内藤エスカルゴ - 完結作品一覧 - ( ^ω^)カウボーイなようです - 【4th:ゆらり】

( ^ω^)カウボーイなようです

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:27:10.96 ID:w11YqiOqO

【4th:ゆらり】



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:28:15.52 ID:w11YqiOqO


僕らは、広場のザザの街全体の見取り図の前に立ちレッドに街について小一時間説明していた。

( ^ω^)「えと……、僕らが居る広場がここ、そしてこの街道がザザのメインストリートだお」

見取り図の下方、太めの道を指す。

('A`)「今俺達が居るここを含んだ大商業区全体を南区、んで西区は居住地と宿泊施設が集中してる」

面倒くさそうに見取り図下方全体と、西側の範囲を指し示す。
ドクオはかなり機嫌が悪そうに見える。

( ^ω^)「東区は工業やら産業の中心と港が、中央区は富豪やら貴族、豪族の居住施設になってるお」

西区とは逆位置の東区と、見取り図の中心を指し示す。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:34:48.91 ID:w11YqiOqO

('A`)「んで北区は政党区だ。政治家、つまり糞共の集まってる場所だな……」

言い終わるとドクオは溜め息を吐いた。

ノパ听)「デュポネ、ドライ・ジン、アンゴスチュラの奴らは何処に?」

('A`)「幹部共が各区画に散らばってるっぽい。
   頭の奴らは政党区に居るって噂があるけど定かじゃないね……」

ノパ听)「ふーん」



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:37:08.30 ID:w11YqiOqO

( ^ω^)「あと……、街の外周をぐるりと囲むように鉄道が通ってるんだお」

ノパ听)「鉄道ってアレか? 煙吐きながら轟音上げて走るやつ?
   近くで見たこと無いんだよなぁ……」

( ^ω^)「一緒に行ってみますかお?」

('A`)「何で一緒になんだよ?」

ドクオが悪態をつく。



8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:38:40.38 ID:w11YqiOqO

(;^ω^)「とりあえず……、ザザの街の簡単な説明は以上ですお」

ノパ听)「ふむ……、今一理解しにくい説明だったけど一応例を言っとくよ」

('A`)「一応かい……」

( ^ω^)「どうもですお」

ノパ听)「さて……」

いつの間にやら、太陽は頭の真上まで昇っている。

('A`)「ハラへった」

下っ腹をさすりながらドクオが呟いた。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:41:58.54 ID:w11YqiOqO

( ^ω^)「お昼にするお?」

ノパ听)「一緒に良いかな?」

( ^ω^)「どーぞどーぞ」

('A`)「説明終わったんだからもう一緒に居なくて良いんじゃ?」

ノパ听)「何だ? そんなにアタシが気に食わないのかガキんちょ」

('A`)「ガキんちょ言うな。俺にはドクオって名前があるんだ」

ノパ听)「あ、そう」

('A`)「くぉの……」



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:42:44.15 ID:w11YqiOqO

(;^ω^)「と、ともかく何か食べに行くお」

二人の背を押して広場を後にした。


−−−



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:45:45.50 ID:w11YqiOqO


街道を進んでいき路地へ入っていく。

ノパ听)「どこ行く気なのさ?」

( ^ω^)「安くてウマい店だお」

('A`)「だけど空席だらけなんだ」

ノパ听)「安くてウマいのに?」

( ^ω^)「店員さんが変なんだお」

ノパ听)「?」

路地をしばらく進んで行く。



13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:48:11.62 ID:w11YqiOqO

('A`)「着いたよ」

目の前には看板の傾いた古ぼけた建物。

ノハ;゚听)「……廃屋?」

( ^ω^)「それっぽいけど違うお」

('A`)「行こ行こ」

ドクオがドアノブを回し、店の中へさっさと入っていった。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:48:47.24 ID:w11YqiOqO

ノパ听)「なんか気が引けるなぁ……」

( ^ω^)「とりあえず入るお」

ドクオに続き、二人も店の中へ入っていく。


−−−



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:52:55.16 ID:w11YqiOqO


('、`*川「いらっしゃ〜い」

店内に入ると、どこかポワっとした雰囲気の女性がカウンターから出迎えてくれた。

ヽ(*'∀`)ノ「ペニサスさ〜ん☆」

( ^ω^)「いらっしゃいましたお」

ノパ听)「何だ普通じゃん。一人変になってるけど……」

ヽ(*'∀`)ノ「ペニサスさん☆ ペニサスさん☆」

('、`*川「あらあら、まぁまぁ」

ドクオはペニサスと呼ばれた女性の正面の席へ腰掛けている。



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:55:36.39 ID:w11YqiOqO

('、`*川「とりあえず、注文を聞こうかしら?」

ヽ(*'∀`)ノ「いつものパスタで!」

ブーンとレッドもその横の椅子に腰を掛けた。
メニューは壁に掛けてある。

( ^ω^)「えと、いつものピッツァを頼みますお」

('、`*川「はいはい。えーっと、そちらのお嬢さんは?」

ノパ听)「丸パンとチーズ、あとカボチャのスープをお願いします」

('、`*川「ちょっと待っててねぇ?」

ペニサスは店の裏手へパタパタと消えていった。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:56:35.07 ID:w11YqiOqO

ノパ听)「作りに行ったのかな?」

( ^ω^)「作らせに行ったんですお」

ノパ听)「……作らせに?」

('A`)「あぁ……、あのオッサンか……」
ノパ听)「お、元に戻ってる」

しばらくして、ペニサスがカウンターに戻ってきた。

('、`*川「すぐ出来るから待っててねぇ」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 01:58:03.76 ID:w11YqiOqO

ヽ(*'∀`)ノ「は〜い☆」

ノハ;゚听)「またか!?」

( ^ω^)「気にしたら負けだお」

数分後、店の奥から一人のダンディな男が顔を覗かせた。

 _、_
( ,_ノ` )「なんだ、またガキ共かよ……、と?
   珍しいな。見ない顔客が一人居るじゃねぇか……」

ノハ;゚听)「!?」

('、`*川「何ぃ? 料理はもう出来たのぉ?」



20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 02:00:36.56 ID:w11YqiOqO
 _、_
( ,_ノ` )「いや……、もう少しだ」

('、`*川「なら裏戻りなさいよぉ」
 _、_
( ,_ノ` )「おう」

('、`*川「『おう』じゃないでしょ? 『はい』でしょ?」
 _、_
( ,_ノ` )「……はい」

ダンディな男は裏手へ消えていった。



21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 02:02:31.78 ID:w11YqiOqO

ノハ;゚听)「い、今のは?」

('、`*川「今のぉ? アレは私の旦那ぁ」

ノハ;゚听)「旦那……」

( ^ω^)「相変わらずだお」

('、`*川「アレは仕事遅くて困っちゃうのよねぇ。
   ブーンちゃん手伝ってよぉ」

(;^ω^)「ぼ、僕は僕でやる事が沢山あるんで……」

('、`*川「あら残念、ならそちらのお嬢さんはどうかしらぁ?」

ノパ听)「……遠慮しときます」

水の注がれたコップを傾ける。



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 02:06:10.06 ID:w11YqiOqO
 _、_
( ,_ノ` )「出来たぜ?」

そうこうしているとさっきのダンディな旦那がトレーに料理を乗せて、裏から出てきた。

('、`*川「遅かったわねぇ」
 _、_
( ,_ノ` )「……」

ダンディな旦那は表情を崩さない。

( ^ω^)「まぁまぁ」

ノパ听)「とりあえず料理を……」

ヽ(*'∀`)ノ「キャッキャッ☆」



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 02:06:39.35 ID:w11YqiOqO

その後、何事もなく僕らは昼食を終えて店をあとにした。
出かけ旦那さんが裏に引きずられていったように見えたがその事は別の話。


−−−



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 02:13:44.78 ID:w11YqiOqO


街道に出た。
商業区の外れだからか、人通りは少ない。

ノパ听)「さて、買い物して帰るかな」

言いながらレッドは靴裏を鳴らす。

( ^ω^)「ん〜、僕らは……」

('A`)「行ってくれば? 俺は腰痛いから帰って寝るけど」

(;^ω^)「ほぁ!?」



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 02:15:36.47 ID:w11YqiOqO

('A`)「買いだめてた食糧も残り少なくなってきてたしね」

ノパ听)「丁度良いじゃん。ついでに安い店とか教えてくれると助かるよ!」

(;^ω^)「おぉ!?」

('A`)ノシ「チーズは甘いのな〜!」

返事をする間もなく、レッドに腕を引かれてドクオとはそこで別れることになった。



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 02:16:17.43 ID:w11YqiOqO

('A`)「……」

二人を見送り、ドクオポケットを漁ってコインを一枚取り出す。
それを右手の親指で弾き、左手の甲に乗せて右手を被せた。

('A`)「裏か表か……」

そして被せた右手をゆっくりと放す。

コインは表側。

それを確認すると僅かに表情を曇らせる。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 02:17:40.65 ID:w11YqiOqO

('A`)「帰ろ」

コインをポケットに戻し、宿へと足を向けた。




31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/07(木) 02:18:28.66 ID:w11YqiOqO

【4th:ゆらり】 fin



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