【第12話:場所】

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:11:01.59 ID:82GBCBJrO
【第12話:場所】





どこだ……、ここは……?

俺はいったい…………。


そうだ、俺は……、黄金の機体に戦いを挑んで……


挑んで…………。


死んだ。



…………死んだって?



―――――




4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:12:21.61 ID:82GBCBJrO


バーボンハウス ドック



ブシュー……


回収されたリーブラの胸部装甲が開放され白煙が上がり、
血が吹き出すようにオイルが流れ出た。

(,,;゚Д゚)「くぉっ……、ドクオ! ドクオぉ!」

ギコが白煙をかき分け、血のようなオイルにまみれながら、コクピット内をまさぐる。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:15:37.28 ID:82GBCBJrO

(,,゚Д゚)「――っ!? こいつぁ……、どういうこった……!?」


操作系は殆ど、原型を留めない程に破壊されている……。

しかし、操者であるドクオ自身は、傷だらけで意識が無だけで生きている。

あの状況に陥ったに関わらず、まだ息がある。



(,,;゚Д゚)「と……、とにかく医務室に連れていくんだ! 担架、担架をもってこぉい!」



―――




7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:18:17.41 ID:82GBCBJrO



光を感じた。



瞼をゆっくりと開く……、真っ白な天井が目に入る。


体中が痛いが、何とか半身を起こす。


('A`)「ぐっ……、うぅ……」


('A`)「ここは……?」

真っ白な部屋。

俺は包帯でグルグル巻きの状態でベッドに横になっていた。
片腕にはギブスが巻かれ、首から布で固定されている。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:21:05.62 ID:82GBCBJrO

横を見ると長椅子があり、ヒートともう一人、長髪の女性が座っていた。


川 ゚ -゚)「……お?」

ノパ听)「お!? うおぉぉぉ!! 起きたあああああ!!」


俺を見るなり、ヒートが立ち上がり、俺の両肩を掴んでブンブンと揺さぶった。

うん、ヒートだ間違いない、凄く痛いです……。

俺は確かに生きてるようだな。

(;'A`)「イデデデデ!! 傷に響く、ヒートやめれ。……と誰だ?」

ヒートの隣に座っていた長髪の女性に訪ねる。



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:26:28.69 ID:82GBCBJrO

川 ゚ -゚)「ん、私か? クーさ。あと、ここはバーボンハウスの医務室だ。」

('A`)「あぁ……、クーか……、クー……か……、んんん!?」

クーって仮面被った……?

仮面はずすと、こもった声じゃなくなり、女らしい声に変わっていて少し驚いた。

ノハ;゚听)「うおぉぉぉ!!」
ヒートは俺を揺さぶり続ける。


川 ゚ -゚)「……とりあえず、みんなを呼んでくるよ」

クーはそう言うと、部屋から出ていった。



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:29:25.21 ID:82GBCBJrO



(;'A`)「は、なせぇぇぇ……!!」


ノハ;゚听)「ぬぅぅぅおぉぉぉぉぉぉ!!」

俺は、肩を掴んで離さないヒートを引き離そうと動かせる片腕でグイグイと動かす。


ギシギシギシギシ


(;'A`)「あぁぁぁぁぁぁ!!」


ヒートの両手に力がこもる。


室内で俺の悲鳴が響く……。




16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:31:48.18 ID:82GBCBJrO


唐突に部屋のドアが開き、みんなが入ってきた。


川;゚ -゚)「おい! みんなを呼んで……、来た……ぞ?」

(´・ω・`)「……何やってんの?」

(,,゚Д゚)「元気みてぇだ……な?」

(*゚ー゚)「楽しそうねぇ」

ξ;゚听)ξ「楽しんでるのアレ?」




病院風景


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:33:56.45 ID:82GBCBJrO


(;'A`)「肩がぁあぁぁぁぁぁぁ!!」


川;゚ -゚)「と、とにかく引き離すぞ!」

(,,゚Д゚)「ほらほら、離れろよゴルァ!」

俺とヒートは、クーとギコにより引き離された。


ノハ;;)「うぉぉぉおぉぉぉん!!」

ヒートは引き離されるなり、泣き出した。



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:36:30.08 ID:82GBCBJrO

(,,゚Д゚)「泣くな、泣くな。なんだってんだぁ?」


ノハ;;)「ドクオがぁ……、目を覚ましてくれて、嬉しいずぉぉぉ!!」


(´・ω・`)「うん、僕も……」


(´;ω;`)「うれしぃよぉうぅぅぅ!!」

('A`)「キメェwww」
川 ゚ -゚)「キメェwww」
(,,゚Д゚)「キメェwww」
(*゚ー゚)「キメェwww」
ξ゚听)ξ「キメェwww」

ショボンは地上艦バーボンハウスの艦長です。



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:40:50.29 ID:82GBCBJrO


ノハ;;)「うぉぉぉおぉぉぉん!!」

(´;ω;`)「ヴワァァァァァァァ!!」

室内は、ヒートとショボンの泣き声が暫くの間響き続けた。

(;'A`)「ふぅ……」


('A`)「みんな……、あり……う」

俺は聞こえるか、聞こえないかわからないような声で呟いた……。


川 ゚ -゚)「ん? 何か言ったか?」
……

('A`)「いや、別に……」

川 ゚ ー゚)「そうか」

('A`)「……」

俺は……、ここに……、みんなと一緒に居て良いんだな……。
と、少しだけ思えた。



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:43:19.82 ID:82GBCBJrO

バーボンハウス 休憩室



(;-_-)「うぅ〜、トイレ行ってたらみんな居なくなってるし……」


ヒッキーが一人椅子に座り、コーヒーを啜った。


(-_-)「……ぬるい」

コーヒーは、少しだけ冷めていた。

彼の心も少し冷えていた……。



―――――





25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:47:52.09 ID:82GBCBJrO

バーボンハウス ドック



薄暗い中、目深に帽子を被った男が椅子に座り、机に置いてある書類に目を通す。

( ・∀・)「えーっと……、まず《VIP》についてだな。
『Valuable Icon Peoples』または、『Various Icon Peoples』の略語。
前者は『貴重な、人々の偶像』
後者は『さまざまな、人々の偶像』
この他に、もう一つの呼び方があるみてぇだな……」

書類をパラパラと捲り、更に続ける。

( ・∀・)「遺跡内から見つかる物、地中から採掘されるもの等がこれに該当する、と……。
それらは例外無く奇跡のような力を持ち、基本的にエネルギーは無限大
例をあげると、ベルジュ、リーオー等……か」



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:52:50.59 ID:82GBCBJrO

男は別の書類を手に取る。

( ・∀・)「次は《ZIP》だな。
『Zodiacling Imitation Peoples』の略語で、
意味は『黄道帯にすがる人々の模造品』って所か。
VIPを真似て作った物で、エネルギーに制限があるし、奇跡みたいな力も無いが、
性能は手を加えれば……、おもしろそうだな、量産が利く点も良いな。」


唐突にドアがガチャリと開かれた。



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:54:53.32 ID:82GBCBJrO

整備士「うわっ、モララーさん、何で電気点けてないんですか!?
あと、誰に説明してるんです!?」

( ・∀・)「なんとなくだ、暗めな方がなんとなくカッコイイだろ?
あと、読者さんにちょいと簡単な説明をな〜♪」

モララーと呼ばれた男は、人差し指でスイっと円を描くように回した。

整備士「そうですか……」
相も変わらず変な人だなぁ……。




29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 01:57:52.16 ID:82GBCBJrO

モララーと呼ばれた男は、パサリと書類を机上に置き、
部屋の隅にあるスイッチを入れた。


広い室内が照らし出される。


広い空間の奥に、フレームが剥き出しな状態のリーブラが、横たえられていた。

( ・∀・)「中枢と、パイロットが無事なのが奇跡だな……。
まさに奇跡を起こす偶像、VIPって所か……。
でもこのままじゃ使い物にならねぇな。
全体的に回収、強化してやるか……、忙しくなりそうだぜっ!
クハハハハハハハハハ!!」

モララーの笑い声が、広い空間で響きわたる。



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 02:02:40.11 ID:82GBCBJrO

( ・∀・)「しかし……、如何せんパーツが足りんなぁ。
FOX拠点まであとどのくらいだ?」

整備士「え〜っと……、あと半日程ですね」

( ・∀・)「半日か、よし寝る」

整備士「お、おやすみなさい……」


モララーはドックを後にした。


バーボンハウスは荒野を走る。




34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/05/06(日) 02:04:49.92 ID:82GBCBJrO




【第12話:場所】 〜FIN〜





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