46 :閉鎖まであと 10日と 2時間:2007/01/13(土) 18:52:44.74 ID:66jl9Qcj0
 4

('A`) ドクオ死刑囚
罪状
殺人罪 器物損壊罪 脅迫罪 爆発物等取締法違反 銃砲刀剣類所持等取締法違反


('A`)「なるほど、ハナから協調する気はねぇってことか」

( ^ω^)「……なんでだお。白を押したほうがいいに決まってるのに」

(´・ω・`)「……君はわかってないね、このゲームの性質を」

川 ゚ -゚)「どういうことだ」

(´・ω・`)「ククク……自分で考えたらどうだい?」

( ゚∀゚)「黒が1人確定ってことは、よぉ。白を押しても無駄だってことか、あれ? いや。あーーーー」

( ^ω^)「白をわざわざ押す必要はないってことだお。全員がプラスになる可能性はなくなったから……」

47 :閉鎖まであと 10日と 2時間:2007/01/13(土) 18:52:58.55 ID:66jl9Qcj0
(´・ω・`)「そうだね。白を押すのはやめたほうがいいよ」

川 ゚ -゚)「……黒を押されて困るのは、あんたなんじゃないのか?」

(´・ω・`)「どうだろうね」

('A`)「なるほどな。こいつの考えはよめたぜ」

( ゚∀゚)「何だ?」

('A`)「黒が1人確定。こんとき、少数派は2人以下じゃないといけないから、黒の空きが残り1人になる。逆に白の空きは2人だ」

( ^ω^)「ほほう、それでそれで?」

('A`)「つまり俺らは、白を選ぶのが有利だ。そうやって、みんなに白を選ばせて、自分が少数派になろうって魂胆だ」

川 ゚ -゚)「なるほどな……」

( ゚∀゚)「そうか! じゃあ白を選んじゃいけないんだな!」

しかしそれだけで、宣言をしたんだろうか。
もしも、みんな黒を選んだら、全員がマイナス2なんだ。
全滅の可能性があがるだけだ。

いや、この人は全滅を望んでるのかもしれない。
ショボンには“常識”が通用しない。

48 :閉鎖まであと 10日と 2時間:2007/01/13(土) 18:53:26.99 ID:66jl9Qcj0
('A`)「さてと、そういう魂胆が読めたとこで、その旨みを俺も味わうとするか」

( ゚∀゚)「あぁ?」

('A`)「つまり、俺も“非協調”を押すってことだ」

(´・ω・`)「……ククク」

そんな。
ふざけるな、ドクオ。

僕たちはこれでもう、白しか選べなくなった。

ジョルジュとクウの2人も同じだ。そうやって、3人が白を選んだ先に、待ってるのはマイナス1。
逆に反抗して黒を押しても、もちろんマイナス1だ。

そうか。
このゲームは先に宣言した方が有利なのか?

川 ゚ -゚)「……ドクオ、お前」

( ^ω^)「ひどいお」

49 :閉鎖まであと 10日と 2時間:2007/01/13(土) 18:53:45.96 ID:66jl9Qcj0
('A`)「フン、俺は生き残って、落とし前をつけたい相手がいるんでね……死ぬわけにはいかんのよ」

( ゚∀゚)「え? え?」

わかってない人間が約一名。

川 ゚ -゚)「だから、私たちはどっちを選んでもマイナスってことだ」

( ゚∀゚)「なんだと! てめぇら卑怯だ!」

川 ゚ -゚)「長岡、どうせマイナスなら、あいつ等を巻き添えにしたほうがよくないか?」

クウは多分、長岡を犠牲にして、自分だけ生き残るつもりなんだ。

( ^ω^)「……ぉ……ぃぉ」

('A`)「あ?」

(´・ω・`)「……ククク」

( ^ω^)「……そんなの……おかしいお!」

川 ゚ -゚)「ブーン……」

( ^ω^)「なんでだお! そうやってみんな誰かを犠牲にして生き残ろうとするんだお!」

(´・ω・`)「……なんでって? わからないか? ここにいる人間はみな誰かを犠牲にして生きてきた人間だからさ」

50 :閉鎖まであと 10日と 2時間:2007/01/13(土) 18:54:00.20 ID:66jl9Qcj0
川 ゚ -゚)「……」

(´・ω・`)「快楽のため、金のため、仕事のため、人を殺してきた。ブーン、こいつらはそういう人間だ」

('A`)「……自分が一番殺しておいて、なにを言ってるんだ」

( ^ω^)「……じゃあ……じゃあ! 犠牲になった人の気持ちは、一生はどうなるんだお!」

( ゚∀゚)「ぁあ?」

( ^ω^)「……いったいどう……なる……お」

力が出ない。
僕はこういう人間に嵌められたんだ。

自己の保身のために、他人を平気で犠牲にする人間に。


僕の、大切な、彼女を、奪っておいて。

51 :閉鎖まであと 10日と 2時間:2007/01/13(土) 18:54:14.66 ID:66jl9Qcj0
―――――

―――



川 ゚ -゚)「……ブーン、……落ち着いたか?」

( ^ω^)「……すまんお」

('A`)「……ったく。おとなしそうなやつはこれだから、嫌いだ」

( ゚∀゚)「ホントうるせぇんだよ。何馬鹿なこと言ってやがる」

(´・ω・`)「……まあいいじゃないか。ようやくゲームが面白くなってきた証拠だよ」

('A`)「まぁいい。そろそろ始めないか?」

(´・ω・`)「ククク……始めますか……」

( ゚∀゚)「でよ? いったい俺はどっちを押せば……」

(´・ω・`)「……どっちでもいいんだよ。好きなように押せばいい。僕も好きなように押す。それだけだ」

52 :閉鎖まであと 10日と 2時間:2007/01/13(土) 18:54:31.03 ID:66jl9Qcj0
('A`)「てめぇ! 黒を押すんじゃないのか!」

(´・ω・`)「……約束は守らない性質でね」

川 ゚ -゚)「これで振り出しか」

('A`)「俺は黒を押すからな!」

(´・ω・`)「クックック……ご自由に」

('A`)「畜生!」

(´・ω・`)「みんな、ボタンの用意はいいかい?」

( ゚∀゚)「クソども、早くしようぜ。これ以上考えると頭がパンクしそうだ」

川 ゚ -゚)「そうだな」

('A`)「けっ」

( ^ω^)「……わかったお」



僕は白を押した。

協調の可能性をまだ心のどこかで信じていたのかもしれない。


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