【19話:Answer?】

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:19:55.97 ID:CoJ/9QFFO
【19話:Answer?】



ジョルジュを部屋まで送り、自室へと続く薄暗い艦内通路を一人歩く。

自室の前で立ち止まり、大きくため息を吐く。


('A`)「俺は……」


フラフラと自室へ入っていき、電灯を点けずに壁にもたれ掛かるようにして、座り込む。


('A`)「どうしたら良い……」


天井を見上げ、ジョルジュに言われたことを思い出す。




4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:21:32.65 ID:CoJ/9QFFO


ほんの十数分前


ジョルジュの部屋へ入り、バーボンハウスで戦う事になった経緯を話してみた。


(;'A`)「まぁ、結果的にはそんなか……」

 _
(;゚∀゚)「戦う理由が冗談みたいに薄っぺらいな……」

 _
( ゚∀゚)「この組織が何なのかも知らんのか……?」


('A`)「共和国の支配から逃れようと……抗ってる……?」

 _
( ゚∀゚)「半分正解、半分不正解」


('A`)「半分?」




5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:23:14.50 ID:CoJ/9QFFO

 _
( ゚∀゚)「ある物を除いて、何も無い北の大地に来る理由は一つしかないからな」


('A`)「ある物?」

 _
( ゚∀゚)「【ノア】だ」


('A`)「ノアって……、あのノア?」

 _
( ゚∀゚)「なんだ……、知ってるのか?」

('A`)「世界が大洪水で絶望的な打撃を受けたときに、
人々や、ありとあらゆる生物が乗り込んで生き延びた、みたいな……?」




7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:26:31.11 ID:CoJ/9QFFO

 _
( ゚∀゚)「違うな……、全然違う」


('A`)「違うって……?」

 _
( ゚∀゚)「ノアは兵器だよ、誰が作ったか知らんが、洪水なんか比にならん力を持ってる。
例えば、この世界の大半を占める荒野、昔は緑が広がる大地だったが
ノアによって全て消えちまったよ……」


(;'A`)「なんすかそれ……?」

 _
( ゚∀゚)「最初はただの調査って話だったみたいだが、ある組織が起動させちまったんだ。
不完全だったからあの程度で済んだらしいがな……」


(;'A`)「不完全でそうなるのか……」




10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:30:20.63 ID:CoJ/9QFFO

 _
( ゚∀゚)「ノアの起動には、一体の偶神とその操者を媒介として覚醒するみたいだ。
操者がノアを操る事も出来るが……、大抵は取り込まれて終わり」


ジョルジュはタバコを取り出しながら続ける。


(;'A`)「偶神と……、操者ってのは……」

 _
( ゚∀゚)「お前と、あの白い機体だな。正確にはお前含めて三人と三体みたいだが。
一組でノアを起動させる事が出来る。それをやらせる訳にゃいかねぇ……」


(;'A`)「何で俺なんだ……!?」

 _
( ゚∀゚)「お前だからだ」


('A`)「……」




11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:35:02.23 ID:CoJ/9QFFO


('A`)「何で……、俺がそんな……」

 _
( ゚∀゚)「共和国はノアを手に入れて、世界を手中に治める気でいる。
この組織、FOXもノアを手に入れて共和国を潰したいんだろう……」

ジョルジュは、タバコを灰皿に乱暴に押し当てる。


('A`)「……」

 _
( ゚∀゚)「国に軍、組織に入ってるのも関係ない、どちらが手にしても世が滅ぶ……
お前はこの艦を抜けろ、それでFOXは一時的にだが止められる。
後のことは俺に任せればいい」


(;'A`)「でも……、あんた共和国の……」




13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:38:06.22 ID:CoJ/9QFFO


それを聞いてジョルジュは俯いた。

 _
( ∀ )「今の共和国は、駄目だ……。
それに抗うための力も揃ってる、抜けてやるさ……」


('A`)「……」


ジョルジュは顔を上げ、鋭い目つきでこちらを見つめながら続ける。

 、
( ゚∀゚)「道は一つしかないとだけ、言っておく。
時間もないんだ、覚悟を決めろよ?」


話終わるとジョルジュは備え付けのベッドにうつ伏せに倒れ込む。

 _
( ∀ )「話は終わりだ、少し眠るから出ろよ」


俺はそのまま部屋を出ていった。




15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:42:06.80 ID:CoJ/9QFFO
−−−


('A`)「無茶苦茶だ……」


頭を抱えるようにうずくまった。

何でだよ! 俺が? 知るか! 良いのかそれで? 良くねぇ、黙れ! 黙れ、黙れよ、俺は……。

そのまま思考がループする。

いつの間にかまどろみの中へ落ちていった。


そして……

昨日の明日

今日がやってきた……。


−−−



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:46:10.32 ID:CoJ/9QFFO


晴天の下、甲板の手すりから景色を眺める。


('A`)「あー……」

陽の光を反射した雪原が眩しい…。

振り返ると、前回吹き飛んだ雪だるまより、更に大きい
巨大雪だるま【ジョナサソ】がそびえ立っていた。




17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:48:17.66 ID:CoJ/9QFFO


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


ヽ(=゚ω゚=)ノ
 ( : )


ノパ∀゚)「わはっ、わはっ!」

ヒートがカーチスの頭頂部で満足げに笑っている。

ノパ听)「すごいだろおおお!!」

(;'A`)「おまっ……8mは流石にねーわ……」

どうやって作ったのよ……

暫くすると地平線の向こうから、中型の戦艦が見えてきた。


−−−



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:50:50.18 ID:CoJ/9QFFO

バーボンハウスに通信が届く。


\(^o^)/『こちら高速艦バクニュー浣腸アッー!
……基、艦長のオワタだよー』


ξ;゚听)ξ「こ、こちら地上艦バーボンハウス、受け渡し地点で待機してください……」


\(^o^)/『把握したよー』

簡単な通信を終えると、ツンが不安げに私に話しかけてきた。


ξ;゚听)ξ「こんな、あっさりと受け渡しちゃって良いんでしょうか……?」

(´・ω・`)「戦闘行為が避けられるに越したことはない、物資に限りもあるからね……」



−−−



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:53:44.73 ID:CoJ/9QFFO

俺とギコ、ジョルジュの三人、ドックで修理を終えたスコーピオの前に立つ。


('A`)「……」

 _
( ゚∀゚)「世話になったな……、つっても一泊二日かw」


(,,゚Д゚)「契約はわかってるな?」

 _
( ゚∀゚)「あぁ、情報は資料にまとめてある。あっちに戻ったらさっさとオサラバするぜ」


(,,゚Д゚)「次に合う場所は戦場だ! 首洗って待ってやがれゴルァ!」

 _
( ゚∀゚)「ハンッ、おもしれぇ……。返り討ちにしてやるぜぇ!」


ジョルジュは搭乗用リフトに乗り、俺の方へ一瞬視線を向け、スコーピオに乗り込んだ。



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:57:54.96 ID:CoJ/9QFFO

ハッチが開き、陽の光がドックへ差し込んでくる。

スコーピオが歩を進め、バーボンハウスのドックから出ていく。


(,,゚Д゚)「さぁて、ひと段落か……」

ギコはドックから出ようと歩きだす。


(,,゚Д゚)「ん? どうした?」


(;'A`)「いや、ちょっと……、リーブラの整備でもしようかと」




24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 18:58:27.87 ID:CoJ/9QFFO


(,,゚Д゚)「そうか、なら先戻ってるわ」

ギコは背を向けながら、手をヒラヒラと振りドックから出ていった。

俺は一人ドックに残り、リーブラの方へ向かう。


('A`)「まだ止まれるが……、どうする……」

座り込み、追加装甲に覆われた白い巨人を見上げる。


('A`)「お前はどうしたい……?」


−−−



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 19:01:58.24 ID:CoJ/9QFFO

(,,゚Д゚)「目的地まで、あと5日って所かな」

ギコは煙草の煙を吐きながら自室への通路を歩く。


ノパ听)ノ「ギコさーん!!」

すると、ヒートが駆け寄ってきた。


(,,゚Д゚)「んぁ?」

ノパ听)「ドクオ見なかったですませんか!?」

(,,゚Д゚)「んー、ドックに居ると思うぜ? なんか言葉変だぞ?」

ノパ听)「ドックですか!」

ヒートがドックへと方向転換し、駆け出そうとすると
突如として、バーボンハウス全体が大きく揺れた。

(;゚Д゚)「おわっ!」

ノハ;゚听)「な、なんだぁ!?」


−−−



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 19:03:46.93 ID:CoJ/9QFFO

ドック全体に轟音が響く。


リーブラが、ブースターを全開にしてドックのハッチを押し上げる。


(#'A`)「おおおりゃあ!!」

機体の間接が軋む……

ハッチに僅かだが隙間が出来た。


(#'A`)「ひらけええええええ!」

隙間に腕をねじ込む、ハッチが徐々に開いていく。

するとコクピットに通信が入る。


ξ;゚听)ξ『ちょ、ちょっと! 何してるのよ!?』

(;'A`)「うっ!」

即座に通信機を切った



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 19:06:05.20 ID:CoJ/9QFFO

('A`)「俺はっ!」

バーボンハウスから飛び出し、雪原に降り立つ。


('A`)「知りたいんだっ!」

背部のブースターに光が集まり、一気にエネルギーが放出される。


('A`)「何故こんな世界に来たのか、何故俺がノアってのに関係しているのか……」

リーブラは徐々に加速し、雪原を駆けていく。




28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 19:08:08.82 ID:CoJ/9QFFO


バーボンハウス ブリッジでは


ξ;゚听)ξ「リーブラに照準合わせましたが……、どうしますか?」


(;´・ω・`)「っ……、止めて……おけ……」


(;´・ω・`)(何ということだ……、フォックス指令からの命令では
ドクオが要と聞いたのに、これでは……)

リーブラは雪原の果てに消えていった。





29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/01(日) 19:08:41.37 ID:CoJ/9QFFO


【19話:Answer?】 〜FIN〜





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