内藤エスカルゴ - 完結作品一覧 - ( ^ω^)カウボーイなようです - 【8th:ワッフル村の戦い】

( ^ω^)カウボーイなようです

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:01:10.62 ID:RWWeQLbwO

【8th:ワッフル村の戦い】



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:04:01.69 ID:RWWeQLbwO


( ^ω^)「着いたお」

ザザから二日馬を走らせてブーンがたどり着いたのは殺風景な小さな村。
村の入り口にある下げ看板にはワッフル村と書いてある。

( ^ω^)「マッド・バズの詳しい情報でも集めるかお……」

ブーンは酒場の脇に馬を停めて酒場の中へ足を踏み入れた。
同時に、酒場の中に居た数人の客の視線がブーンに向けられる。

( ^ω^)「……」

ドアが閉まると、同時に客の視線はブーンから離れた。



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:05:46.12 ID:RWWeQLbwO

ブーンはカウンターへ向かいマスターに声を掛ける。

( ^ω^)「ちょっと聞きだい事が……」

「酒場に来たなら何か頼むもんだろう?」

マスターはグラスを磨きながらブーンに言った。

( ^ω^)「……ミルク」

ブーンがそう言うと、誰かが笑いながら言った。

?「ミルクだと……? ここはガキが来る所じゃあねえぞ?」

その言葉に続いて幾人かの嘲笑が酒場に響いた。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:15:05.26 ID:RWWeQLbwO

( ^ω^)「じゃあ……、バカが来る所かお?」

冷めた口調でブーンは返す。
それを聞いて笑い声はピタリと止んだ。
マスターの表情は変わらない。

?「バカ……、だと? 今そう言ったか?」

言いながら一人の男がブーンの背後に立った。

( ^ω^)「ひとの後ろに立つって事は、覚悟は出来てるって事かお?」

?「黙れガキ! 俺を誰だと思ってやがる!?」

( ^ω^)「知らんお……」

言いながら視線だけ背後に立つ男に向ける。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:20:45.56 ID:RWWeQLbwO

( ゚益●)「俺はグリム・デビー! 喧嘩屋デビーと言えばちったあ名の知れた……」

眼帯をした男が口元を歪めながら名乗り始める。
腰には無駄な装飾を施された拳銃が下げられている。

しかし、男の名乗りは一発の銃声で掻き消えた。

?「そう騒ぐなよデビー」

(;゚益●)「あ……、ジョ……」

銃声がした方へ視線を向けた。

( ^ω^)「……」

男の手には拳銃が握られている。
先程の銃声は、あの男のものだろう。



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:28:03.55 ID:RWWeQLbwO

?「酒が不味くなるだろ」

(;゚益●)「す、すまねぇ。しかし……、この野郎が!」

?「ん?」

男の耳にはデビーの言葉は入っていないようだ。

( ^ω^)「……」

?「俺の顔に何か付いてるか?」

ブーンの視線に気づき、男は声を掛ける。



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:34:12.73 ID:RWWeQLbwO

(  ω )「こ……や……」

( ゚益●)「何だ?」

?「?」

(  ω )「いや……貴様は……」

ブーンの視線は男にのみ向けられている。

?「俺のことを知ってるようだが……」

(  ω )「探したお……」

その視線は魂さえも射抜かんとする程に鋭い。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:40:40.59 ID:RWWeQLbwO

?「聞いちゃいないな」

男はやれやれと肩を竦める。

(;゚益●)「なんだコイツ……」

( ゚ω゚)「ジョルジュ!!」

そう叫び、ブーンは拳銃を引き抜く。
酒場全体にざわめきが広がった。
  _
( ゚∀゚)「……めんどくせぇ」


―――



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:44:38.50 ID:RWWeQLbwO


('A`)「あれが、ワッフル村か」

地平線の果て、視線の先に村らしき影が浮かぶ。
地図と、方位磁石とを見比べながら確かめた。

('A`)「うん、合ってるみたいだ」

どうやら間違いないようだ。

('A`)「しっかし……、何か嫌な雰囲気だなぁ。
   行きたくねえなぁ……」

馬の歩を緩めてその場をグルグルと周りながら村の方を見つめる。

('A`)「でも、何時までも待たせるのも悪いし……、やっぱ急いで行くか」

手綱を引き、馬に正面を向かせた。



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:48:16.56 ID:RWWeQLbwO

('A`)「おっし!」

馬の脇腹を足で締めて加速させる。
砂埃を巻き上げながら荒野を駆けていく。
それから数分後、ドクオはワッフル村から聞こえてくる微かな銃声に気付く。


―――



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:53:05.33 ID:RWWeQLbwO


一発の銃声が響き渡る。
微かな硝煙の臭いが辺りに漂う。

(;゚ω゚)「くっ……」
  _
( ゚∀゚)「おいおい、危ねえじゃんかよ」

(;゚益●)「あ……、ぶ……?」

ブーンが引き金を引く瞬間、ジョルジュはデビーを盾にしてそれを防いでいた。
  _
( ゚∀゚)「礼をせにゃあ、な!」

( ゚ω゚)「!」

ジョルジュはデビーの背中を蹴る。

(;゚益●)「!!?」


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:55:32.59 ID:RWWeQLbwO

ブーンは拳銃の引き金を引く。
ジョルジュも拳銃の引き金を引いた。
弾丸はデビーの体に当たり、互いに届かない。

( ゚ω゚)「……ッ」
  _
( ゚∀゚)「やるッ」

(;゚益●)「ヴッ」

デビーは最後に大量の血を吐いて絶命した。
血を浴びながら、ブーンは倒れ掛かってくるデビーの服を掴んだ。
デビーの亡骸を盾にしながらブーンは後退する。
  _
( ゚∀゚)「おい」

ジョルジュの声がするが、姿は見えない。
デビーに気を取られた隙に、何処かへ身を隠したようだ。



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 22:58:27.29 ID:RWWeQLbwO

いつの間にか他の客の姿は見えなくなっていた。
マスターが裏口へ向かっていくのが視界の隅に映る。
  _
( ゚∀゚)「テメェは誰だ? 雇い主はデュポネか、ドライ・ジンか、アンゴスチュラか?」

ジョルジュはブーンに問いかける。

( ゚ω゚)「僕は……」

少しの間を置いてブーンは答えた。

( ゚ω゚)「復讐者だお!!」


―――



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:06:33.77 ID:RWWeQLbwO

デビーの亡骸から手を離し、更に後退した。

( ゚ω゚)「奴は……、ジョルジュは何処だお……」

酒場の柱の影に隠れながらジョルジュの気配を探る。
瞬間、ナマスで精神を擦られるような感覚に襲われた。

( ゚ω゚)「……?」

カチリと微かな金属音が聞こえた。
撃鉄を起こす音とは違うようだ。

(;゚ω゚)「ッ!」

無意識に脳が体に指令を送る。
ブーンはその場から飛び退く。
同時に炸裂音が辺りに響き渡った。



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:10:44.59 ID:RWWeQLbwO

見ると、さっきまでブーンが身を隠していた柱の一部が、抉り取られるように削れていた。

(;゚ω゚)「これは……」
  _
( ゚∀゚)「チッ、外したか」

ジョルジュは手にした銃の下部をスライドさせる。
側面から薬莢が排出され、床に転がった。

(;゚ω゚)「ショットガンかおッ!」
  _
( ゚∀゚)「もっと、楽しませろよッ!」

そして、再び銃口がブーンに向けられる。



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:14:35.38 ID:RWWeQLbwO

(;゚ω゚)「くッ……」

反射的にに奥のカウンターに飛び込む。
次の瞬間、撃ち出された無数の弾丸が並べられた酒瓶を粉々にした。

(;゚ω゚)「わあああああ!!?」

頭を抱えてその場で小さくなり、降り注ぐガラス片を防いだ。
  _
( ゚∀゚)「小僧、さっきの威勢はどうした?
   臆病風に吹かれたかッ!」

ジョルジュは次弾を装填し、引き金を引く。
カウンターの板が吹き飛び、穴が空いた。



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:19:11.79 ID:RWWeQLbwO

(;゚ω゚)「……ッ」

顔を上げる。
どうやらまだ生きているようだ。
  _
( ゚∀゚)「ハズしたか」

穴が空いた場所はブーンから二歩半離れていた。

(;゚ω゚)「……」

ショットガンを相手に屋内で銃撃戦を展開するのは自殺行為に他ならない。
ブーンは、何とか酒場から出て今の状況から脱する方法を考える。


―――



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:21:13.76 ID:RWWeQLbwO


('A`)「銃声?」

ワッフル村の入り口付近でドクオは銃声を耳にした。

('A`)「まさかな……」

馬と荷物をその場に残し、ドクオは村に足を踏み入れる。
拳銃のグリップを掴み、いつでも抜ける状態にした。

('A`)「……」

少しずつだが銃声が近付く。
村人の姿は見当たらない。
ドクオは歩を早めた。

('A`)「ここか……」



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:25:14.02 ID:RWWeQLbwO

銃声がした場所、酒場の前に立つ。
中から二人か三人の気配を感じる。
ドクオは拳銃を抜き、身を低くして近付く。

('A`)「ん?」

微かな金属音が聞こえる。
その後に誰かの駆け出す足音が続く。

('A`)「!?」

一際大きな銃声が酒場から響き渡る。
それと殆同時に、窓を突き破って人が飛び出してきた。

?「おおおおお!!」

(;'A`)「ぉあ!」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:29:45.24 ID:RWWeQLbwO

酒場の窓を突き破って出て来たのはブーンだった。

(;'A`)「ブーン!?」

( ゚ω゚)「ドクオ……?」

ブーンは起き上がり、ドクオに気づき少し驚きの表情を見せる。

(;'A`)「なんか凄い事になってんな」

( ^ω^)「説明してる暇は無いお……」

酒場の中から先程と同じような微かな金属音が聞こえた。



40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:33:29.58 ID:RWWeQLbwO

酒場の中から先程と同じような微かな金属音が聞こえた。

( ^ω^)「横に飛ぶお」

(;'A`)「は?」

(;^ω^)「早くッ!」

(;'A`)「あだッ!」

ブーンは、ドクオに体当たりするようにして無理やりその場から飛び退かせた。
次の瞬間、大きな銃声と共に酒場の壁の一部が弾け飛んだ。

;'A`)「なんだコレ!?」

( ^ω^)「ショットガンだお。とにかく間合いを……!」

体勢を立て直し、酒場から離れて物陰に身を潜める。
直後、酒場の出入り口からゆっくりと一人の男が出て来た。


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:38:46.55 ID:RWWeQLbwO

('A`)「あいつは、誰だ? マッド・バズじゃないみたいだけど……」

( ^ω^)「あいつはジョルジュ……、ジョルジュ・ダスター・ブルーだお」

(;'A`)「ジョルジュ・ダスター・ブルーって……。
   それってAランクの……荒野の狼の一人じゃねえか」

ブーンは拳銃の弾を装填しながら返す。

( ^ω^)「そう……、僕の村を全てを奪っていった奴だお」




42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/03/30(日) 23:40:04.48 ID:RWWeQLbwO

【8th:ワッフル村の戦い】 fin


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