最終話
- 10 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:08:54.64 ID:XU+HebUh0
-
巨大な塔の一階、エレベーターの間。
そこには十数体の小さな人形が一人の女性を囲う。
lw´‐ _‐ノv「行くよ」
言葉と同時に女性は二人の少女に向かって駆け寄る。
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「いっけー」
命を与えられた人形は、その主の命令に従う。
lw´‐ _‐ノv「邪魔!」
一回転し、近づいてくる人形を数体、襟で真っ二つにする。
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「残念!」
人形は動きを止めない。
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「みんな、やっちゃって!」
lw´‐ _‐ノv「っ!」
引き裂かれた人形の凶刃はシュールには届かない。
何かに阻まれるように停止したからだ。
そして人形はバラバラに引き裂かれた。
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「あれ?」
- 14 名前:ありです ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:11:17.24 ID:XU+HebUh0
-
lw´‐ _‐ノv「悪いけど・・・遊んでる時間はない」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「【床】と【人型】を合成!」
地面が歪み、大きく膨れ上がる。
その形は人間の形に近づいていく。
lw´‐ _‐ノv「させないっ! 【空気】と【空気】の合s・・・」
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「邪魔したら駄目だよぉ」
人形が迫る。
その攻撃により、合成を中断せざるを得ない。
lw´‐ _‐ノv「ああもうっ!」
シュールはいったん下がり、巨大な合成を組み上げる。
二人の少女の頭上に空気で作られた槍が降り注ぐ。
lw´‐ _‐ノv「・・・どうでしょうか」
煙の中から立ち上 ??ったのは、巨大な影。
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「いっけぇぇ!!」
- 16 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:12:32.42 ID:XU+HebUh0
-
少女の声が聞こえるが姿が見えない。
シュールの二倍はあるかと思われるほど巨大な体。
西洋の鎧をその身に纏った騎士がその武器を振り上げた。
lw´‐ _‐ノv「まずいですねぇ・・・」
振り下ろされる剣を避けるシュール。
切っ先が当たった部分に深い溝ができた。
lw´‐ _‐ノv「はああぁ!」
合成による空気砲、それも半端なく大きいものが騎士にぶつかる。
横からの衝撃を受け、騎士は体制を崩す。
lw´‐ _‐ノv「あの子たちはどこにいった・・・?」
lw´‐ _‐ノv「【空気】と【空気】の合成。お前はそこで大人しくしていろ」
巨大な騎士は押さえつけられるかのように、その動きを抑制される。
目には見えない壁が、騎士を抑え込む。
lw´‐ _‐ノv「まぁいい。上に行くことが先です・・・」
エレベータはすぐそこに見えている。しかし、その間の地面がそれを阻むように変化する。
隆起した地面はその形を整えていく。
lw´‐ _‐ノv「相性が悪い・・・」
- 17 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:13:19.85 ID:XU+HebUh0
-
その大きさはさっきの一体の半分。
lw´‐ _‐ノv「機動力重視ですか・・・」
その数、十体。
lw´‐ _‐ノv「!」
剣を尽き立て、巨大な騎士がその束縛を断った。
シュールは挟まれる形となる。
lw´‐ _‐ノv「本格的にまずいですね・・・」
一斉に騎士が動き出す。
lw´‐ _‐ノv「っ!」
真上から振り下ろさせる剣を転がって避ける。
そこには別の騎士が待ち構えていた。
そのまま二転三転し、壁際による。
息をつく暇もなく、数体の兵士が飛びかかる。
lw´‐ _‐ノv「【空気】と【空気】の合成!」
一瞬で巨大な壁を作り、騎士む?阻む。
が、それは逃げ場と視界を塞いでしまった。
- 19 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:14:51.47 ID:XU+HebUh0
-
最も巨大な一体がその剣を薙ぎ払うように振る。
その攻撃は、空気の壁に対して最も有効な斬撃。
豆腐を割くように合成を破壊し、剣が迫る。
lw´‐ _‐ノv「!」
逃げ遅れ、衝撃を覚悟するシュール。
そのマントの力で、体が半分になることはないが、それに似た恐ろしい衝撃が全身に走る。
lw´‐ _‐ノv「っげっほ・・・」
腹部へのダメージは深刻だった。
かなりの内出血をしているだろう。
lw´‐ _‐ノv「まずい・・・逃げないと!」
迫りくる騎士達の剣から距離をとるために、元来た道を走る。
lw´‐ _‐ノv(・・・かなりひどい・・・)
脇腹を抑えつつ走る。
幸い騎士の身体能力はそこまで高くないようだ。
最初に入ってきた広場に至る。
先ほど閉じ込めた兵はすでに脱出していた。
ここにいないことを見ると、外に逃げたのかもしれない。
- 21 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:16:38.78 ID:XU+HebUh0
-
lw´‐ _‐ノv「はぁ・・・はぁ・・・ふぅ・・・」
シュールの雰囲気が変わる。
息を整えながら、合成に集中する。
彼女の周りの空気が明らかに変化する。
lw´‐ _‐ノv「いくよ・・・超広域合成! 【空気】と【空間】の合成ッ!!」
シュールの叫びは響き渡った。
その声と同時にその場に変化をもたらす。
全ての人形が一瞬で動かなくなった。
lw´‐ _‐ノv「っはぁ・・・。出てきなよ・・・」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「何したの?」
上から声が降ってくる。そこを見ると、二人の少女が座り込んでいた
lw´‐ _‐ノv「空気がその場から動かないようにしたのさ。こっち側の」
騎士達の方を指差し
lw´‐ _‐ノv「通路全体の空気移動を完全に止めた。
剣だって初速がなければ大した武器にはならないよ」
- 23 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:18:07.52 ID:XU+HebUh0
-
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「その状態でまだ戦えると思ってる?」
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「もうやめようよぉ。死んじゃうよ?」
lw´‐ _‐ノv「ご心配なく」
荒い息を整えながら、体を起こす。
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「でもね、いくらでも出せるんだよ。【床】と【人型】の合成」
先ほどの騎士が床から次々と現れる。
数も倍ほどになっている。
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「【人形】と【命】の合成!」
lw´‐ _‐ノv「その合成は、あなたの命を縮めてしまうのでは?」
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「私の命はオサム様のもの。オサム様の役に立つためなら、死んだって構わないもん」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「そんなわけで、死んでください」
騎士が声のない咆哮を上げる。
まるで、生きている人間のように。
lw´‐ _‐ノv「っ! だから! 相性が! 悪いって!」
言葉を切りながら、バックステップで距離をとる。
騎士達は距離を開けずに食らいついていく。
- 26 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:19:29.73 ID:XU+HebUh0
-
lw´‐ _‐ノv「マズっ!」
シュールの後ろは塔の門。
騎士は半円状にシュールを取り囲む。
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「終わりだよぉ」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「死んじゃえ!」
数十の刀が振り上げられる。
それらがシュールに致命傷を与えるのは間違いないように思えた。
いや、新たな侵入者さえいなければ、ためらいもなく振り下ろされていただろう。
爆音とともに扉が内側に向かって爆ぜ、渦状に捻れる。
( ^ω^)「げほっ! やりすぎだお」
( ゚∀゚)「まぁ、入れたんだからいいじゃねぇか」
( ^ω^)「こんな入り方したら、敵に見 ??かるお」
('A`)「もう遅いみたいだな」
ドクオの視線の先には敵意を剥き出しにしている二人の少女。
- 28 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:21:29.58 ID:XU+HebUh0
-
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「な、何者ですか!?」
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「敵なのですか?」
しかし、二人の少女よりも尚驚いているのはシュールだ。
lw´‐ _‐ノv「あなた達がどうしてここに!? いや、どうやって!?」
( ^ω^)「秘密ですお。じっとしてられなかったんですお。ヒート達を助けに、そして」
( ω )「敵をとるためですお」
とても子供とは思えないほどの悪意。
lw´‐ _‐ノv「これを、着ていきなさい」
シュールはコートを脱ぎブーンに渡した。
lw´‐ _‐ノv「今、最上階でオサムとフォックスが戦ってるわ。あなたは不意打ちに徹しなさい ?
( ^ω^)「わかりましたお」
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「生かせるわけが」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「ありません!」
- 30 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:23:40.44 ID:XU+HebUh0
-
突然の侵入者により下ろされていた剣を騎士達は再び振り降りあげる。
lw´‐ _‐ノv「二人は私の援護をお願い。ブーンは早くいきなさい!」
( ^ω^)「ありがとうございますお」
ベクトル合成で真上に落下していくブーン。
('A`)( ゚∀゚)「了解!!」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「なめないで」
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「ください!」
lw´‐ _‐ノv「細い方! まゆげ! 騎士の動きを止めて!」
('A`)「はい! 【地面】と【軟度】の合成!」
( ゚∀゚)「はい! 【剣】と【上昇ベクトル】の合成!」
騎士達は沼にはまったように、地面に足を取られバランスを崩??。
剣はジョルジュの合成により手の届かない位置に浮かんでいる。
lw´‐ _‐ノv「【空気】と【階段の形】を合成!」
作り出された階段を駆け上り、取り出したナイフを二人の幼き合成士に向ける。
lw´‐ _‐ノv「投降してください」
- 32 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:25:20.74 ID:XU+HebUh0
-
凶器を向けられても二人の少女は動かない。
すでに瞳からは光が失われていたのだから。
lw´‐ _‐ノv「なんで・・・・・・」
疑問もつかの間、塔に子供の声が響きわたる。
('A`)「どういうことだ!?」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「キャハハハハハハハハ」
( ゚∀゚)「気持ち悪ぃな」
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「アハハハハハハハハハハ」
lw´‐ _‐ノv「二人ともすぐに建物から出て!!」
シュールは誰よりも早くこの異様な事態を理解した。
そして、可能な限りの早さで危機を伝えた。
それでも、間に合わなかった。
ドクオとジョルジュの腕が地面から突き出た刃?≪よって切断されていた。
('A`)「ああああああああ」
( ゚∀゚)「嘘……だろ」
lw´‐ _‐ノv「斬られた腕を持って外にでろ!!」
- 34 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:26:49.94 ID:XU+HebUh0
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シュールの声で現実に引き戻された二人は、あまりの痛みにその場で意識を失って倒れてしまう。
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「あの二人死んだね〜」
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「死んだね〜」
どこからともなく聞こえてくる声。
lw´‐ _‐ノv「そんなことをすれば、元に戻れなくなりますよ!」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「おまえ達を殺せるなら」
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「体なんていりません」
その言葉を皮切りに無数の刃が壁からシュールに向かって延びる。
lw´‐ _‐ノv「っ! 【空間】と【固定座標】の合成!」
シュールの周りで空間の連続性が否定される。
刃はその身に届かな ??。
lw´‐ _‐ノv(時間がないっ!)
ドクオとジョルジュからは大量の血液が失われつつある。
早く治療しなければ、間違いなくその命を失ってしまう。
- 36 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:27:42.89 ID:XU+HebUh0
-
lw´‐ _‐ノv「・・・・・・仕方ありませんね」
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「命を分け与える合成と」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「形を操る合成は」
i!iiリ゚ ヮ゚ノルヽiリ,,゚ヮ゚ノi「巨大建造物でさえ意のまま」
塔が震える。
それに併せてドクオとジョルジュを飲み込むように底が口を開く。
lw´‐ _‐ノv「つ! 【空間】と【固定座標】の合成」
開いた穴の真上から二人は動かない。
流れ出る血液が目に見えない空間の床に広がる。
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「時間稼ぎ?」
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「時間を無駄にしていいの?」
lw´‐ _‐ノv「【空間】と【空間】の合成」
そう言うと、シュールは自らを覆う不可視の壁の中に消えた。
i!iiリ゚ ヮ゚ノル ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「!?」
二人の少女は見失ったその姿をすぐに見つけだすことができた。
- 39 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:29:07.39 ID:XU+HebUh0
-
lw´‐ _‐ノv「二人とも、巻き込んでごめんね」
倒れている二人を覆っている空間の中にいた。
二つのものをただ合わせるだけの単純な合成だが、離れた場所どうしを合成し、
自由に移動できるようにする合成も可能だ。
切断面を合わせ合成する。
体と離れた二人の腕は傷跡を残すことなくあるべき場所に戻った。
lw;´‐ _‐ノv「今の私にあなた達を倒すことはできません」
少年達の治療を終えたシュールは、頭を抱えながら立ち上がった。
額には汗が浮かび、足下はおぼつかない。
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「当然!」
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「私たちを倒すということはこの塔を崩すということと同じだもん」
lw´‐ _‐ノv「ですから、せめてあなた方が他の方の戦いを邪魔できないようにさせてもらいます」
シュールは一人隔離空間をでて、螺旋階段の中心に立つ。
i!iiリ゚ ヮ゚ノル「させないもん!!」
地面から現れた刃が今度はシュールの胸に突き刺さった。
- 40 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:29:57.91 ID:XU+HebUh0
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ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「どうだ!」
lw´‐ _‐ノv「合・・・成しの・・・力の元は・・・分・・・かります・・・k?」
口から血を吐きつつ、静かに問う。
lw´‐ _‐ノv「【塔】と【現在の形状】を合、成」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「さっさと死んじゃえ!」
少女が叫ぶが、何の変化も起こらない。
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「なんで・・・・・・?」
シュールは応えない。
質問に答えることはできない。
命を用いて行った合成は、塔と一体化した二人の合成を上から包み込み、その形態変化する力を奪った。
かくして、一つの戦いに終止符が打たれた。
- 44 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:32:54.09 ID:XU+HebUh0
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塔の中段。
長く続く螺旋階段の踊場がある階層。
【方向】の合成士達は互角の戦闘を展開していた。
( ゚∋゚)「同じ情報だと、やりにくいものね」
ハハ ロ -ロ)ハ「そうだね。消耗戦になりそうじゃないか」
ハローの操る瓦礫がクックルに全包囲から迫る。
しかし、それらを自らが高く飛び上がることで難なく避けるクックル。
( ゚∋゚)「これなら、どう?」
飛び上がった勢いのままハローに急接近する。
ハハ ロ -ロ)ハ「隙だらけだよ」
散らばっている瓦礫が中空に浮き、二人の間を遮るようにまばらに展開する。
クックルは最速のスピードを耀??とさないまま一つのかけらを蹴り飛ばした。
その巨体を移動させていた全てエネルギーをその欠片に移動させ、弾丸のような速度で弾き飛ばす。
ハハ ロ -ロ)ハ「っと」
その欠片の合成を操作することで難を逃れるハロー。
- 47 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:34:53.93 ID:XU+HebUh0
-
( ゚∋゚)「あれだけの速度があっても反らせるのね」
ハハ ロ -ロ)ハ「君だってエネルギーを瞬時に移動させるなんて」
( ゚∋゚)「やるわね」
ハハ ロ -ロ)ハ「やるじゃん」
再び一定の距離を取り合って向かい合う。
言葉を発さず両者共その周りに複数の瓦礫を配置していく。
その結果、踊り場はプラネタリウムのように飾られる。
( ゚∋゚)「来ないの?」
ハハ ロ -ロ)ハ「そっちこそ」
お互い一歩たりとも動かない。
永遠に続くであろう沈黙は予想外の人物が破ることとなった。
( ^ω^)「おおおおおおおおおおおお」
( ゚∋゚)「!?」
ハハ ロ -ロ)ハ「!?」
階段を飛び上がって現れたのはブーン。
( ^ω^)「クックルさん!」
( ゚∋゚)「なんで、こんな所にいるの!?」
- 49 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:36:03.03 ID:XU+HebUh0
-
( ^ω^)「・・・・・・仇を討ちに」
ハハ ロ -ロ)ハ(オサム殿のところに行く気・・・? 行かせない!)
( ^ω^)「おっ!」
複数の欠片がブーンへと迫り、それをクックルの操る物体が受け止める。
( ^ω^)「ありがとう・・・ございますお」
( ゚∋゚)「さっさと逃げなさい!」
ブーンに向かう破片を器用に撃ち落とす。
ハハ ロ -ロ)ハ「死になさい!」
( ^ω^)「死にませんお! 【瓦礫】と【ベクトル】の合成!」
巨大な瓦礫がブーンとハローの間を遮る。
ハハ ロ -ロ)ハ「!?」
( ゚∋゚)「なんで・・・・・・? ?
( ^ω^)「ブーンの情報は【心】じゃないんですお」
( ゚∋゚)「・・・・・・いいわ。上に行ってフォックスの手助けをしてきなさい」
ハハ ロ -ロ)ハ「行かせるわけないよ!」
- 51 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:36:53.50 ID:XU+HebUh0
-
( ゚∋゚)「あなたの相手はわたし」
ブーンがさらに上階に飛び上がったのを皮切りに激しい攻防戦が始まる。
絶えることのない衝撃音とそれに比例して舞う 粉塵が視界を狭める。
ハハ ロ -ロ)ハ「くそっ!」
( ゚∋゚)「はっ!」
ぶつかっては離れ、離れては物質を飛ばしあう。
踊り場はすでに原形をとどめていない。
( ゚∋゚)「これじゃあホントに終わらないわね・・・・・・」
ハハ ロ -ロ)ハ「まだ隠し玉があるんでしょ?」
( ゚∋゚)「早くフォックスの手助けに行かないといけないの。奥の手を使わせてもらうわ」
クックルはコートの内ポケットから円錐型の物質を取り出し、自らの周りに浮遊させる。
ハハ ロ -ロ)ハ(オサム殿に限って、万が一はないだろうけど・・・・・・早く終わらせるに限るね)
ハローは腹部に何重にも巻いていた非常に長い布を外し、中に浮かべる。
その素材は北国で独自に開発されたもので、銃弾にも耐えうるものだ。
お互いの様子は、粉塵によって見えない。
- 55 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:39:44.88 ID:XU+HebUh0
-
煙が一部晴れ、二人は同時に相手の姿を確認した。
( ゚∋゚)「おおおおおお」
動いたのはクックルだった。
全身を回転させ、彼の可能な限りの速度で正面からハローに向かう。
前進と共に回転する円錐形の物質は超高速で自転、彼の頭の前を中心にして公転を行っている。
普通の服と比べて明らかに長い二本の襟は、螺旋状に組み合い、彼の頭部を保護するように位置する。
ハローはその布を守りに使うのではなく、槍のような形状に捻り、回転しながら迫るクックルの真上から叩き落とした。
火花が散り、一瞬で結果が出た。
( ゚∋゚)「ぐうっ・・・・・・」
まるで神が投げたかのように地面に突き刺さる布。
それはクックルの体を貫き、地面に固定していた。
ハハ ロ -ロ)ハ「っくそ・・・・・・」
しかし、クックルの合成はハローの予想通りに、その場で停止することはなかった。
彼が維持し続けた合成は彼女の腹部に突き刺さった。
- 57 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:40:59.40 ID:XU+HebUh0
-
威力自体はすでに大したものではなかったのだが、その先端には神経毒が塗ってあった。
それが体内に侵入し、彼女もまたうつ伏せに倒れた。
( ゚∋゚)「っげふっ・・・・・・なんで・・・・・・・布に・・・・・・」
ハハ ロ -ロ)ハ「毒なんか・・・・・・どこで・・・・・・」
二人の疑問は解かれることはなかった。
二つ目の決戦は、ここに終わった。
戦いの舞台は物語の始まりの島に移る。
- 59 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:42:26.59 ID:XU+HebUh0
-
ちょっとした違和感を感じ、ナオルヨは体を最大限に捻った。
('(゚∀゚∩「なっ!」
体があった場所の空間がゆがみ、突風が発生する。
バランスを崩したナオルヨはその風に対応できず、羽が【その点】に触れてしまった。
('(゚∀゚∩「嘘・・・・・・だろ」
一瞬で片方の羽が消し飛んだ。
('(゚∀゚∩「まずい。【自分】と【想像】の合成!」
羽を作り直し、体勢を整える。
目の前にいる大男は追加攻撃を仕掛けようとはしてこなかった。
〈::゚−゚〉「おい・・・避けたか」
('(゚∀゚∩「何だテメェ!」
〈::゚−゚〉「おい。北の国参謀、ィシだ。オサムの命により、VIP島を奪いにきた」
('(゚∀゚∩「やらせるかよっ!」
ナオルヨは全力で殴りつけた。
しかし、その拳はィシには届かず、その寸前で止まっていた。
- 64 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:44:31.62 ID:XU+HebUh0
-
〈::゚−゚〉「おい、おまえの相手をするのは惜しい。あの二人とでも遊んでおけ」
ィシの指差す先には、他のものとは多少形が違う戦艦。
その先端に子供が二人たっていた。
('(゚∀゚∩「なめんなっっお?」
真横から不可解な衝撃を受け、戸惑う。
その隙にィシは姿をくらました。
('(゚∀゚∩「さっさと潰して追いかけるか」
*(’’)*「行かせないの」
( ∵)「不行」
('(゚∀゚∩「邪魔邪魔ぁ! 【右腕】と【想像】の合成!」
巨大な太刀に変化した右腕が振りおろされた。
船のど真ん中に巨大な亀裂が走る。
*(’’)*「水の中にたたき落と??てやるの」
何らかの情報で空中に浮かぶ少年少女。
( ∵)「把握」
- 66 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:45:40.53 ID:XU+HebUh0
-
('(゚∀゚∩「出来るもんなら、やってぇっっ!? 頭が……っ!」
( ∵)「笑」
頭を抑え、距離をとろうとするが真上から重たい衝撃を受け、合成をといてしまう。
*('')*「呆気なかったの」
( ∵)「後!」
*('')*「ひぎぃっ!」
水中から飛び出たナオルヨの巨大な金槌が直撃し、吹き飛ぶ。
その姿は何とも形容しがたいものであった。
あえて一言で言うなら人魚、であろうか。
中性的な顔立ちの彼にその格好が似合っていないことはなかった。
だが、どこの御伽噺に左手が巨大な金槌、右腕が大太刀の人魚がでてこようか。
('(゚∀゚∩「へっ! 俺の合成は自分に想像上の力を与えることができる。陸海空どこでも戦えるんだよ」
*(’’)*「このやろおっ!」
不可視の攻撃が来ると察したナオルヨは水の中に潜る。
( ∵)「苛々。合成!」
ビコーズは片手を海に浸け、合成を行った。
- 68 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:47:08.30 ID:XU+HebUh0
-
同心円状に波が生まれる。
('(゚∀゚∩「テメェの情報はわかった。もう眠れ」
いったん離れ、空中を移動していたナオルヨはソナーにかかることはなく、二人がそれに気づき、
視界に入ったときにはすでに遅かった。
*(’’)*「っ!」
( ∵)「苦・・・・・・」
流れるような動作で、意識を断った。
('(゚∀゚∩「さて、どうするかな」
少年と少女を両脇に抱え、悩む。
(´<_` )「聞こえるか?」
空間の歪みから聞こえてくるオトジャの声。
('(゚∀゚∩「敵側の子供合成士を撃退しました。今、抱えています」
(´<_` )「しばらく、指揮できそうにない。戦艦への攻撃は、お前が仕切れ」
('(゚∀゚∩「は、はい!」
- 70 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:48:15.88 ID:XU+HebUh0
-
脇に抱えた子供を壊れた船から脱出しているボートに預け、後からきた合成士達と合流した。
〈::゚−゚〉「おい、つまらんな・・・・・・」
大男の周りは真っ赤に染まっている。
十数もの肉片と共に。
危険を察知し、いち早くオトジャが来なければ、犠牲は二桁に留まらなかったもしれない。
(´<_` )「久しぶりだな、ィシ」
〈::゚−゚〉「おい、俺を止められる人間はいないだろ・・・・・・」
(´<_` )「一人ならそうかもしれない」
空間が裂け、モラズが現れる。
( ・∀ ∀・)「命にかえても」「ここであなたを殺します」
〈::゚−゚〉「おい、二対一か。それでもまだ足りないだろうな」
ィシがいきなり二つ空間の歪みを生み出す。
それを受けて、オトジャとモラズはすぐに埋め合わせる【空間】合成を行った。
- 72 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:49:02.29 ID:XU+HebUh0
-
〈::゚−゚〉「このくらいなら、ついてくるか。ならば・・・・・・」
空間を内側に無理やり圧縮合成することによって生まれる、無の空間。
それは、元に戻ろうとする過程で容赦なく直近の物質を飲み込む。
その技に対抗できるのは、同じ空間合成士に限られる。
(´<_` )「くっ・・・・・・」
( ・∀ ∀・)「早すぎる・・・・・・」
ィシの生み出す歪みは二人で埋め合わせていても追いつかないほど速く作られる。
三人の周りは隕石が落ちたかのような惨状になっていく。
樹木や地面が抉り取られる。
〈::゚−゚〉「おい・・・・・・やはり、座標固定が難しいな」
(´<_` )「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
( ・∀ ∀・)「圧倒的すぎる・・・・・・」
〈::゚−゚〉「少々力を使うが・・・・・・・ここら一体を消し飛ばすのが早いか」
ィシの攻撃は空間合成であり、同じ情報を持つ二人にとって防げないことはない。
しかし、圧倒的な攻撃速度は二人の処理速度を十二分にオーバーしている。
一か所にとどまらないように、動き回りながら直撃しそうなものだけを選び、対消滅させる。
- 73 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:49:57.33 ID:XU+HebUh0
-
(´<_` )「来る・・・・・・」
大きな合成が行われることを肌で感じるオトジャ。が、わかっていても防げない攻撃というものは存在する。
次の攻撃がそれに当たるであろうことを理解し、全力で迎え撃とうと力を集中する。
( ・∀ ∀・)(私たち二人が命を犠牲にしても勝てるかどうか・・・・・・しかし賭けてみるしかありませんね)
〈::゚−゚〉「おい、いくぞ」
( ´_ゝ`)「待て! こっちにこい!」
強力な三つの力が顕在しようとする直前に、アニジャが放った手榴弾が爆発する。
砂埃が舞い上がり、視界を塞ぐ。
(´<_` )「いったん引くぞ!」
( ・∀ ∀・)「わかりました」
視界が開けた時には、ィシと向かい合った二人の合成士はいない。
(´<_` )「まずいな・・・・・・予想以上の力だ」
( ・∀ ∀・)「どうしましょうか?」
アニジャが作り出した一瞬の隙を見て、空間合成で本部に戻ってきた三人。
今この場所にいるのは、エクストと荒巻の二人だけだろう。
- 77 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:52:02.12 ID:XU+HebUh0
-
( ´_ゝ`)「あいつを殺さなければ、この戦争は勝てない」
(´<_` )「しかし、能力で圧倒的に劣ってる。多少のことじゃあ、ひっくり返せない」
会議区のテーブルで顔を合わせて知恵を出し合うが、決定的な作戦が出て来ない。
(´<_` )「あいつは、全身の周りの空間を合成して、壁を作っている。
それだけに力を込めるとすれば、俺たちにはそれを破れない」
( ´_ゝ`)「体内に直接合成はできないのか?」
( ・∀ ∀・)「完璧に体内に、というのはできないんです。
私たちは目で見える空間の座標を合成しているわけな」
足音が聞こえ、モラズは言??を止めた。
/ ,' 3「どうしたんじゃ?」
<_プー゚)フ「どうされたのですか?」
居残り待機組の二人が会話を聞きつけて会議区に駆けつけてきたのだ。
オトジャたちは状況を説明する。
/ ,' 3「そいつを倒せばいいんじゃな?」
<_プー゚)フ「可能でしょうか?」
( ´_ゝ`)「やらなけりゃ、俺たちに未来はない」
- 79 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:53:04.83 ID:XU+HebUh0
-
話し声だけが細々と聞こえる、戦争とは切り離された空間。
だが、十分な時間は与えられなかった。
/ ,' 3「来おったの・・・・・・」
天井の合成に違和感を感じた荒巻が告げる。
〈::゚−゚〉「おい、こんなところにいたのか」
会議区のちょうど目の前にィシは立っていた。
天井は四角く取り除かれている。
( ´_ゝ`)「早いな・・・・・・」
〈::゚−゚〉「お前らを殺せば、後は雑魚だけだ」
/ ,' 3「舐められたもんよのぉ。お前さん・・・・・・早死にするぞ。
いや、今ここで儂が殺してやろうか?」
島内の誰も見たことがない荒巻の「本??」。
視線だけで蛙どころか、熊でさえおびえて逃げ帰ってしまうのではないかとさえ思える。
〈::゚−゚〉「年寄りが。逃げれば長生きができるぞ?」
/ ,' 3「ほほほ。結構。始めようじゃないか」
言葉と同時にィシの足元が一瞬で崩れ、底の見えない闇が広がる。
空間を合成し、その上に立っているのであろうィシはさらに合成をおこなう。
- 81 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:54:26.28 ID:XU+HebUh0
-
複数の空間の歪はオトジャとモラズがひとつ残らず処理しきる。
<_プー゚)フ「終わりです。【彼の男の周り】と【暗黒】の合成」
闇が球体になり、ィシを閉じ込める。
物理的壁ではないが、視界がなければ空間合成は不可能だろう。
( ´_ゝ`)「オトジャ、行くぞ。魂の探査」
(´<_` )「おk、アニジャ」
アニジャの情報は【魂】。その魂の存在する位置を特定することが最も得意な合成だ。
( ´_ゝ`)「A554B21C98 だ」
(´<_` )「了解。空間合成。
おおおおおおおおおおおお」
オトジャは目の前の裂けた空間にナ ??フを突き立てた。
赤黒い液体がその裂け目から流れ出す。
しかし、それは予想されている量よりも圧倒的に少なかった。
( ´_ゝ`)「おかしい・・・・・・心臓を狙ったはずだ」
- 83 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:55:30.53 ID:XU+HebUh0
-
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
叫び声は反響し、人の声の域を超えて、耳に届く。
その場にいるVIP島の面々は思わず身震いをした。
闇を中心に爆発が起きた。
エクストの合成は耐えきれず霧散してしまう。
〈::゚−゚〉「殺してやる・・・・・・」
右手から血を流しながら、怒り狂うィシ。
一瞬で数十もの空間圧縮と空間膨張が起き、隠れ家の中に一時的に嵐が吹き荒れる。
ィシ以外の人間はその場に立っていることっさえできなかった。
荒巻とエクストは壁際に倒れ、モラズは??の場にうつ伏せに倒れていた。
オトジャを空間圧縮の場から救ったせいで、アニジャの右腕から先はない。
- 84 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:56:24.01 ID:XU+HebUh0
-
( ´_ゝ`)「すまん・・・・・・な・・・・・・」
顔からは血の気が失せ、目の焦点もあっていない。
(´<_` )「アニジャ・・・・・・なんで!」
( ´_ゝ`)「今は、俺のことより、あいつを!」
〈::゚−゚〉「殺してやる・・・最大限の苦しみを与えてから・・・殺してやる」
再び放たれる悪夢のような合成。
それは、アニジャを穿つ。
左腕、右足、左足。
同時に三ヶ所が潰れた。
(; ´_ゝ`)「ぐああああああああ!!」
(´<_` )「くそっ! 死ねぇ!!」
オトジャの合成をィシは容易にに相殺する。
〈::゚−゚〉「お前もすぐに殺してやるさ! だが、まずはこいつだ」
空間圧縮によって起きる空間の穴は、アニジャの体を食い潰していく。
おびただしい量の血液は、1人の男の生命活動の停止を意味していた。
- 86 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:58:08.89 ID:XU+HebUh0
-
〈::゚−゚〉「はははははは。お前ら全員、こうなるんだよ」
(´<_` )「・・・・・・殺してやるっ!」
〈::゚−゚〉「お前は最後にしてやる。それまでに人生の復習でもしておけ」
繰り出されるオトジャの空間圧縮は全て相殺される。
その間にも、ィシはモラズの方に近寄っていく。
〈::゚−゚〉「次はお前だ」
蹲っているモラズの前に立ち、合成を行う。
が、その攻撃は風を生み出すだけに終わった。
/ ,' 3「足元が・・・留守じゃぞい・・・っげほっ・・・」
荒巻の合成がィシの足元を動かし、合成の照準をずらしたのだ。
〈::゚−゚〉「貴様・・ ?≫・・・っ!」
<_プー゚)フ「気づくのが・・・遅いですよ・・・」
エクストの操る闇が再びィシを包み込む。
〈::゚−゚〉「無駄だと・・・・・・」
- 88 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 20:59:24.67 ID:XU+HebUh0
-
(´<_` )「無駄にはしない。空間合成!」
オトジャは暗闇の外から中に、複数の細い立方体を無理やり合成した。
そこにあるものは、合成された空間が優先される故に、破壊される。
〈::゚−゚〉「があああああああああああああああああああ」
叫び声が一回あがったっきり、物音は聞こえない。
<_プー゚)フ「やりましたか?」
(´<_` )「まだ合成は解くなよ」
/ ,' 3「駄目押しじゃ」
荒巻が天井の合成の一部を解く。
崩れた天井は霰のように黒き空間に降り注いだ。
(´<_` )「空間合成が解けた」
言葉と同時にエクストの合???の中から落下するィシ。
地面には真っ赤な花が咲く。
- 91 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:01:33.53 ID:XU+HebUh0
-
〈::゚−゚〉「貴様・・・ら・・・っ」
/ ,' 3「しぶといのぅ・・・・・・。地獄の底で眠れ」
ィシの倒れている地面が大口を開け、彼の体を飲み込んだ。
割れ目はすぐに元に戻り、戦場はある程度の形を取り戻した。
(´<_` )「アニジャ・・・・・・」
その視線の先はもはや人間の形を留めていない兄弟の亡骸。
/ ,' 3「埋めてやらねばなるまい」
(´<_` )「少しだけ・・・1人にしてください」
乾燥した喉から絞り出される声。
( ・∀ ∀・)「では、私は戻って指揮を執ってきます」
モラズは戦地に戻り、荒巻とエクストはその場を後?≪した。
(´<_` )「アニジャ・・・・・・静かに眠ってくれ・・・・・・。この戦争、必ず勝つ。
【ここの空間】と【外の空間】を合成」
アニジャの遺骸を隠れ家の上に移動させ、上から土を被せた。
- 92 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:03:08.00 ID:XU+HebUh0
-
(´<_` )「今は、これだけで我慢してくれ」
木の枝を目印に立てておく。
(´<_` )「行くか・・・・・・」
空間の隙間に入り、戦いの場所に向かった。
(´<_` )「現状は?」
急に表れたオトジャに驚く様子もなく、淡々と答えるモラズ。
( ・∀ ∀・)「数十隻は沈めてますね。砲弾によりこちらにも被害は出ていますが・・・・・・」
(´<_` )「このままごり押しでいけそうか?」
( ・∀ ∀・)「ちょっとわかりません。ナオルヨを中心とした飛行可能部隊が主力ですが、何分数が少ないので。
新たな合???士が出てこない限り、負けることはないと思います。
砲弾は防げていますし、地上戦になれば数倍の戦力で攻めることができますから」
(´<_` )「そうか・・・・・・後は北の国に攻めに行ったあの人達次第ってことだな」
- 94 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:05:00.10 ID:XU+HebUh0
-
水柱が上がりまた一つ戦艦が傾き、沈んでいく。
大破し、沈んだ戦艦のせいで後ろの艦隊は動くことができなくなる。
戦線は島から遠ざかっていくばかりだ。
( ・∀ ∀・)「願いましょう。彼らの無事と、勝利を。私たちにできるのは、それだけです」
(´<_` )「ああ・・・・・・」
- 97 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:07:09.61 ID:XU+HebUh0
-
北の国の都市に聳える塔。
その頂上近く、謁見の間で行われている戦いは、
この戦争の全てのカギを握っている、と言っても過言ではないだろう。
爪'ー`)y‐「ぐっ・・・・・・」
オサムの右腕が部分がフォックスを壁に叩きつける。
】( ゙ゞ゚)【「得意の合成はどうした?」
爪'ー`)y‐「くっ・・・・・・。【右手】と【砕ける】の合成」
【砕く】力を与えられた右手の攻撃は、その能力を発動しなかった。
】( ゙ゞ゚)【「どうした?」
金属でコーティングされた腕には傷一つ付いていない。
爪'ー`)y‐「そんな馬鹿な・・・・・・」
】( タ?ゞ゚)【「技術は常に進歩している。貴様の知らない物質を生み出していても
おかしくないだろう?
お前の【能】は知らない物質には作用しまい」
- 98 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:08:20.62 ID:XU+HebUh0
-
フォックスを握りつぶすように、手が狭まっていく。
爪'ー`)y‐「ぐぐぐぐ・・・・・っあ!」
壁を破壊し、外に飛び出る。
】( ゙ゞ゚)【「小賢しいことを・・・・・・」
爪'ー`)y‐「【全身】と【飛べる】を合成!」
急上昇し塔の頂上に立ち、息を整える。
オサムは塔の壁にごつい爪を立て、垂直に登ってくる。
】( ゙ゞ゚)【「逃げれば助かったものを」
爪'ー`)y‐「背負っているものの大きさが違うのですよ」
】( ゙ゞ゚)【「世迷いごとだ」
爪'ー`)y‐「想いの強さが合成士としての強さ。あなたは習っていないでしょうが」
距離を詰め、鎧の上から殴りつける。
爪'ー`)y‐(やはり堅い・・・・・・)
】( ゙ゞ゚)【「無駄なことを・・・・・・」
その巨大な手でフォックスをつかみにかかるが、
すでに離脱して安全圏に身を置いていた。
- 100 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:09:56.61 ID:XU+HebUh0
-
爪'ー`)y‐「攻撃が通らないのであれば・・・・・・【全身】と【速く動ける】の合成」
可能な限り移動速度を上げるフォックス。
対してオサムはただそれを見ているだけであった。
爪'ー`)y‐(叩き落とすまで!)
最高速で正面からオサムに突貫する。
】( ゙ゞ゚)【「〜〜の合成」
爪'ー`)y‐「な・・・・・・」
嫌な音が響く。
オサムの背中の装甲が床と接続している。
全ての衝撃は最も弱い部分、つまりフォックスの腕に集まる。
】( ゙ゞ゚)【「まだ戦うのか?」
右腕を押さえ、空中に飛び上がるフォックス。
爪'ー`)y‐「攻撃が通らないとしても、命を奪われたとしても、これは負けられない戦いだ」
】( ゙ゞ゚)【「死ぬことが望みなら、その願い、叶えてやろう。〜〜の合成」
- 102 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:11:37.44 ID:XU+HebUh0
-
塔の頂上に牙のように生えている六本の鉄骨。
それらが、鞭のようにしなり、空気を切る。
爪'ー`)y‐「!?」
長さを自在に変える金属の触手は高速で飛び回るフォックスを捉え、オサムの前に叩き落とす。
爪'ー`)y‐「っごほっ・・・・げっほ・・・・・・」
】( ゙ゞ゚)【「残念だったな。この塔自体が私の武器」
爪'ー`)y‐「・・ち・・・ですか・・・・・・」
】( ゙ゞ゚)【「ほぉ・・・・・・わかったのか」
地に貼り付けられているフォックスには口しか動かすことができない。
その唯一動かせる器官で時間を稼ぎ、脳を働かせる。
爪'ー`)y‐「ええ・・・・・・最初は心、魂などとも考えましたが、
それでは、あなたが体をそこまで守るのはおかしいでしょう」
】( ゙ゞ゚)【「しかし、無駄な解析になったな。伝える相手はここにはいない。下の連中を片づけてくるか」
鉄骨がフォックスを貫こうと先端を持ち上げる。
それが振り下ろされる直前に、床が吹き飛び、第三の登場人物が現れた。
「待てお」
- 105 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:14:25.38 ID:XU+HebUh0
-
双方の予想を裏切り、彼は現れた。
その身に憎しみを宿し、島のためではなく、己の親の仇を取るために。
( ω )(殺してやる・・・・・・殺してやる・・・・・・)
このまま登れば、父さんと母さんを殺した国のボスに会える・・・・・・・。
( ^ω^)「絶対に殺してやるお」
言葉にし、意志を一層強く固める。
天井が見えた。あの上か。
( ^ω^)「おおおおおおおおおおおおおお」
壁が壊れてるお。外にいるのかお。そこから出るか?
関係ないお。ぶち壊してやるお。何もかも、全部!!!
- 107 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:15:57.30 ID:XU+HebUh0
-
( ^ω^)「【自分】と【堅さ】の合成」
あいつがオサムか・・・・・・・。
( ^ω^)「待てお」
】( ゙ゞ゚)【「誰だ?」
あいつが身にまとっているのは鎧だろうか。全身隈なく覆っている。
爪'ー`)y‐「ホライゾン! どうやって来たんだ!?」
( ^ω^)「今は関係ないですお! ブーンの両親を殺したのは・・・・・・お前かお?」
】( ゙ゞ゚)【「両親? まさか・・・最強の子供か! そうだとも、私が殺した」
そうかお。これではっきりしたお。お前は絶対に許さない。
( ^ω^)「殺してやるお」
】( ゙ゞ゚)【「お前が? 私を? ふん・・・・・・どうやってきたのか知らんが、冗談は顔だけにしておけ。
死ね!」
- 109 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:17:05.98 ID:XU+HebUh0
-
爪'ー`)y‐「ホライゾン!!」
フォックスさんを押さえている塔の一部が向かってくる。
( ^ω^)「なめんなお!」
床を持ち上げて、それを弾いた。
】( ゙ゞ゚)【「ほぉ・・・・・・少しはやるようだな」
( ^ω^)「死ねえええええええええええええええええええええええ」
( ^ω^)「【残骸】と【意識】の合成!!!!」
塔のあちこちに散らばる鉄の塊を操る。
意識がはっきりしてるのは、怒りのせいか。
】( ゙ゞ゚)【「所詮子供だな」
( ^ω^)「なっ!?」
直撃する寸前で全ての欠片が弾かれた。
爪'ー`)y‐「冷静になれ! ホライゾン!」
( ^ω^)「なれるわけないお!!!」
- 111 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:19:12.58 ID:XU+HebUh0
-
】( ゙ゞ゚)【「私の邪魔をするな!!」
九つの尻尾が逃げ場を塞ぎながら迫る。
爪'ー`)y‐「っ!!!」
( ^ω^)「【床】と【意識】の合成!」
九つ全てを逸らし、受け流す。
】( ゙ゞ゚)【「なかなか優秀な情報を持っているな」
爪'ー`)y‐「【頭】と【砕ける】の合成!」
頭突きで床を壊し、脱出してブーンを掴み、攻撃が届かない高さまで飛び上がる。
爪'ー`)y‐「落ち着け。怒りだけでぶつかっても勝てる相手じゃない!」
( ^ω^)「でも・・・っ! あいつが・・・・・・あいつが父さんと母さんを!」
爪'ー`)y‐「落ち着け!仇む?とるなと言ってるわけじゃない。冷静に戦わなければ返り討ちにされるだけだぞ」
( ^ω^)「・・・・・・どうすればいいんですかお?」
はるか高みから見下ろすと、オサムはただ漫然と立っている。
爪'ー`)y‐「ここではアレの有利になるものが多すぎる。都市の外に出るぞ」
- 113 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:21:54.87 ID:XU+HebUh0
-
( ^ω^)「わかりましたお。後、離してもらっても大丈夫ですお。【全身】と【飛べる】の合成」
爪'ー`)y‐「!? 一体どんな情報なんです?」
( ^ω^)「わかりませんお。でも、あいつと戦うだけの力はありますお!」
】( ゙ゞ゚)【「やっと降りて来たか。退屈で仕方がなかったぞ」
( ^ω^)「落ちろお」
床を盛り上げ、突き飛ばした。
】( ゙ゞ゚)【「ふん!」
塔からは落ちず、背面にある尻尾が壁に刺し体を支えている。
( ^ω^)「っおお!」
体の重さを数倍にして真上から蹴りとばした。
】( ゙ゞ゚)【「ぬぅ」
オサムを支えていた壁が衝撃に耐えきれず、崩壊する。
そのまま、重力に引かれ落ちていった。
( ^ω^)「潰れて死ねお」
- 115 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:23:00.01 ID:XU+HebUh0
-
爪'ー`)y‐「まだだ」
】( ゙ゞ゚)【「っち。〜〜合成」
壁に尻尾を刺し、減速してから地面に降り立つ。
( ^ω^)「この程度じゃ駄目だおか・・・・・・・」
】( ゙ゞ゚)【「降りてこい! 本気で相手をしてやろう!」
( ^ω^)「すぐに終わらせるお・・・・・・・【塔の瓦礫】と【剣の形】の合成」
塔の一部から巨大な剣を作り出す。
全ての情報を操れるはずの僕にならできる。
( ^ω^)「複合合成【剣】と【重く】【鋭く】」
( ^ω^)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
叩きつけるように振り下ろされた剣。
舞い?,?がる土埃。
】( ゙ゞ゚)【「その若さで、この力か・・・・・・今殺せてよかった」
真正面から最大重量+遠心力の攻撃を受けたにもかかわらず、
オサムのダメージは鎧が変形しているだけのようだ。
- 118 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:25:04.76 ID:XU+HebUh0
-
( ^ω^)「堅いお・・・・・・」
爪'ー`)y‐「あいつの体を覆っている金属は最近開発されたものらしい。
私の【能】合成でも砕けなかった」
】( ゙ゞ゚)【「〜〜合成!」
付近の民家が吸い込まれるようにオサムの体に集まる。
金属だけが集められ、鎧を補修、強化する。
( ^ω^)「中に人がいるだろうお!」
】( ゙ゞ゚)【「関係ない。この国では私は神だ」
オサムはその言葉通り、人を超越した姿をしている。
全身を真っ黒な鎧で覆い、大きさはすでに普通の人間の二倍。
背中には巨大な羽と複数の尻尾。
両手には鋭くとがった?a。
神話における悪魔のように、不気味な姿形。
】( ゙ゞ゚)【「死ね」
その長い尻尾の一本が横薙ぎに振られる。
( ^ω^)「っ!」
- 120 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:26:40.97 ID:XU+HebUh0
-
爪'ー`)y‐(郊外に逃げるぞ!)
( ^ω^)「はい」
再び迫る複数の尾を避け、郊外に向かう。
】( ゙ゞ゚)【「逃げるのか?」
長い尻尾を駆使し、追いかけてくる。
何軒かの家がつぶされていくが、今はそれにかまっている余裕はない。
( ^ω^)「ここなら・・・・・・存分に戦えるお」
高い塀を飛び越え、外に出る。
】( ゙ゞ゚)【「どこで戦おうと同じだ」
爪'ー`)y‐「それはどうかな? ホライゾン!!」
( ^ω^)「はいお!」
爪'ー`)y‐( ^ω^)「【両腕】と【断てる】の合成」
- 122 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:29:46.70 ID:XU+HebUh0
-
二人でオサムの足元、九本の金属尾を刈り取る。
付近の家から奪い取った金属でできているそれらは、いとも容易く断てる。
】( ゙ゞ゚)【「無駄なことだ」
爪'ー`)y‐「!?」
刈り取った金属尾はその場で球体になり、オサムの羽に回収される。
数秒後には元通りに尾が生えてきた。
】( ゙ゞ゚)【「私の情報はこの世で最も強い。よく抗った。もう死ね」
羽が形を崩し、数十もの鞭になる。
一本一本が薄く、鋭い。
無数の軌道を描き、鞭が迫る。
( ^ω^)「【全身】と【堅さ】の合成。っつああああああ!!」
全身の硬化によって斬撃を防ぐこ ?¨はできても、その衝撃は防ぎきれなかった。
吹き飛ばされ、二転三転してから止まる。
( ^ω^)「フォックスさん!」
自分のように身体強化できないフォックスさんは・・・・・・。
( ω )「っ!」
- 123 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:31:25.24 ID:XU+HebUh0
-
オサムの背中から延びる刃の一つ、そこに引っかかる人型。
】( ゙ゞ゚)【「お前は独りだ。誰も助けに来ない」
( ^ω^)「独りじゃないお! シュールさんも、クックルさんもドクオとジョルジュだっているお!」
】( ゙ゞ゚)【「誰もここまでは助けに来れない!!」
( ω )「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
】( ゙ゞ゚)【「叫んでも、どうにもなりはしない!!」
迫る刃は視界を真っ黒に染める。
太陽の光でさえ遮られてしまうほどの圧倒的な量の刃。
】( ゙ゞ゚)【「私の情報こそが最強。【形】こ ??この世のすべて!」
( ω )ギリッ
爪'ー`)y‐「それは・・・違い・・・ますよ・・・」
( ^ω^)「フォックスさん!」
】( ゙ゞ゚)【「まだ生きていたのか」
空を覆う刃が動きを止める。
- 124 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:32:26.79 ID:XU+HebUh0
-
爪'ー`)y‐「今・・・わかりました・・・・・・。あなたの・・・【情報】・・・」
爪'ー`)y‐「【形】と・・対する・・情報・・・ホライゾン・・・答えは・・・あなたの・・・心・・・にあ・・・・・・」
( ^ω^)「心・・・・・・?」
最後まで言葉をつなぐことなく、フォックスは命を落とした。
】( ゙ゞ゚)【「ふん、やっと死んだか」
フォックスを貫いている影だけが大きく振られ、その亡骸は遠くに消える。
心がなんだというのだ・・・・・・。
意識を合成した時から、そんなことは考えていた。
でも、それじゃあほかの情報の合成を行うことはできないは??なのに!
( ω )(心・・・・・【形】と対する・・・・・・形のないもの・・・・・・)
】( ゙ゞ゚)【「いつまでも考える時間はやれんな」
( ω )「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
黒く薄い刃が空を覆う。
( ω )「合成!!!!!」
- 126 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:34:31.12 ID:XU+HebUh0
-
鳴り響く金属音。
ブーンを守るように作り上げられた漆黒の盾。
それは、地面から次々と集まってくる黒い粒の集合体。
】( ゙ゞ゚)【「!」
( ^ω^)「わかったお・・・・・・。ブーンの情報」
( ^ω^)「情報を知っている合成士とそうでない合成士には大きな差があるんだお.
知っているかお?」
】( ゙ゞ゚)【「そんなことで埋まる差ではない」
弾いた刃が折り返し迫る。
上下左右全てを埋め尽くし逃げ場を残さない。
( ^ω^)「合成」
一息の間に全ての刃が同時に動かなくなる。
】( ゙ゞ゚)【「!?」
??? ^ω^)「お前は形のあるものを信望しすぎだお。世の中には見えないものもたくさんあるんだお」
】( ゙ゞ゚)【「何を馬鹿なことを・・・。形のないものになど価値はない!」
- 128 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:36:49.38 ID:XU+HebUh0
-
( ^ω^)「違うお!!」
叫びと同時に全ての刃を叩き折った。
】( ゙ゞ゚)【「馬鹿なッ!」
( ^ω^)「ブーンの情報・・・それは」
( ^ω^)「【心象】!! 心の中の全ての情報がブーンの力となるお!!」
】( ゙ゞ゚)【「あり得ない!」
( ^ω^)「形あるものだけを信じてきたお前には、一生理解できないお!
試してみるかお?」
( ^ω^)「【砂鉄】と【意識】の合成!
さらに、【振動】を合成!」
】( ゙ゞ゚)【「なんだ・・・それは・・・」
砂鉄の塊は超振動によってオレンジ色に輝 ??。
( ^ω^)「行けお!」
- 130 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:39:35.12 ID:XU+HebUh0
-
砂鉄がオサムを飲み込んだ。
光が通り過ぎるまでの時間は刹那。
その鎧は大きくえぐられ、むき出しになっている皮膚は真っ赤に爛れている。
】( ゙ゞ゚)【「はぁ・・・はぁ・・・くそがあああああああああああああああああああああああああ!!」
】( ゙ゞ゚)【「合成! 【金属】と【形】」
飛び散った金属は再びオサムに集まり、鎧を構成していく。
】( ゙ゞ゚)【「っつ!!!!」
苦悶の声を漏らすと、オサムは鎧を全てその身から剥がした。
( ^ω^)「超高熱の刃で斬ったんだお。熱で身につけられるわけがないお」
】( ゙ゞ゚)【「こんなとこ ??で・・・こんなところで終われるかっ!
【金属】と【形】!」
散乱している金属の塊がオサムに巻き付き、
振りかぶり・・・投げた。
- 132 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:42:40.15 ID:XU+HebUh0
-
( ^ω^)「逃げる気かお!?」
予想外の行動に対応しきれないでいるうちに、
都市の中心部の方に飛んでいき、見えなくなった。
( ^ω^)「逃がさないお・・・【全身】と【飛べる】の合成!」
('A`)「う・・・ん・・・俺は・・・ッ! 腕! 腕は・・・無事・・・?
ジョルジュ! 起きろ!」
( ゚∀゚)「・・・あ・・・腕ッ! 腕ェ!」
('A`)「無事だよ。あの人は・・・?」
( ゚∀゚)「あれ・・・・・・」
ジョルジュの指さす先には、胸を貫かれ事切れているシュール。
('A`)「敵は!?」
辺りを見回すドクオ。アリの影さえ見あたらない。
「くそー! 最期に邪魔しやがって!」
- 134 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:44:53.55 ID:XU+HebUh0
-
「あんたたちなんか、いつでも殺せるんだからね!」
('A`)「な……なんだ?」
( ゚∀゚)「とりあえず、あの人を助けよう……。あんな風に放っておくわけにはいかないだろ」
('A`)「そうだな……」
( ゚∀゚)「これ壊せるか?」
シュールを貫く刃は壁から生えている。
('A`)「【コレ】と【軟度】の合成……っと駄目だな。別の合成がかかってる」
( ゚∀゚)「ちょっと乱暴だけど、許してくれよ」
そう言うと、両腕で掴み引っ張った。
固まった血が砕け、シュールは刃から解放された。
その体を優しく地面に横たえる。
「くそー!」
「早く解けろ〜!」
('A`)「ここから離れた方がよくないか?」
- 136 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:46:19.25 ID:XU+HebUh0
-
( ゚∀゚)「ああ。【体】と【反ベクトル】の合成」
シュールの体を浮かせ、そのまま引っ張って塔の出口に向かう。
ドクン
('A`)「な、なんだ?」
塔が、動いた。
( ゚∀゚)「とりあえず、早く出よう!」
('A`)「ああ!」
背中にかかる声を無視し、塔を脱出した。
再び、塔が揺れる。
揺れの感覚は次第に短くなり、一定のリズムに収まった。
それは、もはや揺れではなく・・・・・・
('A`)「気持ち悪ぃ・・・」
( ゚∀゚)「心臓の・・・音」
- 139 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:48:47.63 ID:XU+HebUh0
-
ドクン
ドクン ドクン
ドクン ドクン ドクン
塔それ自体が、生き物のように強い鼓動を響かせる。
('A`)「!?」
( ゚∀゚)「!?」
彼らは何が起きたのか理解できなかった。
それが起きたのは、瞬きの間。
塔はその姿を巨大な球体に変えていた。
複数の脚は一本一本が数軒の家を潰している。
( ^ω^)「なんだお・・・アレは・・・」
- 141 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:51:31.85 ID:XU+HebUh0
-
】( ゙ゞ゚)【「貴様を侮っていたことは認めよう。流石は最強と最強の子供だ」
( ^ω^)「やめろお! こんなところで戦うと、無関係の人を巻き込むお!」
】( ゙ゞ゚)【「もう私を止めることはできん。
この姿になってしまえば、元に戻る方法などないのだ」
鉄球から薄く、鋭い金属の刃が無数に生える。
それに比例し、鉄球の大きさは小さくなっていく。
( ^ω^)「ッ!」
最初に風圧を感じた。
次に恐怖を感じた。
風車のごとく回転した刃は地面を抉り、球体を中心にして一つの荒れ地を生み出していた。
( ^ω^)「?ooの命を・・・なんだと思ってるんだお!」
】( ゙ゞ゚)【「ふん・・・。そのように形をもたぬ物など存在している必要はない。
塔の中にいた合成士は全てくたばっていたぞ。ククク・・・」
( ^ω^)「そんなッ! シュールさん・・・クックルさん・・・ドクオ! ジョルジュ!」
( ゚∀゚)「呼んだか?」
いつの間にか隣に浮かんでいる親友達。
- 143 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:52:43.41 ID:XU+HebUh0
-
( ^ω^)「!」
嬉しさがこみ上げてくる。
しかし、その感情をすぐに押し隠し、必要なことを告げる。
( ^ω^)「ヒートたちを見つけて遠くに逃がしてほしいお」
先程の破壊を見れば嫌というほど理解させられる。
圧倒的な破壊力。
無茶苦茶な攻撃範囲
( ^ω^)「出来るだけ遠くに逃げてくれお」
ブーンの言いたいことはその意味を余すところなく伝わった。
二人はすぐにその場から飛び去った。
】( ゙ゞ゚)【「あの虫どもも消してやろう。」
( ^ω^)「お前の相手はブーンだお」
両手を組んで、頭の上に持ち上げる。
その先には、オレンジに輝く細かい砂鉄が集中する。
( ^ω^)「真っ二つになれお」
一息置いて、振り下ろした。
- 146 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:54:51.72 ID:XU+HebUh0
-
金属同士がぶつかり合う甲高い音とともに火花が爆ぜる。
迷うことなく振り抜いた。
】( ゙ゞ゚)【「さっきの鎧と同じようにいくと思うな。密度が違う」
球体の金属がオサムを守る盾を作り出す。
それを半分ほど裂いたところで砂鉄の剣は形を崩していた。
( ^ω^)「そんな・・・・・・」
】( ゙ゞ゚)【「簡単に死んでくれるなよ? 【金属】と【形】の合成」
鎧のときとは比べ物にならない量の刃がブーンを囲う。
( ^ω^)「合成!」
自分の周りの空間を固め、攻撃を防ぐ。
第一陣を凌ぐことには成功した。
しかし、一息つく暇もなく、第二波が押し寄せる。
( ^ω^)「っっぅお!」
- 148 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:56:26.23 ID:XU+HebUh0
-
合成が解ける条件はいくつかある。
そのうちの一つに、合成を維持しうる精神耐久力を越える負担を与えることがある。
上に行くように合成された物質を下に引っ張り続けると、合成士の精神に多大な負担を与える。
それが許容量を超えると、どんな合成でも解けてしまう。
( ^ω^)「くおおおおおおおおおっっっ!!!!」
】( ゙ゞ゚)【「以外に長く耐えるな・・・これなら、どうだ?」
( ^ω^)「!!!!!!」
正面から押し寄せていた鉄の刃に、真上からの攻撃が加わる。
( ^ω^)(まずいおっ! 全身と強度を合成ッ!!!)
合成が破られる寸前に、別の合成に切り替える。
直後、空間を分断していた合成が破れ、正面からの刃に飲み込まれた。
】( ゙ゞ゚)【「死んだか?」
オサムの操作する刃は,ブーンを弾き、数十件の家をそのままの勢いで貫いた。
すぐに刃は回収され、球体に戻る。
( ^ω^)「げっほ・・・」
- 151 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:57:36.59 ID:XU+HebUh0
-
身体強度を強化したおかげで、死ぬことはなんとか免れたが、
衝撃で内臓をやられているのは吐血から明らかだった。
自分の前に見えるのは、巨大な穴。
その先には、黒き球体。
( ^ω^)「負ける・・・わけには・・・行かないお」
もし、オサムの言っていることが真実だとすれば、あいつを止められるのは・・・
殺せるのはブーンしかいない。
ブーンが負けてしまえば、VIP島は滅びてしまう。
( ^ω^)「おおおおおお。【全身】と【飛べる】の合成!」
再び空に舞い戻る。
圧倒的力の差に心砕かれることなく、立ち向かう。
】( ゙ゞ゚)【「生きて??たか」
( ^ω^)(正面から当たっても力負けするお・・・・・・なら・・・ッ!)
( ^ω^)「【現実】と【心象】合成!」
思い浮かべるのは自分の分身。
】( ゙ゞ゚)【「無駄だ」
- 152 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 21:59:13.29 ID:XU+HebUh0
-
風を切る音。
体に走る痛み。
( ^ω^)「ぐっ」
】( ゙ゞ゚)【「私の側につくというのなら、命を助けてやらんこともないぞ?」
分身は全て同時に屠られた。
( ^ω^)(・・・ッ! それなら!)
( ^ω^)「【現実】と【心象】の合成!」
思い浮かべるは高熱の炎。
巨大な火の玉を複数同時に操る。
】( ゙ゞ゚)【「同じような攻撃を何度も・・・無駄だとわからんのか!」
球体がその形を変える。
大きくひずんで現れた形は扇。
数往復の動きで目も開けられないほどの突風が吹く。
風に混じって飛んできた金属の塊が直撃し ?後方に吹き飛び、家を破壊しながら止まった。
(メ^ω^)「っお・・・・・・・・っげっほぉぉぉ・・・・・・」
(メ^ω^)(勝てないお・・・・・。せっかくの情報が全く扱いきれてないお・・・)
- 155 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 22:00:50.63 ID:XU+HebUh0
-
(メ^ω^)(どうすれば・・・勝てるんだお・・・)
あまりにも大きく、高い壁。
(メ^ω^)「ブーンにできるのは・・・全ての情報を操ることだけ・・・・・・」
(メ^ω^)!
(メ^ω^)(一つだけあるお・・・でも・・・)
全ての情報を操ることができるのなら、過去にしか存在しない情報も操れる。
最強と呼ばれた合成士達の【情報】を利用すれば、圧倒的な差も埋まるかもしれない。
(メ^ω^)(ブーンの精神が・・・・・・耐えられるかが問題だお・・・・・・)
彼らはその情報だけで最強と呼ばれたわけではない。
それを使いこなし ?|こその最強なのだ。
(メ^ω^)(あいつを殺すには・・・それしか方法がないお・・・覚悟を決めるしかないお)
- 159 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 22:03:57.25 ID:XU+HebUh0
-
精神を削り取られ、廃人になるかもしれない。
それでも・・・このまま放っておくわけにはいかない。
ジョルジュやドクオ。
ヒートやほかの子供たちを守らなきゃいけない。
(メ^ω^)「やってやるお」
拳を握りしめ、歯を食いしばり、立ち上がる。
】( ゙ゞ゚)【「まだ立ち上がるか・・・・・・」
(メ^ω^)「負けるわけにはいかないんだお!」
】( ゙ゞ゚)【「現状を見てものを言え。愚か極まりない」
(メ^ω^)「お前はもう、余裕を見せることすらできないお。
今からのブーンは最強の合成士。
歴史の重みに埋もれて死ね ??!」
】( ゙ゞ゚)【「生意気な・・・・・・この餓鬼がぁ!!!」
複数の刃は次々と重なっていき、形成された巨大な槍は、初速から最高速を出し、ブーンを貫かんとする。
(メ^ω^)「【物理エネルギー】と【0】を合成」
前触れなく、槍はブーンの目の前で停止する。
- 161 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 22:06:06.59 ID:XU+HebUh0
-
】( ゙ゞ゚)【「馬鹿なッ!!!」
(メ^ω^)(頭が・・・・・・割れそうだお・・・・・・でもっ・・・・・・)
ブーンは苦痛に顔をゆがめながら、次の合成を行う。
(メ^ω^)「【オサムの合成】と【仮定】の合成!」
合成された【仮定】は、【もし、合成をしていなければ】。
金属の槍は球体の根元が崩れ、地面を揺らす。
】( ゙ゞ゚)【「上書き合成だと!? 実力差がなければ不可能なはずだ!!」
(メ^ω^)「歴代最強の合成士の中には、それができる情報を持った人間だっているんだお!!」
(メ^ω^)「合成しなおす暇はやらんお。【金属】と ?一次元】の合成!!」
地面に落ちた槍の存在は一次元に集約され、線となる。
多くの質量を失った球体はその大きさを最大時の三分の二ほどにしている。
(メ^ω^)「まだまだ行くお」
】( ゙ゞ゚)【「死ねええええええ」
金属の喪失を恐れたのか、迫ってくる金属の刃は二本。
それらを紙一重でよけ、掴む。
- 165 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 22:09:10.98 ID:XU+HebUh0
-
(メ^ω^)「【両腕】と【電子操作】を合成」
生みだすは電流。
】( ゙ゞ゚)【「ぐあああああ!??」
(メ^ω^)(はぁ・・・はぁ・・・)
汗が止まらない。
心臓は早鐘を鳴らしている。
視界は朦朧とする。
(メ^ω^)(これ以上は・・・マジで死ぬお・・・・・・あと・・・二〜三回が限界っ)
(メ^ω^)「はぁ・・・はぁ・・・これで、終わりだお。
【世界】と【法則】の合成!!!!」
合成された【法則】は【半分になる】。
真っ二つになる球体。
オサム本体には当たらず、球体の上半分が斜めにずり落ちていく。
】( ゙ゞ゚)【「ぐっ・・・・・・」
次の動作は予想していたものと全く違った。
反撃ではなく、何かを探しているような仕草。
(メ^ω^)「・・・・・・?」
- 168 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 22:11:10.66 ID:XU+HebUh0
-
オサムの視線の先、幼い子供を抱くジョルジュ。
】( ゙ゞ゚)【「ふん」
オサムの口元が嫌らしい笑みかたどる。
考えることができない脳で、考える間もなく、理解した。
刃は伸びる。
間に合わない。
いや、間に合わせる!!
(メ ω )「【オサムの周囲】と【時間】の合成っっっ!!!!」
世界から、音が聞こえなくなった。
それは、自分の合成のせいだけでないこともわかっていた。
精神の、体の限界が近い。
- 170 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 22:13:03.45 ID:XU+HebUh0
-
(メ^ω^)「ジョルジュ! 速く逃げろお!!!!!」
( ゚∀゚)「すまねぇ! こいつで最後だ! ヒートも無事だ!」
叫んで、すぐに飛び去った。
】( ゙ゞ゚)【「何が・・・・・・起きた?」
分かるわけがないお。お前の時間は止まってたんだから。
こっちももう限界だお。
これで決めるお!
】( ゙ゞ゚)【「私の邪魔をするなあああああああああああああああああああああ」
自分を守る金属も全てを攻撃に向けてきている。
好都合だお。
- 172 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 22:14:35.40 ID:XU+HebUh0
-
壁を破る力はもうない。
【木材】と【高温】の合成。
手に持った木材に火をつける。
( ω )「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
最後の合成は決めていた。
- 173 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 22:17:13.92 ID:XU+HebUh0
-
【全身】と【風より速く】の合成!!!!!!!!!!!
向かい来る刃を急下降で避け、一息でオサムの真後ろに立つ。
もう、何も聞こえない。
もう、何も見えない。
だけど、そこにいるのはわかる。
【窒素】に【水素の性質】の合成!!
父さん
母さん
勝ったお
- 174 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 22:18:35.68 ID:XU+HebUh0
-
火のついた木片を放り投げた。
】( ゙ゞ゚)【「ぬああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
長い、長い絶叫が響く。
悲惨な戦争の幕は、ここに下ろされた。
- 177 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 22:20:46.62 ID:XU+HebUh0
-
('A`)「戦争の犠牲はあまりにも多く、島の人口は急激に減ってしまった。
そのせいで生活の質を維持するのが難しくなり、俺達は島から出ざるを得なくなった。
北と東の大陸に移住することに決まり、その日は刻々と近付いている。
そして、移住後には合成士としての能力は使ってはならないことになっている。
いずれ、【合成】という特殊な力は失われるだろう。
強すぎる力は欲を生み、争いの火種となる。この方がいいのかもしれない。
だが、それでは、彼は何のために戦ったのか。
俺は悲惨な戦争のあった過去を忘れたくはなく、ここに書き記すことにした。
俺達の国を救うために戦った友人に捧ぐ」
- 179 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 22:22:34.07 ID:XU+HebUh0
-
5年後。
('A`)「ああ・・・・・・懐かしいな」
( ゚∀゚)「あの頃は皆喧嘩してたっけか」
ノパ听)「そだったねー」
三人で並んで歩く。
('A`)「半年後だっけ?」
ノパ听)「うん!」
一人はおなかの大きい女。
一人は背の低い痩身の男。
一人はがっしりとした男。
- 180 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 22:23:37.98 ID:XU+HebUh0
-
('A`)「入るぞー」
ノックもせずに扉を開ける。
飾り毛も何もない質素な部屋の中。
男が一人、ベットに腰かけていた。
('A`)
( ゚∀゚) 「!!?」
ノパ听)
子供のころと変わらない笑顔で。
( ^ω^)「今日は何日だお?」
───FIN───
- 186 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/11/06(金) 22:44:46.68 ID:XU+HebUh0
-
長々と支援ありがとうございました。
全話通しておおよそ約580レス。
長々とありがとうございました。
これからも稚拙な作品を書き連ねていくとは思いますが、
どうか生温かい目で見守ってやってください。
( ^ω^)は合成士のようです
は、ここで終わります。
本当にありがとうございました。