【第20話:Past time】

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 22:45:28.02 ID:UoHtlScJO

バーボンハウスの甲板の手すりに寄りかかり荒野をボーっと眺める。


ノパ听)「……」



−−−



ドクオが艦を抜け出して北方での作戦は中止に
一度拠点に戻ってみたが、そこには変わり果てていた……。

暮らしてた人たちは近隣の村や町に別れていって残った人は
しぃさんを中心に拠点を立て直して暮らしている。



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 22:48:26.09 ID:UoHtlScJO


('-')「行っちゃうの、行っちゃうのー?」

(>ω<)「寂しいんだぁよ」

(*'ω'*)「ぽっぽ」

ギコを囲むように子供達が集まる。


(,,゚Д゚)「心配すんなチビ共、またすぐ帰ってくるさ」

(*゚ー゚)「大丈夫、私達は大丈夫だから……」

(,,゚Д゚)「出来るもんなら残っていたい、でも俺に出来ることは戦って、戦って……。
ここに奴らを来させないように戦うしか無いから……ゴメン」

(*゚ー゚)「気をつけてね……」

(,,゚Д゚)「行ってくるわ……」




6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 22:49:31.35 ID:UoHtlScJO


バーボンハウスにはフォックス司令が乗り込み、全面指揮を取ることになった。


爪'ー`)y-~「我が計画を完璧なものにするのだよ……」

( ・∀・)「……」



−−−



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 22:52:24.97 ID:UoHtlScJO


それから半年程経ったかな……

その間は共和国との戦闘は殆ど無かった。


ノパ听)「風……、強いなぁ」

風でたなびく赤髪を掻き上げ、天を仰いだ。

共和国の総帥が病死して、実権は今、ミルナって奴が握りっている。
共和国は今再編していると聞かされたな……。




8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 22:55:01.61 ID:UoHtlScJO

【第20話:Past time】



共和国本部、これは少し前の忌まわしき記憶だ……
思い出したくもないな……

だだっ広い書斎、一人の老人と二人の男……


/,'3 「やはり……ノアは使いたくないな……」

( ゚д゚)「何故ですっ! 奴らを根絶やしにして、この戦いを終わらせる最善のやり方ですぞ!?」

/,'3 「そのために何千、何万の犠牲が出る……
それにこれ以上、母なる大地に傷を負わせたくないのだ……」




10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 22:58:04.81 ID:UoHtlScJO


( ゚д゚)「その程度の犠牲は世の統率に比べたら大したことはない!」


( ^ω^)「ミルナ……、君はもっと冷静になるべきだお」


( ゚д゚ )「黙れホライゾン! ならば貴様の考えを述べてみろ!」


ミルナはホライゾンを睨みつける。

( ^ω^)「そんな目で見るな。
僕は……、アラマキ総帥についていくだけだお」


/,'3 「犠牲のもとに成る統率など誰も望んでおらん……だからミルナよ。
お前の考えは認めるわけにはいかんのだ。わかってくれ……」




11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 23:01:33.70 ID:UoHtlScJO


その瞬間、乾いた銃声が部屋全体に響きわたった。


/X 3 「うぐぅ……」

アラマキは胸の辺りから血を流し、絶命した。


( ゚д゚)「……」

ミルナの手に握られた拳銃からは、煙が立ち上っている……


(;^ω^)「総帥ぃぃぃ! くっ……ミルナ、貴様なんて事をおっ!!」

総帥に駆けより、ミルナを睨みつけた。


( ゚д゚)「……おぉ……、ホライゾン何ということを……」


(;^ω^)「!?」

ミルナは不適な笑みを見せ、警報機のスイッチを入れて叫んだ。



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 23:04:58.62 ID:UoHtlScJO

( ゚д゚)『衛兵っ、衛兵ぃぃぃっ! 総帥が撃たれたっ! 撃ったのは』


( ゚д゚ )『【ホライゾン】だ!!』


(;^ω^)「何をバカげた事をぉ……」


( ゚д゚)「総帥の考えは甘すぎる、だからこの私が共和国を率いるのだ……。
共和国勝利の為に! 世界を統率する為にぃ! ……そして」


ミルナはホライゾンに銃口を向ける。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 23:08:40.35 ID:UoHtlScJO


( ゚д゚)「障害に成りうる貴様にはここで消えていただく!!」

ミルナの拳銃から弾丸が放たれる。


(#^ω^)「くっ……」

それを紙一重で避け、窓を突き破り外へ飛び出した。

私はそのままドックに向かう。

ドックに着くまでに数人の兵士と出くわしたが、顎を跳ね上げて意識を刈り取った。

ドックに着くと、自機であるリーオーに乗り込み起動させた。

心なしか駆動音が悲しげに聞こえる……




15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 23:12:20.85 ID:UoHtlScJO

外に出て、すぐに共和国からの追っ手のZIP3体が向かってきた。


( ^ω^)『さすがに手が早いな……』

大刀の鞘を掴み、眼前に立ちふさがるZIPに突っ込んでいく。


( ^ω^)『ヌンッ!!』

刹那、鞘から大刀を引き抜き、峰の部分で横に薙払った。

眼前に立つZIPのをガードする腕ごとはね飛ばす。

そのまま流れるように次のZIPへと距離を詰める。


( ^ω^)『ダッ!!』

上段からの振り下ろして頭部を叩き潰し、左手に持った鞘で足を払った。



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 23:14:25.06 ID:UoHtlScJO


( ^ω^)『次っ!!』

大地を蹴り低い姿勢で駆け寄り、すれ違いざま大刀を引き抜き、両脚を斬り裂いた。

疾風のような連撃を終え、大刀を鞘に戻す。

3体のZIPは、その場で沈黙している。


( ^ω^)『別導体が来る前に、行くか……』

背面ブースターにエネルギーが放出され、速度が一気に上昇していく。
砂埃を巻き上げながら荒野をかけぬける。

何とか逃げ延びる事が出来た……。


( ^ω^)『次はどうする……』



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 23:17:40.80 ID:UoHtlScJO

コクピットのハッチを開き、辺りを見渡し天を仰ぐ。


( ^ω^)「ジョルジュにでも頼むか、確か……今は北だったかお……?」

北を向き、小さく頷くと再びコクピットシートに座り、リーオーを起動させる。

真紅のマントを翻し、北へと歩を進めた。




−−−




20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 23:21:46.86 ID:UoHtlScJO

再び今のバーボンハウスへ。


ノパ听)「ん〜……」

手元の資料に目を通す。


共和国にもFOXにも所属しない、10にも満たない僅かなZIPとVIPで構成された少数組織……
それが北方の共和国の部隊を次々と潰している。

黒い機体色、ワイヤーアンカーでのフレキシブルな戦闘展開
近距離ではワイヤーアンカーを射突兵器として使用、
一撃で強化装甲を使用したZIPの粉砕を確認……

赤い機体色、一撃離脱の近接戦闘時の鬼神の如き破壊力……、右腕に可変型射突兵器、他にも多数の内蔵兵器がある模様。
単独で共和国の小隊を壊滅させた。

その仲間と見られる6機の特殊型ZIPと高速中型艦……


ノハ)「赤いのは間違いなくアイツ、黒いのは……」



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 23:24:22.00 ID:UoHtlScJO

空を見上げる、青い空がどこまでも続いている。


そんな中、突如として鳴り響く警報。


ξ゚听)ξ『敵の接近を確認! 数はわかりません! 戦闘員は直ちにドックへ向かい、各機に搭乗
敵の攻撃に備え、展開してください!!』


−−−



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 23:25:50.32 ID:UoHtlScJO


数え切れない程の黒いZIPを引き連れ、2体の道化のような機体が荒野を行く。


(´_ゝ`)『やっと主役の俺の出番だ。引き立ててくれよ脇役弟者よ?』


(´<_` )『何を言ってるかわからんが……兄者、もう少し緊張感持とうか?』


(´_ゝ`)『緊張感って何だ? いつも通りに楽しむだけだろ?』


(´<_` )『まぁ、そう……だな……』


(´_ゝ`)『見えてきたぞ……』

兄者は視線の先にバーボンハウスをとらえた。




23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/04(水) 23:26:31.50 ID:UoHtlScJO


【第20話:Past time】 〜FIN〜





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