【第29話:戦い遂げる そして世界は……】

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 20:46:27.52 ID:G+tg/+AEO


【第29話:戦い遂げる そして世界は……】




4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 20:48:15.03 ID:G+tg/+AEO


赤一色に染まった空間、視線の先には蠢く触手の塊。

辺りからは生物の鼓動のような音と微かな振動が響いてくる。


('A`)『そっちから呼び込んでくれるとはな……』


(◎_-)『手間が省けたろ?』

触手の塊がヒッキーの顔を形作っていく。


('A`)『にしても悪趣味な姿に変わったもんだな……』


(◎_-)『そんなのは意味が無いのはわかってるだろう?』


('A`)『ちげぇねぇ……だが、そうなるのはお前だけだ』



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 20:49:59.73 ID:G+tg/+AEO


(◎_-)『僕だけそうなるのは不公平だ……。
この永遠とも言える虚無をみんなにも分けてあげないとね』


('A`)『……』


(◎_-)『ヒトは初めからそれを望み、そのために生き、死ぬんだよ。
僕はそれに気づかせて導くだけだ。
それは君も例外じゃない……』


(#'A`)『そんな独りよがりを押しつけんな……。
自分がどう在るべきかは自分で決める。
だから、テメェの望みはテメェだけで抱えてろ!!』

叫びと共にヒッキーへ向かいリーブラは駆ける。



−−−



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 20:51:56.55 ID:G+tg/+AEO


ホライゾン達もノアまで移動してきた。


( ^ω^)『来てはみたが』

 _
( ゚∀゚)『どうすんだ?』


( ´_ゝ`)『ノープランかよ』


(´<_` )『見切り発車万歳だな』


( ^ω^)『ノアは今の所動きを見せていないようだな……』



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 20:53:39.35 ID:G+tg/+AEO


( ´_ゝ`)『華麗にスルーかよ』

(´<_` )『流石だなホライゾン』

 _
( ゚∀゚)『とりあえず様子見か……、ん?』

ジョルジュが雪原の中に人が一人立って居るのに気づく。


ノパ听)ノシ「うぉ〜い!!」

ヒートがこちらに手を振っていた。

 _
( ゚∀゚)『あいつは……』



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 20:54:32.22 ID:G+tg/+AEO


( ´_ゝ`)『なんだ幼女じゃないじゃん、ほっとけよ』


(´<_` )『こんな所で何を考えてんだ兄者……』


( ^ω^)『行ってみるか……』



−−−



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 20:58:13.22 ID:G+tg/+AEO


川 ゚ -゚)『よし、片づいたぞ』


(,,゚Д゚)『こっちも終わりだ。披露溜まりまくって吐きそうだぜ!』

二人から同時に通信が入ってきた。


黒煙が立ち上り、黒い残骸が無数に散乱する大地の中心。

バーボンハウス艦橋


ξ゚听)ξ「二人とも無事で良かった」


(´・ω・`)「無人機の掃討終わったか……」



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 20:59:48.76 ID:G+tg/+AEO


ξ゚听)ξ「でも、まだノアが……」


(´・ω・`)「あれは別だよ……」


ξ゚听)ξ「……」


(´・ω・`)「それに、バーボンハウスのメインエンジンも壊されちゃったし……。
ここまでだよ」

ショボンは立ち上がり、コーヒーを啜りながらノアの方を見つめた。


(´・ω・`)「祈ることしか出来ないとは……」



−−−



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:02:17.03 ID:G+tg/+AEO


ヒートがスコーピオの狭い狭いコクピットでジョルジュに話しかける。

 _
( ゚∀゚)『ドクオの奴は一人で勝負を着けに行ったのか……』


ノパ听)『簡単に言うとそうなるな!』


( ´_ゝ`)『現状は把握した』


(´<_` )『把握出来たのかよ』


( ^ω^)『……』

 _
( ゚∀゚)『何黙ってんだよブーン?』


( ^ω^)『ノアが動き出した……』

ノアへ視線を向ける。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:04:34.28 ID:G+tg/+AEO


( ´_ゝ`)『んぁ?』


(´<_` )『何か伸びてきてるぞ……』

ノアの背部から何本ものアンテナのような物が伸び始めているのが見えた。

 _
( ゚∀゚)『野郎、氷の太陽を出す気か……!?』


ノパ听)『何それ』

 _
( ゚∀゚)『周囲を絶対零度の波動で包み込んで全てを消し飛ばしてちまう。
前の発動は不完全だったが今回はわからんぜ……』



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:06:52.88 ID:G+tg/+AEO


( ´_ゝ`)『どうすんだ?』


(´<_` )『まぁ、十中八九決まってるだろうな……』


( ^ω^)『少しでも発動を遅める』

そう言うとホライゾンの乗るリーオーがノアへ向かい駆け出した。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:08:13.01 ID:G+tg/+AEO


(´<_` )『な?』


( ´_ゝ`)『おk把握』

流石兄弟のジュミナスもリーオーに続く。

 _
( ゚∀゚)『さて行くか』


ノパ听)『よっしゃあ!』

最後にスコーピオがそれに続いた。



−−−


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:11:39.51 ID:G+tg/+AEO


ノア内部

ヒッキーを取り囲む触手がドクオのリーブラに襲いかかる。


(;'A`)『おああああああああああ!』

避ける間もなくリーブラの四肢に絡みつかれて身動きがとれなくなった。


(◎_-)『結局君は口だけか……?』


(;'A`)『おいおい、まだ終わってねぇぞっ……!』

そう言いながら触手を引きちぎり、ヒッキーに向かい駆け出す。


(#'A`)『らああああああああああ!!』


(◎_-)『同じ事をっ!』

再び触手が襲いかかり、リーブラを串刺しにした。



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:14:39.49 ID:G+tg/+AEO


(;'A`)『ぐあっ!?』


(◎_-)『死ね……』

次々と触手が矢のようにリーブラの体を貫いていく。


(#◎_-)『死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ね! 死ねえええええ!!』


(;'A`)『がああああああああああああああああああああ!!?』

突き刺さる度にリーブラから赤黒いオイルが噴き出す。


(#'A`)『まだ……、まだだあああああ!!』


(#◎_-)『しつこいんだよっ! お前はあああああ!!』

構わずリーブラをヒッキーへ向け前進させる。



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:16:00.32 ID:G+tg/+AEO

が、あと一歩の所で両足を断ち切られ、片腕を落とされた。
リーブラは串刺しの状態でヒッキーの前に固定された。


(#◎_-)『今度こそ終わりだ……』


( A )『あぁ、終わりだ……』

トリガーを強く握り込む。


('A`)『お前のな』



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:17:56.82 ID:G+tg/+AEO


(◎_-)『この状態で何が出来るってぇ?』


('A`)『出来るっ……!』

触手で動きが制限されているリーブラの残った右腕をゆっくりと前へ突き出す。


(◎_-)『パンチのつもりか? 届いてすらいないぞ?』


('A`)『届くぜ……』

リーブラの右拳が僅かに光を帯びていく。


(#'A`)『とびっきりのやつがなああああああああああ!!』

次の瞬間、右腕の肘から先がヒッキーへ一直線に打ち出される。


(;◎_-)『おおおおお!?』



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:19:34.95 ID:G+tg/+AEO

勢いよく打ち出された拳は、徐々に光を増しながら触手をかき分けヒッキーへ迫る。


(#'A`)『逝っちまえええええ!』


(;◎_-)『こんな、こんなあああああ!!』

光を帯びた拳がヒッキーを叩き潰す。

同時にそこから光がノア内部全体に広がっていく。


(;'A`)『っ!?』

光はその場の全てを飲み込んでいった。



−−−



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:22:16.67 ID:G+tg/+AEO


『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

ノアが雄叫びを上げながら仰け反り、体中に亀裂が入ってそこからは光が漏れ出す。

 _
(;゚∀゚)『なんだぁ!?』


ノハ;゚听)『おおお!?』


(;^ω^)『うおっ!?』


( ´_ゝ`)『落ち着けよ』


(´<_`;)『なんで平静を保ってんだよ!?』


( ´_ゝ`)っ旦『茶飲むか?』


(´<_`;)『いらねーよ! てか茶とかどこから出したんだよ!?』

ノアはどんどん膨れ上がっていく。



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:24:16.08 ID:G+tg/+AEO


『ブボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』

そして


『プァッ!』

衝撃と共に光の粒子となってノアは弾け飛んだ。

それを中心に衝撃波が一気に広がっていき、辺りのものを吹き飛ばしていく。

雪原を覆っていた雪と氷と、黒い機体の残骸も巻き上げられていく。

 _
(;゚∀゚)『うおおおっ!?』


ノハ;゚听)『びゃあああ!?』


(;^ω^)『どおおお!?』


(;´_ゝ`)『『どんだけぇ〜!?』』(´<_`;)



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:26:26.46 ID:G+tg/+AEO

ジョルジュ達は地に伏せて、耐えようとしたが衝撃波で宙に巻き上げられた。


ξ;゚听)ξ『耐衝撃、閃光防御急いでっ!! きゃあああああ!?』


川;゚ -゚)「っ!?」


(;゚Д゚)「うあああああ!?」


(´・ω・`)「間に合わんよ……」

バーボンハウスの艦橋が吹き飛び、各ブロックからは炎が吹き出す。

そのままバーボンハウスは黒煙を上げながら崩壊し、その残骸も吹き飛ばされた。



−−−



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:27:54.10 ID:G+tg/+AEO


衝撃波が収まり、辺りは静寂に包まれている。

ノアは完全に消滅した。

だが、後には何一つとして残らなかった。

全てが失われたのか、それとも守ることが出来たのか……

それを知る者は誰も居ない。







35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/10/08(月) 21:28:39.38 ID:G+tg/+AEO


【第29話:戦い遂げる そして世界は……】 〜FIN〜





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