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- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 16:51:15.74 ID:3YMhygWl0
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僕は、馬鹿だ。
もっと早く気付いていたら、死なせずに済んだのに。
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 17:14:50.14 ID:3YMhygWl0
- (´・ω゜`)「……ようやく、気付いたかい?」
変化を察したのか、男はぼくに問いかける。
ぼくはふるえた身体で、精一杯言葉を紡ぎだす。
( ^ω^)「……少なくとも、貴方は、殺してなんかいない。
そして、ぼくの推測では――」
(´・ω゜`)「……!!」
ショボンの顔つきが変わる。
(´・ω・`)「ククク……面白い。その話をじっくり聞かせてもらおうか」
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 17:30:50.74 ID:3YMhygWl0
- ( ^ω^)「まず、第一に、あなたにはこのタイミングで自白するメリットがないお。
冥土の土産、といったが、僕が逆上したら、むしろあなたの身が危険になる」
「……君程度じゃ脅威にならない、といったらどうする?」
( ^ω^)「それでも、冥土の土産として話すのは、僕のポイントがゼロになる――
すなわち、完全な負けの状態になってから話しても、問題なかったはずだお。
現に僕はさっきまで、負ける気満々だったお」
「なるほど…、確かにそのとおりだ。
このタイミングで自白するメリットはない。ならば、なぜ話したと思う?」
( ^ω^)「復讐――だお」
「復讐……だと? ばかばかしい、的外れにもほどがある」
( ^ω^)「復讐……といっても、何も貴方が復讐するというわけじゃないお。
ある理由から、ぼくに復讐心を持たせ続けたかったんだお」
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 17:49:23.85 ID:3YMhygWl0
- 「……」
( ^ω^)「おそらく貴方は、ぼくを自分自身と重ね合わせてみていたはずだお。
思えば、僕を復讐に駆り立てたのも、ショボンだったお」
「……ククク。ぼくが、君を、だと?
無能の塊のような君を、ぼくと一緒にする、だと?」
( ^ω^)「……挑発に乗るつもりはないお。
一人の人間の復讐のために、無関係の人を死に追いやる。
形は違えど、ぼくのやったことと、ショボンがやったことは同じだお!!
巧みな話術で、ぼくに、『警視庁爆破事件』を再現させたんだお!!」
「……」
( ^ω^)「だけど、問題がここで起きたんだお」
「……何だ?」
( ^ω^)「クーの存在、だお」
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 18:03:14.94 ID:3YMhygWl0
- ( ^ω^)「クーは、奇遇にも、津出一家殺人事件の真相を知っていたお。
そして、ぼくの復讐対象は、もういなかったことを教えてくれたんだお。
結果、ぼくは『復讐』に対して、心のそこから反省してしまった」
「……それがどうしたというのだ?」
( ^ω^)「ショボンは、ぼくと重ね合わせていたとするお。
すると、ぼくが『復讐』自体を否定することで、ショボンの行為も否定することになるお。
ショボンは確固たる意思を持って、犯罪を犯したはずだお。
それが、ぼくなんかに否定される。それは決して愉快なことではないお。
だから、一芝居を打って、ぼくの怒りを再燃させた。
犯人は自分だと名乗り出てね」
「……しかし、僕が犯人じゃない確証はあるのかい?
君のロジックはいうなれば、砂場に作られたお城のようなものだ。簡単に壊すことができる」
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 18:23:28.47 ID:3YMhygWl0
- ( ^ω^)「だから、ここで真犯人が必要になるお
ツンを殺した真犯人を、ショボン以外に探す必要がある。
そして、ぼくはその答えを手に入れてしまった。」
( ^ω^)「それは、ぼくも、ショボンも良く知っている人物だお」
( ^ω^)「そう、犯人は、ぼく、自身だお」
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