内藤エスカルゴ > 短編・中編一覧 > ('A`)鏡の国に迷いこんだようです > 2.
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 12:58:56.97 ID:yLfVHBLXO
2.

('A`)「でかい花畑だなぁ……色んな花が咲いてる」

ξ゚听)ξ「また来ましたわよ!今度の花はさっきのより更に不恰好だわ!」

(;'A`)「うわあ!は、花が喋った…!」

ξ゚听)ξ「とても失礼だわ!私にはちゃんと薔薇っていう名前があるんですのよ!!」

ノパ听)「それに今度のはとってもみすぼらしい花だよ!花びらはどこだい?まるで押し花だ!」

lw´- _-ノv「これならさっき来た花の方がまだ見られたね」

(;'A゚)「(酷い言われようだ…)」

川 ゚ -゚)「…君たち少し黙らないか!」

ξ゚听)ξノパ听)lw´- _-ノv「!」


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:01:18.58 ID:yLfVHBLXO
(;'A`)「あの…あなたたちは…」

川 ゚ -゚)「すまない。自己紹介が遅れたな。私は鬼百合というものだ。こちらの眠そうなのが菫だ。こちらの小煩いのが」

ノパ听)「雛菊だよ!」

川 ゚ -゚)「あの派手なのがさっき名乗っていた通り…薔薇だ」

('A`)「あの…なんであなた達は喋れるんですか…?」

ノパ听)「花が喋っちゃいけないのかしら!」

ξ゚听)ξ「それって差別だわ!」

川 ゚ -゚)「落ち着けよ。僕たち花は皆喋ることが出来るよ。…君くらいにはね」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:02:48.82 ID:yLfVHBLXO
('A`)「……………」

('A`)「あの…菫さんが、さっき来た花って言ってましたけど…僕の他に人が来たんですか?」

lw´- _-ノv「来てたよ。君ほどではないが少々不恰好な歩ける花がね」

('A`)「!どこに行きました?」

ξ゚听)ξ「あ、赤い花と一緒にどこかへ行きましたわよ!」

川 ゚ -゚)「確か…北西の方だったと思うが…」

('A`)「ありがとうございます!」

('A`)「誰か人に会えばここがなんなのか分かるかもしれない…!」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:10:19.99 ID:yLfVHBLXO
川 ゚ -゚)「ちょっと待ってくれ、君。」

('A`)「な、なんでしょうか」

川 ゚ -゚)「それだけか?」

('A`)「はい?それだけと申しますと…」

川 ゚ -゚)「僕らにものを聞いておいて『ありがとうございます』だけで済むと思っているのか?」

ノパ听)「まぁ鬼百合、たまにはいい事言うじゃないのさ!!」

lw´- _-ノv「…え?今なんて言っていたんだ?」

ξ゚听)ξ「聞いてなさいよ!」



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:12:01.89 ID:yLfVHBLXO
('A`)「え…じゃ、じゃあ僕は何をすれば」

ξ゚听)ξ「ね、ねえ鬼百合!こんな花何したって面白くないじゃない!早く追い払っちゃえばいいのよ!」

川 ゚ -゚)「そんな事はないさ、薔薇。君が僕の目を楽しませてくれるように、この小さな花にだって出来ることはあるさ。違うかい?」

ξ゚听)ξ「そ、それもそうね///」

ヒソヒソ

('A`)「あの…もう行っていいですか…?」

川 ゚ -゚)「待ちたまえ。皆の相談のもと、決まったよ」

('A`)「はぁ…何をすればいいんでしょうか」

川 ゚ -゚)「とりあえず、脱ぎたまえ」


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:13:53.16 ID:yLfVHBLXO
('A`)「……」

川 ゚ -゚)「………」

('A`)「…はい?」

川 ゚ -゚)「やっぱり君みたいな小さな花から搾取してもな、みすぼらしいだけで何も楽しいことが無いので、とりあえずその纏わりついている花びらを剥きたまえ。」

('A`)「え…意味がわからないんですけど…」

川 ゚ -゚)「そんなに難しいことは言っていないつもりだったが…君が対等に我々と会話できると、少し買いかぶり過ぎていたようだ。」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:15:52.54 ID:yLfVHBLXO
(;'A`)「お、鬼百合さんさっきとだいぶキャラ変わりましたね…」

川 ゚ -゚)「そんなことはどうだっていいじゃあないか。早く脱ぎたまえ」

脱ーげ!脱ーげ!脱ーげ!脱ーげ!脱ーげ!脱ーげ!




20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:17:51.06 ID:yLfVHBLXO
……………………………

(;'A`)「ふう…あいつらの叫び声がまだ頭に残ってる…ガンガンする…」

(A`)「あ…あの人か…?すいません!」

???「どこからきた?」

('A`)「えっ」

???「そしてどこへ行くつもりだ。顔を上げて、ハキハキ発音しろれからキョロキョロ目は泳がせない!」


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:20:19.02 ID:yLfVHBLXO
(;'A`)「えっ…あ」

???「“えっ”と言う場所から来て“あ”という場所へ行くのか?私はそんな場所は知らないし私の土地にそんな場所は無いぞ。白の女王には会ったのか?」

(;'A`)「し、白の女王?いや、その…僕は」

???「口籠もる間にお辞儀をしろ、その方が時間の節約になる。それで一体お前は何者だ?」

('A`)「ぼ、僕はドクオと言います…あなたは」

(*゚∀゚)「私を知らないのか無礼者め。いいだろう、教えてやる。私は赤の女王だ。お前はここで何をしている?」

('A`)「あ、そのう…帰る道を探しているんですけど…」

(*゚∀゚)「帰る道とはどういう事だ?この辺りの道はずっとここにいるし帰る場所などないぞ。……それに話すときには、もう少し大きく口を開けて、必ず『女王陛下』と言え」


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:23:03.38 ID:yLfVHBLXO
('A`)「あ、はいすいません…女王陛下。僕は…この世界がどうなっていたか知りたかっただけです」

(*゚∀゚)「そうか。それならば見るがよい。」

('A`)「すみません……え?いいんですか?」

(*゚∀゚)「なにがだ?ついて来い。」

('A`)「あ…はい」

('A`)「広い土地だなぁ…………」

(*゚∀゚)「この丘からなら一帯が見渡せるだろう。思う存分見るが良い」

('A`)「は、はい………」


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:24:34.64 ID:yLfVHBLXO
('A`)「あ…!小川と生け垣で網目みたいに区切られてる……そうか、チェス盤にそっくりなのか!」

(*゚∀゚)「ちょうど白の女王のポーンが一つ空いた。お前はそれになるといい!この前の娘はいなくなってしまったからな」

('A`)「は?え?」

(*゚∀゚)「二升目からはじめて、八升目にたどりついた時はお前も女王だ」

('A`)「え、あ、あの」

(*゚∀゚)「よいか、説明してやる……喉が渇いたであろう?これを食べるとよい」

(;'A`)「び…ビスケット…?」

(*゚∀゚)「これが欲しかったのだろう?お前のせいでストックがなくなってしまったではないか…話を続けるぞ」



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:25:47.25 ID:yLfVHBLXO
(*゚∀゚)「よいか、ポーンは最初の一手で二升進める。三升目は汽車を使ってさっさと通りすぎると良いだろう」

('A`)「汽車なんてあるんですか」サクサク

(*゚∀゚)「そうすればすぐに四升目だ。そしてにそこはトウィードルダムとトウィードルディーのものだ」

(*゚∀゚)「五升目はほとんどが水…六升目はハンプティ・ダンプティのものだ……ところでお前、さっきから何も言わないが?」

('A`)「え?」

(*゚∀゚)「お前はこう申すべきだった。『何から何まで教えていただき、深く感謝申し上げます。女王陛下』」

(A`)「あ…す、すみません」


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:28:41.77 ID:yLfVHBLXO
(*゚∀゚)「まぁ良い…七升目は森…ナイトか誰か案内してくれることだろう…そして、八升目でお前も共に女王だ、宴で酒でも酌み交わそう!」

('A`)「こ、光栄です、女王陛下」

(*゚∀゚)「そして、歩くときは爪先を外に向けること…それから自分が誰であるか忘れぬこと!」

(*゚∀゚)「それではさらばだ!」

('A`)「え?ちょっ待って!…あ……早い…もうあんなに遠くに」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/08/26(水) 13:29:55.46 ID:yLfVHBLXO
('A`)「あれがマシンガントークってやつか…初めて見た」

(*'A`)「それより意外とこのビスコうめえwwwwwwメープルシロップの味するwwww」

('A`)「……一人になっちゃったな…べ、別に寂しくなんかないんだからねっ」ポリポリ

('A`)「………………………………」

('A`)「ふう……それじゃ行くか…女王になれば何か変わるかも知れないし」

(;'A`)「あれ…そういえば女王…?王様にはなれないの…?」

('A`)「僕…帰れるのかな……」


前へ 次へ
内藤エスカルゴ > 短編・中編一覧 > ('A`)鏡の国に迷いこんだようです > 2.
inserted by FC2 system