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20 : ◆SZ8SwoBC0. :2007/01/29(月) 02:58:31.54 ID:Sdl8Pdrx0
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川 ゚ -゚)「ゲームを始まる前に一つ提案がある」

3ターン目はこの一言で始まった。

('A`)「何だ、言ってみろ」

川 ゚ -゚)「このターンで負ける人間がいるかもしれないのは周知の事実だ。
     ここで誰かが負けたら、以降は協調という選択肢が消えて、お互いに潰し合うことが避けられないはず。
     だから、そうなる前に今から協調して全員生き残ろうっていう提案だ」

( ゚∀゚)「まぁそういうこった。俺はこいつの案に既に賛成しているぜ」

(´・ω・`)「だってさ、どうするブーン?」

協調、だと。
そんなものは選択肢にない。
1人になるまで潰しあう。それがこのゲームだ。

僕は、ツンを殺した人間を潰す。

21 : ◆SZ8SwoBC0. :2007/01/29(月) 03:05:13.02 ID:Sdl8Pdrx0
( ^ω^)「だが断る。
      みんなが協調しても、僕は1人黒を押すお」

( ゚∀゚)「糞やろうが! てめぇだって残り1ポイントだろうが!! なんでこの提案を断るんだよ!!」

( ^ω^)「じゃあ提案しておいて、あんたらが黒を押さない保障はどこにあるんだお」

( ゚∀゚)「なんだと、この自称殺人鬼がよぉ!! てめぇは俺たちの言うことを聞いてりゃいいんだよ!」

('A`)「自称? どういうことだ」

( ゚∀゚)「こいつはよぉ無実なのに死刑になった、大馬鹿さ。間抜けとしか言いようがねぇな」

('A`)「そうか……どおりで殺人者の風格がないわけだ」

( ゚∀゚)「だからよ、雑魚は人の言うことを聞いていればいいんだよ!」

誰だ。ばらしたのは。
クーか。
やはり信用したのが馬鹿だった、のか。

( ^ω^)「だから、何だお。そんなのもう関係ないお」

(´・ω・`)「……ククク、ということで交渉決裂みたいだよ、お二人さん」

( ゚∀゚)「なっ……」

川 ゚ -゚)「フン、それでも私は白を押そう。ここにいるジョルジュも、だ」

22 : ◆SZ8SwoBC0. :2007/01/29(月) 03:12:55.61 ID:Sdl8Pdrx0
('A`)「なるほど……、2人が白だったら、残りの3人は白を押すしかないってことか」

(´・ω・`)「……ククク」

確かに。3人が3人とも黒を選んだら負ける。
ただ、全員が白を押すとは限らないじゃないか。

3人のうち1人でも黒を押したら、黒を押した人間の勝ちだ。
このゲームは、そういうゲームだ。

川 ゚ -゚)「信用できないと思ってるだろうが……私は確実に白を押そう。押すところを皆に見せて証明してもいい」

('A`)「なに!? それはホントだな?」

川 ゚ -゚)「ああ」

('A`)「……そうか、そこまでするなら信用しよう。俺はこの提案に乗るぜ」

どうだか。
乗った、などという言葉は信頼できるわけがない。

ドクオは白を押したのを見届けた後、裏切って黒を押すことだってできる。
実際、そうするつもりなのだろう。

( ゚∀゚)「だとよ! あとはそこにいるおホモダチの2人だけだぜ」

23 : ◆SZ8SwoBC0. :2007/01/29(月) 03:16:32.09 ID:Sdl8Pdrx0
(´・ω・`)「クックック……面白いなぁ。それじゃぁ……僕も白を押すとしようかな……」

ショボンは不気味に微笑んでいた。

ショボンも恐らく黒を押すだろうに。
クーたちには、なぜそれがわからない。

つまりこのままじゃ、ぼくはどっちを押しても負けることになる。
これじゃ駄目だ。
ぼくは勝たなきゃいけないのだから。

どうしても。

( ^ω^)「……押すと言っても、どっちを押すかは、わかったもんじゃないお。
       僕は、全員が白を押すのを見届けたら、白に押すお」

もちろん白を押すなんてのは嘘だ。
皆が白を押したら、僕は黒を押すつもりだ。

まずはジョルジュを潰すことから始め、残りの3人を順に潰そう。

たとえ、彼らが本当はツンを殺してなくても、世の中からいなくなっていい人間どもだ。
潰しても、なんら罪悪感を感じる必要はない。

(´・ω・`)「なるほど、これで交渉成立だね……じゃあ、言い出した順に白を押してゆこうか」

25 : ◆SZ8SwoBC0. :2007/01/29(月) 03:24:42.72 ID:Sdl8Pdrx0
('A`)「……おい、ちょっと待て。俺が白を押したあとで、ショボンとブーンの2人が黒を押すかもしれないじゃないか」

( ゚∀゚)「そうだ! てめぇは一番信用できねぇ!」

(´・ω・`)「ククク……ひどいなぁ。信用できないのはみんな一緒じゃないか。
       君たち2人も、心の中じゃ何を考えてるのかわかったものじゃない。
       白を押そうと言い出した人間が実は黒を押すつもりだった、なんて可能性もある」

川 ゚ -゚)「……私は確実に白を押そう。そうだな、今から皆の前で白を押そうか」

クーはぼくらに見せるように機械を取り出し、ボタンを押した。
確かに、白を彼女は押したのがわかった。

川 ゚ -゚)「……どうだ。これで私の本気がわかっただろう」

(´・ω・`)「ククク……面白くなってきたね」

( ゚∀゚)「よし、次は俺が押すぜ」

ジョルジュも、機械を取り出して、クーと同様に白を押した。

( ゚∀゚)「さてと、次はてめぇらの番だ」

27 : ◆SZ8SwoBC0. :2007/01/29(月) 03:28:50.81 ID:Sdl8Pdrx0
('A`)「……俺はショボンとブーンは信用できねぇ。お前らが、先に押すんだ」

(´・ω・`)「……一つ、確認したいルールがあるんだ。誰か聞いてるよね、教えてくれないかな。
       一度押したボタンは変更がきかないのかい?」

ショボンはここにいない誰かに、尋ねた。
返事はすぐにスピーカーを通して返ってきた。

『そうだ、一度ボタンを押したら、別のボタンを押そうが変更はできないな』

(´・ω・`)「それを聞いて安心したよ。僕は黒を押すとしよう。
       そしてブーン、君は白を押すんだ。いいね?」

('A`)「……なんだと」

( ゚∀゚)「お、おい。な、何を言ってるんだ!!」


(´・ω・`)「黒を押す、と言ってるのさ」

ショボンはクーやジョルジュと同様に点数の表示を手で隠しながら、
黒のボタンを見せびらかすように押した。


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