( ^ω^)カウボーイなようです
- 26 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 21:58:28.93 ID:vZKlN5wLO
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そこは大国の中にある小さな都市があった。
いつしかそこには、はぐれ者達が集まり力でその都市を我が物とした。
一時期、無法地帯とも呼べるような場所に成り下がった。
しかし、後任の市長は交渉に交渉を重ね、はぐれ者達との共存を実現した。
そうして都市の傾いたバランスは安定しはじめる。
だが、その安定も長くは続かなかった。
一部のはぐれ者により市長は暗殺されてしまう。
すると、はぐれ者達は互いに疑い合い、最期には三つの組織に別れてしまう。
三つの組織のトップは現状を打破すべく都市を内側から三つに分け、各組織どうしの共生を目指す。
そして、目論見が破られ、行き場を失った件の大元は胆振出される前に遠方へ逃げ去った。
役立たずと見限られた役人は街の中央へ押し込められて、三つの組織に監視される。
それから数年後、一部の役人は組織から三組織の犬に成り下がり、組織の為に尻尾を振り続けている。
そして、これからも。
- 28 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:02:19.66 ID:vZKlN5wLO
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第3幕
【Last1:撃鉄を起こすとき】
- 30 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:04:17.67 ID:vZKlN5wLO
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ここ最近ずっとザザの街は静かだ。
今日も街中を出歩く者は殆ど居ない。
しかし、昨日までとは違った。
- 31 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:07:03.69 ID:vZKlN5wLO
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( ゚∀゚)「他人に手を借りるのは気が引けたよ流石にな。
だが、相互利益の為とはいえ一応は礼を言わにゃあな
ありがとうよ、嬢ちゃん」
ザザから南に位置する廃村でジョルジュと向かい合う二人。
(´・ω・`)「その呼び方は辞めて頂きたいな」
ξ゚听)ξ「構わないわよショボン。
今は……、今はまだ一人の小娘に過ぎないんだから」
ジョルジュに対し、強く言うショボンにツンが冷めた言葉をかける。
(´・ω・`)「しかし……」
_
( ゚∀゚)「本人が言ってんだから良いじゃねえかよ。
それとも親分の器がデカくて不満か?」
ニヤニヤと笑みを浮かべながらジョルジュはショボンに言った。
- 32 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:09:28.14 ID:vZKlN5wLO
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(´・ω・`)「……族の分際で」
ξ゚听)ξ「ショボン」
一歩前に出ようとするショボンをツンが言葉で制止する。
(´・ω・`)「ッ……」
ツンに抑えられ、ショボンは押し黙る。
しかし、その視線はジョルジュに向けられたままだ。
_
( ゚∀゚)「まぁいいや、後は手筈通りにやれば豚を撃つより簡単だ」
ξ゚听)ξ「幸運を祈ってるわ」
_
( ゚∀゚)「祈る必要も無え、結果は見えてんだからよ」
言いながらジョルジュは崩れかけの家屋に入って行った。
- 33 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:12:29.63 ID:vZKlN5wLO
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ξ゚听)ξ「ショボン……」
(´・ω・`)「?」
ξ゚听)ξ「彼等はどうせ捨て駒なんだから好きに言わせておけば良いのよ」
(´・ω・`)「でも、やはり信用ならないよ奴らは……」
ξ゚ー゚)ξ「彼等にこちらを裏切るメリットは無いから大丈夫よ。
ま、逆にこちらには彼等を裏切るメリットは山程あるんだけどね」
フフと薄ら笑いをしながらツンは続けた。
ξ゚ー゚)ξ「後少し、後少しで手が届くのよ」
―――
- 34 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:14:24.56 ID:vZKlN5wLO
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(,,゚Д゚)「この先の廃村に奴らが潜んでると?」
十数人の部下を引き連れてギコは廃村から少し離れた位置から様子を伺う。
その傍らには不衛生な格好の男がだらしなく立っている。
「へぇ、間違いありませんぜ」
(,,゚Д゚)「ありがとよ」
「……それで約束の金は?」
手を摺り合わせながら男がギコに尋ねる。
(,,゚Д゚)「金だぁ? てめぇなんかに出せるわけ無いだろ!」
ギコは高圧的な態度で即答した。
「そんな……」
(,,゚Д゚)「帰れ、流れ弾が当たっちまうかもしれんぜ?」
そう言ってギコはライフルの銃口を無造作に男に向けた。
「か、勘弁してくれよぉ!」
男は全速力で逃げていった。
- 35 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:16:55.68 ID:vZKlN5wLO
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(,,゚Д゚)「さて……、サクっと潰してパパッと帰るぞ!」
ギコは馬に跨る。
「「「おお」」」
部下達もそれ続く。
ギコを戦闘に少数精鋭の遊撃隊が進みだした。
何も知らずに。
―――
- 36 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:19:31.68 ID:vZKlN5wLO
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( ^ω^)「……」
椅子に浅く腰掛け、窓から空を見つめる。
いつもと同じ、同じだけど何かが違う。
でも何が違うかがわからない。
( ΦωΦ)「なんだ起きてたのか」
( ^ω^)「お……、ロマネスクさんかお」
開けっ放しのドアからロマネスクが部屋の中へ入ってきた。
( ΦωΦ)「調子はどうだ?」
( ^ω^)「ん〜」
ブーンはロマネスクの質問への返答に少々悩む。
( ΦωΦ)「……」
(;^ω^)「ん〜……」
結構悩む。
- 37 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:22:33.88 ID:vZKlN5wLO
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( ΦωΦ)「いや、わからんならそれで良いぞ?」
( ^ω^)「んじゃ、わかりませんお」
(;ΦωΦ)「即答か」
( ^ω^)「……」
自分の掌に視線を落とす。
開いたり閉じたりしてみる。
握力が少し落ちたのか違和感がある。
( ΦωΦ)「不安か?」
( ^ω^)「いや……」
否定はしてみたものの言葉に詰まった。
( ΦωΦ)「何も続ける必要は無い。普通に仕事を見つけて暮らせば良いだけだ。
寧ろそっちの方が楽かもしれん」
- 40 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:25:19.22 ID:vZKlN5wLO
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( ^ω^)「それも良さそうだお。でも……」
( ΦωΦ)「最期に決めるのは本人だ。
余計な事だったかもしれんな。
今の話は忘れてくれて構わんよ」
そう言ってフラリと部屋から出て行くロマネスク。
ブーンはそれを目で追う。
( ^ω^)「……」
そのまま中空を見つめながらボーっとする。
きっと間抜け面から更に魂が抜けたような顔になっていく。
すると下階からパタパタと階段を駆け上がる音が聞こえてきた。
ノハ;゚听)「戻ったよ、ってうわ!?」
( 。ω゜)「おかえりお」
ノハ;゚听)「何て顔してんのさ」
( ^ω^)「これは失敬」
- 41 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:28:35.47 ID:vZKlN5wLO
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レッドが大小二つの紙袋を抱えて部屋に入ってきた。
ノパ听)「ロマネスクは?」
( ^ω^)「ロマネスクさんなら……」
( ΦωΦ)「呼んだか?」
奥からニュっと頭を出すロマネスク。
ブーンは少し気分が悪くなった。
ノパ听)「頼まれてた物と、号外が出てたから貰ってきたよ」
言いながら小さい紙袋と新聞の号外をロマネスクに差し出す。
それらを受け取り、号外を開き目を通す。
( ΦωΦ)「ふむ」
一通り目を通すとロマネスクは浅く溜め息を吐いた。
( ΦωΦ)「どうやら……、ザザの第三遊撃隊が全滅したようだ」
- 42 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:34:09.89 ID:vZKlN5wLO
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ノパ听)「潰されるの早いなあ」
( ΦωΦ)「もう少し頑張ると思ったのだがな・・・。
やはり、正規軍ですらないザザの兵隊では先住民ぐらいとしかまともにやれんか」
( ^ω^)「ザザの街中で撃ち合いになるかと思ってたお」
ノパ听)「まだ牽制しあってる感じだからそれはまだ先の話だね。
とりあえず昼食作ってくる」
レッドはキッチンの奥に消えていった。
( ΦωΦ)「ザザの軍は捨て駒、本命は裏方の組織だろう」
( ^ω^)「そう言えば3頭はどこも目立った動きしてないお」
( ΦωΦ)「いつまでも、岩みたいにじっとしてる訳でもあるまい。
頃合いを見て動き出すだろう」
( ^ω^)「そんなもんかお……」
ノパ听)「いきなり全力でぶつかったら、数の力でザザ側が一方的に攻めて終わるじゃん」
レッドが大きめの皿に不細工なサンドイッチを乗せて持ってきた。
- 43 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:36:19.52 ID:vZKlN5wLO
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( ^ω^)「あぁ、成る程……」
( ΦωΦ)「うむ」
レッドに促されてブーンとロマネスクはサンドイッチを手に取りパンをめくった。
ノパ听)「なんでめくるのさ」
中身はチーズ、スライスされたトマトにタマネギらしき物が見える。
あと、これはスモークサーモンだろうか。
( ΦωΦ)「もう少し綺麗に作れんのか……」
ノパ听)「文句言うなら食べなくても良いよ」
( ΦωΦ)「いや喰う、喰うぞ。うん、ウマい」
サンドイッチを口に詰め込むロマネスク。口から出る言葉からは美味しさが全く伝わらない。
- 44 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:38:37.04 ID:vZKlN5wLO
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ノパ听)「何か釈然としないよ!」
( ^ω^)「……」
ノパ听)「ん? どうしたブーンも文句あるのかい?」
(;^ω^)「た、食べますお!」
不満げな顔をして詰め寄るレッドを見て慌ててサンドイッチを胃に詰めこむ。
胡椒がキツくて少し咽せてしまった。
―――
- 45 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:40:25.57 ID:vZKlN5wLO
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廃屋の一室に特徴的な笑い声が響く。
<ヽ`∀´>「ホルホルホルホル!!」
ニダーはグラスを傾けて波々に注がれた酒を一息に飲み干す。
口の端から飲み損ねたのか酒が一筋垂れている。
その向かいに座るミルナは無言で煙草を吸う。
( ゚д゚)y-~「……」
その周りでは配下の者達が忙しなく何かの作業を続ける。
「ミルナさん、とりあえず終わりました」
( ゚д゚)「よし……」
声を掛けられると煙草を灰皿へ押し付けて立ち上がった。
( ゚д゚)「では次の作業に移るぞ。他の奴にも伝えろ」
「へい」
- 46 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:43:15.12 ID:vZKlN5wLO
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<ヽ`∀´>「ミルナもよく働くニカねぇ」
( ゚д゚)「銃を撃つ事と酒を飲む事しか出来ない奴が居るからな。
その分他の誰かがやるしかあるまい?」
<ヽ`Д´>「そんな役立たずはさっさと撃ち殺せば良いニダ!
生きてるだけで酒樽に穴を空けるバカは死ねば良いニダよ!」
( ゚д゚)「あぁ、俺も同意見だよ」
<ヽ`∀´>「ウリが処分してやるニダよ。そいつは何て名前ニカ?」
ニダーは拳銃に頬ずりしながらミルナに訪ねた。
( ゚д゚ )「捜さなくても、俺の目の前で今し方酒瓶を空にした奴がそうだ」
<;`д´>「ゴクリ……」
( ゚д゚ )「……」
<*´д`>「見つめられると照れるニダよ」
そう言い残してニダーは部屋をフラフラと出て行った。
( ゚д゚)「酔っ払いめ」
―――
- 47 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:46:36.03 ID:vZKlN5wLO
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ザザの保安官事務所にて。
(;゚凸゚)「くッ……」
('A`)「俺はこのままで」
お互い五枚のカードを手にしてテーブルを隔てて睨み合う。
( ゚凸゚)「二枚チェンジ」
そう言って保安官の事務は二枚を捨て山に置き、山から新しく二枚を引いた。
( ゚凸゚)「むぅ……」
('A`)「良い?」
( ゚凸゚)「良いぜ」
('A`)「そんじゃ手札を……」
( ゚凸゚)「俺のはフルハウスだぜ!!」
('A`)「……」
意気揚々と手札を出す保安官ジム。
ドクオは表情を変えずに、一枚ずつゆっくりと手札を開く。
- 49 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:49:29.17 ID:vZKlN5wLO
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( ゚凸゚)「ん?んんん?」
('A`)「どしたのさ保安官」
( ゚凸゚)「これ……、なんだよ」
('A`)「ロイヤルトレートフラッシュだけど?」
(;゚凸゚)「えぇぇぇ!? おま、イカサマじゃ……」
('A`)「いや、最近ツいてんだ。そんじゃ、この缶詰めは頂くぜ」
そう言ってテーブルの横に積んである缶詰めを数個取り、手にした袋に詰め込んだ。
(;゚凸゚)「畜生……、もう一回だ!」
('A`)「嫌だね」
テーブルに置かれたカードをかき集めるより早くドクオは即答した。
- 50 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:54:30.92 ID:vZKlN5wLO
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(;゚凸゚)「勝ち逃げは無ぇだろうよ……」
('A`)「もう時間なんでね。
そっちも、一応保安官の仕事残ってるんじゃないの?」
( ゚凸゚)「いや……、仕事サッパリなのよ最近」
('A`)「へぇ〜、奥さんともサッパリ?」
( ゚凸゚)「最後にしたのは半世紀前だぜきっと」
('A`)「あっそ」
( ゚凸゚)「反応薄いな……、保安官泣いちゃうぞ?」
('A`)「現実問題は冗談言ってる状況でもないだろ?
街がこんなんだしな」
( ゚凸゚)「ハハ、違い無ぇや」
('A`)「んじゃ、さいなら」
( ゚凸゚)「おう、あばよ」
ドクオは荷物を担ぎ、保安官事務所をあとにした。
- 52 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 22:56:29.13 ID:vZKlN5wLO
-
【Last1:撃鉄を起こすとき】 fin
- 53 名前: ◆8pP6SaUBG6 :2009/04/26(日) 23:00:04.43 ID:vZKlN5wLO
- 支援ありがとうございました
約10ヶ月停止して自作品なのに流れがサッパリわかんないけどまあいいや
あとで読んで悶えてきます