プロローグ

1 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:39:27.46 ID:hZlqEppa0


・・・・No. 1284566 修正プログラム・・・インストール完了


「できた・・・」

再起動します・・・

「これで・・・」

ぶうんっ

「わたしの・・・」

システムは正常に起動しました。
オートモードに移行します。

「かわいい・・・つん」




3 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:40:12.39 ID:hZlqEppa0

ξ゚−゚)ξ ・・・

ξ゚听)ξ ここは、どこ?

わたしは目を覚ますと、
妙なガラスの容器の中にいました。

頭が、痛い・・・

ガラスの容器の外は、がれき。
瓦礫の山。

そして、私には分からない機械のようなものが沢山ある。

ここは、どこだろう?

・・・?

あれ・・・あれ・・・


わたしは、だれ?


5 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:40:50.63 ID:hZlqEppa0

・・・・・・

外を見る。
灰色の空。

何も聞こえない。


ξ゚听)ξ ・・・わたし、だれだっけ?


・・・「わたしの・・・かわいい・・・つん」


・・・なにか、昔聞いた事のある声。
唐突に、頭の中に浮かんできた。

そっか。
わたしは、つん・・・?




7 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:41:39.13 ID:hZlqEppa0

ξ゚−゚)ξ ・・・

わたしは、つん。

じゃあ、何でこんな所にいるの?

・・・

「・・・病気・・・治らない・・・・・コールドスリープ」

また、わたしの頭の中に、断片的に言葉が浮かんでくる。

コールドスリープって、冷凍保存で寝てる奴だよね・・・
ひょっとして、わたしは病気で寝てたのかな?

『・・・きゅるるる』

・・・きっと、そうだ。

この中から、出たいな。

何もすることがないし。

誰か・・・

・・・

『がたんっ』


9 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:42:38.59 ID:hZlqEppa0

あっ、今、何かの音がしたっ!

「音源・・・前方20m、移動中・・・」

・・・?

また、変な、声が、した。

・・・まあ、いいや。

音出して、気が付いてもらお。

ξ゚听)ξ すいません・・・

・・・ガラスの容器の外に、音が漏れてるだろうか。

でも、他に方法ないし

ξ゚听)ξ そこの人! すいません!


なんだろう・・・これ

心の中に、冷たい水のようなものが広がってきた。

なんだか、急がなきゃならない気がする。

もし・・・気が付いてもらえなかったらっていう・・・不安?


12 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:43:54.29 ID:hZlqEppa0

・・・来た。

やけに、にこやかな顔をした少年だ。

(  ^ω^) ・・・きみ、こんな所で何してるんだお?

えっ・・・聞こえる
この容器、どこかに穴でも開いてるのかな・・・?

ξ゚听)ξ ・・・わからない

(  ^ω^) ・・・?

ξ゚听)ξ でたい

(  ^ω^) ・・・目覚めたばかり、なんだおね?

ξ゚听)ξ わからない

(  ^ω^) ・・・? 今、出してあげるお

ξ゚听)ξ やり方、わかるの?

( ;^ω^) そりゃ、オーソドックスタイプのコールドスリープ装置だから・・・

ξ゚听)ξ ・・・?


13 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:45:00.15 ID:hZlqEppa0

にこやかな少年は、ガラスの容器の横にある長方形の、
変なボード状のものを弄りだす。

そんな少年の姿をぼうっと見ていると、
いつの間にかガラスが2つに分かれて地面へと沈んでいった。

ξ゚听)ξ ありがとう

(  ^ω^) どういたしましてだお。君は、誰なんだお?

ξ゚听)ξ わたし・・・? わたしは、ツン?

( ;^ω^) 何故に疑問系?

ξ゚听)ξ うーん・・・

(  ^ω^) ・・・コールドスリープから覚めたばかりで、
      記憶が混乱してるのかもしれないおね

ξ゚听)ξ そう・・・なのかな?


15 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:46:13.24 ID:hZlqEppa0

(  ^ω^) ・・・あ、申し遅れたお。ブーンっていう者だお。

ξ゚听)ξ あ、どうも・・・

(  ^ω^) いつからコールドスリープに入ったんだお?
     
ξ゚听)ξ  ・・・さあ?

( ;^ω^) うーん・・・そこも覚えてないかお・・・

ξ゚−゚)ξ  ・・・ごめんなさい

Σ( ;^ω^) あ、いや、謝らなくていいお

ξ゚−゚)ξ  ・・・

(  ^ω^) (うーん、変だおね・・・
       大抵、コールドスリープ装置にはアナログ、デジタルの両方で
       ある程度の個人情報が残されてるはずなのに・・・


       ・・・ないお)


17 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:48:37.07 ID:hZlqEppa0

ξ゚−゚)ξ  ・・・あの

(  ^ω^) ん? どうかしたかお?

ξ゚听)ξ わたし、どうしたらいいんでしょう?

( ;^ω^) うーん・・・記憶喪失みたいだし・・・

ξ゚−゚)ξ  ・・・うん。たぶん

(  ^ω^) そうだお、うちのコミュニティに来るかお?

ξ゚听)ξ コミュニティ?

( ;^ω^) そこからかお・・・

(  ^ω^) 2050年の大破壊から、かつてあったといわれる「国」って呼ばれるまとまりがなくなったお

ξ゚听)ξ ・・・?

(  ^ω^) それは、大破壊以前にあった大規模な通信手段が綺麗になくなってしまったからだお

ξ゚−゚)ξ  ・・・


18 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:49:19.82 ID:hZlqEppa0

(  ^ω^) ま、それで、生活するため人々が集まったのがコミュニティのはじまりだお。

      それから、様々な目的・・・利益を得るため・・・なんかに変わっていったお。
      ・・・結局、昔の国と変わらないのかもしれないおね。
      違うのは、同じ地域に複数のコミュニティが存在できる事かおね?

      ちなみに、規模は人数が万人単位の大きなものから、数人程度の小さなものまで・・・

ξ゚−゚)ξ  ・・・

( ;^ω^) 言ってる事、わかってるかお?

ξ゚听)ξ ・・・まあ、助け合うために、人々が集まってる事はわかりました。

(  ^ω^) ・・・ま、それでいいお

ξ゚听)ξ ・・・ブーンさんのいる、コミュニティはどんな?

( ;^ω^) ・・・残念ながら、超小規模。十人いないんだお・・・

ξ゚−゚)ξ  ・・・ふーん

(  ^ω^) うちで良ければ、来るかお?

ξ゚听)ξ ・・・甘えさせて、もらいます


19 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:50:09.62 ID:hZlqEppa0

わたしは、さっき会ったブーンさんと一緒に歩いています。
瓦礫の中・・・

聞こえる音は、砂利や鉄くずを踏む音だけ。

(  ^ω^) ・・・そうだお

ξ゚−゚)ξ ・・・はい?

(  ^ω^) ブーンたちは、この廃墟一帯の遺物から使えそうなものを探して
      他のコミュニティに売る仕事をしてるんだお。

ξ゚听)ξ へえ

(  ^ω^) んで、ここの建物初めて入ったんだけど

ξ゚听)ξ ・・・

(  ^ω^) さっき、どうやっても入れない部屋があったお。
      ここで寝ていたツンさんなら、もしかして・・・

ξ゚听)ξ うーん・・・


20 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:50:49.46 ID:hZlqEppa0

(  ^ω^) なにか、動いている音もしたし・・・

ξ゚听)ξ 動いてる音?

(  ^ω^) まだ生きてる機械があるとしたら高値で売れるお
      一応、見てくれないかお?
      思い出せるかもしれないし

ξ゚−゚)ξ ・・・はい

ブーンさんはわたしの歩幅に合わせて、ゆっくり歩いてくれます。

・・・ゆっくり10分、瓦礫の中を歩くうちに
大きなシャッターが見えてきました。

ξ゚听)ξ ・・・ここですか?

(  ^ω^) そうだお。そこに電子錠があるせいで、入れないお。
      キーボード操作で漢字まで含まれてるから、
      ブーンの知識じゃ解除が無理だったお

ξ゚−゚)ξ ・・・

(  ^ω^) ひょっとして、ツンさんなら・・・


21 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:53:16.55 ID:hZlqEppa0

ξ゚−゚)ξ ・・・パスワードか・・・

( ;^ω^) ・・・駄目かお

「・・・ツン? よく覚えておいて。貴方の大好きなのは炬燵でゴロゴロすること」

ん? また何か、頭の中に浮かんできた・・・。

ξ゚听)ξ ・・・炬燵でゴロゴロ?

( ;^ω^) 炬燵でゴロゴロ? 打ち込んでみるかお

『ピピー』

駄目みたい。
電子錠の液晶には、認証エラーと出てしまった。

ξ゚−゚)ξ うーん

「それから・・・お母さんとお昼寝することだったわ」

ξ゚听)ξ お母さんとお昼寝・・・?

( ;^ω^) ・・・そんなの


23 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:54:44.44 ID:hZlqEppa0

『カチカチカチ・・・ピッ! 認証されました。扉を開きます・・・』

Σ( ;^ω^) う、動いたおっ!?

ξ゚听)ξ ・・・動きましたね

( ;^ω^) ・・・じゃ、今の暗号・・・間違いなく、この中はツンさんの

ξ゚听)ξ 入って・・・みましょう

さっき、コールドスリープの中で感じた冷たい水のような感情・・・不安。

それが、わたしの中にまたやって来た。

・・・嫌だな。

なんで、嫌って思うんだろ?

不安だと、嫌なんだろうか・・・


( ;^ω^) ・・・ツンさん?

ξ゚听)ξ 入る


26 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:56:41.50 ID:hZlqEppa0

部屋の中は、薄暗い。

中には、わたしがさっきまで入っていたコールドスリープ装置と同じものがある。

誰だろう・・・

もしかして、私に暗号を教えてくれたオカアサン・・・?

(  ^ω^) うーん。部屋の中が暗すぎるお。今、懐中電灯・・・

・・・オカアサンじゃナイ。

違う。

違う・・・

この中で寝てるのは、何か違う、

別の

私が、もっとも


・・・知りたくない


27 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:57:30.13 ID:hZlqEppa0

(  ^ω^) あったお。明かりをつけるお?

・・・懐中電灯の中途半端な光が、コールドスリープの装置を照らし出す。

中には、年の頃が十代前半の女の子。

どこかで・・・見た。

装置のガラスの部分の表面には、ラベルが張ってある。
そこに、名前が書いてあった。

山本 ツン



(  ^ω^) この人、ツンさんにそっくりだおね・・・?



ブーンさんも、私の名前が書いてあるラベルに目を止め、しゃべるのも止めた。

・・・何か、言ってください。
また、心が冷たくなるじゃないですか。


28 名前:VIP村人u:2006/11/25(土) 10:59:15.72 ID:hZlqEppa0

ξ゚听)ξ これ、私?

( ;^ω^) んなわけないお。ツン違いの別人だお

ξ゚听)ξ でも、これ。私に、そっくり・・・なんでしょ?

( ;^ω^) ・・・双子?

ξ゚听)ξ 双子なら名前は違うでしょ

( ;^ω^) ・・・うーん

ξ゚听)ξ じゃ、わたしはツンじゃないのか・・・

(  ^ω^) でも、記憶はあるんだおね?

ξ゚−゚)ξ ・・・わたしのじゃ、無かったりして

( ;^ω^) ?

ξ゚听)ξ あとで、植えつけられたとか

( ;^ω^) そんなことする理由があるかお?

ξ゚−゚)ξ ・・・あ


30 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:00:07.25 ID:hZlqEppa0

名前が書かれた欄の下、2035年死亡の文字が浮かび上がる。

ξ゚−゚)ξ ・・・

(  ^ω^) このツンさんは、死んでるんだおね?

ξ゚−゚)ξ ・・・

(  ^ω^) 何で死んでるのにコールドスリープなんか

ξ゚−゚)ξ ・・・わからない

(  ^ω^) ・・・

ξ゚−゚)ξ ・・・

Σ(  ^ω^) あ、あったお。これこれ

ξ゚听)ξ 何があったんですか?

(  ^ω^) えーと・・・記憶保存ディスクだお


31 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:01:08.83 ID:hZlqEppa0

ξ゚听)ξ ???

(  ^ω^) コールドスリープから覚めた場合、記憶が混乱している人がいるんだお。
      ツンさんみたいに

ξ゚−゚)ξ ふーん・・・

(  ^ω^) うちのコミュニティに帰ったら、再生プレイヤーがあるお。

ξ゚听)ξ ここでは見れないの?

( ;^ω^) ・・・正直、ここの機械はよく分からんお
      機械に詳しい奴がいるから、そいつを連れてこないと

ξ゚−゚)ξ ふーん

(  ^ω^) じゃあ、優先権を主張するステッカーを貼ってと・・・

ξ゚听)ξ 何それ?

(  ^ω^) ブーンと・・・ツンさんが最初に発見したよ、っていう証拠になるものだお。
      ここら辺の武闘派のコミュが発行してる奴だから、
      優先権を主張するにも結構、きくんだお

ξ゚−゚)ξ ふーん


33 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:02:28.36 ID:hZlqEppa0

( ;^ω^) ・・・ま、どうでもいい話しだおね。
      じゃ、帰るお、帰るお

ξ゚听)ξ はい

・・・それから、また私はブーンさんの後について歩き始めました。
ブーンさんは帰りながらも、
何かないか探しています。

階段を見つけました。
こんどは、どんどん降りていきます。

私は無言。
ブーンさんは何か喋っていますが・・・よくわかりません。

わたし、誰なんだろ。

おかあさんって、どうなったんだろ?

頭の中に浮かんできたお母さんって、私のお母さん???

(  ^ω^) あ、あったお。あれがブーンのバギーカーだお

ξ゚听)ξ ・・・おじゃまします


34 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:04:54.07 ID:hZlqEppa0

私たちはバギーカーなるものに、乗り込みました。

瓦礫の山なんて登るから・・・

激しい揺れ・・・
土煙・・・

なんだか、壊れそうです。

私はそれでも我慢しながら、1時間と29分34秒の間乗り続けました。

30分乗っていたあたりで、走りやすい道になったのがせめてもの救いです。



・・・大きなテントのようなものが建ってる広場に着きました。

テントといっても、本当に大きいです。

・・・直径、目測で30m程度の・・・広さがあるでしょうか。
天井が少し尖がっているのが、かわいらしいです。

ブーンさんは、とことこ中に入っていきました。


36 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:07:14.88 ID:hZlqEppa0

(  ^ω^) 誰か、いるかおー?

川 ゚ -゚) ・・・兄者、帰ったか

('A`) なんかあったか? ブーン

(´・ω・`) わんっ!

ブーンさんが、中にいる人と・・・犬っぽい何かと話しています。
私はどうすればいいか分からないから、
入り口付近でたっていました。

(  ^ω^) 皆、紹介するお。
      さっき、コールドスリープ装置で発見したツンさんだお

ξ゚听)ξ あ・・・はじめまして

('A`*) ・・・・ア・・・ハジメマシテ・・・ドクオ デス

(´・ω・`*) わふぅ・・・はっはっ!

川 ゚ -゚) ・・・クーだ。

ちょっと根暗そうな人が何かいっていますが・・・よく聞き取れません。

逆に、犬っぽい何かが・・・ちょっと、興奮してる?・・・なんか・・・

あ・・・これが、うざい?かな・・・


41 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:09:37.40 ID:hZlqEppa0

ブーンさんを兄者と呼んだ女の子。クーさん。
長髪の綺麗な黒髪。
幼いのに、ちょっと大人びた雰囲気を持っています。
かわいい・・・かも

でも・・・なんか、私を睨んでる?

川 ゚ -゚) 兄者?

(  ^ω^) ? なんだお?

川 ゚ -゚) コールドスリープとか何とか言いながら、
     実はそこらのコミュで作ってきた女じゃあるまいな?

( ;^ω^) な・・・違うお。例の廃墟で・・・

川 ゚ -゚) 兄者は恋人つくっちゃ駄目なんだからな

( ;^ω^) ・・・はいだお

・・・?
なんで、ブーンさんは恋人作っちゃ駄目なんだろ?

川 ゚ -゚) ツンさん

ξ゚听)ξ はい?


42 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:11:05.32 ID:hZlqEppa0

川 ゚ -゚) 兄者は それはそれは駄目な男だから、男としては見ないほうがいいぞ?

川 ゚ -゚) まあ、貴方くらい綺麗な人なら、兄者を相手にする事はないだろうがな・・・

・・・?
そこまで、酷いかな?

('A`) ・・・また、嫉妬しちゃって

(´・ω・`) ・・・わふぅ

川#゚ -゚) ・・・何か・・・言ったか?


(;'A`) ナ・・・ナンデモアリマセン・・・

(´・ω・`*) わふぅ・・・ふっふっ

あ・・・犬っぽい何かが蹴られました。

(´・ω・`*) わっふぅーーーーーーーん!

でも、犬もどきは喜んでる・・・?

何なんだろ・・・アレ。


45 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:13:00.24 ID:hZlqEppa0

(  ^ω^) ちなみに、あの変なのはショボンって言うお

ξ゚听)ξ ショボンさん? ・・・あれは、犬なの?

( ;^ω^) ・・・犬に見えるかお?
      まあ、そのうち、本人・・・いや、本犬から聞くこともあるかもしれないお

ξ゚−゚)ξ ・・・?

(  ^ω^) 他にもいるけど、どっか行ってるお。帰ってきたら、紹介するお

(  ^ω^) ・・・あ、そうだ。ドックン、BDメモリの再生プレイヤー借りるお〜

('A`) おう

(  ^ω^) じゃ、ツンさん、行くお

川#゚ -゚) 待て、兄者。二人で入る気か?

( ;^ω^) 何で、クーはそう怒るんだお。
      このツンさん、記憶喪失で機械の操作も分からないから、付き添うだけだお

川 ゚ -゚) ・・・あ、そうなのか

(  ^ω^) 人助けだおー。じゃ、ツンさん来てお


47 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:15:36.43 ID:hZlqEppa0

また、ブーンさんの後についていく。
なんか、コレばかり。

・・・ブーンさんと私は暗室に入りました。

ブーンさんは手にもつ小さな機械の発する機械を頼りに、
プレイヤーと思われる装置を弄っています。

(  ^ω^) よし、これでいいお

ξ゚听)ξ 用意ができたんですか?

(  ^ω^) だおだお。ここの三角のボタンを押せば、話が始まるお

ξ゚−゚)ξ はい

Σ( ;^ω^) あ、駄目だお

ξ゚听)ξ えっ・・・?

(  ^ω^) ブーンに見られちゃ嫌だお? 出て行くお

ξ゚听)ξ ああ・・・はい。

ブーンさんは出て行きました。
私は34秒、ぼーっとしてから再生ボタンを押しました。


52 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:18:48.17 ID:hZlqEppa0

突然、光が溢れ・・・
私のまわりはただの暗室だったはずなのに、
いつの間にか何処かの研究室のような場所にいました。

これ、再生プレイヤーの所為なんだろうか・・・

私の目の前には、綺麗な女の人がいます。
30代くらいかな・・・?

ああ・・・どっかで、みたことある・・・?

ζ(゚ー゚*ζ ツン。私の、可愛いツン・・・

ξ゚听)ξ お母さん・・・なんですか?

ζ(゚ー゚*ζ これを見てるということは、多分私は死んでるんでしょうね

ξ゚−゚)ξ ・・・

早い、決別だな。
お母さんを探す・・・っていう目的もなくなっちゃった。

ζ(゚ー゚*ζ 私は、貴方のお母さんですよ。間違いなく。

ξ゚−゚)ξ ・・・?

なんか、言い回しがくどいような


53 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:21:37.58 ID:hZlqEppa0

ζ(゚ー゚*ζ 貴方と同じ、ツンの体・・・もう、息をすることのない・・・

ζ(゚ー゚*ζ それも、貴方・・・ツンなんです

ξ゚听)ξ へ?

ζ(゚ー゚*ζ 貴方も、ツン。自分が何か、知りたい?

ζ(゚ー゚*ζ 正直、貴方が自分の事を知ってどう思うか・・・
      お母さんには分からないんです。

ζ(゚ー゚*ζ ・・・もし、貴方に感情があって・・・
      この先、聞くことが怖いなら、再生するのを止めた方がいいと思います。

ζ(^ー゚*ζ どちらにしろ、貴方が私の可愛い娘であるのは・・・変わりないのだから

ζ(゚ー゚*ζ じゃあ・・・30秒、待ちますね。



58 名前:VIP皇帝:2006/11/25(土) 11:23:39.48 ID:hZlqEppa0

・・・なんだろう。

心に冷たい水が入ったなんてもんじゃない・・・
なんか、なにかが・・・突き抜けていく・・・

これが、お母さんが言った「怖い」?

やだ・・・やだ。なんか、聞けない。

再生、どうやって止めるんだろ?

やばい・・・あと、4秒・・・


・・・再生、止められない・・・




61 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:24:44.27 ID:hZlqEppa0

ζ(゚ー゚*ζ 聞くんですね? 勇気があるのか、感情が生まれるのに失敗したのか・・・

ζ(゚ー゚*ζ ツン。貴方は、死にました。私の生きてる今・・・では治療できない、病気で。

ζ(゚−゚*ζ 私は、悲しかった。

ζ(゚−゚*ζ だから、ごめんね。貴方を作ってしまった。

ζ(゚−゚*ζ 私の可愛いツン・・・色々、貴方と私の記憶・・・貴方を包んだ周りの記憶・・・
      色んなことを詰め込みました。

ζ(゚ー゚*ζ 姿も、そっくりです。貴方は、ツンです。

      ・・・ツンしか、知らない事を知ってるんだから

ζ(゚ー゚*ζ 本当は、貴方と過ごして、抱きしめて・・・それから信頼が築けてから話したかった

ζ(゚ー゚*ζ でも、時代が悪かったみたいです

ζ(゚−゚*ζ 私の研究が、国の目につけられました。

ζ(゚−゚*ζ 大きな戦争が、起きているからです。

ζ(゚ー゚*ζ 私の技術は、貴方だけのためのもの

ζ(゚ー゚*ζ だから、ツン? 貴方を人間として、コールドス

『ブツンッ』


62 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:25:30.90 ID:hZlqEppa0

再生プレイヤーを殴ったら、再生が止まりました。

そっか。
不安や、怖さを感じたのは・・・


自分に何もないからか。

お母さんに、作られて・・・

その作られ方が、普通の作り方じゃなく・・・

しかも、お母さんはいない。




64 名前:VIP村人v:2006/11/25(土) 11:26:19.08 ID:hZlqEppa0

自分を知ってから、今感じてる感情はなんだろう?

自分が、人間じゃないって分かって・・・


これ、虚無感?

わかんないや

ワタシハ、ツン・・・

ワタシモ、ツン・・・

キカイ デスガ・・・ツン デス・・・






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