( ^ω^)カウボーイなようです 【1st:街U】

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 20:36:54.22 ID:DzSuOfBzO

【1st:街U】



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 20:37:42.35 ID:DzSuOfBzO


私達はザザという大きな街へやってきた。

( ΦωΦ)「さぁ、着いたぞ」

「ここがザザ……、全てが集まる場所か……」

私は辺りを見渡す。

数え切れない人々が街道を行き交う。
立ち並ぶ店には数々の商品が並び、街全体が活気に溢れている。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 20:38:44.32 ID:DzSuOfBzO


( ΦωΦ)「どうだ?」

「どうって……、大した感想は無いよ」

そう言って視線を逸らした。

( ΦωΦ)「相変わらずだな……」

「そんな事よりも早く眠りたい」

( ΦωΦ)「そうか……、では我が輩は用事を済ませてくるからホテルの方へ行っててくれ。
   地図のこの場所に行って我が輩の名を出せば部屋に案内してもらえる筈だ」

そう言ってロマネスクは紙切れを渡すと人ごみの中へ消えていった。


−−−



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 20:40:01.76 ID:DzSuOfBzO


私はロマネスクに渡された紙切れに記された地図の通りに街を歩き回る。

「……」

歩き回る。

「……」

立ち止まる。

「迷った……」

地図の通りに歩いた筈が人気のない所に迷い込んでしまったようだ。

「どうするかな」

その場で腕を組み考え込む。



28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 20:41:10.45 ID:DzSuOfBzO


しばらく考え込んでいると背後から声をかけられた。

?「ちょっと、良いですかお……?」

「……?」

私は後ろへ振り向く。

(;^ω^)「何というか……、その……」

そこには青年が一人佇んでいた。

「はっきりと言ってくれないかな?」



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 20:43:51.71 ID:DzSuOfBzO


(;^ω^)「お名前を……伺ってもよろしいですかお?」

何を言うかと考えを巡らしていたが、予想外の言葉に一瞬間が空いた。

「何故、見ず知らずの者に名を名乗る必要があるんだ?」

(;^ω^)「あうあう……」

青年はただひたすらにどもるだけだ。

「面倒な奴だ……」

?「何やってんだブーン?」

今度は何だと、別の声がした方へ視線を向ける。
そこには目つきの悪い少年が立っていた。

(;^ω^)「あっ、ドクオ!」

('A`)「あっ、ドクオ! じゃねーよ……」



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 20:46:40.24 ID:DzSuOfBzO


ドクオと呼ばれた少年がブーンと呼ばれた青年の襟をムンズと捕まえた。

('A`)「連れが迷惑かけてすみませんね……」

「いや、大丈夫だ」

('A`)「そうですか……、それじゃこれで。ほら行くよ!」

淡泊な返事を返し、ドクオはブーンを引きずるようにしてこの場から離れていく。

(;^ω^)「痛いお! 放せお!」

二人はそのまま去っていった。

少年が青年を負かすとは、世も末か。
そんな事を考えてフッと溜め息を吐いた。


−−−



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 20:47:23.57 ID:DzSuOfBzO


( ΦωΦ)「ここに居たか……」

いつの間にやらロマネスクが横に立っていた。

「何がここに居たか、ですか? いったい何ですかね、あの地図は?」

落胆の色を込めた視線をロマネスクに向けた。

(;ΦωΦ)「そんな目で見るな」

「宿、行きましょう……」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 20:48:49.62 ID:DzSuOfBzO


(;ΦωΦ)「むぅ……。所で、今のは誰だ?」

ロマネスクの後を着いて行きながら話をする。

「知りませんよ……、名前を聞かれたぐらいです」

( ΦωΦ)「ナンパか?」

またこのオッサンは変な事を言う。

「そういう……、類じゃなかったみたいですね」



34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 20:50:07.27 ID:DzSuOfBzO


( ΦωΦ)「なんだツマラン」

「……」

再び落胆の色を込めた視線を向ける。

(;ΦωΦ)「だから、そんな目で見るな……」

そうこうしていると宿に着いたようだ。

外観は何処にでもありそうなホテルといった所か。



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 20:52:22.70 ID:DzSuOfBzO


「いらっしゃい……、ん?
   おぉ……、ロマネスクの旦那じゃないか」

( ΦωΦ)「久しぶりだな」

「おや? お連れの方は綺麗なお嬢さんですねぇ〜、コレですか?」

ホテルの受付の小太りの男が小指を立てた。
オッサンという生き物はどれも同じ思考を持ち得ているのだろうか。

( ΦωΦ)「いや……、血の繋がりは無いが娘みたいなものだ。
   それより、部屋を頼む」

「なんだツマラン。で……、そちらのお嬢さんの名前は?」



37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 20:54:40.14 ID:DzSuOfBzO


( ΦωΦ)「うむ……、レッド・バセットだ」

ノハ--)「眠い……」

今は、只ひたすらに眠い。
早くベッドへ身を沈めたいものだ。


−−−



38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 20:58:36.49 ID:DzSuOfBzO


一方、安ホテルの自分達の部屋へ戻ったこちらの二人は。

(;^ω^)「う〜ん……」

('A`)「なんだ? ウンコか?」

(;^ω^)「違うお!」

('A`)「じゃ、アレか? さっきの女か?」

(;^ω^)「そう……、だお」

('A`)「何だ、ブーンは年上が好みだったのか」

(;^ω^)「まぁ、年上の人が良いけど……、そうじゃなくて」

('A`)「んぁ?」



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 21:00:36.07 ID:DzSuOfBzO


(;^ω^)「……やっぱいいお」

口から出かけた言葉を胸にとどめた。

('A`)「は?」

(;^ω^)「きっと、気のせいだお」

自分に言い聞かせるように僕は呟いた。

あの人は死んだ。
生きているはずが無いのだと−−−





40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/03(木) 21:00:52.72 ID:DzSuOfBzO

【1st:街U】 fin




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