私は、ツンです
- 600 名前:私は、ツンです:2007/01/14(日) 21:31:19.34 ID:C6Hg/t+G0
- ξ゚ー゚)ξ ・・・
私は、ツン。
ロボットだけど、最近ではその事が徐々に気にならなくなってきた。
ブーンさんを始めとした、コミュニティ、皆のお陰。
生活にも、仕事にも余裕が出てきて、今、私は幸せだといえる。
そして、その日、さらなる幸せが私のところにやって来た。
( ;^ω^) えーとだお・・・ツンさん?
ξ゚ー゚)ξ はい、ブーンさん
( ;^ω^) えー、ちょっと、言いたい事がー
ξ゚听)ξ ? 何でしょう?
( ;^ω^) あー・・・えーと・・・
ξ゚听)ξ ?
ブーンさんが挙動不審になった。
この人は、意外と本番に弱いです。
で、本番に弱いという事は、つまり・・・相当、大事な事を私に伝えようとしているようです。
- 602 名前:私は、ツンです:2007/01/14(日) 21:32:21.04 ID:C6Hg/t+G0
-
( ;^ω^) このー書類をー・・・
ξ゚听)ξ ん? 大事な、お仕事ですか?
ブーンさんが私に差し出した紙を、受け取って読んでみる。
初めて見るフォームの書類。
その用紙の一番上には、「婚姻届」と書いてあった。
ξ*゚听)ξ ブ、ブーンさん・・・?
( ;^ω^) あーと・・・ツンさん・・・
ξ*゚−゚)ξ ・・・
( ;^ω^) この書類は、大破壊前に必要だった手続きで・・・
その・・・今では別に必要ないけど、
えー、その、二人の近いの証みたいな、感じで、その
ξ*゚−゚)ξ ・・・はい
( ;^ω^) だから、その、別に強制力はないけど、二人の間を確かめあうためっていうか・・・
ξ*゚−゚)ξ はい
( ;^ω^) えー・・・だから・・・だから・・・
ξ*゚〜゚)ξ ・・・
- 603 名前:私は、ツンです:2007/01/14(日) 21:32:58.08 ID:C6Hg/t+G0
-
( ;^ω^) ・・・ツンさん!
ξ*゚听)ξ はい
( ;^ω^) すー・・・はー・・・すー・・・はー・・・
ξ*゚〜゚)ξ ・・・・・・
( ;^ω^) よしっ!
( ^ω^) ツンさん!ブーンと、結婚してくれお!
ξ*゚−゚)ξ ・・・!
ξ*;−;)ξ ・・・
Σ( ;^ω^) あれっ! な、泣かれちゃったおっ!ツンさん!
ξ*;−;)ξ ブーンさん・・・
( ;^ω^) ・・・うあーと・・・駄目?
ξ*;−;)ξ ・・・ごめんなさい。違います。
( ;^ω^) というと・・・
ξ*;ー;)ξ はい、勿論です・・・
( *^ω^) !!!!! ツンさん!!!
- 605 名前:私は、ツンです:2007/01/14(日) 21:33:40.52 ID:C6Hg/t+G0
-
ξ*゚ー゚)ξ ・・・
私の自我は、コンピューター上のプログラム。
人によっては、偽者と思うかもしれない・・・
でも、私が今感じてるこの幸福感は、決して偽りじゃなく・・・
おかしくなりそうなほどの幸せに包まれながら、
私はブーンさんの瞳を見つめました。
ブーンさんも、真剣に見返してきます。
ξ*゚ー゚)ξ がんばりました。ブーンさんは
( *^ω^) おっ! ツンさんも、もどかしい思いをさせて、申し訳なかったお
ξ*^ー゚)ξ ・・・確かに、そうですね・・・
( ;^ω^) あう・・・
ξ*^ー^)ξ ふふふ
( *^ω^) ・・・
ξ*゚ー゚)ξ ・・・幸せです。ブーンさん・・・
- 606 名前:私は、ツンです:2007/01/14(日) 21:34:23.88 ID:C6Hg/t+G0
-
私とブーンさんは見つめあったまま抱き合い、
そして二人の唇を・・・
「幸せそうだなぁ・・・ゴルァ・・・」
Σ( ;^ω^) ぶふうっ!?
Σξ;゚听)ξ だ、だれっ!?
(,,゚Д゚) よお。邪魔して悪い。久しぶりだな、二人とも
Σξ;゚听)ξ 貴方は、ギャンブルコミュにいたっ!?
Σ( ;^ω^) ギコォッ!?
Σξ;゚听)ξ 知ってるの!? ブーンさん!
( ;^ω^) ・・・知ってるお
(,,゚Д゚) 幼馴染だからな。俺の名は、ギコ
( ;^ω^) 医療系コミュニティ、ハニャーン会の会長の息子で、御曹司だお
(,,゚Д゚) くっくっく・・・ブーン! ゴルァ!
- 607 名前:私は、ツンです:2007/01/14(日) 21:35:00.79 ID:C6Hg/t+G0
-
( ;^ω^) 何だお・・・
(,,゚Д゚) もっとクールに決めろよ。ゴルァ!
ξ#゚−゚)ξ ・・・ブーンさんは、それでいいんですよ
( ;^ω^) おっ? ありがとうだお・・・?
(,,゚Д゚) はっ。おもしれえ
( ^ω^) どうだお、ギコ。綺麗な人だお?
ギコはツンさんのことを知っているようだから、説明するのもおかしいけど・・・
去年、うちのコミュニティに
(,,゚Д゚) 来た、ロボットか
Σ( ;^ω^) !
Σξ;゚听)ξ !
(,,゚Д゚) くっくっく。おめえら、反応おもしろいなあ、ゴルァ!
- 608 名前:私は、ツンです:2007/01/14(日) 21:35:47.97 ID:C6Hg/t+G0
-
ξ゚−゚)ξ 何故、そのことを?
( ;^ω^) ギコ・・・?
(,,゚Д゚) ・・・
ξ゚听)ξ 機械だと、おかしい? ブーンさんを、止めに来たの?
( ;^ω^) ツンさん・・・
ξ゚听)ξ ・・・どうなんですか?
(,,゚Д゚) ・・・くっくっく。お前の方が、よっぽど可愛げがあるな
ξ゚听)ξ ・・・?はい?
( ;^ω^) どういうことだお、ギコ。教えてくれお
(,,゚Д゚) うーん。先に、誤解を晴らしておく
( ;^ω^) お?
- 609 名前:私は、ツンです:2007/01/14(日) 21:36:25.53 ID:C6Hg/t+G0
-
(,,゚Д゚) 別に俺は、ブーンが機械と結婚しようと男と結婚しようと、止めねえ
( ;^ω^) ・・・
ξ゚听)ξ じゃあ、どういうことですか?
(,,゚Д゚) ・・・俺が用があるのは、ブーンじゃなくて、お前の方だからだ。ツン
ξ゚听)ξ ・・・?
( ;^ω^) ・・・?
(,,゚Д゚) くっくっく
ξ゚−゚)ξ ・・・
ξ゚听)ξ とりあえず、一つ言っておきます
(,,゚Д゚) なんだ、ゴルァ!
ξ゚听)ξ ・・・私をツンと呼んでいいのは、これからはブーンさんだけ。気軽に呼ばないで下さい
( *^ω^) ・・・
(,,゚Д゚) ・・・あっそ・・・そいつは、悪かったな
- 610 名前:私は、ツンです:2007/01/14(日) 21:37:23.40 ID:C6Hg/t+G0
-
ξ゚听)ξ それで? 用とは、何ですか?
(,,゚Д゚) ツンさんの果たすべき、責任について・・・だな
ξ゚−゚)ξ ・・・私の果たすべき・・・責任?
(,,゚Д゚) ああ・・・そうだ
( ;^ω^) ・・・どういうことだお? ドックン・・・
(,,゚Д゚) ・・・お前のオリジナルが、目覚めてるぞ。ツンさん
Σξ゚听)ξ え・・・!? 生きてたのですか?
Σ( ;^ω^) !
(,,゚Д゚) ・・・俺には、ロボットの道理はわかんねえが・・・
ξ゚−゚)ξ ・・・
(,,゚Д゚) お前が、ツンさんだというなら・・・会うべきじゃねえか?
ξ゚−゚)ξ ・・・
- 613 名前:私は、ツンです:2007/01/14(日) 21:39:23.71 ID:C6Hg/t+G0
-
ξ゚听)ξ 私に、オリジナルがあるとしても・・・
(,,゚Д゚) ・・・ああ?
ξ゚听)ξ 今の私は、vipper's nestのツン。
そのツンさんとは、別人です
(,,゚Д゚) ・・・
( *^ω^) ツンさん・・・
(,,゚Д゚) そうかい。じゃあ・・・会う気はねえと?
ξ゚听)ξ ・・・いえ
(,,゚Д゚) ・・・
ξ゚听)ξ ・・・別人であっても、会う必要は、ありますね。
連れて行ってください・・・
(,,゚Д゚) ・・・くっくっく。わかったぞ、ゴルァ!
- 615 名前:私は、ツンです:2007/01/14(日) 21:40:03.21 ID:C6Hg/t+G0
-
ξ゚听)ξ ブーンさん、行って来ます
( ;^ω^) ツンさん・・・大丈夫かお?ブーンも・・・
ξ゚ー゚)ξ ・・・大丈夫です。私は、人のツンさんと、1対1で話したいです
( ;^ω^) ・・・
ξ゚听)ξ これから、私がツンとして生きるのに必要な事な気がするから・・・
それに
( ;^ω^) それに?
ξ゚听)ξ それは、人間のツンさんにも、必要な事かもしれない
( ;^ω^) ・・・そうかお
- 617 名前:私は、ツンです:2007/01/14(日) 21:41:00.09 ID:C6Hg/t+G0
-
(,,゚Д゚) ブーン、大丈夫だ。お前の大事なツンさんに、危険はねえよ
( ^ω^) ・・・本当かお?
(,,゚Д゚) ああ。ただ、人間のツンさんは遠くにいる。
だから、お前のバギーカーを貸してくれよ
( ;^ω^) ・・・御曹司の癖に、持ってないのかお?
(,,゚Д゚) ・・・ヒス女に、ぶっ壊されてな・・・
( ;^ω^) ?
(,,゚Д゚) まあ、いい。行こう
ξ゚−゚)ξ ・・・ええ
- 624 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:49:19 ID:EXNz3ljg
-
バギーカーで走る事、数時間。
私と得体の知れない男、ギコは大破壊前の大きな病院の遺跡へとやってきました。
ξ゚−゚)ξ ・・・ここに、いるの?
(,,゚Д゚) ああ。病気なんでな
ξ゚−゚)ξ ・・・?
私はギコに案内されて、遺跡の内部へと入った。
しばらくは、瓦礫の中を歩いていましたが・・・
いきなり様相が変わり、
今でも使ってるかのような綺麗な設備へとかわりました。
ξ゚−゚)ξ ・・・これは
(,,゚Д゚) 正解だ。使ってるんだよ
ξ゚听)ξ え?
(,,゚Д゚) お前のオリジナル・・・専用にな
- 625 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:49:42 ID:EXNz3ljg
-
ギコは、ある部屋の前で止まりました。
扉を開け、私に入るよう促します。
私は意を決し、その部屋の内部へと入っていきました。
中には、私が・・・
髪の毛を短くしてあるけど、私と瓜二つの顔をした人間がベットの上に横たわっていました。
苦しそうな顔で。
私が暫く無言でオリジナルって言われるツンさんを見ていると、
・・・目を、覚ましました。
- 626 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:50:16 ID:EXNz3ljg
-
从 ゚听)ハ ・・・来たのね。何よ。動けない私を、笑いに来たの?
ξ゚−゚)ξ ・・・そんなつもりじゃ、ない
从 ゚听)ハ じゃ、何よ?
ξ゚听)ξ 貴方と・・・会う必要があると思ったから
从 ゚听)ハ ふん。あって、どうするの?
ξ゚−゚)ξ ・・・私より、貴方は私の事を知ってると思うから
从 ゚听)ハ ・・・
ξ゚听)ξ 過去の、本当の話は、やっぱり知っておくべきだって。
それを踏まえて、私は前に歩きたいの・・・
从 ゚−゚)ハ ・・・
ξ゚听)ξ ・・・教えて、もらえない? 私は何故、作られたの?
- 627 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:50:39 ID:EXNz3ljg
-
从 ゚听)ハ ・・・いいわ、話してあげるわよ
ξ゚听)ξ ・・・
从 ゚听)ハ 私は10歳のとき、病気になったの。新種の、病気
ξ゚听)ξ 病気?
从 ゚听)ハ そう。筋肉組織が徐々に液化する、変わった病気。
治んないのよ
ξ゚−゚)ξ ・・・
从 ゚听)ハ 原因が分からなかった所為で、私は直ぐに隔離されたわ。
ウイルスやバクテリアが原因かもしれなかったし、
そしたら・・・よそに伝染する可能性もあるからね
ξ゚听)ξ お母さんは?
从 ゚听)ハ ア タ シ のママなら、勿論悲しがってくれたわ
それに、すぐに諦めてくれた
ξ゚−゚)ξ ・・・あきらめ?
从 ゚听)ハ ええ。アタシのママは、私を救おうとせず、お人形さん作りに没頭し始めたの
- 629 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:51:12 ID:EXNz3ljg
-
ξ゚听)ξ おにんぎょうさん
从 ゚听)ハ そう。つまり、アンタよ
ξ゚听)ξ ・・・
从 ゚听)ハ アタシはまだ、生きてるのにね
ξ゚−゚)ξ ・・・
从 ゚听)ハ 自分の寂しさを紛らわせるためかしらね・・・バッカみたい
ξ゚听)ξ 馬鹿なんて・・・言わないで
从 ゚听)ハ 自分の子供より人形が大事な母親なんて、馬鹿で十分よ
ξ゚−゚)ξ ・・・
从 ゚听)ハ アタシは検査の結果、病原性でもあることが分かったわ。
遺伝子に変異を起こすウイルスがいてね。
ある特定のDNA配列を読み取って・・・自分のDNAをそこに挿入して、
生存に重要な遺伝子の発現を邪魔するの。
お医者様が言うには、その読み込む配列が、
細胞の細胞膜を健全に保つ遺伝子に特異的に存在していたみたい。
つまり、そのウイルスに感染すると、筋肉細胞が形を保てず、ドロドロになっていくってこと
・・・最悪。私は、一生を隔離されて生きることになった
- 630 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:51:39 ID:EXNz3ljg
-
ξ゚听)ξ 一生を・・・
从 ゚听)ハ ええ。空気感染も、接触感染も可能性は著しく低いみたいだけど・・・
感染したら、10年後には確実に死がまっているらしいからね。
これが、また残酷な話じゃない?
初めての病気だから、
10年あっても確実に効く新しい抗ウイルス剤を作るのが難しい話らしくてね
・・・アタシ、緩慢に死んでいくしかないの。あーあ
ξ゚−゚)ξ ・・・
从 ゚听)ハ アタシの境遇を哀れんでくれたお医者様が、外の世界の事、パパの事、ママの事・・・
色々教えてくれたわ
ξ゚听)ξ パパ・・・ママ・・・
从 ゚听)ハ パパは何度も会いに来てくれた。私を気遣ってくれた
でも・・・
从#゚听)ハ ・・・なんで、ママはアンタなんかを・・・!
ξ゚听)ξ 私を、恨んでいるんですか?
- 632 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:52:53 ID:EXNz3ljg
-
从#゚−゚)ハ ・・・
从#゚听)ハ 恨んでるとは、違うかもね。アンタの所為じゃないもの。
ただ・・・
ξ゚−゚)ξ ただ・・・?
从#゚听)ハ 憎んでる
ξ゚−゚)ξ ・・・
从#゚听)ハ ママ、ロボットなんて! そんなの・・・
从#;凵G)ハ せめて、アタシが・・・死んでからでいいじゃない・・・
从#;凵G)ハ ううう・・・
ξ゚−゚)ξ ・・・
(,,゚Д゚) 話は、聞いたか?
- 635 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:53:17 ID:EXNz3ljg
-
从#;凵G)ハ 何よ・・・こんな時にこないでよ
(,,゚Д゚) 来てよかった。人ツンが泣くなんて、珍しいものが見れたからな
从#;凵G)ハ うるさい! 出てけっ! それに、人ツンっていうな!
(,,゚Д゚) いや、昨日ようやく分かった、いい事を教えてやろうと思ってな
从#;−;)ハ ・・・? なによ
(,,゚Д゚) お前のおかん、専門分野はロボット工学だが・・・もう一つ、顔がある
从#;凵G)ハ え?
(,,゚Д゚) 医用工学・・・すなわち、医療機器の研究だな
从;−;)ハ 医療・・・機器?
(,,゚Д゚) そして・・・その分野の中で、物凄く変わった研究の第一人者だった
从#;凵G)ハ 何よ、あの糞ババァ、何やってたの!?
(,,゚Д゚) コールドスリープ
- 637 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:53:41 ID:EXNz3ljg
-
从;−;)ハ え・・・?
(,,゚Д゚) お前の母親・・・デレは、あの当時コールドスリープで問題になっていた
細胞への負担や重力の影響なんかを、恐るべき執念深さで解決していった・・・
从;−;)ハ ・・・
(,,゚Д゚) そして、お前のおとんの勤めてた会社と提携して完成したってよ
从;凵G)ハ だから、なんだって言うの!?
(,,゚Д゚) さあ・・・俺は本人達じゃねえから、わかんねえけど・・・
从;−;)ハ ・・・
(,,゚Д゚) ・・・分かってると思うが、コールドスリープで寝るって事は、
ウイルスの活動も抑えるのは確かだ。
从;−;)ハ ・・・
- 638 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:54:26 ID:EXNz3ljg
-
ξ゚−゚)ξ ・・・あの
从;−;)ハ なによ
ξ゚听)ξ 実は、今まで見てなかったものがあるの
从;凵G)ハ ・・・何? 見てなかった?
ξ゚听)ξ 母さんからの、私にあてたメッセージ・・・途中までしか、見てないの
从;−;)ハ ・・・
ξ゚听)ξ ・・・一緒に、見ない?
从;−;)ハ ・・・
ξ゚−゚)ξ ・・・
从;凵G)ハ ・・・早く、見せてよ
- 639 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:54:52 ID:EXNz3ljg
-
ギコに、BDメモリの再生プレイヤーがある部屋に連れて行ってもらった。
ギコを追い出し、
私は二人で見始める。
ζ(゚ー゚*ζ ツン。私の、可愛いツン・・・
ξ゚−゚)ξ ・・・
从 ゚听)ハ ふん
ζ(゚ー゚*ζ これを見てるということは、多分私は死んでるんでしょうね
ζ(゚ー゚*ζ 私は、貴方のお母さんですよ。間違いなく。
- 641 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:55:13 ID:EXNz3ljg
-
ζ(゚ー゚*ζ 貴方と同じ、ツンの体・・・もう、息をすることのない・・・
ζ(゚ー゚*ζ それも、貴方・・・ツンなんです
从#゚听)ハ ・・・息のすることのない・・・ですって?
ξ゚−゚)ξ ・・・
ζ(゚ー゚*ζ 貴方も、ツン。自分が何か、知りたい?
ζ(゚ー゚*ζ 正直、貴方が自分の事を知ってどう思うか・・・
お母さんには分からないんです。
ζ(゚ー゚*ζ ・・・もし、貴方に感情があって・・・
この先、聞くことが怖いなら、再生するのを止めた方がいいと思います。
ζ(^ー゚*ζ どちらにしろ、貴方が私の可愛い娘であるのは・・・変わりないのだから
ζ(゚ー゚*ζ じゃあ・・・30秒、待ちますね。
・・・
・・・
- 642 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:56:08 ID:EXNz3ljg
-
ζ(゚ー゚*ζ 聞くんですね? 勇気があるのか、感情が生まれるのに失敗したのか・・・
ζ(゚ー゚*ζ ツン。貴方は、死にました。私の生きてる今・・・では治療できない、病気で。
从#゚听)ハ ・・・
ζ(゚−゚*ζ 私は、悲しかった。
ζ(゚−゚*ζ だから、ごめんね。貴方を作ってしまった。
ζ(゚−゚*ζ 私の可愛いツン・・・色々、貴方と私の記憶・・・貴方を包んだ周りの記憶・・・
色んなことを詰め込みました。
ζ(゚ー゚*ζ 姿も、そっくりです。貴方は、ツンです。
・・・ツンしか、知らない事を知ってるんだから
ζ(゚ー゚*ζ 本当は、貴方と過ごして、抱きしめて・・・それから信頼が築けてから話したかった
ζ(゚ー゚*ζ でも、時代が悪かったみたいです
ζ(゚−゚*ζ 私の研究が、国の目につけられました。
ζ(゚−゚*ζ 大きな戦争が、起きているからです。
ζ(゚ー゚*ζ 私の技術は、貴方だけのためのもの
ζ(゚ー゚*ζ だから、ツン? 貴方を人間として、コールドスリープを使って眠らせました・・・
- 643 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:56:51 ID:EXNz3ljg
-
从 ゚听)ハ ふうん。アンタも寝てたんだったね
ξ゚听)ξ ええ
ζ(゚−゚*ζ ・・・
ζ(゚−゚*ζ ・・・ごめんね・・・ツン
ζ(゚−゚*ζ ・・・
ζ(゚−゚*ζ ・・・こんな事いっても、分からないよね・・・
ζ(゚−゚*ζ ・・・
ζ(゚−゚*ζ ・・・もし、違和感を感じたなら、それが気になるなら。私の鞄を探して・・・
第3ハニャーン病院・・・オリジナルの資料室の棚に置いておくから・・・
ぷつん
从 ゚听)ハ ・・・?
ξ゚听)ξ ・・・?
- 644 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:57:58 ID:EXNz3ljg
-
从 ゚听)ハ ぎこっ!!!
(,,゚Д゚) なんだよ、ゴルァ!
从 ゚听)ハ かあさんの鞄! 持ってきて!
(,,゚Д゚) ああ?
从#゚听)ハ 早くっ!
(;,,゚Д゚) あ、ああ
- 645 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:59:13 ID:EXNz3ljg
-
母さんの鞄を開く、人のツンと私。
アルバムとサイフ、手帳がある。
手帳は、ほぼ白紙。
アルバムには色んな表情の、人のツンさんの写真・・・
从 ゚听)ハ ん? おかしいわね・・・これ
ξ゚听)ξ え?
从 ゚听)ハ わかんない? 1月20日の写真、一枚だけ・・・
髪の長さが全く違う写真があるの
他の日付の写真じゃ、殆ど同じ位なのに・・・
ξ゚听)ξ ・・・どういうことでしょ
从 ゚听)ハ ・・・そっか。この写真、アンタの写真なんじゃない・・・?
ξ゚听)ξ え・・・?
从 ゚听)ハ ・・・例えば、この雪の写真とか・・・記憶には?
- 646 名前:私は、ツンです:2007/01/14 21:59:35 ID:EXNz3ljg
-
ξ゚听)ξ ・・・断片的に。でも、私の記憶は、デリートされたか、プロテクトされて・・・
从 ゚听)ハ ・・・ママは、私を作ろうとしてたんだから・・・
全く同じ体験をさせて・・・同じにしようとしてたのかな
・・・でも、アンタの記憶をどうして?
ξ゚听)ξ ・・・ちょっと待ってください。体の大きさが、私と違いますよ。
この写真だと、小さい女の子。私は成長・・・
从#゚听)ハ ・・・頭脳だけ入れ替えりゃ、いいでしょうが
ξ;゚听)ξ ・・・なるほど
从 ゚听)ハ ・・・で? この一枚の写真だけ、私?
从 ゚听)ハ ・・・私は隔離されてたから、こんな写真があるわけないのに
- 647 名前:私は、ツンです:2007/01/14 22:00:14 ID:EXNz3ljg
-
(,,゚Д゚) ・・・俺のじいちゃんだ
从 ゚听)ハ え?
(,,゚Д゚) お前の主治医は、俺のじいちゃんだった
从 ゚听)ハ ・・・
(,,゚Д゚) ・・・俺、実はその写真、みたことあるんだ
从 ゚听)ハ ?
(,,゚Д゚) じいちゃんの、難しい病気の患者さんだったって
从 ゚听)ハ ・・・
(,,゚Д゚) じいちゃん、デレさんのこと少し知ってたみたいだからさ。
あの人は、頭はいいが、馬鹿だったって言ってた
この写真を見て、目を覚まさせてやったって・・・確かいってた気がする
从 ゚听)ハ ・・・
(,,゚Д゚) じいちゃんの写真で、目を覚ましたか知らないけど・・・
- 648 名前:私は、ツンです:2007/01/14 22:00:36 ID:EXNz3ljg
-
(,,゚Д゚) もし、そうだとしたらさ、デレさんは、ロボツンさんで、
人ツンを再現する事が無理だと、わかったのかもな
从 ゚听)ハ 私のママって・・・確かに馬鹿だね
(,,゚Д゚) ロボツンさんの記憶をデリートしたのも、それかもな
ξ゚听)ξ 何故・・・?
(,,゚Д゚) だから、人ツンを再現する事の、限界を悟った・・・とか
ξ゚听)ξ ・・・
从 ゚听)ハ 馬鹿だ・・・
(,,゚Д゚) ・・・それで、お前のおかんは、コールドスリープに力を入れ始めた。
ξ゚听)ξ ・・・ちょっと、待ってください
(,,゚Д゚) ん?
ξ゚听)ξ 人のツンさんを、死んだとする意味がまだわかりません
(,,゚Д゚) ・・・ああ。それは・・・
- 650 名前:私は、ツンです:2007/01/14 22:01:01 ID:EXNz3ljg
-
从 ゚听)ハ え? 知ってるの?
(,,゚Д゚) ・・・人ツンの死亡診断書を書いたのは俺のじいちゃんだからな。
カルテも見たし、推測がつく
从 ゚听)ハ え?
ξ゚听)ξ ・・・何ですか?
(,,゚Д゚) うーん・・・当時の法律じゃあな、病人のためにコールドスリープは使えなかった
何故ならな、健全な肉体じゃないと、コールドスリープに耐えられる保障がなかったから
ξ゚听)ξ ・・・それで、死んだことにして病院から連れ出したの?
(,,゚Д゚) そう。病人にコールドスリープを使っていい許可は下りなかったけど、
死体を眠らせてはいけない法律はなかったからな
ξ゚听)ξ ・・・
(,,゚Д゚) ・・・人ツン、お前を助けようと、してたんだよ
从 ゚听)ハ ・・・何で私に言ってくれなかったんだろう。ママ・・・
(,,゚Д゚) お前が、そのとき既におかんが大ッ嫌いになってたからだろ。多分
从;゚听)ハ う・・・
- 651 名前:私は、ツンです:2007/01/14 22:02:04 ID:EXNz3ljg
-
(,,゚Д゚) さて、人ツンよ
从 ゚听)ハ 何よ
(,,゚Д゚) 俺は一応、医者だ。患者にいいたい
从 ゚听)ハ ・・・
(,,゚Д゚) お前、もう一度眠れ
从 ゚听)ハ ・・・嫌よ
(,,゚Д゚) もう、ロボツンさんと話して、気が晴れただろ?
从 ゚听)ハ ・・・
(,,゚Д゚) そして、こいつも、憎むに値しないって事もわかったんじゃないか?
从 ゚听)ハ ・・・ふん
(,,゚Д゚) あー・・・糞。言う事聞きやがらね。しょうがねえ、言ってやる。
从 ゚听)ハ ・・・何を?
- 653 名前:私は、ツンです:2007/01/14 22:03:18 ID:EXNz3ljg
-
(,,゚Д゚) お前が目覚めたのは偶然じゃねえ。俺が起こした。
俺は、じいちゃんにお前の病気の事を託されてたんだ。
・・・だから、一度、お前を起こした。
一度、この目で症状を見るためにな
結果、悟った。お前を治せるようになるには、時間がいるんだよ!
寝てくれ
从 ゚听)ハ ・・・イヤ
(#,,゚Д゚) ・・・
从 ゚听)ハ ・・・なんで、ギコがそこまでするのよ。関係ないでしょう
ξ゚听)ξ ・・・ああ
从 ゚听)ハ なによ、おにんぎょさん
ξ゚听)ξ 私は、ツンです。ギコさん、ひょっとして、人のツンさんが好きとか?
- 654 名前:私は、ツンです:2007/01/14 22:04:01 ID:EXNz3ljg
-
Σ(;,,゚Д゚) 从;゚听)ハ ぶふうっ!?
(;,,゚Д゚) ちげーよ! 恋愛がらみは、寧ろじいちゃんだ!
从 ゚听)ハ え?
(,,゚Д゚) ・・・じいちゃんは、お前らの母親、デレに惚れてたみたいだ
だから、死ぬ前にも、俺は人ツンの病気のことも泣きながら頼まれた
从 ゚听)ハ ・・・ふうん
(,,゚Д゚) おい、人ツン!
从 ゚听)ハ 何よ
- 655 名前:私は、ツンです:2007/01/14 22:06:03 ID:EXNz3ljg
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(,,゚Д゚) 頼むから、寝てくれ。俺は、爺ちゃん・・・アホナ所もあるけど、爺ちゃんを尊敬してた
だから、約束は果たしたい
从 ゚听)ハ ・・・そんなの、関係ないわ
(;,,゚Д゚) うー・・・くそ
ξ゚听)ξ ・・・あの
从 ゚听)ハ また、何よ
ξ゚听)ξ 意固地になってるのは、寂しいから?
从 ゚听)ハ ・・・はあ?
ξ゚听)ξ だって・・・目覚めたら、誰も知ってる人がいないし、
状況だってさっぱり分からない。
もう一度寝たら、さらにそんな状況が酷くなるかもしれない・・・
从 ゚听)ハ ・・・
ξ゚听)ξ そういうこと?
从 ゚听)ハ ・・・ち・・・
ξ゚听)ξ 違わないんだ
从#゚听)ハ ・・・うるさいわね! おにんぎょうさんに、何が分かるのっ!?
- 656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りしま:2007/01/14 22:10:12 ID:EXNz3ljg
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ξ゚听)ξ うん。私は人じゃない、だから、貴方が寝てても、起きたときはまた来てあげられる
从 ゚听)ハ え・・・
ξ゚ー゚)ξ お母さんが、先に私を作ろうとしたのも・・・その所為かもね
从 ゚−゚)ハ む・・・
ξ゚听)ξ 人のツンさんは、私が嫌いかもしれないけど・・・
从 ゚听)ハ ・・・
ξ゚听)ξ 私は別に貴方が嫌いじゃないもの
ξ゚ー゚)ξ ・・・むしろ、貴方は、お姉さんみたいなもの
从 ゚听)ハ ・・・に、人形の癖に馬鹿言わないで・・・
ξ゚听)ξ ほら、しょうがないお姉さんだな。我が侭いわないで、寝ましょ?
从#゚听)ハ 馬鹿に!?
ξ#゚听)ξ 寝なさいっ!!!
从 ゚−゚)ハ う・・・
ξ゚ー゚)ξ 大丈夫。貴方を知ってる私が、貴方が起きてもいるから
- 657 名前:私は、ツンです:2007/01/14 22:10:57 ID:EXNz3ljg
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「・・・わかったわよ。必ずだからね」
「ええ。お姉さん?」
「ちぇ・・・おにんぎょさんの癖に・・・妹面しないでよ」
「母親が同じで、生まれた時期が後だから、私は妹よ」
「・・・」
「私は、ブーンさんたちと生きて強くなれたの。
今更、そんな言葉じゃ傷つかないわ」
「・・・そ。じゃあ、ギコ・・・頼むわ」
「・・・やれやれだ、ゴルァ!」
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