【第7話:甲板でヒート】
- 2 名前: 自衛官(樺太) :2007/04/26(木) 00:00:10.24 ID:F6v7l/BfO
- 【第7話:甲板でヒート】
地上艦バーボンハウス甲板
昼下がりのお日様の下
赤髪の女の子がモップを手に駆け回り、その後を冴えない顔の男が追いかける。
ノパ听)「オラオラオラオラオラオラァァァ!!」
モップを両手に持ち、縦横無尽に駆け回るヒート。
('A`)「もう少し、効率というのをだな……」
ヒートの拭き残しを修正しながら追う俺。
- 5 名前: 自衛官(樺太) :2007/04/26(木) 00:05:06.99 ID:F6v7l/BfO
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それにしても、このパワーの根元は何なんだ?
甲板着いて掃除開始からほぼ、走りっぱなしじゃねぇか……。
甲板の半分程度は終わった辺りで、とりあえず休憩する事にした……が。
ノパ听)「オラオラオラオラオラオラァァァ!!」
ヒートはまだ駆け回ってるみたいだ……、まぁそのうち休憩入れるだろ。
('A`)「そういやこの艦、何処に向かってんだっけな……」
甲板の縁へ行き、手すりに寄りかかる。
風で、無造作に伸ばされた髪が靡いた。
- 6 名前: 自衛官(樺太) :2007/04/26(木) 00:07:09.49 ID:F6v7l/BfO
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景色を見渡してみた。
周りはだだっ広い荒野、遠くには沢山の山々が連なって見える。
俺自身も何処に向かって生きてんだろうな……。
そんな事考えつつボーッとしていると、後頭部にコツン、と何かを当てられた。
('A`)「んな?」
振り返ると二本のボトル手に、肩で息をするヒートが立っていた。
- 7 名前: 自衛官(樺太) :2007/04/26(木) 00:12:08.60 ID:F6v7l/BfO
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ノパ听)「水分補給だァァァ! ポカエリアァァァス! ほらっ、飲めえぇ!!」
そう言ってボトルを一本投げ渡してきた。
俺にボルトを渡すと、手すりに背を預けるようにして、俺の横に座りこんだ。
('A`)「さんk」
ノパ听)「休憩するならさ、声ぐらいかけてほしいかったぞ!!」
礼を言おうとすると……
ボトルの栓を開けつつ、不機嫌そうな顔でヒートが言った。
さ、さっそく失敗だあぁぁぁ!!
気遣いも何も出来ない俺、ダメ男乙……。
(;'A`)「……ごめん」
- 8 名前: 自衛官(樺太) :2007/04/26(木) 00:15:08.27 ID:F6v7l/BfO
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それに比べて、迎えに来たり飲み物持ってきてくれたヒート……。
雲泥の差だな……。
俺は渡されたボルトを黙って見つめていた……。
ノパ听)「なんだぁ? 飲まないないのかァァァ!?」
(;'A`)「あ、あぁ……、飲むよ」
ボルトの栓を開け一口飲んだ。
ノパ听)「そうだ! オマエn」
ヒートが何か言いかけたとき、一人の男が煙草に火を点けながら近づいてきた。
- 9 名前: 自衛官(樺太) :2007/04/26(木) 00:18:12.34 ID:F6v7l/BfO
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(,,゚Д゚)「お前等……、こんな所で何してんだぁ? 甲板の掃除は終わったのかよ?」
ノパ听)「ぬぉっ、ギコさん! おしゃ、休憩終わりいぃぃぃ!
さっさと終わらせるぞおおお!」
そう言うとヒートは跳ねるように立ち上がると、そのまま駆けて行った。
(,,゚Д゚)「相も変わらず元気だなぁ」
('A`)「あっ、俺もすぐ再開します……」
ヒートを追いかけようとすると、
(,,゜Д゜)「あぁ、ちょい待ち」
ギコに引き留められた。
('A`)「何でしょうか?」
- 10 名前: 自衛官(樺太) :2007/04/26(木) 00:25:30.71 ID:F6v7l/BfO
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(,,゚Д゚)「ショボンの野郎からよ、俺の部隊の配属決まったって聞かされたんだがな。
俺はお前がどんな奴かワカラン!」
(,,゚Д゚)「そこでだ、トレーニングルームで近接戦闘訓練を兼ねて、組み手をだな……」
(;'A`)「く、組み手……ですか?」
(,,゚Д゚)「まぁ、ただの組み手だし、本気は出さんよ、安心しろや、な?」
ノパ听)「手合わせか!? 拳と拳のぶつかり合いかあああ!! よっしゃああああ!! 甲板さっさと綺麗にして行くぞお!!」
走り去った筈のヒートが、いつの間にか側に戻ってきていた。
そして、俺の腕をガッと掴んだ。
- 11 名前: 自衛官(樺太) :2007/04/26(木) 00:27:52.33 ID:F6v7l/BfO
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ノパ听)「おるぁぁぁ! 早くぅ、来おおおいっ!!」
(;'A`)「痛いっ! 思い切り掴むな! お前握力いくつだっ!?」
ヒートに引っ張られるようにして甲板の掃除にもどった。
(;'A`)「ちょっ、引っ張るなってぇ! 離せ、離s ぬ、ぬわ−−−−−−っ!!」
ノパ听)「大袈裟なヤツめえ! ハ−ッハハハハハハ!!」
救いを求める眼差しをギコに向けるが、頑張れよと軽く手をヒラヒラさせるだけだった。
- 13 名前: 自衛官(樺太) :2007/04/26(木) 00:30:32.04 ID:F6v7l/BfO
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(,,゜Д゜)「若いねぇ……」
ギコはそう呟くと、タバコを甲板の縁から指でピンッと弾いて落とし、艦内へと戻っていった。
【第7話:甲板でヒート】 〜FIN〜
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