( ,,゚Д゚)ギコの大地は乾かないようです
- 1 名前:1 ◆Cc1bIwcvOk :2007/07/14(土) 20:40:51.33 ID:+W3F0ucl0
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まとめサイトさん「内藤エスカルゴ」
http://www.geocities.jp/local_boon/giko_Daichi/top.html
第四話投下します。
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/14(土) 20:42:15.16 ID:s40moQsf0
- ktkr支援
- 3 名前:1 ◆Cc1bIwcvOk :2007/07/14(土) 20:42:43.98 ID:+W3F0ucl0
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4
(;゚∀゚)「ていうか、なんで俺……」
懐中電灯で照らす道の先は、どうしても不安の塊にしか見えない。
ひとりごとのように呟きながら、ジョルジュは印刷室へと歩いていた。
自分自身で言葉を発したりしながら、自分の存在を確かめていないと、
この異様な雰囲気に呑まれてしまうような気がした。
夜の学校って、こんなに恐いんだな……。
( ゚∀゚)「お、あったあった」
やがて見えてきた印刷室の扉から、中を覗いた。真っ暗だ。
暗く狭い場所なので、廊下よりも尚更真っ暗に見える。
ピアノの黒鍵の黒さとは違い、どろどろとした墨汁のような黒さだった。
(;゚∀゚)(あーもう絶対嫌。入るの、絶対嫌なんですけど)
- 4 名前:1 ◆Cc1bIwcvOk :2007/07/14(土) 20:46:39.04 ID:+W3F0ucl0
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そんなとき、背中に冷たい風がふいた。
(;゚∀゚)「ひぃぃぃぃっ!」
冷静に考えれば、ただの隙間風だということに気付けるのだが、こんな状況にこんな小心者だ。
(;゚∀゚)(悪魔の吐息だぁぁぁぁ!)
意味のわからない考えがジョルジュの脳内を駆け抜け、ジョルジュは迷わず印刷室の扉に手をかけた。
(;゚∀゚)(逃げなきゃ、絶対逃げなきゃ)
ガラリ。
扉を開ける感触は、ジョルジュの家とそっくりだった。
電気もついていない、真っ暗になった部屋。
おかえりなさいの言葉も、もう無い。
もう二度と、聞く事は無い。
懐中電灯で照らされる、印刷室の一部。
そこに映った白い壁が、家の壁の色と重なった。
- 5 名前:1 ◆Cc1bIwcvOk :2007/07/14(土) 20:49:56.10 ID:+W3F0ucl0
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( ゚∀゚)「……」
――キキキキキ。
耳を劈くような車のブレーキ音と、枯れた薔薇のようにして泣く母の涙声が、蘇った。
そしてあの日もこうやって、ひとり家の扉を開けた。
――ジョルジュ、ごめんなさい。お母さんは、もう無理です――
( ゚∀゚)「チッ」
もう忘れたはずだった、ピアスの穴の痛みが、突然ずきずきと悲鳴をあげた。
懐中電灯を口にくわえ、ゴミ箱の中を照らしながら、両手でがむしゃらに紙の山をあさる。
( ゚∀゚)「ん、これか」
その中から、くしゃくしゃになった印刷ミスの表を引っ掴むと、懐中電灯で先を照らさずに走った。
何かから、逃げるように。
ジョルジュは保健室へ走っていった。
- 6 名前:1 ◆Cc1bIwcvOk :2007/07/14(土) 20:53:00.51 ID:+W3F0ucl0
- ※
('、`*川「……なんていうか、この表には本当に印刷をミスしました、という気持ちが出ているわね」
ペニサスはそういいながら、くしゃくしゃになった紙を丁寧に広げた。
ギコがそれを覗くと、そこには黒インクが颯爽と走り去りましたといったような状況が広がっていた。
印刷中に、勢いよく紙を横に引っ張ったといった感じだ。
ミセ*゚ー゚)リ「だけど、読めないこともないよ。ほら、今日はクックル先生だったみたいだし」
ギコの隣から紙をのぞいでいたミセリが、今日の部分を指差して言った。
( ,,゚Д゚)「おいおいおい、今日はクックルだったのかよ。
今日早速見つかっていたら完全に終わりだったな」
ミ,,゚Д゚彡「なあ、これ見やすいようにちゃんと書きなおして、壁に貼っとこうぜ」
フサギコは、人ごみの中心にある紙をひょいと持っていってしまうと、早速新しい紙に定規で線を引き出した。
不意に紙を持って行かれたときの、「あっ」というミセリの声がなんだかかわいくて、
フサギコはちょっと躊躇ったようだった。
そういう、なんでもないちょっとした場面が妙におかしくて、ギコは小さく笑った。
- 7 名前:1 ◆Cc1bIwcvOk :2007/07/14(土) 20:54:53.00 ID:+W3F0ucl0
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ξ゚听)ξ「ねー、明日の日直と部活はなに?」
ミ,,゚Д゚彡「えっと、日直はやまちで部活はハンドボール。
ちなみにハンドボールは中体連まで毎日来ます」
( ゚∀゚)「……」
ジョルジュは、印刷室から帰ってくるなり、「これ」とだけ言って表をペニサスに渡すと、
ベッドに寝転がってしゃべらなくなってしまった。
両足を投げ出すようにし、両手は頭の後ろに置いている。
どこか一点を見つめるような視線と、なんともいえない雰囲気から、誰もジョルジュに話しかけなかった。
ξ゚听)ξ「本当に幽霊でも見たんじゃないの」
からかうようにそういうツンを、ペニサスが咎めるように見つめた。
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/14(土) 20:58:18.60 ID:s40moQsf0
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