残して、ツンはさっさと昇降口へと歩いて行ってしまったのだった。
- 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:55:08.71 ID:8/GNStZy0
-
(#^ω^)「なんなんだお!! あの超絶DQN女!!! マジうぜーお!!!」
ブーンは思わず手に持っていたマックフルーリーの容器を握りつぶし、そのまま机に叩きつけてしまった。
ドスンとすごい音がなり、店内の客達が一瞬ブーン達の席へと視線を向けた。
('∀`)「まぁまぁ。そう怒んなってブーン。折角のマックフルーリーが勿体無いぜ」
場所はVIP高校最寄駅前のマクドナルド。
学校が昼前に終わったせいか、店内のお客の大部分が、VIP高校の制服を身につけた人たちでごったがえしていた。
ブーン達はそんな店内の、一番端の二人用の角席に向かい合わせで座っていた。
- 169 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:56:09.25 ID:8/GNStZy0
-
(;^ω^)「なんちゅーか、なんでドクオはそんなに嬉しそうなんだお?」
どうにも先程からドクオの様子がおかしかった。
あんなことがあったばかりだというのに、妙に浮き足立っているのだ。
ブーンはドクオが、あの少女に罵倒されたせいでマゾに目覚めてしまったのか不安にもなったが、
本人に聞いても、マゾじゃねーよとしか返ってこない。
('∀`)「いや、だってさ、つまりは魔法が使えるようになりゃいいんだろ?」
(;^ω^)「は?」
ブーンは手に持っていたマックポークを握りつぶしてしまった。
手にソースがこびり付き、慌てて紙ナプキンを取り出す。
(;^ω^)「そ、それは本気で言ってるのかお?」
('∀`)b「本気もなにも……ブーン。おれはマジだぜ!
本気と書いてマジだぜ!」
- 171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:57:27.16 ID:8/GNStZy0
-
そしてドクオは何やら、がさごそと鞄を探り、一冊の本を出してみせた。
('∀`)「ほれ。これ『ゼロの使い魔』っていうんだぜ!
俺はこの本で勉強して、魔法とやらをマスターしてみせるぜ!」
(;゚ω゚)「ドクオオオオオオォォォォォォ!!!!!」
周囲の目など気にも留めずに、ブーンは叫ぶと
ドクオの胸ぐらを思い切り掴み、がさがさと振りながらドクオを説得しようとする。
(;゚ω゚)「ドクオ!! その考えは危険だお!!1 不味いお!! 今すぐ引き返すお!!!」
(((('∀`))))「わははー。ブーン。お前は何を言ってるんだ。
引き返すだと? ありえねぇな。俺は一度前に進むと言ったら進み続ける。それだけだ。
人生は一方通行だ。帰り道なんて存在しねぇーぜ」
(;゚ω゚)「だから!! 一方通行だから!!! だからこそ!!!
道は慎重に選べお!! 一時の感情に揺れ動かされるんじゃないお!!!!」
- 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 22:59:08.97 ID:8/GNStZy0
-
しかし何を言ってもドクオの耳には、ブーンの声など届いていないようだ。
(((('∀`))))「うぉーールイズーー。俺をハルケギニアに召喚してくれーーー。今すぐだあぁぁぁ」
ブーンはドクオから手を離した。
今はなにを言っても無駄。
そう判断したのだ。
(;^ω^)「ドクオ! 今日はもう帰るお!! そして一晩頭を冷やしたほうがいいお!」
('∀`)「そうだな。頭を冷やしてすっきりさせないと、魔法の勉強が手につかねぇーしな」
(;゚ω゚)「だからそうじゃないおおおおぉぉぉぉおおお!!!」
(((('∀`))))「あばばばばばばばばwwwwwwwwwwwwwwwwww」
(;゚ω゚)「さぁ帰るんだおドクオ!!」
- 173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 23:00:28.18 ID:8/GNStZy0
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(((('∀`))))「速攻魔法発動!! バーサーカーソウルッ!!!」
(;゚ω゚)「ああもう! 恥ずかしいからわけわからんこと叫ぶなお!!!!」
ブーンとドクオはそんなコントを繰り広げつつ、
なんとかして文字通り”狂戦士”と化したドクオをなだめ、
なんとかしてマクドナルドから出て行った。
そんなブーン達の姿に、鋭い目線を送るものがいた。
( ^Д^)(あの制服……ていうかこの駅前の高校生っつったら間違いなくVIP高校か……)
その男は一見して、どこのチンピラかと突っ込みをいれてしまいそうなほどのガラの悪さだった。
しかしかろうじてその身につけた服は、学校の制服だと判断できる。
- 180 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 23:03:41.11 ID:8/GNStZy0
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といっても、その制服はすごいノリで着崩れしてしまっている。
おそらく世界広しと言えど、ここまで原型を保たずに着崩せる者などそういないだろう。
( ^Д^)(魔法使いか……。たしか金髪ツインテールの女とか騒いでいたな)
そう。
たしかにブーンは店内で、金髪のツインテールの女がどーだこーだと、
今日起こったツンに関しての出来事を、周りにも容易に聞こえるような大声で喋っていた。
この男に全て聞かれてしまっていたのだ。
( ^Д^)「いっちょ明日あたり挨拶にいってやるか……」
そう男は呟くとトレーを持ち上げ、ゴミ箱へと向かった。
そしてトレーの上のゴミを全てゴミ箱に放り込もうとした寸前。
- 181 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 23:04:39.13 ID:8/GNStZy0
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( ^Д^)「あぶねあぶね、危うく一緒に捨てちまうところだったぜ」
キチンと飲み残しの氷と、紙コップを分けてから捨てた。
そして肩を大きく揺らす、いわゆるチンピラ歩きで自動ドアへと歩み寄る。
ちょうど入れ違うように、わかんないですとちんぽっぽが店内へと踏み入れていたところだった。
( ><)「ちんぽっぽちゃん! マック寄って行こうなんです!」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」
( ><)「あ……」
わかんないですは、目の前から、自分達がいるにもかかわらず脇にもよらずに歩いてくる男に、
黙ってちんぽっぽを自分の方へ引き寄せ、そして男に道を譲った。
( ^Д^)「……」
- 183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 23:05:52.24 ID:8/GNStZy0
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男はわかんないです達を黙って一瞥したが、とくに何も難癖をつけずにそのまま店外へと出て行った。
( ><)「ふぅ……」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」
( ><)「あ、急に引っ張っちゃってごめんなんです」
(*‘ω‘ *)「ぽ?」
( ><)「ああ、あの制服は間違いなくウラニチャ高校の制服で間違いないんです。
チンピラみたいな奴らばっかりなんで、下手に逆らわないほうがいいんです」
(*‘ω‘ *)「ぽっぽ!」
そのとき!
突然背後から何者かがわかんないですの肩を乱暴に掴み、引き寄せてきた。
( ><)「!!」
- 184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 23:06:58.82 ID:8/GNStZy0
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( ゚∀゚)「ようwwwwwwわかんないですwwwwwちんぽっぽwwwwwwwなんかおれに奢れやwwwwwwwwwww」
その手の主はジョルジュだった。
(;><)「ジョルジュ!!! お前に奢る金なんて一文たりとも無いんです!!!!」
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( ゚∀゚)「え? まじ? ちんぽっぽ奢ってくれんの?」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」
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( ゚∀゚)「えーとじゃぁメガ玉子とか……」
- 185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 23:07:26.05 ID:8/GNStZy0
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(#><)「ちんぽっぽちゃん!!!!! こいつに奢る必要なんて何も無いんです!!! ナッシングです!!!!」
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(;゚∀゚)「ぎゃあああぁぁぁぁ!!! 軽い冗談だって!!! だから!!! そんなひっぱんなwwwwwwいてぇええええ!!!!」
(*‘ω‘ *)「ちんぽっぽ!」
あるお昼時の、マクドナルドの風景であった……
第一話 「波乱の予感の新学期」 終わり