159 :作者 :2007/01/14(日) 06:40:58.48 ID:kJ2obZCQ0
 8

クーも1ターン目、白を押したようだ。
これは、点数を直接見たので、間違いない。

どうでもいいことだが、クウではなく、クーと呼ぶようになったのは、
川 ゚ -゚)「私のことはクーと呼んでくれ」
と言ったからだ。クウとの違いはあまり感じられないけども。

クーと話し合ってわかったのは、やはりクーもドクオは黒で、ジョルジュは白を押したと予測しているということだった。
この判断はもう、正しいとしていいような気がした。

しかし、クーが白だってことは、ショボンがどちらを押したのかはわからないということにも繋がる。
協力にも限界はあるという事実を、協力した矢先に突きつけられた。

協力すれば無敵、と、いうわけでもないのだ。

川 ゚ -゚)「協力すれば無敵だったら、今頃ペナルティを課せられてるよ」

と彼女はいう。

よくよく考えたら、ペナルティに引っかかる可能性もあったんだ。
危険より協力の有用性をクーは選んだ、と、いうことを今更ながら知った。

そこまで、ぼくの頭は回らなかった。
食堂にいたとき、ぼくはただ流されてただけなのかもしれない。

161 :作者 :2007/01/14(日) 06:46:05.51 ID:kJ2obZCQ0
とりあえずアナウンスが何もないことを考えると、協力に関しては大丈夫だと思う。
ペナルティなんてないと信じたい。

広間に着くまでの間、次のターンの作戦について、彼女は一つ提案してきた。

川 ゚ -゚)「今は私たちとドクオとの点差が2点、ショボンについてはわからない状態。
     そして、私たちの点は2点だ。つまり、次、全員が黒を出したら、私たちはゲームオーバーだ。
     これは何としてでも避けなけりゃならない。つまり、どっちかは白をあげたほうがいいと思わないか?」

こういうことをすぐに思いつくクーが羨ましい。
多分頭の良さをランク付けしたら、ショボンの次はクーだろう。
ぼくは多分、ブービー賞だ。

( ^ω^)「なるほど、僕も次でゲームオーバーは避けたいお」

川 ゚ -゚)「あと、今の時点では黒が有利か、白が有利かってのは特にないと思う。
     ドクオがまた黒を押しそうな気がするが、確実ではないし、
     ショボンは裏の裏をかいてきそうな奴だ。私たちには予測できない。
     ジョルジュはどうせ適当に押すだろう。だから、どれも不確実だ」

( ^ω^)「把握した。あと、よくわからないけど、白じゃないもう1人は、黒を選んだほうがいい気がするんだお。
      つまり、もし2人とも同じ色、この場合、同じ白で負けたら困らないか、ってことだお」

162 :作者 :2007/01/14(日) 06:55:58.45 ID:kJ2obZCQ0
川 ゚ -゚)「いや、でも、その場合は逆に2人とも勝つ可能性が残されてる。確率は低そうだけどな。
     それに2人が違う色の場合、どちらかが必ず負けることになる」

確かにそうだ。でも2人ともうまく勝てるなんて、起こりそうにもない。

( ^ω^)「うーん……、それでも、2人で負けるようなリスクはなくしたほうがいいんじゃないかお」

川 ゚ -゚)「しかし、どちらか一方だけが生き残っても、協力者には何のメリットもないんだ。
     全体のリスクについて考えるべきじゃない」

彼女の言動には誠実さが伴っていた。
ぼくを騙す意図はないみたいだ。

川 ゚ -゚)「うーん……あー……そうだな。やっぱり、この協力は情報交換だけに止まるべきなのかもしれない。
     前言撤回しよう。この作戦はやめだ」

( ^ω^)「じゃ、白を押す件はどうなるお」

川 ゚ -゚)「私が白を確実に押そう。君は好きなボタンを押したらいい」

( ^ω^)「ぼくだけ自由に押せる、かお。そしたら、クーだけ自由に押せなくなるお。
       協力といいつつ、クーに全て責任を押し付けてるみたいだお……」

163 :作者 :2007/01/14(日) 06:57:47.15 ID:kJ2obZCQ0
川 ゚ -゚)「いや、どちらかの色を押すのを決めることは、不利になることじゃない。
     さっきドクオが勝ったみたいにな」

( ^ω^)「それでも、僕だけがクーの押すボタンを知ってるってのは、やっぱ僕に有利な気がするお」

川 ゚ -゚)「これは、私が頼んだ協力だからな。それくらいの差はあって当然だ。それに……」

( ^ω^)「それに?」

川 ゚ -゚)「こうでもしないと、血に汚れた殺人鬼を信用してくれないだろ?」

悲しい目をするクー。


ぼくはさっきの言動を少し後悔した。

166 :作者 :2007/01/14(日) 07:06:10.80 ID:kJ2obZCQ0
広間に到着した時、残りの3人は全員揃っていた。

('A`)「一緒にお出ましかよ。ちっ、何してたんだか」

( ゚∀゚)「そりゃ、ナニだろナニ。畜生! 俺もヤりたかったぜ」

( ^ω^)「い、いや、そんなことはしてな……」

川 ゚ -゚)「悪いか、ナニをして」

ちょwww何をいってるんだ、クー。
確かに似た状況にはなったけど。
ぼくはやってない。無実だ。

( ゚∀゚)「まじかよ……。この俺を差し置いてかぁ!?
    おい、ブーン、出会って数時間の女を、どうやってよぉ!」

ジョルジュの殺気がビシビシと伝わる。
どういうつもりなんだ、クーは。

川 ゚ -゚)「えーっと、恥ずかしいな。私の一目惚れだ」

そっとぼくに目配せした。
これは組んでることを隠すために言ってるようだ。

167 :作者 :2007/01/14(日) 07:11:04.76 ID:kJ2obZCQ0
( ^ω^)「そういうこと……らしいお」

仕方なく同意する。
ジョルジュの殺気が、また一段と強くなった。

もう少し、隠すにしても、うまい隠し方をして欲しかったが今はもう後の祭り。
こっちの作戦も立てておくべきだったと反省する。

( ゚∀゚)「クソッ! 変な趣味してるな、クーさんよぉぉ!!」

(#^ω^)「変な趣味……」

少し腹が立つ。
が、そんな一時の苛立ちはすぐにどうでもよくなったのだった。

(´・ω・`)「そうかい? 僕は変な趣味だとは思わないけど、ね」

こんな爆弾発言によって。

169 :作者 :2007/01/14(日) 07:12:39.14 ID:kJ2obZCQ0
ショボンさん、なんでずっと、こっちを見てるんですか。
ぼくにはそんな趣味はありません、ホント、ホントに勘弁して下さい。


(´・ω・`)「クーさんに先に取られちゃったかぁ……ククク……」

冷たい汗が背筋を流れた。
本物だ。




















性的な意味で。

170 :作者 :2007/01/14(日) 07:18:36.39 ID:kJ2obZCQ0
('A`)「四角関係か、こりゃ傑作だ!!」

四角関係にしては、僕に向くベクトルが異常。
喩えるなら、コーラを飲んでゲップしないくらい異常だ。

(´・ω・`)「僕の略奪愛の行方は一旦置いておいて……そろそろ、始めようか」

いや、もう、勘弁して、頼むから。
さっさと始めて下さい。


( ゚∀゚)「そうだ! 待たされる身にもなれ、ボケが!!」

さっきから、ジョルジュから相当の敵意を感じる。
組んだデメリットをこんなところで実感するなんて、思ってもみなかったことだ。

クーとの協力は前途多難な予感がした。

('A`)「……そうだな、始めようぜ」

ドクオはジョルジュは無視して続ける。


こうして、クーと組んで最初のターンが始まったのだった。


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