【第5話:ようこそバーボンハウスへ!】

3 : くじら(岡山県):2007/04/20(金) 20:21:01.76 ID:UKPU5nS20
【第5話:ようこそバーボンハウスへ!】


果てしなく広い荒野が広がる、空は暗雲に埋め尽くされ、雷鳴が鳴り響き空が唸っているように聞こえる。
俺は、右手に剣を握り締めている、少し離れた場所に靄がかかった黒い怪物が立っていた。

('A`)「・・・・・何だここは?」

不意に怪物が何かを喋りだした。

(???)「ヴァ・・・・・・・・・、ミ・・・・・・・・・、イマ・・・シキ・・・ノツカイ・・・、キ・・・マハ・・・・・・デ、・・・・・・ル・・・ダ・・・・・・」

('A`)「・・・・・んぁ!?」

ほとんど聞こえない、何なんだ!?

怪物が腰に携えた漆黒の刃を引き抜いて、俺のほうへ駆け出してきた。

(;'A`)「な、何なんだよ!?」



4 : くじら(岡山県):2007/04/20(金) 20:32:52.20 ID:UKPU5nS20


(???)「クァアァァァ!!」

俺は両手で剣を構え身構えた。

怪物は体を大きく反り、漆黒の刃を振り上げ、思い切り振り下ろしてきた。
手にした剣でなんとか受け止めたが手が痺れる程一撃が重い・・・・・・。

(;'A`)「ぬぉっ!!」

二撃、三撃と、何とか受け止め、俺は剣を翻し反撃に転じた。

薙ぎ払い、切り上げ、突き、ことごとく受け流されていく。

('A`)「つぁりゃぁぁぁ!」

剣を振り上げ、切り下ろした。
怪物はその一撃を漆黒の刃を下から振り上げ弾き返した。


6 : うどん屋(樺太):2007/04/20(金) 20:36:28.65 ID:Gaj3/0MCO

(???)「…ノ……ダ、ミ………ヨ、…イエ……、…キノ…ゴ…ヲ、サマ……ツ…ケ……イ…!」

怪物は何かを呟いた後、ニヤリと僅かに笑みを浮かべて、漆黒の刃を振り下ろしてきた。

俺は剣で防ごうと構えた。

乾いた金属音が辺りに鳴り響く……

俺が持つ剣は、漆黒の刃を受け止める事ができず、砕け散った。

剣の破片が地に散らばっていく……

漆黒の刃は俺の右肩から胸の辺りまでくい込み、傷からは鮮血が辺りへ飛び散る。

(;'A`)「ぐっ……」



7 : うどん屋(樺太):2007/04/20(金) 20:39:12.29 ID:Gaj3/0MCO


(;'A`)「ぐぉあぁぁあぁあぁぁぁ!」


(;-_-)「な、なんだ? 急に大声出さないで欲しいな……。というかやっと起きたね君……」

(;'A`)「す、すまん……」

辺りを見渡す。

どこかの部屋のベッドで寝ていたらしい、頭には塗れたタオルが乗っている。
辺りを見渡す、扉が一つあるが窓は一つも無い、切れ長の眼の青年が本を手に椅子に座っている、切れ長の眼の青年の横にある机には水の入った洗面器、俺を看ていたのだろうか……?



9 : うどん屋(樺太):2007/04/20(金) 20:42:11.26 ID:Gaj3/0MCO

さっきまで遺跡内部で鋼鉄の巨人と戦っていたのに、なぜこんな所で寝てるんだろう?

それに……

夢の中で斬り裂かれた肩に違和感が残る……。
手で触れてみるが何ともない、やけに生々しい妙な夢だった。

('A`)「それより、ここどこだ? で、君は誰よ?」

(-_-)「えーっとですね……」

唐突に、部屋のドアが開いた



10 : うどん屋(樺太):2007/04/20(金) 20:48:41.00 ID:Gaj3/0MCO

しょぼくれ顔の背の高い男が部屋に入ってきた。

(´・ω・`)「ここは、Foxの地上艦《バーボンハウス》の休憩室だよ。持ち物調べたりしたけど、武器類を何も持ってないようだったしね。
一応見張りだけ付けて保護したのさ。
それに、人に名を訪ねるときは自分から名乗るもんだよ?」


('A`)「はぁ……、俺はドクオっていいます」

(´・ω・`)「ドクオ君か……、僕はショボンだ、一応この艦の艦長してるよ。で、君の見張り兼看護してたのがそこにいる」

(-_-)「ヒッキーです、特殊戦闘員兼コックしてます」



12 : うどん屋(樺太):2007/04/20(金) 20:57:18.11 ID:Gaj3/0MCO

(´・ω・`)「もうひとり居たはずだけど……、どこに行ったんだいヒッキー?」

(-_-)「飲み物取ってくるって出ていきました」

(´・ω・`)「そうかい」

扉の外からパタパタという足音が近づいてきた……

扉が開いて手に、コーヒーカップとポットが乗ったトレーを持った女性が入ってきた。

(*゚ー゚)「紅茶持ってきたよー!」

(´・ω・`)「やぁ……」

(-_-)「おかえりなさい」

俺は軽く会釈をした。

(*゚ー゚)「あら、ショボンさん来てたんですか、その子も目を覚ましたのね、カップ足りないわねぇ……、ハイ!」

そう言うと女性は、ヒッキーにポットとカップの乗ったトレーを渡すとまた扉からパタパタと出ていった。



13 : うどん屋(樺太):2007/04/20(金) 21:04:24.48 ID:Gaj3/0MCO

(´・ω・`)「慌ただしいね」
ショボンは笑いながらヒッキーに言った。
(-_-)「いつものことですよ」
ヒッキーは無表情のまま答えた……、相手は艦長じゃないのかよ?

('A`)「……今のは?」

(´・ω・`)「今の女性は、しぃ って子さ、彼氏持ちだから手出しちゃダメよ?」
おどけたようにショボンは答える。

('A`)「……へぇ」
まぁ、確かに美人だけど他人様の女に手を出すようなことはしない。



14 : うどん屋(樺太):2007/04/20(金) 21:16:32.17 ID:Gaj3/0MCO

そうこうしてる間に、しぃさんがカップを持って帰ってきた、カップを俺とショボンさんに手渡した。

(*゚ー゚)「ハイ、どうぞ」

('A`)「ドモ」

(´・ω・`)「悪いね」

笑顔の耐えない女性だなぁ……。
紅茶を飲みながらショボンさんと話を続けた。

しぃさんがヒッキーにちょっかい掛けている、ヒッキーがアウアウしてる……。
艦長が同室にいますよ?

('A`)「で……、俺はなんでここに?」

(´・ω・`)「回収した機体に乗ってたからさ、まさか人が乗って戦ってるとは思わなかったからね、話に聞くとヒドくやられてたらしいね? 因みに機体はこの艦のドックに置いてあるよ」

(*゚ー゚)「ヒッキー君なに読んでるの〜?」
しぃがヒッキーの本を取り上げパラパラめくる。

(;-_-)「やめてくださいよぅ……、あぁ本の詩織抜かないで!」
ヒッキーは本気でイヤそうだ……。
どんな本だ……?あ、まんじゅうって見えた……



15 : うどん屋(樺太):2007/04/20(金) 21:25:56.04 ID:Gaj3/0MCO

(´・ω・`)「ぶち殺すぞ?」
ショボンさんがにこやかに言う。

二人が静まった。

(´・ω・`)「ときにドクオ君、君共和国の兵では無いようだし、別の国の兵でもないようだけど……、何かの別の組織に所属してたりしてた? あの遺跡は共和国の領内の物だし……」

俺は、この世界に来た経緯を話した……、まぁ信じられないだろうけど。


ショボンさんは眉をひそめ、フムと口をへの字にしたあとじっと俺の目を見つめて、こう続けた。

(´・ω・`)「そうかい……、ウソ言ってるような……眼じゃないな。
そうだ、どこにも所属してないならFoxに来ないかい? ずっと一人でいるよりは良いと思うよ?」
予想はしてたが、素直に嬉しかった。

('A`)「死にかけてたような所を助けてもらったような物だし……、やれることは何でもします、よろしくお願いします!」
俺は頭を下げて答えた。

(´・ω・`)「そうかい! 人手不足で困ってた所だし有り難いよ! それじゃ改めて……」

ショボンさんが立ち上がった。ヒッキーとしぃさんも続いて立ち上がる。



16 : うどん屋(樺太):2007/04/20(金) 21:29:54.90 ID:Gaj3/0MCO

(´・ω・`)-_-)*゜ー゜)「ようこそ、バーボンハウスへ!!」




【第5話:ようこそバーボンハウスへ!】〜FIN〜




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