- 335 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 22:56:06.27 ID:3j+bgeYw0
- ( ^ω^)「・・・・・・・・・・・」
本当に無の世界、そして自分が殺してしまった友人。
ブーンの心はボロボロになっていた。
( ^ω^)「あの時、ちゃんとドクオの言う事をちゃんと聞いてれば・・」
だが、もう振り返ったところで遅い。ドクオや、町の皆はもう、白い世界に飲み込まれてしまった。
( ^ω^)「・・・・・・・」
ブーンはあたりを見回す。だがやはり、周りには白い世界しか残っていなかった。
- 336 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 22:56:25.30 ID:3j+bgeYw0
- ( ^ω^)「・・とりあえず歩くお」
ブーンの体は疲れきっていた。もう歩けないくらい。能力も発動できなければ、目の前もかすんで見える。
だが、自分があやめてしまった友人が眠る所にいつまでも居たくは無かった。
( ^ω^)「・・僕の家はどうなったんだお」
心身ともにもう限界に近かったが、その事だけが気になった。自分の家族はどうなったのだろうか。
( ^ω^)「行く宛がないお、家に行くまで生きてるか分からないけど向かってみるお」
ブーンは自分の鉛のように重い足を動かしてゆっくりと歩き始めた。
- 337 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 22:57:18.48 ID:3j+bgeYw0
- ( ^ω^)「・・ここはさっきまで、目がチカチカするほどの色をしていたビル街かお」
そこにビルがあったかどうかさえももう分からないくらい回りは白かった。もうドコがドコだか分からない。
( ^ω^)「うぅ・・」
体はもう限界になっていた。自分の家がもうどっちにあるかさえ分からなくなった。
唯一家へ戻る事が、ブーンの倒れそうな体を支えていた。だがそれももう無理に近くなっていた。
( ^ω^)「・・・ぉ」
ブーンはさっきまで道路らしきところへ倒れこんだ。普通なら大丈夫かと声をかけてくれる人がいる。
だが少なくとももう、ここには、そんな人間はいないのだ。皆粉に変わってしまった。
- 338 : ◆gk43jgqTBM :2007/01/16(火) 22:58:08.69 ID:3j+bgeYw0
- ( ^ω^)「・・ドクオ。多分僕はもう死ぬお」
( ^ω^)「生まれ変わっても・・また会いたいお。その時は僕のこと許してくれるかお・・?」
当然、誰も答えるはずは無い。あたりは静寂としている。
( ^ω^)「・・・ドクオ。僕の無二の親友。でも死んでしまったお。殺したのは僕」
( ^ω^)「頭がこんがらがってくるお。ドクオ、ちゃんと謝りたかったお・・」
もうブーンの頭には考えるほどの力を残していなかった。
( ^ω^)「寝るお・・」
そう言ったきりブーンは目を開けることが無かった。
本当に、この町にはもう、誰もいなくなってしまった。
自分の憧れがこんな結果を招くとは、誰も予想しえなかった事だった・・
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