【第11話:Horizon】
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:19:14.27 ID:j8urs2WrO
- 【第11話:Horizon】
(;'A`)「ガ……ク、ア……」
頭が痛い……。
意識が朦朧とし、目が霞む……。
確か、リーブラのコクピットに居たはずだ……。
周りのモニターは、8割型消えてしまっている。
操作パネルが壊れ、バチバチと、微かに火花を散らしている。
通信機からは、雑音が混じる誰かの声が、途切れ途切れに聞こえる。
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:19:46.25 ID:j8urs2WrO
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微かな振動が近づいてくる……。
不意に誰かの、叫ぶ声が聞こえた気がした。
直後、コクピットが軋む音が聞こえ、大きな衝撃に襲われる……。
意識が途絶えた……。
――――
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:22:34.26 ID:j8urs2WrO
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時は遡る……
バーボンハウスは巨大な渓谷を行く。
バーボンハウス 甲板
お日様がさんさんと照る中、ヒートの掛け声が響きわたる。
ノパ听)「腕立て! 腹筋! 背筋! ハイ! ハイ! ハイ! ハァイィィィ!!」
(;'A`);-_-)「あひぃぃぃ〜」
言われるがまま、筋トレを繰り返す俺とヒッキー。
20分程ぶっ続けでこの調子だ。
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:23:56.57 ID:j8urs2WrO
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ノパ听)「よ〜し! 次は走るぞおおお!!」
(;'A`);-_-)「は、はい〜〜!」
甲板をグルグルと走りつづける、体中が疲れきっている……、
足がもつれ、ヒッキーとぶつかりズッ転けた。
(;'A`)「無理……もう無理! 死ぬ!」
(;-_-)「いっそ殺せ……! 殺せぇ!」
二人して、天を仰ぐように横たわる。
ノハ#゚听)「だらしなぁぁぁい! 男だろうがあぁぁぁ!!」
ヒートは腰に手を当て、俺とヒッキーを見下ろすようにして怒鳴る。
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:36:11.37 ID:j8urs2WrO
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そうこうしていると、しぃさんがやって来た。
(*゚ー゚)「二人ともボロボロじゃないの……、今日はもう切り上げてあげたら?」
ノハ;゚听)「うぅ〜ん、仕方ない……続きはまた今度にしておこうっ!
ほいっ! ポカエリアスゥゥゥ!」
ヒートがボトルを、俺とヒッキーに投げ渡す。
(;'A`);-_-)(神だ……! 神が光臨なされたあああ!!)
俺とヒッキーは、ボトルを受け取ると、あっという間に飲み干し、再び倒れ伏せた。
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:38:04.42 ID:j8urs2WrO
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太陽が傾きだした頃、警報が鳴りだした。
ξ゚听)ξ『敵機補足! 各戦闘員はドックへ向かい戦闘準備に入ってください!
くりかえします――――』
ノパ听)「ぬぉ! 敵襲だあああ!!」
(*゚ー゚)「!!」
('A`)「敵さん、か……」
(-_-)「僕たちも早くいこう」
ヒートが艦内へ駆けていく。
俺とヒッキーも起き上がり、ヒートの後を追い館内へと向かう。
(*;゚ー゚)「う〜ん、胸騒ぎがするなぁ……」
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:40:37.12 ID:j8urs2WrO
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ドックに着くと、俺とヒッキー以外は、準備が終わっている様子だった。
急いで搭乗用リフトに乗り込み、俺とヒッキーも自分の機体に乗り込んだ。
前回の戦闘から数日間、ギコに基本的な戦術、
ヒートから近接戦闘の基本を教えてもらえった。
少しでも戦力になりたかったんだ……。
ξ゚听)ξ『敵はZIPが約15体、タンクが20機程です、
タウルス、Reサジタリウスはドック内待機、
他は展開して各個撃破してください。』
ξ゚听)ξ『リーブラはベルジュの側で戦ってください。無理せず頑張ってね!』
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:42:14.84 ID:j8urs2WrO
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('A`)(この艦に入ってから、初の戦いだし、そんなもんかな)
すると、クーから通信が入る。
川 <〓)『基本的には普通にやれば問題ない……、
だが単独で何かやらかすなよ?』
気にかけてくれた……のか?
川 <〓)『面倒はごめんだからな』
('A`)『あぁ……、わかった』
あぁ、そういう事ね。
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:45:31.21 ID:j8urs2WrO
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ドックのハッチが開く
川 <〓)『ベルジュ、出るぞ!』
ノパ听)『ブルーキャンサー! 暴れてくるぞお!!』
('A`)『リーブラ、行くぜっ!』
バーボンハウスから飛び出し、シュルマをマント状にしたベルジュを先頭に、
敵のただ中へと三機が駆ける。
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:48:25.40 ID:j8urs2WrO
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ノパ听)『どっせえぇぇぇい!!』
敵へある程度近づくと、ブルーキャンサーがタンクを殴り跳ばし、次いでZIPへ速攻を駆ける。
川 <〓)『そこっ! もらったぁ!』
ベルジュはマントで敵の攻撃をやり過ごし、
右手の剣で、迫り来るZIPを斬り裂き、鉄屑の山を築いていく。
('A`)『うおりゃあぁぁぁ!』
俺のリーブラは、アンカーアームをタンクに撃ち込み、
そのまま振り回して他の敵機へ叩きつける。
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:51:03.96 ID:j8urs2WrO
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ドガァァァン
ノハ;゚听)『うわぁぁぁあぁぁ!!』
川;<〓)『うぉぉっ!?』
約半数を倒したあたりか……、
衝撃音と共に、ブルーキャンサーがベルジュの方へ吹き飛ばされてきた。
その方向を見ると、そこには他の機体とは明らかに違う、
赤いマントを羽織った金色の機体が立っていた。
その手には巨大な、鞘に納められた大刀を携えている。
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:56:47.89 ID:j8urs2WrO
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ノハ;゚听)『ぐぅ……』
横殴りにされ、ブルーキャンサーの右腕がへし折れ、垂れ下がっている。
川;<〓)『何故……、奴がこんな所にまで出てきているんだ……、クソッ!』
鞘に納めた大刀の切っ先をこちらに向け、
金色の機体の中から、男が名乗りを上げた。
( ^ω^)『我が名はホライゾン! 共和国軍の正義の使者!
星の加護を受けし、この黄金のリーオーを恐れぬならば。
かかってくるがいいおっ!!』
名乗り終わると、こちらにゆっくりと歩み寄ってきた。
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:57:39.49 ID:j8urs2WrO
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(;'A`)『くっ……! やってやるぁぁぁ!!』
黄金の機体の方を向き、構えた。
川;<〓)『よせっ!! 奴には勝てん、下がれ!! ドクオォォォッ!!』
黄金の機体目掛け、アンカーアームを撃ち出す。
しかし、金色の機体に容易く避けられ、一瞬で距離を詰められた。
( ^ω^)『その意気込みは良し……、だがっ!』
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/02(水) 23:59:44.11 ID:j8urs2WrO
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ズガァァァン
鞘に納めたままの大刀で横殴りにされ、
大きく吹き飛ばされた。
( ^ω^)『あさはかだお……』
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/03(木) 00:01:21.49 ID:jonjpq+zO
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(;'A`)「ガ……ク、ア……」
頭が痛い……。
意識が朦朧とし、目が霞む……。
確か、リーブラのコクピットに居たはずだ……。
周りのモニターは、8割型消えてしまっている。
操作パネルが壊れ、バチバチと、微かに火花を散らしている。
ノハ;゚听)『早く……て!! ド…オ! ドク………だぁぁぁ!!』
通信機からは、雑音が混じるヒートの声が、途切れ途切れに聞こえる。
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/03(木) 00:03:06.09 ID:jonjpq+zO
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金色の機体は、鞘から大刀を引き抜き、リーブラへと歩み寄る。
微かな振動が近づいてくる……。
ベルジュもブルーキャンサーも、他のZIPやタンクに取り囲まれ、手を出せないでいた。
川;<〓)『ドクオ! 逃げろ! 逃げてくれぇぇぇ!!』
不意に誰かの、叫ぶ声が聞こえた気がした。
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/03(木) 00:04:46.71 ID:jonjpq+zO
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('A`)『あ…………?』
ズガン
黄金の機体、リーオーの大刀が、リーブラの胸部を貫いた。
( ^ω^)『…………』
胸部を貫いた大刀を、そのまま横に大きく振る、
大刀が抜け、リーブラが地に落ち数回転がった。
損傷部から赤黒いオイルが吹き出し、ドロドロと滴り落ちた。
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/03(木) 00:06:10.51 ID:jonjpq+zO
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ノハ;;)『ウ……、ウワァァァアァァアァア!!』
川;<〓)『ぐぅぅぅ……っ!』
リーオーは大刀を鞘へ納め、横たわるリーブラを見下ろす。
そのとき、バーボンハウスの甲板から、一筋の光がリーオーへ向け、放たれた。
( ^ω^)『ん……?』
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/03(木) 00:07:50.19 ID:jonjpq+zO
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しかし、リーオーはその場から跳び退き、難なく避けて見せた。
通り過ぎた先に着弾し爆炎が上がる……。
(;-_-)『くっ……!?』
そして、赤いマントを翻し、リーオーはバーボンハウスを見据える。
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/03(木) 00:09:43.37 ID:jonjpq+zO
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( ^ω^)『狐共っ! 今日の所は、引いてやるお……。
しかし、次は無いと思うがいいお!!』
残ったZIPやタンクを引き連れ、夕日を背に、
共和国の部隊は、この場から去っていった。
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/03(木) 00:14:00.11 ID:jonjpq+zO
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バーボンハウス ブリッジ
(;´・ω・`)「くっ……、リーブラを回収してくれ」
ξ;゚听)ξ「…………」
ツンは呆然とモニターを見つめている。
(;´・ω・`)「早く! リーブラを回収するんだっ!!」
ショボンが怒鳴るように指示を出す。
ξ;゚听)ξ「は、はいっ!」
渓谷には敵部隊の残骸と、大破したリーブラを囲むバーボンハウスの面々が残った……。
冷たい風が吹き続けた。
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/05/03(木) 00:15:26.41 ID:jonjpq+zO
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【第11話:Horizon】 〜FIN〜
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