内藤エスカルゴ > 短編・中編一覧 > ('A`)鏡の国に迷いこんだようです > 3.
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:32:36.20 ID:yLfVHBLXO
3

('A`)「ふう…疲れた。結構歩いたけど…あんまり進んだ様子は無いな」

('A`)「とりあえずこの木の下で休もう」

('A`)「ん?向こうに何か見える…蜂か?こんな遠くから見えるってことは…そうとうでかいことになるけど…www」

(;゚A゚)「……!?いや違う…あれは…はははは蜂じゃない…象だ…」

(;'A`)「………驚かない……絶対驚かないぞ…今さら…」

(;'A`)「はは……はははは…………」

('A`)「HAHAHAHAHAHAHA!HAHAHAHA」

プォ〜  スマリイマャシンデクナモマ

('A`)「お?汽車だ…!」



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:36:51.78 ID:yLfVHBLXO
……………………………………

(;'A゚)「お、お前はさっきからなんなんだよ!誰だ!汽車の中からずっと耳元で囁きやがって!」

(;'A`)「なんなんだよ!パンツの種類なんて聞いてどうするんだ!?そんなもん履いてねえよ!」

???「君は僕の友達だモナ?とっても仲良しの、ずっと前からの友達だモナ?」

('A`)「はぁ?」

???「僕が虫だからっていじめたりしないモナ?」

(;'A`)「む、虫なのかよ…じゃあなおさら耳の中から出ろよ!」


31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:38:19.79 ID:yLfVHBLXO
( ´∀`)「モナー」

(;'A`)「…蚊…?」

( ´∀`)「汗が酷いモナー!羽であおいであげるモナ」

(;'A`)「その汗はきっとお前の異常なサイズのせいだろうな…今さら蚊がひよこサイズだからって驚かないぞ僕は」

( ´∀`)「何をブツブツ一人で言ってるモナ?……足を上げるモナ!」

('A`)「え?」

( ´∀`)「バタツキ蝶を踏んでるモナ!ただでさえしょっちゅう死ぬのに可哀想だモナ!」

(;'A`)「え?ただのトースト…」


32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:39:53.88 ID:yLfVHBLXO
( ´∀`)「よく見るモナ!羽はバター付きパン、胴はパンの耳、頭は角砂糖で出来ているモナ」

(;'A゚)「うわ…きめえ」

( ´∀`)「そんなことよりお前はどこへ行くモナ?」

('A`)「あ、ああ、向こうの森を越えるつもりだよ」

( ´∀`)「モナー?お前は自分の名前は好きかモナ?」

('A`)「え?いきなり何…うん…別に」

( ´∀`)「煮え切らないモナー…一つ忠告するモナ」

('A`)「?」


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:42:30.45 ID:yLfVHBLXO
( ´∀`)「あの森の中では名前のあるものは無いモナ。つまり…アッ」

ヒュォォオオ

('A`)「キャッエッチな風!…あっおい蚊!どこ行った!………いなくなった」

('A`)「なんだよあんなでかいクセに…貧弱なやつだな」

('A`)「………一緒に来てくれればよかったのに…変なやつ………」ボソッ

('A`)「そういえば女王様が何か言ってたけど…なんだっけ?」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:44:57.67 ID:yLfVHBLXO
……………………………………

('A`)「ここが名も無き森か…暗いな…」

('A`)「うわぁっ」
ドサッ

(;'A`)「ってて……なんなんだよ!この…この?」

(;'A`)「この…下からボコッて突き出てる…えーと…このいっぱい生えてるやつの下の…」

(;'A`)「な、なんだ?どうしたんだ僕?な、何が…」

(;'A`)「僕?…僕って一体誰だっけ…?」


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:48:25.76 ID:yLfVHBLXO
(;'A`)「僕は僕なのか?でも僕が誰か思い出せないんじゃ僕は僕じゃなくて誰かなんじゃ…でも誰かって誰だ…?」

???「あのー………」

(;'A`)「誰かと僕は違うのか?じゃあ僕は僕と誰かのどっちなんだ?いや、そもそも僕は何しにここへ…」

???「あの!」

(A`)「へ!?何?」

(*'A`)「うわぁ可愛い…えーと…女の子ちゃん…」

('A`)「え?君が喋ったの?」

川д川「あの…………そうです……」

(;'A`)「な、なにか御用でしょうか!!」

川д川「あ、あの……ごめんなさい…」

('A`)「あ、謝りにきたの?なんで?」

川д川「あの…びっくりさせちゃったみたいで…」

(;'A`)「なんでもない!ない!」

川д川「なんか話しかけたら土食べだしたから驚かせたのかと…」

('A)そ「ハッ あ、いやこれは精神的に限界で…」


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:50:15.47 ID:yLfVHBLXO
川д川「あの…あなたは誰…?」

('A`)「へ?」

川д川「あなたの…お名前…」

('A`)「あぁ…なぜか思い出せないんだよ」

川д川「そうなの……」

('A`)「君は?」

川д川「あそこまで行ったら教えてあげる……私も私が誰だか分からないの」

('A`)「そうなんだ…」

サクッサクッサクッサクッパキッ
サクッサクッ


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:52:09.54 ID:yLfVHBLXO
('A`)「あ…思い出しそう…カ…カ…」

川д川「私の名前……………」

('A`)「思い出したの?」

川д川「私の名前……無いの…」

川д川「私に名前は…ない………ないんだわ」

('A`)「え…」

川д川「私…思い出した……小さい頃この森で産み落とされて……そのまま捨てられたんだわ」

川д川「名前をつけられる前に…!私は…名前のないものなんだわ」

川д川「あなたは…行って…」

('A`)「そんな………」



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:55:16.61 ID:yLfVHBLXO
川д川「私にはまだ思い出せない。これからも思い出せないけど、私は森でずっと忘れたままでいるの」

('A`)「…………」

川д川「あなたの名前はなんだったの?」

('A`)「……カ…ジョルジュ」

川д川「そう。ジョルジュ、私はずっとここにいるわ…嫌な事があったら来て。私が忘れさせてあげる…」

('A`)「ま、待ってよ」

川д川「私あなたのこと忘れない!森の中であなたの名前だけ覚えてるわ。さよなら!」

('A`)「あ…!ま、待ってよ!」

('A`)「…行っちゃった…」


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:57:42.74 ID:yLfVHBLXO
('A`)「………………………」

('A`)「……………行くか」



('A`)「もうすぐ三升目も終わりか……」

('A`)「あの子は死ぬまで何が何なのかわからないままなのか…」

('A`)「……でもその方が幸せ…なのかな?生まれてから1度も外に出た事ないんだもんな……」

('A`)「そういえば何か忘れてるような………………ん?」

(゚A゚)そ「そうだ!僕ドクオだった!」


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