( ^ω^) ブーンと血潮の錬金術士のようです
- 1 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:00:49.73 ID:acgNlUDUO
- この酉付けて投下するのもひさしぶりだなー
まとめて下さったエスカルゴさん、申し訳ありませんでした
遅いどころか別物になってしまいました
では投下
- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 19:03:35.46 ID:mvn8ikYyO
- 待ってたぜ
支援
- 3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 19:05:54.25 ID:UGHb+9pP0
- オムライスです
まとめてもよr…あっ、らめぇ…くすぐったいよぉ///
- 4 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:06:10.29 ID:acgNlUDUO
-
1
- 5 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:07:55.27 ID:acgNlUDUO
-
※
血の一滴は鉄の一塊。
血の一滴は魂の破片。
鉄の一塊は魂の破片。
あなたを恨みます。
あなたを憎みます。
あなたを愛します。
- 6 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:09:41.89 ID:acgNlUDUO
-
2
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 19:10:16.81 ID:MIuS7EmoO
- 待ってたぜ!!!!!!!
ところで誰
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 19:12:42.47 ID:8DwMG+Rw0
- 3
- 9 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:13:58.71 ID:acgNlUDUO
-
※
僕の体よりも一回り大きい、その小汚ない鍋は、ボコボコと音を立て血を沸かしている。
/ ,' 3 「ブーン、暑いな」
荒巻は首に掛けたボロ切れで額の汗を拭った。
( ^ω^) 「こんな狭い部屋で、こんなデカい鍋を沸かしてんだから当たり前だお」
「至極当然だ」と僕は嫌味に笑う。
煉瓦造りの、この狭い部屋には、数十年前から荒巻が作り続けて来た刀が所狭しと置かれていた。
- 10 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:18:43.12 ID:acgNlUDUO
-
( ^ω^) 「こんなに刀ばっかり作ってどうするんだお?」
「馬鹿らしい」と僕は皮肉る。
/ ,' 3 「売る」
返って来た単純な答えに、僕は被せる様、単純な質問をぶつける。
( ^ω^) 「誰にだお?」
/ ,' 3 「軍」
荒巻の答えは、いつも単純で、簡潔なものだった。
世界は、無知な僕を置き去りにした。
荒巻は、置き去りにされた僕を拾い上げてくれた。
教養のない僕に、一片の知識を与えたのが、他でもない荒巻だった。
- 11 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:20:01.05 ID:acgNlUDUO
-
※
作り続けるだけでは、いつか、部屋は刀で溢れ返る。
そう考えると納得出来た。
/ ,' 3 「ちょこちょこ軍の人間が来て、刀を持っていってる」
「いつの間に」と僕は首をかしげる。
/ ,' 3 「まぁ、ブーンはその時間は仕事をしている最中か」
仕事は仕事であって、仕事でない。
仕事と呼ぶには程遠い。
( ^ω^) 「それなら僕には関係ないお」
無機質に言う。
/ ,' 3 「連れないな。
それに、明日からは関係なくはないだろ」
荒巻は笑う。小さく笑う。
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 19:20:21.03 ID:kSRzeDkuO
- つまらない、それは面白くないこと
つーか目に毒だから今すぐやめろ粕
- 13 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:21:53.46 ID:acgNlUDUO
-
/ ,' 3 「血の一滴は鉄の一塊」
突然、真面目な顔して荒巻は言う。
( ^ω^) 「お?」
/ ,' 3 「血の一滴は魂の破片」
荒巻は、呆気に取られている僕を置き去りにし、続ける。
/ ,' 3 「鉄の一塊は魂の破片」
そこまで言って、荒巻はコーヒーをすすった。
/ ,' 3 「ブーンも飲むか?」
手を振り、拒否の意を伝える。
( ^ω^) 「明日は朝早いからコーヒーは止めておくお」
/ ,' 3 「連れないな」
また、荒巻は小さく笑った。
- 14 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:22:54.02 ID:acgNlUDUO
-
( ^ω^) 「今日はもう帰るお」
部屋を出る際、「またな」と聞こえた。
何も返さなかった。
明日からはもう来れない。
単純な答えが、僕の中に宙ぶらりんとなる。
決意を二度言うための決意がない。
僕はただ、夜空の星を見ながら家路に着くだけだ。
- 15 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:23:55.04 ID:acgNlUDUO
-
※
家の扉を開け、広間まで進む。
家と言えど、それは朽ち果てたボロ小屋に過ぎず、広間と言えど、それは非常に小さな空間でしかない。
J( 'ー`)し 「ブーン…死のうか…」
死に迫る母の、頬を、僕は無言で殴り飛ばした。
母の頬が血で塗れている様に、僕の頬は涙で塗れていた。
( ^ω^) 「これでしばらくは死なないで済むお」
そう言って、嗚咽する母に銀貨を一枚見せる。
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 19:24:41.54 ID:jC3FHd94O
- 不快<きもい<下らない<つまらない<面白くない<普通<面白い<ワクワク<待ちきれない<信者<中毒
- 17 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:24:53.58 ID:acgNlUDUO
-
J( 'ー`)し 「金だ…金だ!」
母は卑しく銀貨にたかった。糞にたかる蠅の様に、それは酷く汚らしい様だった。
( ^ω^) 「あなたを恨みますお」
( ^ω^) 「あなたを憎みますお」
( ^ω^) 「あなたを愛しますお」
夜は果てしなく、長い。
- 18 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:25:57.75 ID:acgNlUDUO
-
3
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 19:28:15.55 ID:UGHb+9pP0
- す、すごぉい///オムライスです!!オムライスなんですぅぅううう!!!アッー!!!!
- 20 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:31:20.38 ID:acgNlUDUO
-
※
数十の薄汚れた人の列の真ん前に、唯一軍人らしく鎧を装備している男がいた。
その鎧は真新しいのか、綺麗な白銀で、僕たちのみすぼらしさを、より演出していた。
从 ゚∀从 「志願兵の皆、軍へようこそ」
男は自身をハインリッヒと名乗る。
階級は小隊長だとも続けた。
从 ゚∀从 「お前らは金で買われた奴隷と同じだ」
事実だが、何かが胸にめり込むのを感じる。
从 ゚∀从 「だが安心しろ。無駄死にはさせない」
- 21 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:32:29.69 ID:acgNlUDUO
-
('A`) 「無駄死にはさせないだってよ。
俺たちが死ぬことに変わりはないのにな」
隣りの男が、僕に話し掛ける。
その男は、僕よりも頭一つ小さく、僕よりも一回りやつれていた。
貧相という言葉がよく似合う。
自分もこんな様かと思うと、無下に嫌悪が押し寄せる。
('A`) 「死ぬことに変わりはない。
飼い殺される」
( ^ω^) 「飼い殺される?
まぁ、軍属になったからにはしょうがないことだお」
- 22 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:33:36.41 ID:acgNlUDUO
-
('A`) 「殺されて、飼い殺される」
男は不可解なことを言う。
('A`) 「血の一滴は鉄の一塊」
('A`) 「血の一滴は魂の破片」
荒巻。
('A`) 「鉄の一塊は魂の破片」
血潮の錬金術士、荒巻。
('A`) 「血潮の錬金術士って知ってるか?」
「あぁ」と僕は首を縦に振った。
- 23 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:35:56.09 ID:acgNlUDUO
-
※
('A`) 「俺たちは血を搾り取られる。
そうして、その血は、血潮の錬金術士の元に送られる」
('A`) 「あとは―――」
男の言葉に割って入る。
( ^ω^) 「刀へと練成されるだけだお」
荒巻の仕事はよく見て来た。説明されるまでもない。
('A`) 「あんた、なかなか詳しいな」
だが、最後の最後まで、自分が軍とこういう形で関わっているということを、僕に話してくれなかった荒巻に失望した。
裏切り。
それは、酷い裏切りだった。
- 24 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:37:01.75 ID:acgNlUDUO
-
※
( ^ω^) 「血潮の錬金術士とは知り合いだお」
男は、一瞬呆気に取られた後、僕に聞く。
('A`) 「どんな奴だ?」
( ^ω^) 「最低な爺さんだお」
僕は空しく微笑した。
そして続ける。
( ^ω^) 「今から僕は、ここを抜けて血潮の錬金術士の所へ行くお」
- 25 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:38:03.27 ID:acgNlUDUO
-
('A`) 「正気か?バレたらその場で殺されるぞ」
( ^ω^) 「どっちにしても殺されるお」
( ^ω^) 「あんたも付いて来るかお?」
男は嘆く。
('A`) 「あぁ…」
男は悲しむ。
('A`) 「…」
男は認める。
('A`) 「俺は止めておくよ。
死に急ぐことはない」
- 26 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:39:28.31 ID:acgNlUDUO
-
( ^ω^) 「連れないお」
('A`) 「貧しく生まれた時点で、俺は死んでいたのかもな」
('A`) 「でも、俺は一分一秒でも長く生きていたい」
「矛盾してるよ」と言いたかった。しかし、言えなかった。
男の気持ちは痛い程わかる。
- 27 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:40:31.56 ID:acgNlUDUO
-
※
('A`) 「あんたはいくらで身売りしたんだ?」
「最後に」と男は僕に聞く。
( ^ω^) 「銀貨一枚だお」
「そっか」
「俺は銅貨一枚だ」
「これで兄弟が、三日間は死なずに済む」
糞以下の優越感を背負い、僕は列から離れ、駆け出していた。
名も知らぬあの男が今後どうなるか、僕に知る術はない。
- 28 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:47:14.56 ID:acgNlUDUO
-
4
- 29 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:48:22.56 ID:acgNlUDUO
-
※
二度、三度立ち止まり、軍人の目を確認する。
死と背中を合わせている様で、強く生を実感した。
いつしか、僕は街行く雑踏に紛れ、追っ手らしい者がいないことに気付いたのだった。
(;^ω^) 「ひぃひぃ…」
息は上がり、口腔には酸っぱいものを感じる。
バレなかった。
生まれて来てから、初めて「運がいい」と思えた。
いや、生まれたこと自体、運が悪いのか。
- 30 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:49:21.37 ID:acgNlUDUO
-
※
( ^ω^) 「荒巻どういうことだ―――」
扉の奥から声がして来た。
( ^ω^) 「お?」
勢い余って、小さく語尾を垂れ流してしまった。
これ以上は音を立てない様に、僕は扉をほんの少し開け、ジッと凝視し、聞き耳を立てる。
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 19:49:39.15 ID:J/2hSaBNO
- 支援
- 32 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:50:47.33 ID:acgNlUDUO
-
※
荒巻と、迷彩色をした軍服を着た軍人が話し合っていた。
/ ,' 3 「次が最後とはどういう意味だ?」
( ´∀`) 「そのままの意味だ。
次にお前に送る奴等の血で最後だ」
「信じられない」と荒巻は首を振る。
/ ,' 3 「用済みということか?」
( ´∀`) 「それもある。だが、それだけじゃあない」
( ´∀`) 「敵はお前を狙っている。
血潮の錬金術士本人の血で、魂で、刀を練成しようと躍起になっている」
- 33 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:52:04.46 ID:acgNlUDUO
-
/ ,' 3 「血と鉄と魂の繋がりを何故知っている!?」
一瞬、荒巻は声を荒げた。
( ´∀`) 「さぁな…
わかっていることは、敵がお前を狙っているということ。
それだけだ」
/ ,' 3 「…」
荒巻は黙りこくってしまった。
僕は息を飲んでその様子を見守る。
( ´∀`) 「明日、血を送る。
明後日には、全て刀に練成しておけ。
明々後日に、俺が刀の回収ついでに、お前を殺す」
- 34 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:53:04.88 ID:acgNlUDUO
-
お前を殺す?
この軍人が荒巻を殺すというのか?
/ ,' 3 「お前が…私を…殺すだと?」
荒巻は、ゆっくりと口を開く。
/ ,' 3 「残念だが、それは不可能だ。
お前はここで、私に殺される」
- 35 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:54:10.16 ID:acgNlUDUO
-
※
( ´∀`) 「軍に背くか?
ならばいいだろう。明々後日などと悠長なことは言わない。
今ここで、お前を殺す」
軍人は、刀を鞘から抜き、構える。
( ´∀`) 「自分の作った刀で斬り殺されるってのは、どんな気分だろうな?」
荒巻は一言「知るか」と呟き、床に散らばる刀の中から一本を手に取った。
/ ,' 3 「来い」
軍人と同じ様に、荒巻も構える。
- 36 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:55:09.37 ID:acgNlUDUO
-
※
(;^ω^) 「止めるお!」
気付くと、僕は叫び、二人の間に飛び込んでいた。
やはり、運が悪かった様だ。
軍人が荒巻に切り掛かった刹那に飛び込んだためか、僕の右腕は肘から下が、スッパリと斬り飛ばされた。
- 37 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:56:07.60 ID:acgNlUDUO
-
(; ω ) 「ぎぃっ!!」
僕は金切り声を上げる。
/;,' 3 「ブーン!何故ここにいる!?」
一瞬、荒巻は僕に気を取られた様で視線をこちらに向ける。
だが、それがマズかった。
隙を突かれ、荒巻は背を大きく斬られたのだった。
/;,' 3 「ちぃっ!」
- 38 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:57:10.60 ID:acgNlUDUO
-
※
止どまることなく、僕の腕は血を吹き出す。
部屋を染める血飛沫。
意識が遠のくのを感じる。
(; ω ) 「お…おお…お…」
体全体が痙攣している気もした。
耳に入るのは、荒巻の悲しげな声。
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 19:57:54.97 ID:fC4cduaCO
- 私怨
- 40 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 19:58:13.61 ID:acgNlUDUO
-
「こんな出来損ないの刀が、私の最後になるとはな。
残念だ。だが、嬉しいよ」
「血の一滴は鉄の一塊」
「血の一滴は魂の破片」
「鉄の一塊は魂の破片」
「お前は生きろ。ブーン」
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 20:02:20.79 ID:fC4cduaCO
- 紫煙
- 42 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 20:03:43.03 ID:acgNlUDUO
-
※
痛みは消えていた。
残ったものは、歪な形をした右腕だった。
( ω ) 「う…お…おお…」
傷口からは、恨み人を睨むかの様に、鋭利に伸びる鉄が生えていた。
そして、それは今、憎み人を突き刺し、血と肉と静寂を貫いていた。
(;´∀`) 「荒巻…お前は最後に化け物を作ったのか…」
軍人は、この言葉を最後に完璧な沈黙を貫く。
- 43 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 20:04:48.80 ID:acgNlUDUO
-
/ ,' 3 「すまん」
荒巻はたった一言の謝罪をした。
( ;ω;) 「荒巻…何でだお?」
聞かなければならないことがあった。
( ;ω;) 「何で、荒巻と軍との関係を、僕に教えてくれなかったんだお?
僕を裏切ったのかお?」
「信じていたのに」と僕は捲し立てる。
- 44 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 20:06:02.07 ID:acgNlUDUO
-
「結果的には」と前置きをして、荒巻は言った。
/ ,' 3 「お前を永遠に刀という形で私の元へ置いておくつもりだった」
それは、僕の右腕と同様に―――
/ ,' 3 「だから、お前が軍に身売りした時、何も言わなかった」
/ ,' 3 「お前を、私だけのものにしたかった」
歪な形をした、愛だった。
( ;ω;) 「あなたを恨みますお」
( ;ω;) 「あなたを憎みますお」
( ;ω;) 「あなたを―――」
( ;ω;) 「愛しますお」
- 45 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 20:06:52.54 ID:acgNlUDUO
-
0
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 20:07:06.26 ID:jC3FHd94O
- (;^ω^)
- 47 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 20:08:09.90 ID:acgNlUDUO
-
※
たった一握の自尊心を手に、ゴミ漁りという名の仕事をする僕を、年老いた男はジッと見詰めて来た。
( ^ω^) 「見せ物じゃないお」
こうもあからさまな侮辱に少々腹が立つ。
「いや、気にするな」
僕の心境を勘ぐってか、男は否定をする。
( ^ω^) 「じゃあ何だお?」
男は頭を掻き、照れ臭そうに言った。
- 48 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 20:09:23.56 ID:acgNlUDUO
-
「家に来ないか?」
「もちろんやましいことをする気はない」
男は笑って続ける。
「何、暇なら家に遊びに来ないか?」
生きていくことに必死で、なくしてしまった何かを、差し出された気がした。
( ^ω^) 「別に構わないお」
「とは言っても、刀しかないみすぼらしい家だがな」
男は自虐に笑う。
それでもその言葉は、どこか誇らしげにも聞こえた。
- 49 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 20:10:37.20 ID:acgNlUDUO
-
( ^ω^) 「刀鍛冶かお?」
「似た様な者だ」
「血に含まれる鉄分から、鉄塊を作り、その鉄塊から刀を作る」
僕にはよくわからなかった。
「血は、体という器に入っている魂そのものなんだよ。
私は、その魂を使って刀を作っている」
( ^ω^) 「何だか不思議な仕事だお」
僕は無知に笑う。
「実に不思議だ」
それは、不思議で奇怪な業。
- 50 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 20:11:35.78 ID:acgNlUDUO
-
「血の一滴は鉄の一塊」
「血の一滴は魂の破片」
「鉄の一塊は魂の破片」
奇異な言葉を吐くと、男は言った。
「行こうか」
空はもう、赤く染まっていた。
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 20:11:37.70 ID:JgTpMX0jO
- 支援
- 52 名前: ◆ZGuRy.Pfdg :2007/09/15(土) 20:14:14.52 ID:acgNlUDUO
- 以上でお終いです
支援して下さった方、ありがとうございました
この酉で投下することはもうありませんが、またいつか別作品でお会いしましょうw
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 20:24:45.18 ID:UGHb+9pP0
- オムライスです
まとめてもいい?
だめだよね
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 20:25:15.54 ID:8ou9d7Kz0
- >>53
自重しろ
乙
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/15(土) 20:25:49.55 ID:kHI6+nqL0
- >>52
ここで終わり!?
なんか勿体無いけど乙
面白かった
戻る