内藤エスカルゴ - 完結作品一覧 - ( ^ω^)カウボーイなようです - 【Last2:幕引き】

( ^ω^)カウボーイなようです

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/06(水) 21:35:25.09 ID:TOinQKGPO

【Last2:幕引き】



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/06(水) 21:38:21.25 ID:TOinQKGPO


l`ム_´/「遊撃隊またも全滅か。
   まぁいい、直ぐ次の部隊を出すさ」
資料に一通り目を通し、それを部屋の隅にある箱に放り投げる。

「まだ、続けるのですか?」

ザザと、その周辺が記された地図を広げ、その上にチェスの駒を置いていく。

l`ム_´/「当たり前だろう、手持ちの駒はまだ沢山残っているんだ。
   使える駒を、使える時に、出さんでどうする?」

そう言いながらトムは黒のポーンを片手で弄ぶ。



4 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 21:41:01.40 ID:TOinQKGPO

「……」

l`ム_´/「どうした? 何か、不満でもあるか?
   奴等の西方ラインは下がり始めたようだし、このまま行けば順調に……」

「ところで本隊の方は?」

チェスの駒を並べながら続ける。

l`ム_´/「何ら問題は無いさ。事は、順調に進んでいる。
   そっちはどうなのだ?」

「指示通りに動いています」

l`ム_´/「あとは、実行するのみだな」

黒のビショップをつまみ上げて位置を組み替える。

l`ム_´/「面倒を増やしてくれるなよ?」

「承知してます」

言いながらトムは白のナイトを指でゆっくりと倒し、僅かに口元を歪めた。


―――


5 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 21:42:30.17 ID:TOinQKGPO

東、南、北
三方からの攻め。

(´・ω・`)「首尾はどうだい?」

<ヽ`∀´>「言うまでもなく上々ニダ」

(´・ω・`)「そうかい」

東、ニダーを筆頭にショボン、そして馬と人の列が続く。


―――



7 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 21:44:04.80 ID:TOinQKGPO


( ゚д゚)「さて、そろそろ時間だな」

手にした懐中時計を見つめながら、ミルナが呟く。

南、ミルナの背後で数十人の配下が静かに動き始めた。


―――



8 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 21:46:22.17 ID:TOinQKGPO

  _
( ゚∀゚)「震えているじゃねえかお嬢ちゃん、帰っても良いんだぜ?」

ξ゚听)ξ「震えてなんかない、それに帰る場所なんて……無い」
  _
( ゚∀゚)「小娘がよくやる……」

ξ゚听)ξ「何か言ったかしら?」
  _
( ゚∀゚)「空耳だろう」

北、小高い丘の上で配下を従えてジョルジュとツンが並ぶ。

西風が吹き荒れ、枯れ草が揺れ砂埃が舞う。
雲一つ無い澄み切った青い空で鳥が円を描くように飛んでいた。

―――



9 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 21:48:32.75 ID:TOinQKGPO

そして

ザザ周辺の荒野で戦いが始まった。



10 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 21:52:04.97 ID:TOinQKGPO

「もう駄目だあぁ……!」

「狼狽えるな! まだ終わっていない!」

ザザの精鋭部隊はこの最新兵器を持ち出し彼らを迎え撃った。

「薙ぎ払え!!」

反乱組織の構成員は次々と倒れていく。

「諦めるなバカ野郎!」

「何だよ、何なんだよあれ!?」

逃げ惑う者、抗い立ち向かうも散っていく者。

「ははッ、見ろよ踊ってやがるぜ」

それを見て笑う者。



11 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 21:53:47.63 ID:TOinQKGPO

「まだだ! まだ俺は弾を撃ち尽くしちゃいねえ!」

地に這いつくばりながら男が叫ぶ。

「もっと足掻けよ! 張り合いが無いだろうがッ!」

精鋭部隊は狂ったように笑いながら反乱組織を蹴散らしていく。

「諦めるのはまだ早い、まだ負けちゃいないんだ!」

誰かが叫んだが悲鳴と銃声でその声は掻き消えた。

「ん〜……、実に美しい」

精鋭部隊の一方的な攻めを見て誰かが呟く。



12 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 21:55:36.69 ID:TOinQKGPO

「クソがあああああああ!」

血反吐を吐きながら反乱組織の男が声を張り上げる。

反乱組織の少女が血だらけになって壁にもたれかかる。
その手には一丁の拳銃が握られている。

「ああ、父さんごめんなさい……、わたしには無理でした。
   ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」

そして、少女は手にした拳銃の銃口を自らに向け、口にそれをくわえる。

乾いた銃声が鳴った。
そこで少女の命は絶たれた。

それでも銃声は鳴り止まず反乱組織が全滅するまでそれは続いた。



13 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 21:57:38.12 ID:TOinQKGPO


「さて、そろそろティータイムだな。ティーセットを用意しろ」


「……」


「まだか?」


「君は、もう用済みだ。紅茶はゆっくりあの世で飲みたまえよ」


「何……、貴様は……!?」


ズドン


世界は赤に染まった。




14 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 21:58:32.63 ID:TOinQKGPO

【Last2:終幕】 fin



15 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 22:02:07.07 ID:TOinQKGPO


戦闘の始まりはゆったりと、そして終わりは直ぐに訪れた。
結果はザザ側の一方的な勝利。

三頭の支配は変わらず。
あれから数ヶ月後にはいつもザザの街に戻っていた。




17 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 22:03:27.70 ID:TOinQKGPO


从 ゚∀从「結局……、こうなるのか」

( ^ω^)「早々変わるものでもないお」

( ΦωΦ)「まだ、変化する時代ではなかったのだ」

ザザ大通りのとある喫茶店にて。

从 ゚∀从「オッサンの言う通りかもなあ」

( ^ω^)「流れに任せるだけかお」

ノパ听)「言い方変えたらただ流されるままに、だね」

('A`)「それで良いんじゃん」

ブーンと背中合わせの席に座っていたドクオが不意に口を開く。



18 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 22:04:51.04 ID:TOinQKGPO

从 ゚∀从「お前はお前で、いつ戻ってきたんだ?」

('A`)「下手に巻き込まれるの嫌だったからザザから離れてたんだよ」

( ΦωΦ)「正解といえば正解だな」

('A`)「だって、俺らが何かして変わることでもないだろ」

ノパ听)「確かに……、そうだね」

( ^ω^)「ドクオらしいお」

从 ゚∀从「同感」



21 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 22:08:24.10 ID:TOinQKGPO

('A`)「それ、褒めてんの?」

从 ゚∀从「褒めてると思ってんの? そうだとしたらきっと、世界は真実で溢れてるぜ?」

言いながらハインは肩をすくめて見せた。

('A`)「……おk、理解した」

ドクオは苦笑するとテーブルに顔を伏せた。


実に平和だ。

実に、平和だ。



22 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 22:09:13.91 ID:TOinQKGPO


第3幕 終わり




23 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/05/06(水) 22:10:23.72 ID:TOinQKGPO


( ^ω^)カウボーイなようです  〜終劇〜




前へ 次へ

内藤エスカルゴ - 完結作品一覧 - ( ^ω^)カウボーイなようです - 【Last2:幕引き】
inserted by FC2 system