第1章・第2話

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/29(土) 15:40:41.24 ID:uBEaG51tO
様々な感情が渦巻く中、不思議とドクオは冷静だった。

('A`)「・・・この『ゲーム』シンプルだが考えないとすぐに他の奴らの餌食だな・・・」


実際ドクオはこの状況を楽しんでいた。失敗すると600万というリスクが生まれるこの『ゲーム』。勿論こんな金額すぐに返せる訳がない。しかし、彼の言っていた下らない『平凡』をぶち破るものだということは明白であった。

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/29(土) 15:42:51.87 ID:uBEaG51tO
考えこんでいるドクオにショボンが声をかける。

(´・ω・`)「どうやらあの建物の中に四人ずつ入ってゲームするらしいね。」


ショボンはホールに並んだ小さい建物を指注した。

('A`)「俺らは一緒に行動した方がいいかもしれないな。その方が有利だ。」

この『ゲーム』は四人中負けるのは一人だけである。つまりドクオの言っている事は確かな事だった。

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/29(土) 15:44:19.60 ID:uBEaG51tO
(´・ω・`)「いや、それはできないな。」

彼のような男ならすぐに賛成してくれると思っていたドクオ。しかし彼はドクオの予想を反した答えを出した。

('A`;)「な、なんでだよ??チームで戦った方がお互い楽だろう??」

(´・ω・`)「いや、自分達のいる場所が解らないようにするって説明でも言ったように、あの建物に入ったらお互いがどの位置なのか把握できない。」

29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/29(土) 15:45:27.98 ID:uBEaG51tO
('A`;)「じゃ、じゃあ暗号化して数字を言えばいいんj」

(´・ω・`)「それやってていきなりカードを使われてみろ??きちんと打ち合わせもしていないコンビが対処しきれると思うか??
なにより厄介なのは『パス』のカードさ。自分以外の誰かに飛ばす。これがもし仲間に当たってみろ?これでチームなんかうまくいかないのが解るだろう??」

続けて、ショボンはこう言った。

(´・ω・`)「なにより、裏切りがないとは限らない。」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/29(土) 15:47:13.54 ID:uBEaG51tO
ショボンの言う事は確かだった。やはり切れる男だ。

ドクオは自分でこれは確かだ、という才能をもっていた。
それは、外見で人の性格を見切る事である。他人の顔、体格、身なりなどで大体の予想がつく。洞察力が鋭いのであろう。故に人間関係に悩み、平凡な生活にくだらなさを覚えていた。


('A`)「わかった。そういう事なら別々に行動しよう。」

(´・ω・`)「あぁ、君と次のステージに行ける事を願ってるよ」

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/29(土) 15:49:10.96 ID:uBEaG51tO

最初に、黒服の男達からカードを受け取る。それを自分以外の人間に見つからないように確認する。

ドクオ
○リセット
○パス
○スロウ


カードの特性を確認しながら作戦を練る。早いものはすでに建物まで移動している。残っている人間は後悔してうなだれている者がほとんどだった。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/29(土) 15:50:45.21 ID:uBEaG51tO
うなだれる者の中にドクオの知っている男が混じっていた。

('A`)「ヒッキーじゃないか??」

(-_-)「あ・・・ドクオ!!」

('A`)「高校以来だな?お前も相変わらず人生つまらなそうな顔してやがる」

(-_-)「僕はつまらなくてもいいから早くここから出たいよ・・・まさか『ゲーム』の内容がこんなんだったなんて・・・なんかもっとなごやかなものかって思ってた・・」

('A`)「いや、俺は今の状況が楽しくて仕方ない・・・」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/29(土) 15:53:51.82 ID:uBEaG51tO
ヒッキーと会話していると不意に後ろから声をかけられた。

( ^Д^)m9「おい、そこの楽しいとか言ってる奴、楽しいんなら早く俺らと建物にはいろうぜ??」

体格のいい男達三人がドクオの後ろに立っていた。

ドクオは彼らを見た時に自分の才能に感謝し、そして絶望した。

(;'A`)(こいつら・・・グルか??普通ならバラバラに建物に入る方が作戦を立てる時間も長いはずだ。しかも三人揃ってから俺を誘う理由が見当たらない。
なによりこいつら俺が断ったら何仕出かすかわからない・・・三人ならカードの使い方によっちゃ嵌められる・・・完全にまずい・・・)

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/29(土) 15:55:47.80 ID:uBEaG51tO
ドクオは元々気の弱い男だったので承諾するしか他ならなかった。拉致するような主催者の事だ。
暴力沙汰になろうが責任なんてとるはずもないだろう。しかし、相手を把握できた今、最善の方法を探すしかない。


('A`)「把握した。だがお前らで先に行っててくれないか??久しぶりに友人に会ったんでね。」

( ^Д^)「・・・ああ、絶対に来いよ」


男はドクオを睨み付けると建物に向かって行った。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/29(土) 15:58:19.69 ID:uBEaG51tO
(;'A`)(まずいな・・・何かいい方法は・・)

ヒッキーのギャンブルに不向きな気弱でやる気のない性格は高校の頃から知っていた。勝負をしたがらないタイプの男。

それを抜かして性格の似たようなヒッキーを助けたいとも思った。

考えこむドクオに一つの考えが浮かぶ。

('A`)「ヒッキー。お前を救う方法を思い付いた。俺の言う事を信じてしたがってくれ。」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/29(土) 16:00:50.58 ID:uBEaG51tO


建物の前に着いた三人は、ドクオがまだ来ない事を確認すると話し始めた。


( ^Д^)「ハハハ。アイツやっぱり断れなかったな。最初気弱そうな奴が二人いたからどっちにするか迷ったがな。」

( ´_ゝ`)「あぁ、この俺達の作戦がうまく行けば三人全員に1000万がって訳だ。」

(´<_` )「うまい話だよ全く。しかし俺には納得できない点がある。」

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/29(土) 16:02:43.86 ID:uBEaG51tO
( ^Д^)「?何がだ??」

(´<_` )「いや、主催者のリスクがでかすぎる。四人に一人しか脱落しないってことは何十人というやつに1000万渡すということだろう?おかしいと思わないか??」

( ´_ゝ`)「確かにそうだな・・・主催者は暇と金を持て余してる・・とかじゃないか?」

( ^Д^)「そんな事はどうでもいい。俺らは勝って金を手に入れるだけだ。・・・っ!きたぞ。」


('A`)「待たせたな。じゃあはじめようか。」

それぞれが黒服に目隠しされ、別々の個室に入る。

戦いが始まろうとしていた。

第2話 終了


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