( ^ω^)は自分が何なのかを知るようです
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 22:44:58.26 ID:KSXakjeh0
-
赤。
黒と赤。
ドロドロとした、わだかまり。
ぬちゃぬちゃとした、水たまり。
キラキラとした、水しぶきは、空にある時はこんなにも綺麗なのに。
地面に落ちると、途端に汚くなる。
なぜだろう。
わからない。
わからないから、僕はまた水しぶきをあげる。
なぜなのかを、理解するために。
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 22:47:20.62 ID:KSXakjeh0
-
腕をふるうだけで、いくつもの赤い水しぶきがあがった。
とても、とても綺麗だ。
もっとよく、もっとたくさん、見たい。
右に、左に、何度も、何度も。
腕をふり、人形達をなでていく。
ひとなでで、人形達は水しぶきを上げて、動かなくなる。
もしかしたら、そこに理由があるのかも。
人形が動かなくなる前の、最後のきらめき。
多分それが、綺麗なんだ。
でもやっぱり、その時だけ。
地面に落ちると、途端に汚くなった。
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 22:49:21.66 ID:KSXakjeh0
-
足にねっとりと、手にじっとりと纏わり付いて、きもちわるい。
でも僕は、腕をふりつづけた。
赤い水しぶきを、生みつづけた。
そうしないと、僕が壊れてしまうから。
そんな気がするだけだけど、それがとても怖かった。
目の前には、人形達がまだいっぱい。
手にきらきらとした棒をもって、僕に向かってくる。
それをそっと、撫でてあげる。
それだけで、棒が折れ、手が飛んで、胴体が飛んで、頭が飛んで。
なんて脆い、人形なんだろう。
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 22:51:22.07 ID:KSXakjeh0
-
すると、人形達の動きがとまった。
水しぶきをあげていないのに、なぜ。
僕が近づくと、人形達は怖がって後ろにさがる。
どうして、もっと見せてよ。水しぶきを。
人形達が、左右によけて道ができた。
その向こうに、一人の黒い影があった。
それだけで、僕はもう人形に興味をもたなくなった。
あの黒い影が、とても気になったから。
不思議と、他の人形達と変わらない大きさだったのに。
僕にはなぜか、それが人形に思えなかった。
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 22:53:22.92 ID:KSXakjeh0
-
影が、近づく。
僕に向かって、真っ直ぐに。
あぁ────
この影の赤い水しぶきを浴びれば────
僕はきっと、満たされる────
そう思った時、目の前にソイツの顔が現れた。
从 ゚∀从
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 22:55:23.94 ID:KSXakjeh0
-
一気に僕に近づいたソイツは、ふわりと髪が肩まで落ちる前に。
薄ら笑いをしながら、僕に言った。
从 ゚∀从「お仕置きの時間だ」
おしおき?
どうして。僕はただ、人形で遊んでいただけなのに。
そう言おうとした、次の瞬間。
ソイツの腹の辺りから、何かが伸びた気がした。
そこで、僕の意識は途切れた…………
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 22:55:47.76 ID:KSXakjeh0
-
( ^ω^)は自分が何なのかを知るようです
第一幕────
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 22:57:49.33 ID:KSXakjeh0
-
少し、眩暈がした。
朝起きていきなり立ち上がった時にふらつくあれに似た、軽い目眩。
最近よく、この目眩に見舞われる事が多い。
でもそれも、時間にして五秒程度で消えるから、特に気にしてない。
ほら、もう。
( ^ω^)「んー…………はぁっ」
全身に綺麗な空気を送り込み、一気に吐いた。
それだけで頭がスッキリとして、気分は最高だ。
周りには、青々と茂った草と、瑞々しい葉を風に揺らす木々。
春の暖かな風が、僕の頬も優しく撫でてくれた。
こんなに綺麗な自然の中で、目眩がどうのなんて考えるだけ損だ。
自然の祝福を全身に感じながら。
( ^ω^)「よっとお」
僕は両腕を掲げて。
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 22:59:49.44 ID:KSXakjeh0
-
自然に大きな感謝をしながら。
( ^ω^)「せーのっ」
木に斧を、叩きつけた。
渇いた高い音を響かせて、薪が半分に割れ、転がる。
今日もなかなかに、調子がいい。
薪割りは、勢いが大事だ。
進入角度や、斧の切れ味なんかもそりゃ大事だけど、全ては勢い。
戸惑ったら、斧は途中で止まり、手を傷めてしまう。
なんて、偉そうなことを言ってるけど、僕も最初は苦労したんだ。
初めの一ヵ月なんて、手のひらと手首が痛くて痛くて、ろくに眠れなかった。
( ^ω^)「ふー こんなもんかお」
実はその一撃で、今日のノルマは達成だ。
後一本、というところで、急に目眩に襲われてしまった。
それでも、最初の事を思うと作業スピードも段違いに上がっていた。
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:01:31.57 ID:Ns38uzLHO
- (´□(⊂(`;ω;´)⊃)□`川
にょ〜どう!!
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:01:57.61 ID:KSXakjeh0
-
薪割りを始めて、もう十年になる。
それだけやっていれば、嫌でもコツは覚えてしまう。
割った薪達を集め、きつく縄で縛り、リヤカーの荷台に積む。
こいつも十年来の付き合いで、積む度にどこかしらが軋む音を立て、少し頼りない。
今度、作り直してやろうかな、そう思った時。
「お兄ちゃああぁぁぁぁぁん!!」
遠くから叫ぶ、女の子の声がした。
声の主を一度で理解した僕は、顔を上げてそちらを見た。
ノハ*゚听)
真赤な背中辺りまでの髪を左右に揺らしながら、駆けよる少女。
ピンと頭のてっぺんからはねた一本の髪が特徴的だ。
妹の、ヒートだった。
( ^ω^)「転ぶなおー!」
いつものことだけど、足元をまったく気にせず走ってくるので、先に言っておいた。
あ、転んだ。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:04:03.06 ID:KSXakjeh0
-
ノハ*゚听)
しかしすぐに立ち上がり、また僕めがけて走り出した。
ヒートは一日数回転ぶ。面白いくらい、転ぶ。
だから当人も、もう慣れているのだろう。
だから僕も、ヒートが転んでも慌てる事はもうなかった。
あ、転んだ。
( ^ω^)「大丈夫かお?」
ノハ*゚听)「大丈夫だぞ!」
後少しのとこで転んだヒートを見下ろす僕。
すぐに勢いよく顔を上げて返事をするヒート。
少し笑って、僕は手を伸ばした。
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:06:10.26 ID:KSXakjeh0
-
ノハ*゚听)「ありがとう! 薪割りはもう終わったのか!?」
( ^ω^)「終わったお 今から戻るとこだお」
ノハ*゚听)「早くなったなぁぁぁぁ! さすが!さすがだ!」
( ^ω^)「おっおっ 手伝いにきてくれたのに、悪かったお」
ノパ听)「ふっふー 実は! それだけじゃないんだなぁ!」
( ^ω^)「おっ? なんかあったのかお?」
ノハ*゚听)つ□「これだ!」
( ^ω^)「おー……手紙かお 珍しいおね」
この地域は自然に溢れ、平和な姿を保っている。
しかし、一度人のいる街へ出ると、そこはもう、違う世界だ。
よくわからないが、国と国の大きな戦が行われているらしい。
他国に比べるとこの国……ニューソクは治安が良いと聞いている。
しかしどうしても、戦争をするために民は税を課せられている。
それにより、貧富の差は当然生まれ、国の目の届かない所で、地は乱れていた。
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:06:19.97 ID:6VbmQYwN0
- wkwk
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:09:07.85 ID:KSXakjeh0
-
そんな中で、配達屋が狙われることも稀にあった。
野盗に捕まれば、まず命はない。
そんなリスクを負ってまで配達業を営む者は、少なかった。
その中で、人里離れた山中のこの家に手紙が届くのは、珍しい。
もしかしたら。
( ^ω^)「…………」
ヒートから手紙を受け取り、封筒を見た。
薄く、安っぽい紙と、差出人の名前が、僕の心配を掻き消してくれた。
ノパ听)「? どうした?」
( ^ω^)「おっ なんでもないお」
顔に出ていたのか、ヒートを少し心配させてしまったようだ。
もしかしたら徴兵関係の国からの手紙かと思ったが、どうやらそれはないようだ。
気にしすぎだったと伝えるように、ヒートに差出人の名前を教える。
その名を聞けば、ヒートも安心することだろう。
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:11:54.04 ID:KSXakjeh0
-
( ^ω^)「クーからだお」
ノハ*゚听)「ほんとかぁぁぁぁ! クー姉からかぁぁぁ!!」
くせっ毛をピンピンと立てて、ヒートは喜んだ。
そんなヒートを見て、僕も嬉しくなってしまう。
勿論、手紙がきたことも純粋に嬉しかった。
差出人、クー・アジタリア
ヒートの姉、クーからだった。
ノハ*゚听)「なんて! なんて書いてあるんだ!?」
( ^ω^)「帰りながら読むお」
ノパ听)「おおっ! 了解だっ!」
するとヒートはぴょんとリヤカーの荷台の端に座った。
- 17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:14:38.42 ID:KSXakjeh0
-
ノパ听)「いけー! 兄ちゃん! でっぱーつ!!」
なんとも、元気のいい子である。
ヒートはずっとこの山にある家で過ごしてきた為に、字が読めない。
クーと、後一人ヒートの妹がいるが、財政的に余裕がなく、学校に行くことはできなかった。
僕が教えてやろうにも、ヒートは勉強をとても嫌い、そこまでに至らなかったのだ。
ノパ听)「う〜……兄ちゃんに字を教えてもらえばよかった……」
元気のない声に、くせっ毛も萎れてしまっていた。
( ^ω^)「おっおっ 兄ちゃんが読んでやるお」
ノハ*゚听)「さすが兄ちゃん! 大好きだぞ!」
静かに笑った後、少し錆びたリヤカーのパイプ、ハンドル部分を片手で握り、進み出す。
( ^ω^)「ヒート 中身を出してくれお」
後ろを見ないまま、手だけを後ろにやって手紙を渡す。
ヒートが手紙を受け取り、ビリビリと少し不安な音が聞こえた。
中身まで破らなければいいけど……。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:18:00.22 ID:KSXakjeh0
-
( ^ω^)「シューはどうしたんだお?」
前を見ながら、聞いた。
もう一人の末っ子、シュー。
彼女は熱心に僕から文字を教わっていたから、手紙は読めるはずだ。
クーを尊敬し、規則正しい生活をしている彼女に限って、今家に居ない事はないだろうに。
ノパ听)「シューはお昼ごはんを作ってたぞ!」
( ^ω^)「おっおっ それで台所から追い出されたのかお?」
ノハ;゚听)「う〜……なんでわかるんだぁ……」
十年も一緒にいたら、そんなやり取りはすぐに浮かんでしまう。
基本、仲はいいのだけど、シューはヒートに厳しいから、邪魔をするなと言われたのだろう。
と言う事は、困った挙句に僕の所に訪れたというわけだ。
手紙の主が、クーということを知ったら、シューはその場で読んだかもしれない。
いや違う、確実に読んだと思う。
クーはそれほど、二人に愛されていた。
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:20:54.08 ID:KSXakjeh0
-
ノパ听)つ□「兄ちゃん! 出したぞ!」
( ^ω^)「ありがとうだお」
手紙を受け取る。一目で、クーだとわかった。
綺麗な文字が、彼女を彷彿とさせる。
( ^ω^)「じゃあ、読むお」
ノハ*゚听)「わくわく! わくわく!」
片手でパイプを握り、もう片方の手で手紙を持って、読み始めた。
( ^ω^)「やぁ、ヒート、シュー、そしてブーン 元気か?」
ノハ*゚听)「元気だぞおおおぉぉぉぉ! シューも兄ちゃんも元気だぁぁぁぁぁ!」
( ^ω^)「私は元気だ 心配しなくていいぞ」
ノハ*゚听)「クー姉も元気かぁぁぁぁぁ! よかった! よかった!」
( ^ω^)「少し余裕が出来たから、手紙を書こうと思ったんだ」
( ^ω^)「心配してると思ってたしな」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:23:41.28 ID:KSXakjeh0
-
ノパ听)「心配してたぞぉ……でもよかった!」
( ^ω^)「今月末に、そちらへまた戻る 実は、それを伝えたかっただけなんだ」
ノハ*゚听)「おおおおおおお!! 戻ってくるのかぁぁぁぁ!」
( ^ω^)「それまではブーン、ヒートとシューを頼んだぞ」
ノパ听)「頼まれるぞぉぉぉぉ!」
( ^ω^)「おっおっ 任せとけお」
ヒートにならって、僕も返事をした。
本当に嬉しそうな彼女の姿を見て、僕も嬉しくなる。
( ^ω^)「それじゃ、話したい事は帰った時までにとっておく」
ノパ听)「残念だけど了解した!」
( ^ω^)「では、今度は顔を会わせて、話そうじゃないか またな」
ノパ听)「クー姉! またなぁぁぁぁ!」
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:26:50.52 ID:KSXakjeh0
-
( ^ω^)「で、終わりだお」
ノハ*゚听)「うおおおぉぉぉ! ありがとう! 兄ちゃん!」
( ^ω^)「おっおっ 僕も嬉しいからいいお」
ノハ*゚听)「ふふふ〜ん♪」
ご機嫌なヒートは、鼻歌を歌い出した。
僕はそれに耳を傾けながら、クーの事を思う。
クーが帰ってくる。
五年前、十八になったクーは近くの街で働くようになった。
彼女達の父親は、国軍にいる。
結構な立場にいるようで、生活にはさほど、困ってはいなかった。
母親は、いない。
クーが十二の時に、突然居なくなったそうだ。
その時ヒートは、六歳。シューに至っては、四歳だ。
仕送りがあるとはいえ、あまりに、酷い。
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:29:51.96 ID:KSXakjeh0
-
しかしクーは、父にそのことを報告せずに、一人でヒート達の面倒を見てきた。
その時のクーの心情は、一体どれ程のものだったのか。
僕には到底、計り得る事が出来ない。
でも……。
ノハ*゚听)「ふふふんふ〜ん♪」
今のヒートを、そして、家で待っているシューの事を思うと。
両親と共に暮らせないことなど、なんの苦にも感じていないと言った様子だ。
それでもきっと、寂しい時はあるのだろう。
泣きたい時だって、あるのだろう。
でも、十年一緒にいた僕でも、その事で彼女達が泣いている所は見た事がない。
泣く暇があったら、楽しい事を考えろ。
クーの言葉だ。
そう思った時は、挫けずに自分を育てた偉大な姉のことを思い出し、止まっていたのだろう。
その結果、二人は立派に、大きく育っていた。
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:32:54.28 ID:KSXakjeh0
-
クーの母親がいなくなった半年後に、僕はここを訪れた。
最初はやはり警戒されたが、次第に打ち解ける事が出来た。
僕の事を、突拍子のない話を、信じてくれたのだ。
僕には、ここに来る以前の記憶がない。
なぜここに、どうやってここにきたのか。
それは僕自身、まったくわからない。
思い出そうとしても、何を思い出せばいいのかすら、わからない。
そんな僕に、クーはよくしてくれた。
僕は感謝して、何かできないかとクーに進言し、先程の薪割り作業に就いた。
どうやらこの山一つがクーの父の物らしく、薪には困らない。
自分達の分を確保し、余りは近くの家々に売って、生活の足しにしていた。
そうしているうちに、僕はもう、どうでもよくなった。
この子達の笑顔を、守る事ができれば。
自分の記憶なんて、どうでもいい。
言うなればこれは、僕の運命なんだ。
彼女達を守る為に、僕はこの地にやってきたんだ。
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:33:46.51 ID:Ns38uzLHO
- すべてのブーン系ファンの皆様へ
モバゲーのクリエーター名検索
らふめいかー
みんなこいつのこの言いぐさをみてくれ
こいつの12/24のニュースを
こいつだけは許せない
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:36:14.15 ID:KSXakjeh0
-
僕が街に出ると言った言葉を、クーは遮った。
君はあくまで客人だ。薪割りをさせることすら、心苦しい、と言った。
本当に、何故この子はこんなにも真っ直ぐなのだろうと。
あの時は、ヒートとシューがいたにも関わらず、涙した。
相当にからかわれたが、嫌な気はまったくしなかった。
あの時の、クーの言葉。
※
川 ゚ -゚)『君にもしもの事があったら、私が悲しいからだめだ』
※
その言葉で僕は、決意した。
この子達の為に、生きようと。
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:39:51.38 ID:KSXakjeh0
-
ヒートの鼻歌が、風に流れる。
ノパ听)「ふふんふ〜ん♪」
なんだ────
ノパ听)「ふんふんふん〜♪」
何かが、浮かぶ───……
ノパ听)「ふふふ〜ん♪」
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:42:40.57 ID:KSXakjeh0
-
ノパ听)「ふふふふ〜ん♪」
………手を……って……
ノパ听)「ふんふんふ〜ん♪」
……すべ…………て……を……
ノパ听)「ふふふ〜ん♪」
………ちか……ら……で……
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:45:53.17 ID:KSXakjeh0
-
ノパ听)「ふふんふふ〜ん♪」
────滅ぼせ────…………
- 29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:46:05.06 ID:gJgJJb5p0
- あ
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:47:37.10 ID:26j1v5s1O
- 支援
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:47:50.38 ID:26j1v5s1O
- 支援
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:47:54.51 ID:KSXakjeh0
-
じわりと、嫌な汗が、背中を伝う。
なんだ、今のは。
ヒートの鼻歌に合わせて……
メロディーに合わせて……
あれは……歌詞……?
なんで、こんな、はっきりと。
なぜ、どうして、滅ぼせって、何だ。
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:49:14.45 ID:26j1v5s1O
- 支援
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:50:18.56 ID:26j1v5s1O
- 支援
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:50:46.64 ID:KSXakjeh0
-
( ω )「ヒート」
ノパ听)「ふんっ どーした?」
( ω )「その歌、どこで覚えたんだお?」
ノパ听)「歌? よくわからないぞ」
( ω )「鼻歌、歌ってなかったかお?」
ノパ听)「はなうた……? 知らないぞー?」
( ω )「……そう……かお……」
ノパ听)「どーした? 兄ちゃん調子悪いのか?」
( ω )「……なん……でも……」
僕はゆっくりと、ヒートの方を振り返る。
いつもの笑顔で、安心させるように。
いつもと、変わらない、笑顔のつもりで。
振り返った。
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:53:02.24 ID:26j1v5s1O
- 支援
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:53:22.55 ID:KSXakjeh0
-
( )「なんでもないお」
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:54:10.21 ID:26j1v5s1O
- 支援
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:55:00.21 ID:KSXakjeh0
-
ノパ听)「…………」
数瞬の、間。
ノパ听)「なーんだ 安心したぞ!」
( ^ω^)「おっおっ ごめんお」
ノパ听)「変な兄ちゃんだな!」
どうやら僕は、いつもの笑顔でいれたようだった。
ヒートの返事が、それを証明している。
しかし、今のは一体。
一瞬また、目眩がした。
浮かぶのは、忘れていたこと。
そしてもう一つ、忘れかけていたこと。
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:57:16.88 ID:26j1v5s1O
- 支援
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:57:26.32 ID:KSXakjeh0
-
一つ目は、ここへ来る前の記憶。
そしてもう一つは、それを思い出そうとする事。
ヒートの歌に乗せて。
それはゆっくりと、僕に近づいてきていた。
第一幕───終。
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:57:35.55 ID:26j1v5s1O
- 支援
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:59:13.19 ID:KSXakjeh0
- 終わりです
ではまた
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/06(火) 23:59:47.48 ID:26j1v5s1O
- 乙でした!
- 45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/07(水) 00:00:23.39 ID:YiaABivg0
- 乙
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/07(水) 00:05:45.05 ID:4VqRo/MwO
- これは期待せざるを得ない…
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/01/07(水) 00:14:15.19 ID:GXwa+BygO
- よむほ