- 3 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:11:48.35 ID:DvbbOsdy0
-
( ^ω^)そ「はっ」
ベッドにうつぶせに倒れていた。
( ^ω^)「・・・・・・夢? かお」
さっきのが夢だろうが現実だろうがなんでもいい。決心はついた。部屋を出てオトジャさんの部屋に向かった。
( ^ω^)「オトジャさん? 失礼しますお」
ノックして部屋のドアを開けた。
(´<_` )「ん? ブーンか。どうしたんだ?」
( ^ω^)「オトジャさん」
右腕に巻いてあった布をほどき
( ^ω^)「ブーンは守護者を辞めさせていただきますお」
はっきりと言葉にした。
(´<_`;)「なん・・・だと・・・」
( ´_ゝ`)「んーどーした?」
(´<_`;)「アニジャ、ブーンが守護者を辞めたいと・・・・・・」
(;´_ゝ`)「いきなりどうしたんだ?」
- 4 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:13:51.06 ID:DvbbOsdy0
-
( ^ω^)「やっぱりブーンは戦いたくないですお。たとえ、役に立つ【情報】をもっていても。
ドクオや、他の子供たちと避難所で戦争が終わるまで待機しておきたいんですお」
(´<_`;)「実際、お前の情報はこの戦争でかなり役に立つ、といってもダメか?」
( ^ω^)「ブーンは大切なものの傍にいたいんですお」
(;´_ゝ`)「・・・・・・決心は固そうだな。オトジャ、会議のメンバーを呼んでくれ」
(´<_`;)「ああ。わかった」
(;´_ゝ`)「ブーン、会議区に行くぞ」
( ^ω^)「わかりましたお」
アニジャと並んで会議区へ向かう。来る時はあれだけ苦労した道だが、なんてことはないただの平坦な通路だった。
会議区の椅子に座って待っていると、他の守護者が来た。
爪;'ー`)y‐「ホライゾン、考え直せないか?」
( ^ω^)「ブーンはやっぱり戦いたくないですお」
爪;'ー`)y‐「むむ・・・・・・仕方ない、か。今日の深夜にクックルに舟を出してもらう」
( ^ω^)「ありがとうございますお」
- 6 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:16:31.15 ID:DvbbOsdy0
-
爪;'ー`)y‐「お前がここで見聞きしたことは他の誰にもしゃべってはいかん。それが条件だ。」
( ^ω^)「お」
快く、とはいかないが納得してくれたようだ。これでドクオやジョルジュに会うことができる。
爪;'ー`)y‐「時間になったらオトジャに呼ばせる。それまで部屋で待機しといてくれ」
lw´‐ _‐ノv「ブーン君」
部屋を出て行こうとするとシュールさんに呼び止められた
( ^ω^)「なんですかお?」
lw´‐ _‐ノv「合成の鍛錬だけは忘れないで」
( ^ω^)「・・・・・・戦う為の合成はもう必要ありませんお」
lw´‐ _‐ノv「っ・・・・・・」
( ^ω^)「失礼しますお」
( ゚∋゚)「いいの?」
( ^ω^)「決めたことですお」
会議区から出て、自分の部屋に向かった。
- 7 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:17:54.72 ID:DvbbOsdy0
-
( ^ω^)(これで、よかったんだお)
後は時間になるまで待っていればいい。
────────────
爪;'ー`)y‐「彼の有用性は高かったんだがな・・・・・・」
( ゚∋゚)「仕方ないわ」
( ´_ゝ`)「もともと俺たちだけだったんだ」
爪'ー`)y‐「作戦変更はなしだ。所詮子供、たいした戦力ではない」
lw´‐ _‐ノv「彼の【情報】についてなんですが、文献を探してもそのようなものは見つかりませんでした」
( ゚∋゚)「なんでも合成できる、ってところにひっかかるわね。そんな人が過去に一人だけいたでしょ?」
(´<_`;)「おいおい、そんなことがあるのか?」
lw´‐ _‐ノv「既存の【情報】でなんでも合成できるのはそれくらいですからね」
爪'ー`)y‐「なんにせよ、この事実は彼には伝えるな。勝手に動き回ってもらわれては迷惑だからな」
- 8 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:19:46.20 ID:DvbbOsdy0
-
lw´‐ _‐ノv「そのようには見えませんでしたが・・・・・・」
爪'ー`)y‐「子供の考えることはわからん」
( ゚∋゚)「そんなことはどうでもいいわ。それより、いつ頃攻撃に出るの?」
爪'ー`)y‐「島を囲んでいる艦体は以前五艦のままだ。計画通り一艦に三団を向ける。余った三十五のうち十を北に向ける」
( ゚∋゚)「私たち守護者は?」
爪'ー`)y‐「クックルとシュールは北へ、残りは島の守護だ」
( ゚∋゚)「はい」lw´‐ _‐ノv
<_プー゚)フ「・・・・・・実行は?」
爪'ー`)y‐「実行は明後日、日が落ちてからだ。」
<_プー゚)フ「二人から・・・・・・連絡は?」
爪'ー`)y‐「今まで待ってきたが、連絡が来ない。明後日まで待つが、それでも連絡が来なければ実行する」
<_プー゚)フ「・・・・・・そうか」
- 9 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:21:28.53 ID:DvbbOsdy0
-
( ゚∋゚)「心配するだけ無駄よ。あの二人は、最強だからね」
爪'ー`)y‐「以上だ。解散」
────────────
( ^ω^)(・・・・・・寝てたお)
時間の感覚がずれてしまっている。約束の時間まで後どのくらいだろうか。
(´<_` )「ブーン、起きてるか?」
( ^ω^)「オトジャさんですかお?」
何もない空間からオトジャさんの声が響いてくる。おそらく空間をつなげているんだろう。
(´<_` )「時間だ。ここの入り口でクックルが待ってる」
( ^ω^)「お世話になりましたお」
(´<_` )「すぐ帰ってこれるさ。それじゃあな」
( ^ω^)「それにしても、空間の【情報】って便利だお」
- 11 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:23:37.55 ID:DvbbOsdy0
-
ベッドから起き上がって部屋から出た。何ももってきてないから、準備も必要ない。
階段にクックルさんが座っていた。
( ^ω^)「お待たせしてすいませんお」
( ゚∋゚)「避難所は少し遠いわ。すぐに出るわよ」
階段を上って外に出ると着たときと同じような道を通って、船が隠してある場所に着いた。
舟を海に浮かべて乗り込む。クックルさんの合成によってこがなくても舟は進む。
( ゚∋゚)「行くわよ」
クックルさんが合成をしたのと僕が舟にしがみついたのはまったくの同時だった。
( ^ω^)「どのくらいでつくんですかお?」
( ゚∋゚)「そうね・・・・・・明日の夕暮れぐらいには着く」
( ^ω^)「一日中合成し続けるんですかお!?」
( ゚∋゚)「いえ、昼間はあなたの合成で進んでもらうわ」
( ^ω^)「どっちに進めばいいのかわかりませんお」
- 14 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:26:17.40 ID:DvbbOsdy0
-
( ゚∋゚)「ちゃんと方位磁石を持ってきてるわ。とりあえず、夜の間は私が進めるから心配しなくてもいいわ」
( ^ω^)「わかりましたお」
舟からは島は見えなくなろうとしていた。
────
───
─
( ^ω^)「クックルさん、陸地が見えてきましたお」
クックルさんと交互に二十四時間舟を動かし続けた。
夕闇に染まる水平線に狭い海岸線が見えてきた。
( ゚∋゚)「ん・・・・・・そうね。(ベクトル合成も可能、か・・・・・・)着いたら私はすぐにVIP島に戻るわ」
( ^ω^)「わかりましたお」
( ゚∋゚)「オトジャが連絡しているはずだから、大丈夫だと思う」
( ^ω^)「VIP島をお願いしますお」
( ゚∋゚)「安心しなさい。私たちは負けないわ」
- 16 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:28:48.36 ID:DvbbOsdy0
-
舟が海岸に接した。
( ^ω^)「よっと」
足がぬれないように飛び降りた。振り返ったときにはクックルさんは島に向かって出発していた。
( ^ω^)「お・・・・・・なんか嫌な感じがするお」
警備兵「おい、お前。内藤ホライゾンか?」
( ^ω^)「そうですお」
警備兵「よし。ついて来てくれ。」
男の人の後ろについていくと、すぐに巨大な集落に入り込んだ。
警備兵「ここが今日からお前の寝泊りするところだ」
男のさす先にはひときわ大きな建物があった。男の説明によると、ここは親が戦争に向かった子供が中心に住んでいるそうだ。
('A`)「んあ、お!」
部屋から出てきたのはドクオだった。
( ^ω^)「お、お! ドクオ元気かお?」
('A`)「ブーンじゃねぇか! 戦争はどうしたんだ?」
( ^ω^)「やめてきたお。ブーンは戦いたくなんかないお」
- 17 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:31:37.14 ID:DvbbOsdy0
-
('A`)「やめてきたって・・・・・・もったいねぇことしたなぁ」
( ^ω^)「いいんだお」
('A`)「そうだ。ジョルジュに話しかけてみてくれ。お前なら・・・・・・」
( ^ω^)「お。やってみるお」
ドクオに案内されて建物の中に入った。中はとても広く、多くの子供たちが走り回っていた。
('A`)「・・・・・・この部屋だ」
部屋の隅にジョルジュが座り込んでいた。中はとても暗くこちらからは表情が見えない。
変に意識されないようにゆっくり近づいて話しかけた。
( ^ω^)「ジョルジュ、ブーンだお」
_
( ゚∀゚)「ブ・・・・・・ン」
( ^ω^)「ブーンだって無事に帰ってこれたお。きっとヒートだって帰ってくるお」
_
( ゚∀゚)「・・・・・・ああぁぁ!!」
( ^ω^)「ジョルジュ!」
部屋の中にジョルジュの声が響く。
- 20 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:33:50.22 ID:DvbbOsdy0
-
('A`)「ブーン」
( ^ω^)「またくるお」
('A`)「まぁ、反応してくれただけマシだよ。俺以外の人間にはめったに反応しないからな。
だんだん良くなってはきてるんだが」
( ^ω^)「戦争が終わったらヒートを探すお」
('A`)「ああ、そうだな」
その日僕らは一晩中語り合った。僕の旅は一日で語れるものじゃなかったけどところどころ削って、全てを話した。
戦争が始まった頃の話も聞いた。急に艦体が現れてVIP島を包囲したみたいだ。
('A`)「俺ぁちびるかと思ったね。いきなりカーちゃんにたたき起こされて、学校に向かったんだ」
一旦眠って昼頃に起きた後もひたすら話し続けてた。
( ^ω^)「そういえば、ロマネスク先生に遭いたいお」
('A`)「ロマネスク先生? たまにここにも来るけど」
( ^ω^)「外の人に聞いてみるお」
- 21 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:36:05.33 ID:DvbbOsdy0
-
('A`)「俺ら子供だけでうろうろしてると怒られるぞ」
( ^ω^)「お、お。大丈夫だお。ブーンの合成があれば平気だお」
('A`)「それもそうだな」
( ^ω^)「あ、すいません。ロマネスク先生ってどこにいるか知ってますかお?」
「いや、知らないなぁ。それより君、勝手に出歩いちゃあダメじゃないか。」
( ^ω^)「大丈夫ですお。ブーンはちゃんと合成が出来ますお」
「合成が出来るとかできないとかじゃなくてだな」
( ^ω^)「これで結構ですかお?」
地面の砂を持ち上げ鳥の形にして飛ばした。フラフラとはするが、立ったまま合成が出来るようになっていた
「だから、」
( ^ω^)「何が不満なんですかお?」
( ФωФ)「どうしたのであるか?」
( ^ω^)「ロマネスク先生!」('A`)
- 23 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:39:10.51 ID:DvbbOsdy0
-
( ФωФ)「久しぶりだな、ブーン」
( ^ω^)「先生! 無事そうで良かったですお」
( ФωФ)「ところで、子供二人でうろうろするのはダメである。ドクオ君は知っていると思っていたが・・・・・・」
( ^ω^)「大丈夫ですお! ブーンはちゃんと合成できるようになりましたお。その辺の大人よりも強いですお」
( ФωФ)「ばか者!」
【情報】がわかったことを一緒に喜んでくれると思っていたが、その予想は大きく外れた。
(;^ω^)「お?」
( ФωФ)「ルールは守るものである。それは力の強いものでも弱いものでも同じ。
【情報】がすごい、という話はちゃんと聞いている。ただ、調子に乗ってはいかん」
( ´ω`)「ごめんなさいですお・・・・・・」
( ФωФ)「わかればよろしい。それで、どんなことが出来るのであるか?」
( ^ω^)「見ててくださいお。【砂】と【意識】を合成!」
- 26 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:41:21.24 ID:DvbbOsdy0
-
一抱えほどもある砂を鳥の形にして頭上を舞わせる。
( ФωФ)「すばらしい。他にはどのようなことが出来るのであるか?」
( ^ω^)「んー」
頭の中の記憶を辿る。思い出したのは【鋭】の情報を持った男と戦ったとき。
( ^ω^)「こんなことも出来ますお」
今度は一握りの砂の塊を作り出しロマネスク先生の方に飛ばした。
( ^ω^)「もっててくださいお」
手のひらを差し出し、砂が上にのったたころで、集中する。
( ^ω^)(こんな感じかお?)
( ФωФ)「むぅ・・・・・・」
('A`)「どうなったんですか?」
( ФωФ)「重くなった・・・・・・のであるか?」
( ^ω^)「そうしたつもりですお」
- 27 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:43:35.80 ID:DvbbOsdy0
-
( ФωФ)「そんなことが可能なのであるか?」
( ^ω^)「やってみたら出来たんですお」
( ФωФ)「この砂の温度を上げるような合成を試してみてくれないか?」
( ^ω^)「了解ですお。【砂】と【人体の温度】を合成!」
( ФωФ)「確かに、暖かくなっている」
('A`)「そんなバカな・・・・・・」
ドクオがロマネスク先生の手のひらの上の砂に触れる。
('A`)「!? ・・・・・・温かい」
( ФωФ)「【錘】と【度】の両方の情報を使えている。
ほかにも試してみる価値はある。ブーン、時間はあるかね?」
( ^ω^)「ブーンもどこまでできるか試したかったんですお」
( ФωФ)「ドクオ君はどのくらい合成できるんだ?」
('A`)「自分で言うのもなんですが、【合】の情報を持つ一族の中じゃあ俺が一番応用の幅が利きます。
島内で有名な情報はすべてできますよ」
- 32 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:47:12.98 ID:DvbbOsdy0
-
( ФωФ)「まずは色、からやってみよう」
そうやっていくつかの島内の情報を試してみた。それぞれに得意不得意はあったけど、結局全部合成することができた。
( ^ω^)「ブーンの合成はいったいなんなんですかお?」
( ФωФ)「吾輩にはわからん。そもそもそれだけの情報を合成できたのはおそらく一人しかいないであろう」
自然と視線はドクオに向かった。
('A`)「初代の合成は、わからないんだ。俺らの一族では【合】だと言ってる人もいるし、そうじゃない人もいる。
【合】でも間違ってはないんだろうけど・・・・・・」
( ^ω^)「【合 ブーン】・・・・・・微妙だお」
( ФωФ)「そもそも【合】で合成できないものなどあるのか?」
('A`)「俺の場合は特別多いですからね。基本的には2、3の情報しか合成できないと思いますよ。
できない合成・・・・・・合、だったら初めての合成でうまくいくことはめったにないですよ。
俺もかなり特訓しましたし」
( ФωФ)「まぁ、情報は人が自由に言ってるだけであるから、好きに名乗ればいい」
( ^ω^)「なんか、かっこいいのを考えるお!」
- 33 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:49:28.02 ID:DvbbOsdy0
-
( ФωФ)「それじゃあ、吾輩はそろそろ帰る。しなければいけないことがあるのでな」
( ^ω^)「お。頑張ってくださいお」
( ФωФ)「勝手にうろうろしてはいかんよ」
('A`)「すいませんでした」
ロマネスク先生に避難所まで連れてきてもらって、そこで別れた。中に入ってドクオと僕の合成について話し合った。
( ^ω^)「この【情報】なんて名前にしよう」
('A`)「何でもできるんだから、【全】とか【総】とかでいいんじゃね?」
( ^ω^)「もっとかっこいいのがほしいお」
('A`)「かっこいいもクソもないだろうに。情報を示すだけなんだから」
( ^ω^)「いいじゃないかお。せっかく他にいないんだし」
('A`)「ま、好きにしろよ」
それからも合成の話が絶えなかった。ドクオがどんな努力をした、とか。
初代の噂、とかそんなことばかり話してるとすぐに日は暮れて夜になった。
('A`)「そろそろ寝るか」
- 35 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:51:46.55 ID:DvbbOsdy0
-
( ^ω^)「ドクオ、ここってどんな場所なんだお?」
('A`)「昔は人が住んでたみたいなんだけど、子供がだんだん減って滅んだらしい。
今は南の諸島連合から借りてるらしい」
( ^ω^)「結構広くて、探検に向いてるお。今日の夜、出かけないかお?」
('A`)「ロマネスク先生に注意されたばっかりじゃねぇか。やめとこうぜ」
( ^ω^)「だいじょうぶだお。敵なんか現れっこねぇお」
('A`)「いや、そうじゃなくて、大人があちこち見はってるぞ」
( ^ω^)「こうだお。【自分】と【黒】を合成するお。これで夜なら出歩けるお」
('A`)「確かに。それなら大丈夫そうだな」
部屋の扉をそっと開けて外に出た。当然音は聞こえるし、姿も見えにくいだけで見えなくなったわけじゃない。
施設から出るのも一苦労だった。
( ^ω^)「海から来るとき見てたけどこの島結構広いお。気をつけないと迷子になっちゃうかもしれないお」
- 36 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:53:48.84 ID:DvbbOsdy0
-
('A`)「そうだな。それなら、海沿いに歩くのはどうだ?」
( ^ω^)「それに賛成だお」
わずかな月光に照らされた海辺を二人で歩いた。波の音は少し荒い。
( ^ω^)「かわいい女の子と歩きたかったお」
('A`)「俺だって同じだぜ。そんなことより探索しようぜ」
( ^ω^)「だいぶ歩いたお。そろそろ内陸に向かって歩いてみるかお?」
('A`)「内陸に向かって歩くのは良くねぇと思うんだ。迷子になっても、大人に見つかっても困る」
( ^ω^)「でも結構歩いてきたお?」
('A`)「だがなぁ・・・・・・」
ドクオはなかなか賛同してくれない。
( ^ω^)「それじゃあ、もう少し歩いて、何もなかったら帰るお」
('A`)「わかった。もう少しだけな」
- 39 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 21:58:16.95 ID:DvbbOsdy0
-
( ^ω^)「今この島にどれだけの人がいるんだお?」
('A`)「さてな。だけどそこまで多くないんじゃないかと思う。
結構な人数が戦争に行ってるし、もともとそんなに多くなかったからな」
( ^ω^)「そう言えば、ショボンさんも向こうにいたお」
('A`)「そっか。大変だな。んーさって、そろそろ帰るか」
暗くて遠くまで見れないが、平凡な海岸が続いているようだ。
( ^ω^)「明日も探検するお!」
('A`)「暇だったらな。今度は反対側な!」
( ^ω^)「おっ!」
眠気が進行する中、きた道を戻って施設にもぐりこんだ。
無事帰ってこれた安堵と歩き疲れですぐに寝てしまった。
目が覚めたのは昼を少し回った頃だった。大人たちがやけにざわついている。
ドクオはすでに起きていて真剣な顔をして悩んでいる。布団から起き、話しかけた。
( ^ω^)「どうして騒がしいんだお?」
('A`)「いや、昨日晩見張りが一人行方不明になったらしい」
( ^ω^)「敵かお?」
- 40 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 22:00:16.33 ID:DvbbOsdy0
-
( ^ω^)「今日晩が楽しみになってきたお」
('A`)「お前、人が行方不明になったて言うのに」
( ^ω^)「敵を捕まえれば一躍有名人だお」
('A`)「戦争逃げてきたやつが何言ってんだか。危ないし、やめとこうぜ」
( ^ω^)「一人くらいならどうってことないお」
前にも一対一は経験している。それにあのときは相手も合成士だった。
なんてことのない人間なんて恐れるに足りない。
('A`)「そうやって調子に乗ってたら碌なことないぞ」
( ^ω^)「ドクオはビビッてりゃいいお。ブーン一人で十分だお」
('A`)「おれは忠告してるんだけどな。まぁ、一人じゃ心配だしなついて行ってやるよ」
( ^ω^)「二人で一気に有名人だお」
('A`)「言っとけ。危ない橋は渡らないからな」
ドクオはそう言って布団にもぐった。
- 43 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 22:04:57.77 ID:DvbbOsdy0
-
( ^ω^)「ブーンも夜に備えて寝とくお」
('A`)「そうしとけ。どうせ起きたら全部解決してるよ」
ドクオのその言葉を聞いたあと、すぐに寝た。周りではほかの子供が騒いでいたが、すぐに眠ることができた。
────
───
─
夕方ごろに目がさめ、ご飯を食べてドクオとひたすら時間つぶしをした。
結局昨日の失踪事件犯人は捕まらなかったみたいだ。
( ^ω^)「そろそろかお?」
今夜は見張りの大人たちが多いだろう。
('A`)「やっぱりやめとかないか?」
( ^ω^)「昼間ずっと寝てたせいで全く眠くないお。こりゃ、探検するしかねぇお」
('A`)「わかったよ」
- 46 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 22:07:52.05 ID:DvbbOsdy0
-
ドクオから投げられたものをキャッチした。
( ^ω^)「懐中電灯? さすがドクオだお」
('A`)「へへっ。まぁ、大人にばれるとまずいからあんま使いたくねぇんだけど」
( ^ω^)「いざというときだけだお!」
小一時間ほど歩いただろうか。ずっと聞こえていた生活音が遠くなった気がする。
('A`)「この辺まで来ると俺らの生活圏は随分内陸になるんだな」
ドクオも同じことに気づいたようだ。
( ^ω^)「ホントだお。海岸もだいぶけわし」
懐中電灯で海岸を照らした。そこには布に包まれた何かが引っ掛っていた。
('A`)「・・・・・・嫌な予感しかしねぇんだが」
( ^ω^)「奇遇だお。ブーンも鳥肌がたってるお」
('A`)「こういう時って、どう行動すれば安全なんだ?」
冷静に思いつく限りの禁止事項をあげる。
- 55 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 22:16:08.11 ID:DvbbOsdy0
-
( ^ω^)「アレを調べるのは駄目だお。そんなことしたら後から声をかけられるのがオチだお。
逃げるのもヤバいと思うお」
('A`)「こうやって話してるのもNGだと思うんだ」
( ^ω^)「いいこと思いついたお。気付かなかったふりをして探検を続けるお」
('A`)「それに賛成だ。へたに行動すると出会いかねんからな」
明かりを消して何事もなかったように進行方向に進んだ。
( ^ω^)「適度に見計らって帰ればおkだお」
('A`)「ああ。確信はできないけどヤバいもん見ちまったな」
( ^ω^)「無事帰るまでその話はナシだお」
*(‘‘)*「お前らはもう帰れないの」
( ^ω^)「!?」('A`)
( ^ω^)「ドクオさん、ブーンはもう駄目かもしれんお。敵が幼女の幻覚を見てるお」
('A`)「奇遇ですね。ブーンさん。俺もですよ」
*(‘‘)* 「何なの。こいつ等キモいの」
- 57 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 22:18:12.04 ID:DvbbOsdy0
-
( ^ω^)「あんなの見つけたらこうなるのはわかってたお」
('A`)「走れば逃げ切れるんじゃね?」
( ∵)「無駄」
振り向いた先には後ろの少女とさほどかわらない容姿の少年が座っていた。
*(‘‘)* 「報告しなきゃ。こいつらを消したあとに」
( ∵)「二夜連続発見、最悪」
( ^ω^)「すっごい怖ろしいこと言ってるんですけど」
自分たちより幼いはずの子供を前にして蛇に睨まれたカエルのように動けない。
('A`)「すっごいプレッシャーが・・・・・・」
*(‘‘)*「もうわかってると思うけど、北の国の人間です」
( ∵)「此処破壊目的」
( ^ω^)「ええぃ、ままよ」
足元の岩を合成して敵二人を囲んだ。
- 60 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 22:21:04.52 ID:DvbbOsdy0
-
( ^ω^)「今のうちに逃げ」
言い終わる前に二つの塊は砕かれた。
('A`)「これは・・・・・・ヤバいな」
( ^ω^)「叫んだら助けがくるかお?」
('A`)「十分過ぎるだろ」
*(‘‘)*「無駄なの」
( ^ω^)「たs(けてー)」
思いっきり息を吸って集落にまで届く声を出したつもりだった。
それなのに口から出て来た言葉はただの息。
('A`)「ふざけてる余裕なんかないだろ」
( ^ω^)「(いや、叫んでるつもりなんですけれども)」
相変わらず発せられるのは息。
(#'A`)「いい加減にしろ! たs(けてー!)」
('A`)「!?」
*(‘‘)*「だから無駄だって言ったの。こっち見るななの」
- 61 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 22:23:29.75 ID:DvbbOsdy0
-
( ∵)「滑稽滑稽」
( ^ω^)「(つまりこいつら合成士?)」
声が息だけになっているせいでドクオと意思疎通もできない
('A`)「(なんて言ってるかわかんねぇ)」
*(‘‘)*「さって、そろそろ海に沈んでもらうの」
( ^ω^)「(ちっ。逃げるお!)」
内陸部に向かって走り出した。ドクオがすぐ後ろについてくる。
遠くに集落が見える。そこまでたどり着けば護衛の人に助けてもらえるはずだ、そんな淡い期待はすぐに打ち破られた。
*(‘‘)*「それ!」
少女の叫び声と同時に柔らかい物にぶつかり弾き飛ばされた。
( ^ω^)「(いって)」
('A`)「(合成士かよ!?)」
*(‘‘)*「もう終りなの」
( ^ω^)「う (息が・・・・・・)」
('A`)「(ぇ・・・・・・ぁ)」
- 62 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 22:25:39.04 ID:DvbbOsdy0
-
(;^ω^)「(【岩】と【意識】を合成)」
謎の合成攻撃から逃れるために自分とドクオの前に壁を生み出した。
(;^ω^)「はぁ、はぁ」
('A`)「やべ、ぇな」
かなり厚めに創り出したはずの壁にはすでに亀裂が入り始めている。
( ^ω^)「対一で戦うお。ドクオは男の子を頼むお」
('A`)「今はそれで手をうってやるよ」
( ^ω^)「いくお!」
叫ぶと同時に壁が破壊された。少女に向かって一気に距離をつめ、突き飛ばした。
*(‘‘)*「何すんだよ!」
尖った岩で怪我をしないか少し心配したが、少女が倒れた先の岩は粉々になっていた。
*(‘‘)*「おらぁ」
立ち上がった少女はその小さなこぶしで殴りかかって来た。
(#)°ω°)「なにをしt、ほぼぉ」
小柄な体躯にはありえない威力だった。余裕ぶっていたせいで頭がくらくらする。
- 65 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 22:27:35.28 ID:DvbbOsdy0
-
*(‘‘)*「舐めてると痛い目見るの。もう見てるの」
なんだかんだいって所詮子供だと甘く見ていた。
(#^ω^)「悪いけど、本気でいかせてもらうお」
今までと同じように岩の塊を地面から生み出し、空中に散在させる。
(#^ω^)「謝っても許さんお」
*(‘‘)*「はん、上等なの」
※
('A`)「女の子の相手がしたかったけど、お前のほうが弱そうだからな」
( ∵)「誤解」
('A`)「ガキ相手に本気になるのも癪だけど、相当訓練してるみたいだし」
( ∵)「御託無必要」
('A`)「はいはい。それじゃ、さっそく【身体】と【硬度】を合成」
- 68 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 22:29:28.01 ID:DvbbOsdy0
-
頭部を狙ったはずの殴打は華麗によけられ、自分めがけた拳が迫っていた。
('A`)「年下のパンチなんかきくk・・・・・・ぁ、いってぇぇぇ!!」
たいして勢いのなかったパンチは硬化した身体に効くはずもなかった。だが実際に脳は痛みの信号をキャッチしてる。
( ∵)「屑」
('A`)「なんだ・・・・・・骨が揺さぶられた?」
吐き気がこみ上げてくる。どうやら内臓にダメージがいったらしい。
('A`)「絶対逃げきってやる」
( ∵)「笑」
※
(#^ω^)「いくお(ぞ)」('A`)
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/03(金) 21:32:37.06 ID:yJiDtrAqO
- 初見なんだがクックルは女?
それともガチムチオカマ?
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/04/03(金) 22:17:42.07 ID:QJ0f7rNMP
- 作者は間違いなくロリコン
- 73 名前: ◆gMIGdyOjeA :2009/04/03(金) 22:35:15.43 ID:DvbbOsdy0
- ここまで長々と支援ありがとうございます。
この話は少し長めなので、ここで、前半と後半を区切ってます。
続きもすぐに投下できるのですが、どうしましょうか。
ご意見ください。
>>18ガチムチオカマのつもりで書いています。
>>56ななななにをおっしゃっててていいるのですか?
質問があればお答えいたします。