('A`)ドクオはエレクチオンが止まらないようです
- 1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 11:56:53.25 ID:cM/gPYBU0
-
('A`)「ここはどこだ?」
目が覚めると、そこは白い空間だった。
('A`)「俺、何やってたんだっけ。
そうだ、確か俺はヘリコプターのプロペラに巻き込まれて死んだはず……」
しかし、体はこの通りピンピンしている。
('A`)「天国か、はたまた地獄ってところか」
(´・ω・`)「どちらでもないぞ」
('A`)「うおっ、あんた誰だ」
(´・ω・`)「なぁに、神様ですよ」
('A`)ドクオはエレクチオンが止まらないようです
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 12:01:46.97 ID:cM/gPYBU0
-
('A`)「神?」
(´・ω・`)「そうだ」
目の前にいる爺は、そりゃ確かに天使の羽っぽい物をつけてるし
頭の上に天使の輪っぽい物を浮かばせているけど……
('A`)「まぁ仮にあんたが神だとしよう。その神様が一般市民である俺に何の用だ?」
神様に恨まれるような事は、生前やってきた覚えは無い。
そりゃ賽銭入れに放尿したり、アルバイトの巫女さんを盗撮したりはしたが、
せいぜいそれくらいだ。誰でも一度はやった事のある行為だろう。
(´・ω・`)「そんな事をやっていたのか……お前という男は」
('A`)「あ、心読まれた」
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 12:05:28.73 ID:cM/gPYBU0
-
(´・ω・`)「ごほん。それは置いといて……そもそも神社はアレだし、人間が勝手に作った形式的なものだし。
ドクオ、お前は生前、何かやり残した事は無いか?」
('A`)「やり残した事?」
俺はぼーとする頭を回転させ、考える。
('A`)「巫女さんのふとももを撫で回す事と、美人の幼馴染と一緒にピクニックにいって膝枕してもらう事。
それと、謎の美少女エージェントと一緒に組織に立ち向かう事。突然、異世界に飛ばされて美少女エルフと……」
(´・ω・`)「いや、もうちょい現実的な事で」
('A`)「なんだよ、これからがいい所なのに」
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 12:10:20.22 ID:cM/gPYBU0
-
神は冷ややかな視線を向けながら、俺に問いた。
(´・ω・`)「ドクオ、お前が死んだあの日。
お前はある少女に想いを告げようとしていたのだろう?」
('A`)「想いを……?」
そうだったっけ?
自分のことながら、いまいち思い出せない。
('A`)「はっ!」
(´・ω・`)「思い出したか」
そうだ。
俺が唯一、三次元で美しいと思った少女、ツン。
俺はあの日、想いを伝える為に、彼女が通っている高校へ忍び込もうとして……
('A`)「墜落してきたテレビ局のヘリコプターのプロペラに巻き込まれて死んだんだ」
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 12:14:46.72 ID:cM/gPYBU0
-
(´・ω・`)「ようやく思い出したか。で、だ。死んだお前の魂をあの世に連れて行こうとした訳だが
あまりに現世への想いが強かったのでな。このまま自縛霊になられても困るし、ここに連れてきたというわけだ」
('A`)「ほう」
(´・ω・`)「君が選ぶ道は二つ。このまま想いを断ち切って、潔くあの世へ行くか。
それとも、現世に一日だけ戻って想いを伝えるか」
神はピースサインを出して、俺に問いかけた。
('A`)「……」
いや、そりゃ当然後者でしょ。
まだ死にたくないもん。一日でも生きたいと思うのが人間でしょう。
('A`)「二番でお願いします」
(´・ω・`)「二番って?」
('A`)「一日だけ生き返る方。できればイケメン爽やか風に顔を変換して欲しいです」
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 12:17:34.02 ID:cM/gPYBU0
-
(´・ω・`)「それは、いくら神様である僕でも無理だ。
悪いけど生前の状態で戻ってもらうよ」
('A`)「チッ!」
使えねぇ爺だ。
せめて女体化とか、透明化とか素晴らしい効力をつけて帰してくれよ。
(´・ω・`)「いい年して夢みたいな事言うんじゃない」
('A`)「うるさい。俺はまだ43歳だ」
(´・ω・`)「無職が」
('A`)「声優目指して特訓中だ。ニートではない」
(´・ω・`)(無職は否定しないのか、まぁいい)
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 12:20:59.43 ID:cM/gPYBU0
-
(´・ω・`)「それじゃ、一日だけ君を蘇らせてあげよう。
ただし、一日だけだ。その時間内にやり残した事を済ませて来い」
('A`)「やり残した事……いくらエロゲでも一日でセクロスまでいくのは無理だなぁ。
俺、鬼畜系は好きじゃないんですよ」
(´・ω・`)「夢みたいな事言ってんじゃねえ。現実を見ろ」
('A`)「うるせぇ。俺はまだ43歳だ」
神はため息をつき、思い出したように付け足す。
(´・ω・`)「……あぁ、そうだ。やり残した事をやり遂げないまま戻ってきた地獄行きだから」
('A`)「何ぃ!?」
(´・ω・`)「じゃあ、頑張ってね。アディオス」
- 11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 12:23:28.76 ID:cM/gPYBU0
-
瞬間、俺が口を開く前に光が溢れた。
体が焼けるように熱い。
まるで、地獄の業火に焼かれている気分だ。
(;'A`)「ちくしょう、もっと優しく送れ――――!!」
クソ……神の奴。
目覚めたら、ちゃんと隣に美少女の巫女さんがいるんだろうな?
もしくは病院で、隣に居るのは美人のナースでも可。
あぁ、でも、やっぱり制服の……
……
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 12:28:49.60 ID:cM/gPYBU0
-
('A`)「う……ここは……」
目を擦りながら、体を起こす。
カーテンの隙間から入ってくる日光がまぶしい。
('A`)「俺の部屋か。ということは、ヒロインはメイドか?」
辺りを見回す。誰もいない。
体を起こして、台所や風呂の方を見て回った。
('A`)「おーい、メイドさーん?」
('A`)「猫耳でも可」
('A`)「13歳でも可」
('A`)「出ておいでー。押入れかな?」
押入れをあけた。
誰も居ない。
俺はなんだか、無性に死にたくなった。
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 12:32:42.75 ID:cM/gPYBU0
-
('A`)「あれか。特殊能力が使えるようになってるとか……?」
本棚に入っている幽白を見て、ふとそう思う。
俺は気を集中し、両手を前に出した。
('A`)「ハッ!」
溜まった気を両手に集中し、一気に放出する。
窓の外から、小鳥のさえずりが聞こえた。
久々に首を吊りたくなった。
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 12:35:43.51 ID:cM/gPYBU0
-
('A`)「あれか。強化系なのか、俺の能力は」
心なしか、体が軽くなっている気がする。
試しに、軽いジャブを放ってみる。
(;'A`)「おぉ!?」
何か速くなってる気がする。
これはもしかすると、もしかするかもしれん。
('A`)「まさか……この能力は」
俺の中に、新たなる希望が生まれる。
物は試しだ。やってみる価値はある。
('A`)「ふん!!」
俺は思い切り腕を引き、部屋の壁を殴った。
手首がおかしな方向に曲がった。
しばしの間、あまりの激痛に、俺は奇声を発しながら部屋を転げまわった。
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 12:49:05.21 ID:cM/gPYBU0
-
('A`)「鬱だ……エロゲでもやって気を紛らわすか」
俺はPCの電源ボタンに手を伸ばす。
『プルルルル……』
('A`)「電話?」
何年ぶりだろうか。
電話が着信音をけたたましく鳴らしている。
('A`)「もしもし」
(´・ω・`)「やあ。どうやらうまいこと転送できたみたいだね」
電話口から聞こえてきたのは、あの爺の声だった。
(#'A`)「てめぇ、あの地獄渡りのような転送自重しろよ! もっと優しく送れ!
それと、お約束的な二次元ヒロインがいないのはどういうことだ!?」
(´・ω・`)「は?」
(#'A`)「特殊能力もついてねえじゃねえか!! これじゃ話が進まんだろうが!」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 12:53:01.94 ID:cM/gPYBU0
-
(´・ω・`)「あのね、夢みたいな事言わないの。
そんな非現実的な事したら、世の中が混乱するでしょうが」
死人を蘇らせておいて何を言うか、この爺は。
(´・ω・`)「あ、でも一つだけバグがあったことはお詫びするよ」
('A`)「何!?」
(´・ω・`)「まぁ支障を起こすほどではない。心配するな」
('A`)「なんだよ……」
俺は肩を落とし、落胆した。
期待させといてそりゃないだろ。どんだけSだよ。
(´・ω・`)「後、犯罪行為とかするなよ。そんな事されたら僕の経歴に傷がつくからね。
見張り役を送っておいたから、まぁ大丈夫だとは思うけど」
('A`)「見張り役?」
(´・ω・`)「うん。後はそいつに色々聞いてね。じゃねー」
がちゃん、という音と共に電話は切れた。
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 12:57:35.33 ID:cM/gPYBU0
-
('A`)「……」
俺は受話器を置き、しばし呆然とする。
('A`)「これじゃ生き返った意味なんて無いじゃん」
特殊能力も無い。ヒロインもいない。事件もおきない。
夢にまで見たアニメのようなストーリーは、やはり夢のままなのか。
川 ゚ -゚)「おい」
('A`)「うん?」
川 ゚ -゚)「さっきから聞いていれば、生き返った意味が無いなど、甘えた事を言うな。
意味がなければ、自分で探せ」
――――そこに、夢にまで見た美少女がいた。
いや、美少女……なのだが。
('A`)「失礼ですが、何歳ですか?」
川 ゚ -゚)「人間で言うと24歳だ」
('A`)「ダメだ。俺は17歳までしか受け付けないんだ」
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:01:26.65 ID:cM/gPYBU0
-
(#)'A`)「すいませんでした」
強烈な一撃が、俺の頬を襲ったのは言うまでも無い。むしろ言いたくない。思い出したくない。
川 ゚ -゚)「常識も礼儀も無い奴だ。普通、年から聞くか?」
('A`)「あぁ、はいソウデスネ。好きな声優は誰ですか?」
川#゚ -゚)つ(#)'A`) すいまs グッハァ
歯が二本ほど折れた。日本万歳、なんちゃって。
('A`)「えーっと、あなたは誰ですか?」
川 ゚ -゚)「それでいい。私はクー・ビューティホ・マルガリータ四世。呼び名はクーでいい。
第四区現代処理班の天使軍曹だ。短い間だが、よろしく頼む」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:04:27.60 ID:cM/gPYBU0
-
クーはそう言うと、敬礼をしてみせた。
天使と言う割には羽も生えてないし、外見は人間と全く変わらない。
川 ゚ -゚)「神からの指令で、貴様の見張り役、及び願いを叶える手助けをさせてもらう」
('A`)「マジ?」
神様の奴、意外と粋な事してくれるじゃないか。
ちょっと年はアウトゾーンだけど、これだけ美人なら俺も文句は言わん。
('A`)「じゃあ早速筆下ろしを」
川#゚ -゚)つ(#)'A`) グッハァ
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:09:05.15 ID:cM/gPYBU0
-
目の上がものすごく腫れた。
視界が半分になったら、世界も半分になった気がした。
うーん、アンビリーバブル。
川 ゚ -゚)「資料によると、ドクオ、貴様は想いを寄せている少女がいるようだな」
('A`)「サー! そうであります!」
川 ゚ -゚)「うるさい」
('A`)「すいません」
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:13:10.57 ID:cM/gPYBU0
-
川 ゚ -゚)「で、今回の任務は、その少女に想いを伝える事だ」
('A`)「はい」
川 ゚ -゚)「その少女の名はツン。VIP高校1年生……16歳か。貴様、今何歳だ?」
('A`)「サー。43歳であります」
川 ゚ -゚)「ロリコンは死ねばいいと思う」
クーは、糞虫を見るような冷ややかな目で俺を見下す。
俺よりも5センチほど身長高いな、チクショウ。
('A`)「女の子とは、10代が一番肌がむちむちしており、なおかつ性格も純粋かつ清純。20代とは天と地の差が」
川#゚ -゚)(####)'A`) 否! 断じて否! クー軍曹の事ではありませグッハァ!
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:16:22.38 ID:cM/gPYBU0
-
川 ゚ -゚)「いい加減にしろ。話が進まん」
('A`)「すいません」
もはや俺の目から見える世界は、四分の一になった。
後でオロナイン塗っとこう。
川 ゚ -゚)「さて、非常に不本意だが、任務だから仕方あるまい。
さっそくその少女に想いを告げにいくとしようか」
('A`)「え、いきなりですか?」
川 ゚ -゚)「そうだ。こんな任務、私もさっさと終わらせたいのでな。
貴様のような男を見ていると虫唾が沸いてくる」
何でそこまで言われなくちゃいけないんだ。悔しい……でも感じちゃうビクビク!
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:21:00.90 ID:cM/gPYBU0
-
('A`)「あ」
急に、下半身が熱くなる。
川 ゚ -゚)「どうした?」
('A`)「いや、ちょっと年甲斐も無く生理現象が」
川 ゚ -゚)「……」
クーの目線が、俺の股間へと移る。
そして、再び俺の顔をを見た。
川 ゚ -゚)「……」
軽蔑の目だ。
人間を見る目じゃない。まるで道端に落ちているもんじゃ焼きを見る目だ。
いじめだと思った。
でも興奮した。体って正直ね。
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:23:59.36 ID:cM/gPYBU0
-
('A`)「あ、あの軍曹」
川 ゚ -゚)「何だ」
明らかに声が怒ってる。
間違いなく怒ってる。
俺はダメもとで、お願いをいてみた。
('A`)「愚かな私の性欲を抜いてください」
川#゚ -゚)つ(###)'A`) 冗談ですよ冗談、このパターン使い回しウギャアアア
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:27:07.40 ID:cM/gPYBU0
-
川#゚ -゚)「私は向こうを向いている。その間にさっさとソレをなんとかしろ!」
('A`)「は、はい。すいません」
流石にこれ以上やると、命が危うい。
性欲のせいで、俺の命がマジヤバイ。
とりあえず、ここは同人誌で抜こう。
俺は死ぬ前に買った新作を手に取り、ズボンとパンツを脱いで右手を股間にセットした。
('A`)「……」
('A`)「……」
('A`)「……ふう」
川 ゚ -゚)「終わったか?」
('A`)「あっ!出る!」
俺の子孫がクー目掛けて飛び出した。
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:30:07.35 ID:cM/gPYBU0
-
('A`)「いやぁアレですね」
川 - )
('A`)「精子も素晴らしい子孫を残そうと必死のようで」
川# - )
('A`)「無意識ながらも美人の軍曹の方へ」
('A`)「精子だけに、生死がかかってるから……なんちゃって」
_ - ― = ̄  ̄`:, .∴ ' ( ’A`)<携帯には厳しいAAを使っちゃダ……グッハァ
川, -'' ̄ __――=', ・,‘ r⌒> _/ /
/ -―  ̄ ̄  ̄"'" . ’ | y'⌒ ⌒i
/ ノ | / ノ |
/ , イ ) , ー' /´ヾ_ノ
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:33:30.76 ID:cM/gPYBU0
-
川#゚ -゚)「お前は何の為に生まれてきたんだ?死んだ方がいいんじゃないか?」
('A`)「本当にすいませんでした」
俺は土下座で謝る。
クーは憤怒の表情で、俺の頭をぐりぐりと踏みつける。
川 ゚ -゚)「いい加減収まっただろう。さあ、行くぞ」
('A`)「あれ?」
俺は下半身に違和感を覚えた。
力を失った股間に、再び熱が宿る感覚。
例えるならば、超越を超えた超越。オーバーエレクチオンと、人は言う。
川 ゚ -゚)「何をブツブツ言っている。VIP高校に行くぞ」
(;'A`)「え、ちょ、あの」
俺は首根っこを掴まれ、有無を言う間もなく外へと連れ出された。
- 40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:37:25.21 ID:cM/gPYBU0
-
※
外の世界は、赤の大地が広がっている訳でもなく、空に月が二つ浮かんでいるわけも無く、
ただただ生前と変わらず平凡な物であった。
('A`)「あーあ、ルイズたんに会いたかった」
川 ゚ -゚)「誰が口を開いていいと言った。殺すぞ」
(;'A`)「サー、失礼しました」
見張り役の人は怖いし、生き返るって聞いた時はお得だと思ったけど全然お得じゃないじゃん。
「ヒソヒソ……やーねぇ」
「昼間から」
川 ゚ -゚)「? なにやら視線を感じるな。お前、何かやったか?」
('A`)「何にもしてないです、サー」
川 ゚ -゚)「そうか。……腹が空いたな。どこかで飯を食おう」
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:40:10.68 ID:cM/gPYBU0
-
('A`)「天使も腹が減るんですか?」
川 ゚ -゚)「人間界に降りているときは、基本構造は人間と変わらん」
なるほど、と納得する。
そりゃ羽をつけた天使が空を飛んでいたら、大騒ぎになるわな。
('A`)「それじゃ、人間と変わらず、軍曹もオナニーも……」
川 ゚ -゚)つ=つ=つ(#'A`) 痛くないっ! やっぱ痛い!
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:43:57.74 ID:cM/gPYBU0
-
俺とクーは、近くの飯屋に入った。
のれんを潜ると、昔ながらの雰囲気を保った店内に似合った、いかにもな招き猫が出迎えた。
( ,,゚Д゚)「へいらっしゃい! お二人さまで!?」
川 ゚ -゚)「はい」
( ,,゚Д゚)「こちらにどうぞ!! ……あ」
川 ゚ -゚)「?」
店のおやじさんは、俺の方を見てしばし口を開け呆然とする。
しばしの沈黙。
( ,,゚Д゚)「し、失礼しやしたっ!」
そして、顔を赤らめて店の奥へと引っ込んでいった。
川 ゚ -゚)「何だ? またお前、変なことでも……」
('A`)「い、いえ。何もしてないですよ」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:48:34.85 ID:cM/gPYBU0
-
(*゚ー゚)「どうしたの? お父さん」
( ,,゚Д゚)「あ、あの美人さん連れた客……その」
(*゚ー゚)「?」
( ,,゚Д゚)「い、いや何でもねぇ。おしぼりは俺が持ってく。お前は皿洗っててくれ」
(*゚ー゚)「わかったー」
店の奥に、可愛い子発見。
アルバイトだろうか。いや、それにしては若すぎる。
('A◎)「ロリータ愛(アイ)!」
説明しよう! ロリータアイとは、幼い少女の正確な年齢を測る特殊能力である!
凡人であるドクオが43年の人生で、唯一身につけた技であり、この域に達するまで辛い修行時代が……
川 ゚ -゚)「どうでもいい事で行数を使うな」
('A`)「むむ! 軍曹、彼女の年齢が出ましたぞ! 13歳!? 13歳ですぞムッハァ!!」
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:51:38.63 ID:cM/gPYBU0
-
久々の上玉に、俺の胸がときめきはじめる。
(*'A`)「13歳であの美貌……たまらん、たまらんぞ!!
つぶらな瞳! 汚れを知らぬ幼き体! 完璧じゃあ! 完璧ですぞぉ!!」
興奮のあまり、つい立ち上がってしまう。
体全体に熱が入る。
あ、彼女が店の奥にいってしまう! もう少し待ってくれ、もう少しで目に焼きつくから!
川;゚ -゚)「ダメだこいつ……はやくなんとかしないと」
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:55:09.78 ID:cM/gPYBU0
-
( ,,゚Д゚)「おしぼりお持ちしまし――――……た」
(*'A`)「そぉいそぉい! 祭りじゃああああ今夜は脳内祭りじゃあああ!!!」
今日は彼女の手作りお弁当を持ってピクニックじゃあ!
あの、頑張って作ってきたの。なんて、けなげな事いっちゃってむっはぁ!!
お母さんに手伝ってもらったんがや!? そうがや!? いいけん、気持ちだけで嬉しいけん!!
おじちゃん、お前さんみたいな娘ほしかってん。
え?娘……そっかぁ。いや、違うねん。お前は十分可愛いけん。女として……あ、俺何いってんじゃろ、ははは。
おじちゃんならいいよ……私、はじめてをあげてもむっはぁぁぁぁぁぁああおおおおっほぉぉぉl!?
川 ゚ -゚)「気にしないで下さい。この人、頭に欠陥があるので」
( ,,゚Д゚)「あ、は、はぁ」
川 ゚ -゚)「天丼二つお願いします」
( ,,゚Д゚)「か、かしこまりましたー」
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 13:58:12.23 ID:cM/gPYBU0
-
(*'A`)「何いうとんや! おじちゃん、お前さんの言う事ならなんでも聞いちゃるわ!」
川 ゚ -゚)「そうか。そろそろ戻って来い」
ちょ、そんなとこ触ったらあかんて! 汚いで、きたな……うぐっはぁ!!!
('A`)「凄く……痛いです」
川 ゚ -゚)「目が覚めたか?」
('A`)「ハイ」
痛みで、意識が現実に戻される。
目の前には、クーがいた。そして、ここは店内……ああ、そうか。思い出した。
俺は飯屋にいたんだっけ。
川 ゚ -゚)「お前は生前も公共の場で勃起していたのか?」
('A`)「いえ……あ、時々」
川 ゚ -゚)「中学生以下だな」
- 56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:02:17.34 ID:cM/gPYBU0
-
クーの目が、一層厳しくなった。
もはやゴミ箱から外れた紙クズを見るような目だ。酷すぎる。
川 ゚ -゚)「それより、早くソレを縮ませろ」
('A`)「あれ?」
俺は股間を見る。
古代文明の最高峰、ピラミッドが出来上がっていた。
('A`)「いや、あれ? おかしいな」
川#゚ -゚)「お前はマムシドリンクでも飲んだのか? まったく、自分の年を考えろ」
('A`)「いや、普段はこんな継続機能は……あ」
神の言っていた事を思い出す。
こちらに転送する時、バグが起こった、と。
それ、もしかして……。
(;'A`)「勃起が止まらぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!」
(*゚ー゚)「お父さん、勃起ってなに?」
( ,,゚Д゚)「ちょっと耳ふさいでてくれな。あのお客さん、頭がおかしいみたいだから」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:06:22.44 ID:cM/gPYBU0
-
そうか。
そう言うことだったのか。
神様よ……これ、かなり支障あると思うんだ。
そして、童貞である俺にこんな能力を授けるなんて、嫌がらせとしか思えない。
(;A;)「おーんおーん。嫌がらせだー」
川 ゚ -゚)「泣くな気持ち悪い。とりあえず座れ。汚い物が目に入るから」
厳しい言葉をかけられ、俺はとりあえず座った。
( ,,゚Д゚)「天丼お持ちしました。会計はいいから食ったらさっさと帰ってください」
川;゚ -゚)「あ、すいません……」
(;A;)「おーん、ちんちんが爆発しちゃいそうだよぉ!!」
川 ゚ -゚)「黙れ殺すぞ」
('A`)「だってジーパンに食い込んで痛いんだもん」
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:15:40.82 ID:cM/gPYBU0
-
川 ゚ -゚)「とにかく、その件に関しては後で考えよう」
興味なさ気にそう言うと、クーは天丼を食い始めた。
ちくしょう、俺の体より天丼かよ。
俺は泣きながら天丼を食った。うまい。
('A`)「ごちそーさんです」
川 ゚ -゚)「ふう。ごちそうさま」
( ,,゚Д゚)「ありがとうございました。帰ってくれ」
おやじさんは相当やつれた顔をしている。
大変なんだろうな、飲食業は。俺は絶対やりたくないね。
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:16:56.18 ID:cM/gPYBU0
-
(*゚ー゚)「あの、大丈夫ですか?」
('A`)「え、俺!?」
(*゚ー゚)「なんか泣いてたから……」
な、な、なんて優しいんだろう。
なんて暖かい目で俺を見てくれるんだろう。
あかん。この子はええ子や。
たかが客にすぎない俺を心配して声を掛けてくれるなんて……。
('A`)「君、名前は?」
(*゚ー゚)「え? 私? しぃです」
('A`)「しぃちゃんか。ブラはもうつけてる? つけてるなら何色か教えてくれるかな?」
俺はメモ用紙を取り出し、情報収集に入る。
具体的な内容は、妄想の中では重要なキーとなるのだ。
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:21:38.99 ID:cM/gPYBU0
-
('A`)「出来ればメーカー……あ、これは必要ないね。何でもない。
パンツとブラはおそろい? 出来ればパンツの色も頼むね。あと、実際に見せてくれるのが一番いいかな。
そうだ、おじさんの電話番号教えてあげるよ。XXXのMMMM……」
(*゚ー゚)「あ、あの……」
怖がってる顔も可愛いなぁ。
いかんいかん、怖がらせたらまずいねん。そうや、お菓子や。
子供はお菓子や小銭で心を開けばいいんや。あ、そうだ、うちに連れて行こう!それがいい!名案じゃないかドクオ君!
川#゚ -゚)「ホァァァァッチャァァッァ!!!!」
あべしぃぃぃぃぃ!!! ========)######A`)
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:25:12.77 ID:cM/gPYBU0
-
※
( ,,゚Д゚)「今度きたら警察に通報しますんで」
川 ゚ -゚)「本当に申し訳ありませんでした」
クーにぶん殴られ、挙句の果てに店を追い出された。
時刻は、13時を回っていた。
('A`)「ふひひ、でも目に焼きついたぜ。これで今夜のおかずは困らないぞ」
川 ゚ -゚)「その口、二度と開かないようにしてやろうか」
(;'A`)「す、すいませんでした」
あー、怖い怖い。
これだから20代は……。
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:28:49.94 ID:cM/gPYBU0
-
川 ゚ -゚)「というか、お前は好きな人がいるんじゃなかったのか?」
呆れ顔で、クーが俺の事を見る。
心底、俺の事を嫌っている目だ。嫌悪の目だ。クソ、これだからリアルは困る。
もう慣れたけどね。
('A`)「中学生と高校生は別腹ですよ、軍曹」
川 ゚ -゚)「そうか。死ね」
氏ねじゃなくて死ねって……。
もうね、泣くぞ俺は。
川 ゚ -゚)「一刻も早くお前おの関わりを断ち切りたい。よって、今すぐVIP高校に行くぞ」
('A`)「えー、今からオナニーを……」
せっかくエレクチオンの能力を手に入れたんだし、1000回オナニーに挑戦したい。
俺の中に、そういった闘志。――夢といっても過言ではないだろう。
そういった野望が生まれつつあった。
川 ゚ -゚)「ちょん切ってやろうかクソ野郎」
('A`)「行きましょう。うん、今すぐ」
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:33:43.30 ID:cM/gPYBU0
-
――――……
そんな訳で、俺とクーはVIP高校の前までやってきた。
途中、幼稚園児や小学生に見とれることが幾多あったが、クーに邪魔され色々たずねる事は出来なかった。
まったく、ちょっと股間を触らせようとしただけでうるさい奴だ。
川 ゚ -゚)「……で、お前の好きな子はどれだ?」
('A`)「んーっと。おお、ミニスカ……見えそうで見えないこのライン。
そして、大人とも子供とも言えぬ発展途上の体つき。
うーん、やはりJKもいいですなぁ。たまらんですなぁ。むちむちですなぁ」
川 ゚ -゚)「早くしろ殺す」
('A`)「サー。申し訳ありません」
久々の生足にちょっと意識が飛んでしまった。
いかんな。エレクチオンパワーが暴走しているのかもしれん。
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:39:22.72 ID:cM/gPYBU0
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俺は生前目をつけていた子を探す。
俺の3ヶ月集めたデータによると、あの子のクラスは1−D。
名前はツン。成績優秀。得に体育は抜群。ブルマの似合うツインテールっ子だ。
まさか三次元にあれほどの逸材がいたとは、俺も衝撃を受けた。
バレー部所属。いつも帰りに近くの喫茶でケーキを食べている。しかし太らない。俺のキノコも食べてくれや。
胸はBカップ。彼女自身も少し気にしているようだが、むしろ俺はそれがいい。そのコンプレックスがまた彼女の魅力なのだ。
強気で万能な彼女、しかし胸を気にするという意外な一面。あぁたまらん。たまらんぞ。
私、胸小さいから……。いや、俺は好きだよ。ドクオさん// 俺が好きだって言ってんだ。ほら、柔らかいし、ね。
いや、触っちゃだめ……おーんおーん!!! 盛 り 上 が っ て ま い り ま し た !
(*'A`)「はぁはぁ……」
川 ゚ -゚)「おいコラ。いい加減、その思考をとめろ。汚い」
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:43:03.15 ID:cM/gPYBU0
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('A`)「汚いってナンですか汚いって。俺は純粋にですね、この気持ちを……あっ」
授業が終わり、下校する生徒の中に彼女を見つけた。
ツインテール。きつそうな顔つき。間違いない、ツンだ。
ξ゚听)ξ「でさー」
( ^ω^)「おっおっお」
('A`)「むむっ!」
川 ゚ -゚)「男連れだな」
何だあの変な豚は!
ブヒブヒいいながらツンの隣を歩いていやがる! 豚小屋に帰れ!
クソッ! 汚い面しやがって、得意気にツンの隣歩いてんじゃねえ!
豚! こら、ブタ! てめぇトンカツにすんぞ! ゴラァ!!
川 ゚ -゚)「思考だけは威勢がいいな」
(#'A`)「ぶひひ、ゆ、許さん。許さんぞカカロットっぉぉぉ!!!」
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:47:05.54 ID:cM/gPYBU0
-
川 ゚ -゚)「はぁ……どうでもいいから、さっさと想いを伝えて成仏してくれ。
私はもうどうでもよくなってきた」
(#'A`)「軍曹! 何をおっしゃっているのですか! あの敵兵を倒さなければ愛しのツンが危ないのですよ!
ええい、許さん。俺のスペルマをぶっかけてやる!!」
川;゚ -゚)「お、おい」
俺はジーパンを脱ぎ捨て、パンツも捨てた。
俺の下半身があらわになり、腹を空かせた猛獣が姿を現した。
その様、まさに百獣の王也。
(#'A`)「おおおおおおお!!!!」
俺は猛獣をしごきながら、走った。
猛獣に気付いた他の生徒が、悲鳴をあげる。
俺の想いを邪魔するブタよ。
その身をもって、己の愚かさを知るがいい。
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:51:36.67 ID:cM/gPYBU0
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疾風。風が、VIP高校の校庭を突き抜ける。
「キャー!!」
(#'A`)「うるせぇぞブス!! どけぇ!!」
俺は邪魔なメスブタを押しのけ、憎きブタ男目掛けて猛獣を構える。
( ^ω^)「お? 何か騒がしいお」
ξ゚听)ξ「あ、あれ……何!?」
(#'A`)「おおおおおおおお!!!!」
目標まで数メートル。俺は、跳躍する。
金メダルが、俺の脳裏をよぎった。
(#'A`)「エレクチオン・スペルマ――――!!」
脳内で、しぃちゃんが俺の股間を舐めた。
閃光が走る。
熱が、一気に放出される。
川;゚ -゚)「やめろぉぉぉぉ!!!」
クーの叫びが、むなしく響き渡った。
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:54:31.17 ID:cM/gPYBU0
-
ξ゚听)ξ「……」
('A`)「……」
俺の放った砲弾は、見事、ツンの顔面に着弾した。
ううむ、どうやら狙いを間違えたらしい。
ξつ听)ξ「……?」
ツンは、呆然とした顔で、頬についたソレを手で拭う。
どろり、とした液体が、ツンの手にくっついた。
('A`)「ハハハ。こりゃ結果オーライですな」
川;゚ -゚)「……」
(;^ω^)「……」
ξつ听)ξ「え?」
ツンの顔が、青ざめていく。
俺の格好。そして、その手についたソレ。
ようやく、状況を理解したようだ。
ツンの顔から、生気が無くなっていく。
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 14:58:26.00 ID:cM/gPYBU0
-
('A`)「ツン。俺はお前のことが……好きだぜ?」
ξ゚听)ξ「……」
決まった。
俺の想いが、ツンのハートに届いたのだ。
未だかつて、これほど感動的な告白があっただろうか?
顔射からの告白。月9でも、こんな手法は滅多にないだろう。
('∀`)「わかってるよ。俺のこと好きなんだろ? でも、ごめんな。
俺、もう行かなくちゃ。……どこへ行くかって? そうだな、遠いところだよ。
でも、大丈夫。俺はいつでも、ツンの傍にいるから」
ξ )ξ「……」
バタリ。
ツンが倒れた。どうやら、気を失ったらしい。
- 85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 15:02:24.66 ID:cM/gPYBU0
-
騒然とする校庭。
俺とツンを囲むように、しかしものすごく距離を取っている観衆。
俺は、モーゼのように観衆と言う大海を割り、クーの元へ行く。
('A`)「もう、この世に悔いはないよ」
川;゚ -゚)「……」
('∀`)「俺、わかったんだ。この世に生まれて、何をすべきなのかってずっと考えてた。
歴史に名を残すとか、子孫を残すとか、社会に貢献するとか……色々思いついた。けど、どれもしっくりこなかった」
('∀`)「でもさ、そんな事は、本当にちっぽけな事だったんだ。本当にすべきことは、すぐ傍に転がっていたんだ。
大切な人に、想いを伝えること。好きな人の幸せを願うこと。それが、俺というちっぽけな人間の出来る、最高の生きる目的だったんだ」
- 90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 15:06:12.55 ID:cM/gPYBU0
-
俺は、ツンを心配そうに見つめるブタの胸倉を掴む。
('A`)「てめぇ、ツンを幸せにしなかったらぶっころすからな!!
大切にしろよっ! 俺の代わりじゃなくて、お前自身で……わかるな?」
(;^ω^)「……え、あ、お」
('A`)「さあ、クー。俺は全てやり終えた。
天国へ連れてってくれ」
俺は両手を上げる。
そして、どこまでも続くような青空に向かって、叫んだ。
('∀`)「いい人生だったど――――!!」
それが、最後の言葉だった。
瞬間、俺の意識を、光が包み込んだ。
川 - )「……神、あなたは、何がしたかったんだ……この男に、何をたくしたかったんだ」
- 93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 15:10:17.71 ID:cM/gPYBU0
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走馬灯のように、今までの人生が浮かんでは消えていく。
('A`)「ツン! 海を見に行こうぜ!」
夜中の二時。ツンの家の前で、自転車にまたがり叫んだあの夜のこと。
('A`)「なぁなぁ、おじさんと一緒にブランコのらん?」
公園のお菓子おじさんと慕われ、子供たちと過ごした幸せな時。
J( 'ー`)し「ドクオ……カーチャン、最後にあんたの働いてる姿、見たかったな」
('A`)「カーチャーン!!」
カーチャンの最後の言葉。その夢、最後までかなえてやれなかったな。
(;'A`)「くそ……もうだめだ。ここで漏らすしかない」
電車の中、腹痛に耐え切れずその場で撒き散らした屈辱の夜。
色んな人と出会った。そして、別れが会った。
……何だ、人生ってすごくシンプルだったんだ。
ありがとう、全ての人たち。
ありがとう、俺の仲間達。
今、俺は旅立つ。
- 96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 15:13:13.68 ID:cM/gPYBU0
-
――――……
('A`)「ここは……」
意識が覚醒する。
すると、そこは白い空間だった。
(´・ω・`)「やあ。ドクオ」
('A`)「じいさん……」
そこにいたのは、神だった。
俺を見つめるその表情は、笑顔で、優しかった。
(´・ω・`)「どうだい。君の人生も、悪くなかっただろう?」
('A`)「ああ。ようやく気付いたよ。俺、馬鹿みたいだな。
死んだ時には気付かず、もう一度蘇って初めて幸せに気付いたんだ」
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 15:15:35.93 ID:cM/gPYBU0
-
神様は、ほっほっほ、と笑う。
(´・ω・`)「どんな人間も、生きてる内は幸せに気付かぬものさ。
……さて、そろそろお別れの時間がやってきたようだね」
そっか。もうそんな時間か。
俺は笑いを浮かべながら、問う。
('A`)「なあ、俺は天国に行くんだろ?」
(´・ω・`)「いや、それは違う」
('A`)「え? どういうことだよ。まさか地獄!?」
神様はいじわるそうに笑ったが、首を横に振った。
- 103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 15:18:35.45 ID:cM/gPYBU0
-
(´・ω・`)「君は本当に成長した。そこまで強くなったのなら、もう大丈夫だろう。
もう一度、君は人生を歩む権利がある」
('A`)「……え?」
俺の疑問を読み取ったのか、神様はふふ、とヒゲを触りながら笑った。
(´・ω・`)「さらばだ、ドクオ。君の来世に幸がありますように」
俺の体が消えていく。
ようやく、俺は神様の言っている事の意味を理解した。
――ありがとうございました。
消えるような声で、俺は頭を下げながら、そう呟いた……。
- 105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 15:21:53.84 ID:cM/gPYBU0
-
川 ゚ -゚)「……神」
(´・ω・`)「ああ、クーか。お疲れ様」
川 ゚ -゚)「どうして、奴を輪廻転生したのですか?」
(´・ω・`)「ふふ、まだわからないのかい?」
神様は、愉快そうにクーを見る。
(´・ω・`)「僕の生前の名は、ショボン=ドク=スペルマ三郎。
……ドクオの遠い遠い、ご先祖様さ」
川;゚ -゚)「な、なんと」
クーは信じられないといった顔つきで、ショボンを見る。
神……ショボンは着ていたものを全て脱ぐと、こう言った。
(´・ω・`)「やらないか?」
川 ゚ -゚)「全力で断ります」
- 110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 15:26:30.69 ID:cM/gPYBU0
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「おーい、ドックン! 早く早くー」
「まってよツーちゃん! あっ!」
「ツー。ドックンをいじめちゃダメよ」
「ちぇ、わかったよ。しぃお母さん」
太陽に照らされた田舎道を、元気良く走る少年と少女。
それを見守るは、父と母。
少年は、ゆっくりと起き上がると、汚れをはたき、
この大地を踏みしめるように
目を輝かせながら
走った。
―終わり―